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㊵三公爵

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この国の王族の特徴は金髪碧眼
近くで見る事が無ければ瞳はただの碧眼に見えるが実際は金色の虹彩が入りひどく珍しい

基本的に貴族とあれば後継ぎ、スペアと呼ばれる後継ぎに何か有った場合の為の次男、他家との縁を結ぶ為の長女の3人は産めよ育てよと言われて久しく、今上陛下も長男、長女、次男で産まれ、長男が継いだ。

そして王族2人の内、妹姫は三家の内の一公、マルチネット家へ降嫁され、次男の王子殿下は昔、王族が家を興したものの、血が薄まり子に黄色系統の虹彩が出なかったルシュミール公爵家へ養子で入った

直系で無くとも出るが、直系は何故か確実に金色の虹彩が入るのだ

この特徴的な瞳は他家と混ざれば混ざる程、消える事は解っており、また幼い頃からの親戚付き合いで気心も知れた者同士の従兄弟や従姉妹なら問題無いとされ近親で婚姻が結ばれる事が多い。

ただ、近親の血の為か子が出来ない場合も有るのだが、変なトラブルを起こさぬように後妻はあっても愛人を儲ける事などは本来遠慮し、しない。

現在、もう一公のアルカディアには息子が2人居る為、姉妹しか居ないマルチネット家へ歳の近いルトランが婿に入り、アルカディア家は次男が継ぐ事で今回の王家婚約についての話し合いが纏められた。

先ず王家が優先。確実な瞳を持つ歳の近い公爵令嬢が居て即決で決まった

血を引き継がせる為に子の意思は介入していない。ルトランの弟マリオンはまだ5歳なので婚約者はまた産まれた子達から考えるか、他家から娶るかは後回しにされた。

第一王子、第二王子と王妃殿下から産まれた正統な血筋を持つ両殿下は金色碧眼に金の虹彩も入っている

「だから普通に考えれば第一王子のベルナンディウス様が王位を継ぐと考えられ、カサンドラ様が婚約者になった」

「はい。お歳も近いですし、そうなりますわね」

義兄と食後のお茶をラウンジで嗜みながら頷く

改めて国の継承権について突然話され始めた。勿論、黙って伺います

「では次に我が国の東と西に隣接する国についてだが」

東は間も無く第三王子殿下が行かれるアンザスタン帝国。武に赴きを置いている活気溢れる国だ

「髪色は赤や茶など温暖を感じる色が、瞳は翡翠が帝国だと好まれるのでミカエリス様には最適だろう」

確かに第三王子は濃いブラウンの髪と翠の瞳、そして側妃殿下様と似た可愛らしい顔立ちだからより受け入れ易かったに違いない

「では西は、と言えばフォーレット皇国。智を重んじ、有り余る知識で国を統べている、と言われている。髪色はブルーシルバーそして瞳は我が国と同じく碧眼が好まれる」

そこで一息吐かれたので此処からが本題なのだと悟る
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