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㊱囲まれました

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「お久しぶりですね、レンファラン様」

ドリンクコーナーに向かう途中、後ろから可愛らしいお声が。背筋を伸ばし姿勢を整えて身体ごと向きを変える

「カルデナ様!お久しぶりにございます。ご婚約パーティーぶりでしょうか?お逢い出来て嬉しいですわ」

鈴を鳴らしたような、透き通る透明感溢れるお声。傷みなど経験した事無いのではと思う程、片側だけ纏められたシルバーブロンドはサラサラと流れて美しい

王家の瞳で姉のカサンドラ様と同じ色合いなのにかたや絶世の貫禄美女。こなた、まるで絵本の妖精の如くの愛らしさだ

「来年から一緒に過ごせるの楽しみね、気楽にカルデナと呼んでちょうだい?わたくしもレンファって呼んでも良いかしら」

にこにこ可愛らしく頷きながら仲良くなりたい貴族に有った時の定型文でご挨拶くださる

同じ悪役令嬢ではあるが、私と違いアニメでは
婚約破棄時は儚く嘆かれ、ルトラン公爵子息も心苦し気に謝って、ネットでは【なら、泣かせんなよ】【あんな可愛い子の何がダメなんだ】【私が貰うわ】と大変賑やかでしたっけ。
逆ヒロインの愛称をお持ちの令嬢、カルデナ様。と今、思えばクロフォード侯爵の悪役令嬢も担っていたのが私、レンファランて、事?

…流石にざまぁされて喜ばれるはずね

「勿論です、あっお話かたも砕けて良いかしら?」

「ええ、勿論。ね、レンファは何を飲むの?」

2人でドリンクコーナーを眺める。色んな産地の紅茶や果樹100%の搾りたてジュース
キラキラしたシャンパンなども保護者向けにおいてある

あれこれ飲みたいのをキャッキャッしながら選ぶのは楽しい。
これこれー、このふわふわキャッキャッは妃殿下仲間のお二方とは出来ないから、何時もより笑顔倍増で桃やらオレンジのジュースに口付けた

ホール中央は生演奏に合わせたダンスを誰とでも楽しめる。婚約者様かご家族かパートナーとファーストダンスをしたら、申し込みが有れば知らない人でも受けれる。
カルデナはもう、ルトラン様と踊り終わって休憩らしい。ルトラン様は義兄様の所か。

視線に気づかれたので軽くお辞儀しておく。この視線にどれだけ気づけるか、神経を磨り減らしつつ磨くのが貴族である

可愛らしいカルデナは大人気で若い令嬢方がそわそわしながら近づくのはちょっと怖い。じわじわ気付くと背後に、ドリンクを取りに来ましたと言う程で。だるまさんが転んだかな?

ドリンクや飲食スペースはダンスを誘うのはパートナーか家族以外NGで、ただ食べたい、飲みたいなら此処。
誘ってOKは窓寄りに丸テーブル席を何個も儲けられてる。
座りたいだけなら控え室も入り口脇に用意があるから付き添いに来た保護者はそちらに食事なりを運ばせ休憩、夫人だけしか入れないラウンジも有るから至れり尽くせりだ
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