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⑩不穏と至福
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夜遅くにお茶の誘いを、しかも使者まで待たせてると有ればかなり緊急な要件に違いない
私は黙って受けとると見慣れた白百合の華紋を認め、丁寧に封蝋を開け素早く中身を確認する
妃殿下教育終了後に第二王子の執務室でお茶をするらしい。
ルシュミール様、中々ファンキーなお誘い過ぎる
第二王子は大好きな義兄の仕える王子で、豪華な綺麗系女神を婚約者に持つ、正直羨ましいメインヒーロー。
たまに王城で会えば軽く挨拶する仲だ
それがいきなり執務室である。何かしら緊急な事態なのだろうが、ひっ久しぶりに白目剥いて倒れそう…
さすがに即答出来なくてクロフォード兄さまの場所を訪ねると執務室にいるようだ
明日渡す予定日の書類を纏め立ち上がる
上等な便箋の中でも白い小花がちりばめられている物を選び書類に重ねて足早に兄の執務室へ向かうと珍しく返答前に扉が開いて予想外の近さのご尊顔に倒れそうになったのも当たり前に抱きしめてくれた
あ、昇天する
では無く、息を整えお詫びを告げると柔らかな笑顔でそのままソファーまでエスコート、完璧です私の推し
「来客が来たままだからね、なにか有った?」
「こちらを…」
まずは華紋に頷き、中の手紙に目を通す
自分の仕える王子の婚約者ともなれば警戒を解いてもおかしくはないが簡潔過ぎるお誘いになにこれ?と豆鉄砲を喰らったかのような顔を向けた
「お茶の誘い、です」
一応、笑顔を浮かべてみる
「うん?なるほど?」
「内容は存じあげませんが多分、緊急の要件に思われます。ですが、さすがに指定場所が場所ですので兄さまに伺いに来ましたの」
「それはそうだな。俺が居るのも解ってそこの指定なんだろうからお受けして良いよ」
義兄の許可を得て少し机を借り返事を認めた
侯爵家の華紋を封蝋で押して完成である
封筒も各家のオリジナル封筒があるので緊急時には使い易い
友達と気軽な内容ならオリジナルじゃない可愛い封筒も良い
でも今回はこれを使う
一緒に着いて来てくれたメイドには夜なのにごめんなさいね、とコインと一緒に手紙を渡した
驚いていたが頷きすぐに挨拶をして踵を返した
フットワークの軽い良いメイドである
最推しにも夜分に申し訳ないと言いつつ背後からソファー越しに抱きしめた
妹なので、妹の特権なのでね
ちなみに提出書類は手紙ついでにどさくさ紛れにおいて部屋を出た
時は金なり
寿命は明日あるとは限らない
持論です。
明日に備えゆっくり休んで臨戦態勢に望みましょう。
私は黙って受けとると見慣れた白百合の華紋を認め、丁寧に封蝋を開け素早く中身を確認する
妃殿下教育終了後に第二王子の執務室でお茶をするらしい。
ルシュミール様、中々ファンキーなお誘い過ぎる
第二王子は大好きな義兄の仕える王子で、豪華な綺麗系女神を婚約者に持つ、正直羨ましいメインヒーロー。
たまに王城で会えば軽く挨拶する仲だ
それがいきなり執務室である。何かしら緊急な事態なのだろうが、ひっ久しぶりに白目剥いて倒れそう…
さすがに即答出来なくてクロフォード兄さまの場所を訪ねると執務室にいるようだ
明日渡す予定日の書類を纏め立ち上がる
上等な便箋の中でも白い小花がちりばめられている物を選び書類に重ねて足早に兄の執務室へ向かうと珍しく返答前に扉が開いて予想外の近さのご尊顔に倒れそうになったのも当たり前に抱きしめてくれた
あ、昇天する
では無く、息を整えお詫びを告げると柔らかな笑顔でそのままソファーまでエスコート、完璧です私の推し
「来客が来たままだからね、なにか有った?」
「こちらを…」
まずは華紋に頷き、中の手紙に目を通す
自分の仕える王子の婚約者ともなれば警戒を解いてもおかしくはないが簡潔過ぎるお誘いになにこれ?と豆鉄砲を喰らったかのような顔を向けた
「お茶の誘い、です」
一応、笑顔を浮かべてみる
「うん?なるほど?」
「内容は存じあげませんが多分、緊急の要件に思われます。ですが、さすがに指定場所が場所ですので兄さまに伺いに来ましたの」
「それはそうだな。俺が居るのも解ってそこの指定なんだろうからお受けして良いよ」
義兄の許可を得て少し机を借り返事を認めた
侯爵家の華紋を封蝋で押して完成である
封筒も各家のオリジナル封筒があるので緊急時には使い易い
友達と気軽な内容ならオリジナルじゃない可愛い封筒も良い
でも今回はこれを使う
一緒に着いて来てくれたメイドには夜なのにごめんなさいね、とコインと一緒に手紙を渡した
驚いていたが頷きすぐに挨拶をして踵を返した
フットワークの軽い良いメイドである
最推しにも夜分に申し訳ないと言いつつ背後からソファー越しに抱きしめた
妹なので、妹の特権なのでね
ちなみに提出書類は手紙ついでにどさくさ紛れにおいて部屋を出た
時は金なり
寿命は明日あるとは限らない
持論です。
明日に備えゆっくり休んで臨戦態勢に望みましょう。
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