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⑨血の繋がりは瞳に在る

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私の母の父、つまりお祖父様と前侯爵様は兄弟
しかも双子の兄弟で、お祖父様はここで産まれ育った

成長し、ひいお祖父様はひいお祖母様と結婚した功績で国から授かっていた伯爵の爵位と領地をお祖父様に渡しお祖父様は伯爵になった。
お祖父様は伯父様と母を子になったら儲けたから母と侯爵さまは従兄弟だし、お祖父様は可愛い甥が大好きで前侯爵夫人が亡くなる前も来ていたし、亡くなった後は特に心配してちょくちょく来ていた。
お祖父様と義お婆さまは同じ親戚の伯爵家でも立場が違う
同じようにいくら元貴族で義母さまの友人で現平民だからと言っても貴女と私の母では立場が違う

そこまで言ってようやく私の顔をきちんと見た使用人は侯爵と同じ瞳を持つ私の事を見詰め、項垂れた。

夫人、義母さまと同級生だったけれど3歳歳下の母の事は知らなかったのね

この1件から使用人の対応は変わった
今まで表面に出さないもののどこか不満気だった使用人たちが、きちんとこの家の令嬢として見るようになったのだ

平民上がりと侮っていた若いメイドも理解してからは文句を言うことが無い

これで父の子爵家が口出しに来たら何か言われても仕方ないのだけど、子爵家の伯父様方は墓参りで領地に立ち寄るのと新年の祝いなどに王都へ顔出した時に先触れをきちんと出した上での挨拶に留め、宿は母の伯爵家の王都邸へ泊めさせて頂いているようだったから誰も何も言えないのだった


学園が始まれば王子妃殿下教育も厳しくなるし、邸内が落ちついて良かったと思ったのが3年前
2年前に義父が亡くなり、義兄が引き継ぎ領地と王都を行き来して最近なんとか領地の運営も形になって生活出来るようになっていた
本来、王子の婚約者で無ければ私が領地、にいさまが王都でもう少し早く落ちついたはず、あんな王子の為にアニメでは現を抜かして贅沢三昧で着飾り、傲慢だったのだから当然、義兄に嫌われてしまったが、義兄命の私が妹になったから義兄至上主義万歳で多分そこまで煙たがられては居ないはず。

領地も二毛作やら肥料改善やら土壌調査やらで多少の災害時に備えた食料の備蓄も出来たし、出来る限り自然の花の匂いがする石鹸、シャンプーコンディショナーは公爵のお姉さま方のお陰で売り上げも良い
その資金をまた領地改革に使うのよ

ところで来年から学園生活始まるのだけど殿下はどうされるのかしらね
まず、迎えは来ないでしょうし、お昼の食事も一緒に取らないでしょう。
ヒロインが転入して来るのを待つしかないか

アニメ通りならヒロインは距離が遠すぎて数日遅れで兄の学年に新入生として迎えられる隣国の留学生なのだ

夜、自室で黙々と書類整理をしていたらノックと共に私の侍女マーヤが入って来た

「お嬢様にお茶のお誘いのお手紙が届いております。急遽になってしまったので申し訳ないのですがお返事だけ下さいと使いの方が待っておりますがどうされますか?」と
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