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第二部 ―青空かすむ怠惰の魔女―
ep.13 本作の趣旨と目標について、今一度おさらい。
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※ここまでの道筋(~ep.12)
アガーレールの住宅地、そのうちのサリイシュ宅が見えてきた頃には、空は既に昼へと差し掛かっていた。
今回、新たに発見したクリスタルからヘルと若葉を解放し、改めてこの国について説明する必要がある。今、僕達の身に何が起こっているのかを伝え、気を落ち着かせる事が大事だ。
「魂の解放?」
と、ヘルが反芻した。
今はジョン、キャミ、礼治が先に戻っているため、ここは僕が説明に入る。
「うん。上界の三柱と俺、アゲハ、マニー以外の仲間全員が、どういうわけかあの日、クリスタルチャームに封印されてしまったらしい。だから、まずは何故かこの異世界へと飛ばされた皆を全員解放し、今回の謎の真相究明に取り掛かろうってわけ」
「ほう。その様子だと、神々でさえ理由が分からず混乱しているみたいだな」
「えー? 神なのに、知らないなんて事あるの? それか、三柱のうちの誰かがウソでもついてんじゃね?」
と、おいおい若葉ハッキリ言いすぎ! もっとこう、手心というか、オブラートにだな。
ぶっちゃけ、正直殆どの傍観者が内心思った事かもしれないけど、僕としてはあまり疑いの目を向けたくないのが本音である。神様に失礼だからね。
そんなこんなで、僕達はサリイシュ宅前へと到着した。
僕がここ異世界で、最初にスポーンした場所。玄関から2人の若者が顔を出した。
「いらっしゃい」「はじめまして」
サリバとイシュタだ。
今回は礼治がいたので出番がなかったものの、普段はここで緩やかに暮らしながら、仲間の魂が封印されたチャームを見つけ次第「おまじない」で解放するという、重要な役割を担っている。ヘル達が挨拶を返した。
「ヘルだ。こっちはバディの若葉。よろしく」
「オッスオッス。この世界にも人間っているんだね」
「今のところ、先住民のニンゲンはこの2人だけだけどね。あとは俺達を除いて、この国の住民はドワーフ族とハーフリングくらいかな」
「…他でチラホラ建っている家の大きさからして、そんな気はしていたよ。で、あの丘の上に見える建物が、アゲハ達の住む王宮と」
そういって、ヘルが近くの丘を見上げた。
手前の木々に少し隠れているけど、そこからひょっこり顔を出している屋根、そしてここからの距離からして、一際大きい建造物である事が分かる。
「お2人も、クリスタルチャームに閉じ込められていたんだよね? で、解放したのは…」
サリバが辺りを見渡すが、今その「代わりに解放した人」は、ここにはいない。
一方で、イシュタは自らの掌を、憂いそうな目で見つめていた。
「その神々と同じ力を、僕達が持っていたなんて――。子供の頃から、石碑とかに閉じ込められた妖精さんを解放するのに使ってきた力だけど、未だに実感が湧かないな」
「うん… そうだね。当たり前のように持っているこの力が、いざ神々と同じものだって言われるとね」
僕はそんな2人を見て、思った。
本当に、この子たちは一体何者なのだろう?
先住民のニンゲンだって事や、この世界のホモ・サピエンスが魔力を多く持つ種族だって事は知ってるんだけど、そんな2人の「出生」についてはまだまだ謎が多いのだ。
彼女達の実の両親はどんな人達なのだろう? とか、なぜこの世界では人間が2人しか確認されていないのだろう? とか。
そりゃあ、今日までの出来事を見てきた身からすれば知りたくて仕方がない。
そんな重々しい空気を打ち砕くように、次に若葉がこう切り出した。
「で? そんなセリナ達が今やるべき事って、さっき自分達が制圧したあの石橋の向こうの主を何とかして、シアンを解放するって話だったっけ?」
「そうなんだよ。だけどアゲハ達曰く、チアノーゼは敵対勢力の中でもかなり地位が高く、おまけにメチャクチャ強いらしい。だから、出来るだけ穏便に説得で済ませたいんだと」
「はぁ? マジでいってんのそれ!?」
と、若葉が怪訝な表情で首を傾げた。
おっと?
その様子だと、もしかしてこの2人、チアノーゼの件で何か知っているな!?
すると、ここはヘルも溜め息交じりに腕を組み、こう告げた。
「それは、無理があるんじゃないかな。でなきゃ今頃、あの組織の幹部にはなっていない」
「そうなの?」
「あぁ。俺も若葉も、あの悪魔達の体内に閉じ込められる前に少しだけ、チアノーゼの様子を見た事がある。あの女はとても慈悲深く、かつ、一度決めた信念は絶対に曲げないんだ」
「うんうん。吸血鬼だから昼は籠りがちな分、警戒心も強いしねー。
まぁ、言い換えればゴリゴリの『優性思想』というか? あいつ、対象者が生まれた時点で劣性だったり、後からデカい傷や障害を負ったり、そういうのを見かけたらすぐ殺処分を仕掛ける女だよ? 説得とかフツーに無理じゃね?」
「えぇぇぇぇ!?」
僕は驚きと同時に、嫌な確信を抱いた。
そのチアノーゼとかいう女、とんでもなく頑固なシリアルキラーだ! しかもただの「殺しに快楽を覚えたから」とかではない。曲がりなりにも、ちゃんと理由に筋が通っている。
だからさっき、あのジョナサンも言ったんだな。「今の俺達が勝てる相手じゃない!」と… あ、そういう意味じゃない?
しかしこれには僕だけでなく、サリバとイシュタも恐怖で後ずさりする始末。
だけど、ある意味デカい収穫ではないだろうか。あの富沢とは大違いの、悪い意味で有能なチアノーゼの近くにいたヘル達から、敵対勢力について色々訊けるチャンスだぞ。
「一応聞くけど、どうしてアゲハ達は説得という形で、事を穏便に済ませたいと?」
と、ヘル。僕は顎をしゃくった。
「それが、少し前にこの国が突然フェデュートに襲撃されたのをきっかけに、マニーが一時期敵の内部に潜入して、判明した事らしいんだけど…
相手は、倉庫にミサイルとか巨大な兵器とかを、大量にストックしているらしい。それらを使われるのだけは避けるべく、まずは仲間達の解放を急ぎたいのだそうだ」
「そうか… 言い方はあれだが、今の話を聞く限り、この国はまだ軍を率いるほどの勢力を持っていないみたいだな。相手国との交渉もうまくいっていない、と」
うぐぅ。今の指摘をアゲハが聞いたら、何も言い返せなくてメチャクチャ悔しい表情を浮かべそう。さっきから痛いとこ突くなぁ。
いやでも、アゲハはすごく頑張った方なんだって!
マニーと合流するまでずっと孤独の中、先住民達から受け入れられるよう努力して、この国が出来上がったんだぞ! サリイシュからもそう聞いているし。
「とりあえず、事情はアゲハ達から直接聞いた方が早そうだな。どちらにせよ、仲間全員を解放しない分には、元きた世界やその他諸々を見つけてもすぐには帰れないだろう」
「しかしさぁ、まさかお別れ会の最中でこんな事になるなんて、思ってもみなかったよ! あ、そうだ。セリナにこれ分け与えようっと」
そうだった、僕すっかり忘れてた。
こうしてヘル達みたいに新たにクリスタルチャームを見つけ、魂を解放した暁には、なぜかその人達の手に渡ってしまっているこの僕・芹名アキラの能力を返してもらうんだった。
そうする事で、僕の本来の力はどんどん戻っていくし、各自能力を保有したまま仲間は増えていくしで、良い事尽くめなのだ。
僕はヘルと若葉による魔法返却を前に、静かに身構えた。
あー!!
そういえば、あのジョナサンからまだ僕の能力を返してもらってないじゃん!
てゆうか、僕にもくれよその予知能力!
(つづく)
アガーレールの住宅地、そのうちのサリイシュ宅が見えてきた頃には、空は既に昼へと差し掛かっていた。
今回、新たに発見したクリスタルからヘルと若葉を解放し、改めてこの国について説明する必要がある。今、僕達の身に何が起こっているのかを伝え、気を落ち着かせる事が大事だ。
「魂の解放?」
と、ヘルが反芻した。
今はジョン、キャミ、礼治が先に戻っているため、ここは僕が説明に入る。
「うん。上界の三柱と俺、アゲハ、マニー以外の仲間全員が、どういうわけかあの日、クリスタルチャームに封印されてしまったらしい。だから、まずは何故かこの異世界へと飛ばされた皆を全員解放し、今回の謎の真相究明に取り掛かろうってわけ」
「ほう。その様子だと、神々でさえ理由が分からず混乱しているみたいだな」
「えー? 神なのに、知らないなんて事あるの? それか、三柱のうちの誰かがウソでもついてんじゃね?」
と、おいおい若葉ハッキリ言いすぎ! もっとこう、手心というか、オブラートにだな。
ぶっちゃけ、正直殆どの傍観者が内心思った事かもしれないけど、僕としてはあまり疑いの目を向けたくないのが本音である。神様に失礼だからね。
そんなこんなで、僕達はサリイシュ宅前へと到着した。
僕がここ異世界で、最初にスポーンした場所。玄関から2人の若者が顔を出した。
「いらっしゃい」「はじめまして」
サリバとイシュタだ。
今回は礼治がいたので出番がなかったものの、普段はここで緩やかに暮らしながら、仲間の魂が封印されたチャームを見つけ次第「おまじない」で解放するという、重要な役割を担っている。ヘル達が挨拶を返した。
「ヘルだ。こっちはバディの若葉。よろしく」
「オッスオッス。この世界にも人間っているんだね」
「今のところ、先住民のニンゲンはこの2人だけだけどね。あとは俺達を除いて、この国の住民はドワーフ族とハーフリングくらいかな」
「…他でチラホラ建っている家の大きさからして、そんな気はしていたよ。で、あの丘の上に見える建物が、アゲハ達の住む王宮と」
そういって、ヘルが近くの丘を見上げた。
手前の木々に少し隠れているけど、そこからひょっこり顔を出している屋根、そしてここからの距離からして、一際大きい建造物である事が分かる。
「お2人も、クリスタルチャームに閉じ込められていたんだよね? で、解放したのは…」
サリバが辺りを見渡すが、今その「代わりに解放した人」は、ここにはいない。
一方で、イシュタは自らの掌を、憂いそうな目で見つめていた。
「その神々と同じ力を、僕達が持っていたなんて――。子供の頃から、石碑とかに閉じ込められた妖精さんを解放するのに使ってきた力だけど、未だに実感が湧かないな」
「うん… そうだね。当たり前のように持っているこの力が、いざ神々と同じものだって言われるとね」
僕はそんな2人を見て、思った。
本当に、この子たちは一体何者なのだろう?
先住民のニンゲンだって事や、この世界のホモ・サピエンスが魔力を多く持つ種族だって事は知ってるんだけど、そんな2人の「出生」についてはまだまだ謎が多いのだ。
彼女達の実の両親はどんな人達なのだろう? とか、なぜこの世界では人間が2人しか確認されていないのだろう? とか。
そりゃあ、今日までの出来事を見てきた身からすれば知りたくて仕方がない。
そんな重々しい空気を打ち砕くように、次に若葉がこう切り出した。
「で? そんなセリナ達が今やるべき事って、さっき自分達が制圧したあの石橋の向こうの主を何とかして、シアンを解放するって話だったっけ?」
「そうなんだよ。だけどアゲハ達曰く、チアノーゼは敵対勢力の中でもかなり地位が高く、おまけにメチャクチャ強いらしい。だから、出来るだけ穏便に説得で済ませたいんだと」
「はぁ? マジでいってんのそれ!?」
と、若葉が怪訝な表情で首を傾げた。
おっと?
その様子だと、もしかしてこの2人、チアノーゼの件で何か知っているな!?
すると、ここはヘルも溜め息交じりに腕を組み、こう告げた。
「それは、無理があるんじゃないかな。でなきゃ今頃、あの組織の幹部にはなっていない」
「そうなの?」
「あぁ。俺も若葉も、あの悪魔達の体内に閉じ込められる前に少しだけ、チアノーゼの様子を見た事がある。あの女はとても慈悲深く、かつ、一度決めた信念は絶対に曲げないんだ」
「うんうん。吸血鬼だから昼は籠りがちな分、警戒心も強いしねー。
まぁ、言い換えればゴリゴリの『優性思想』というか? あいつ、対象者が生まれた時点で劣性だったり、後からデカい傷や障害を負ったり、そういうのを見かけたらすぐ殺処分を仕掛ける女だよ? 説得とかフツーに無理じゃね?」
「えぇぇぇぇ!?」
僕は驚きと同時に、嫌な確信を抱いた。
そのチアノーゼとかいう女、とんでもなく頑固なシリアルキラーだ! しかもただの「殺しに快楽を覚えたから」とかではない。曲がりなりにも、ちゃんと理由に筋が通っている。
だからさっき、あのジョナサンも言ったんだな。「今の俺達が勝てる相手じゃない!」と… あ、そういう意味じゃない?
しかしこれには僕だけでなく、サリバとイシュタも恐怖で後ずさりする始末。
だけど、ある意味デカい収穫ではないだろうか。あの富沢とは大違いの、悪い意味で有能なチアノーゼの近くにいたヘル達から、敵対勢力について色々訊けるチャンスだぞ。
「一応聞くけど、どうしてアゲハ達は説得という形で、事を穏便に済ませたいと?」
と、ヘル。僕は顎をしゃくった。
「それが、少し前にこの国が突然フェデュートに襲撃されたのをきっかけに、マニーが一時期敵の内部に潜入して、判明した事らしいんだけど…
相手は、倉庫にミサイルとか巨大な兵器とかを、大量にストックしているらしい。それらを使われるのだけは避けるべく、まずは仲間達の解放を急ぎたいのだそうだ」
「そうか… 言い方はあれだが、今の話を聞く限り、この国はまだ軍を率いるほどの勢力を持っていないみたいだな。相手国との交渉もうまくいっていない、と」
うぐぅ。今の指摘をアゲハが聞いたら、何も言い返せなくてメチャクチャ悔しい表情を浮かべそう。さっきから痛いとこ突くなぁ。
いやでも、アゲハはすごく頑張った方なんだって!
マニーと合流するまでずっと孤独の中、先住民達から受け入れられるよう努力して、この国が出来上がったんだぞ! サリイシュからもそう聞いているし。
「とりあえず、事情はアゲハ達から直接聞いた方が早そうだな。どちらにせよ、仲間全員を解放しない分には、元きた世界やその他諸々を見つけてもすぐには帰れないだろう」
「しかしさぁ、まさかお別れ会の最中でこんな事になるなんて、思ってもみなかったよ! あ、そうだ。セリナにこれ分け与えようっと」
そうだった、僕すっかり忘れてた。
こうしてヘル達みたいに新たにクリスタルチャームを見つけ、魂を解放した暁には、なぜかその人達の手に渡ってしまっているこの僕・芹名アキラの能力を返してもらうんだった。
そうする事で、僕の本来の力はどんどん戻っていくし、各自能力を保有したまま仲間は増えていくしで、良い事尽くめなのだ。
僕はヘルと若葉による魔法返却を前に、静かに身構えた。
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