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4 狼さんはぺろぺろがすき
しおりを挟む「は、え?」
いきなりの事に頭は真っ白。
ビリビリの服の残骸を器用に取り除き僕ははだかんぼ。
食べるのかと思いきや嬉しそうに尻尾をパタパタとさせながら僕の足の先をはぐはぐぺろぺろ。
「くすぐったいし、足汚いよ。」
そんな言葉をかけるが狼さんが言う事を聞くわけなく足の指を一本一本ねぶるように舐めてくる。
指の股を舐められると腰がぴくぴくと動く。仰向けで爪先、かかとそしてふくらはぎへとどんどん上へ上がってくるのが恥ずかしくて、思わず体を捻ると太ももから腰周りへ狼さんの舌が這い回る。
くすぐったいだけじゃない。もぞもぞしてぞわぞわして心臓がぎゅっとする。
僕の洩れてしまう声と狼さんのハッハッという荒い呼吸、そして僅かな水音。
他に何も聞こえなくてこの世界に僕と狼さんだけしかいないような錯覚をしてしまいそうだ。
大方舐めて満足気な様子の狼さん。全身びちょびちょに濡れて息も絶え絶えに丸まる僕をみてぐるると喉を鳴らす。
やっと終わった…深呼吸していると、しっとりとした毛並みが足に触る。コロリと仰向けに転がされそのまま片足を床につくほど開かれて血の気が引いた。
「狼さん、そこは、舐めないで、ね?」
何で?とばかりに僅かに小首を傾げ、どんどん顔が近づいてくる。
「ひゃッ」
僕の足の付け根に顔を埋め、鼻先を押し付ける。
身を捩って逃げようにも狼さんさんにしっかりと足を押さえられていて動けない。それにそんなところを鼻先でぐりぐりされたら。
「アッ、や、あっ」
先ほどまでのぺろぺろ攻撃で少し反応してしまっていたのは知っている。
「うぁ、狼さんなめられて、おちんちんたっちゃった…ふぇ、」
そもそも性に対しては淡白だと思う。しっかりと性教育を受けたわけではないけど、勃起するようになったら自慰をするようにタカギに言われ、やり方は教わっていた。それでもなかなか勃起せず、精通したのもタカギが隣国へ嫁いでから。
それからたまに朝起きると兆しており、義務のように片手で擦って精を吐き出す事もあればそのまま放置する事もある。
それなのに、僕のおちんちんは完全に勃起してしまっていてぴくぴくと震えている。
動物に体を舐められて触られて勃起するなんて、変態というものではないのか。
「クゥン」と気にするような声がして泣いてしまったからかと目線を下げてちょっぴり後悔した。
狼さんは心配そうな顔をして涙を溢す僕のおちんちんを見ていた。
そしてそのまま狼さんの真っ赤な舌が伸びてくるのをスローモーションのように見つめていた。
少しざらついた大きな舌に下から上へゆっくりと舐めあげられただけで我慢出来ずにぴゅくりと白濁を飛ばしてしまう。
腹にまで飛んだそれを狼さんは綺麗に舐めとり、「ぐるぅ」と満足そうに喉を鳴らす。
お腹こわすから飲んじゃだめ、と言いたいのに言葉にならないのは一度精を放ったにも関わらずおちんちんをかまい倒す狼さんのせい。
小さな二つの玉を優しく舌で転がし筋をなぞり、先端の穴まで舌先を上手く使って愛撫される。
時折見える牙が怖く思えないのは何故だろう。
自分が変態かも、と悲しくなった筈なのに今はこの気持ち良い事を追いかけるのに必死で。
「アァッ、も、だめッ。またっ」
2回目の精を吐き出した。
捕まれていた足を離されても閉じる力が入らずはしたなく広げたままで、ハフハフと乱れた呼吸を整える。
狼さんはさっきからとても楽しそう。フンフンと僕の匂いを嗅ぎまくり、次は背中、とばかりに転がされる。
もうここまで来ると、どうでもいいやという気持ちになってしまいされるがままになる。
背中に来ると思っていた鼻先がぼくのお尻へ向けられていると気づいたのは鼻先を後ろから股ぐらに突っ込まれてフンフンとされてからだった。そこはさすがに、と言う前に肛門をぺろりと舐められぞわりとする。
足に力が入らず喉もカラカラで、狼さんの舌が優しく優しく這い回る。
腕を必死に伸ばして鼻先を叩くように押しやると、またしても寂しげな声を出す。「クゥン、クゥン」と伺うように鳴かれるとどうしても弱い。狼さんに二度射精させられ、気だるさもあってついつい許してしまう。
「もー、じゃあいいよ。ちょっとだけね。」
ぺたりと顔をつけて目を閉じる。それにしてもこの狼さんは人のおちんちんやお尻の穴なんて舐めて何が楽しいのだろうか。
全部自分の匂いにして食べたいのだろうか。
悩んでいながらもぴちゃぴちゃと後ろで音がしだして、考えられなくなってくる。
たまにおちんちんの方にまで舌が伸びてくるのだ。
二度出したのにムクムクとまた育ってきて、こんなに節操なかったのかと呆然とする。
くちゅりと音がして舌先が僅かに入り込む。くちゅくちゅと出入りするそれは腰がそわそわとして排泄とはまた違う不思議な感覚がする。
少しずつ少しずつグッと押し付けられて直ぐに出ていく。
入り込む長さがどんどん増えてくるのがわかる。
狼さんの舌が半分も入る頃には僕は震える足に力を入れて膝をつき、お尻を少し上げてできた隙間に片手を差し込んで一心不乱に擦り上げていた。
狼さんの艶々とした毛並み。触るとしっとり柔らかい。いつの間に寝ていたのだろうか。
閉じた瞼の中が明るい、もう朝なのか。
ふかふかのあったかい毛布も離れがたいけど頬に触れる毛並みを堪能したくてゆっくりと目を開いた。
そこにいるはずの漆黒の毛並みのさみしがりな狼さんはいない。
それにここは何処だろう。
僕のボロボロの塔ではなくて、何だかキラキラしているお部屋。
今寝ているベッドも大きくてフカフカしている。
それに…それにこの人は誰だろう。さっきからずーっと目が合ってるけど睨むような表情が動かなくてちょっぴり怖い。
髪は漆黒で狼さんと一緒だけど癖っ毛なのか僅かにウェーブしている。顎にも短く髪が生えていて触ってみるとショリショリと硬い。
「おぉっ」
これは髭ではないだろうか。初めて髭の生えてる人を見た。そして触った。タカギ以外の人とこんなに近い距離にいるのは初めてで思わずさわさわと顔を触ってしまうと少しだけ眉を下げる。
狼さんの方が表情豊かだな。
この人顔は怖いけど、何故か優しく抱き締めてくれているし、少しずり下がって胸の辺りに顔を押し付けてもう少し眠る事にした。
恐る恐るといった風に頭を撫でてくれて、くふふと笑みが漏れる。
見上げれば変わらず無表情。でも髪と一緒で漆黒の瞳を見つめれば誰かわかるよ。狼さんの方が表情豊かなんて面白い。
「狼さん、おやすみなさい」
抱き締める腕がピクッと動いて、それに気を良くして眠りについた。
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