最強剣士異世界で無双する

夢見叶

文字の大きさ
上 下
70 / 162
セレモニア王国編 第3章王都奪還

第69話 VSエメル 2

しおりを挟む
 俺はエメルと話している最中にあることをしていた。

「こりもせずにまた正面からかくるとはな」

 少しため息交じりに俺を見て言ってくる。

「さっきの俺と同じだと思わないで下さいね」

 そのまま右手に持っていた剛炎剣で切りかかる。それを先程と同じように動かず待ち受けるエメル。

「逃げなくていいんですか?」

「何故逃げる必要がある? さっきお前の攻撃が私に通じない事が証明された所じゃないか」

 エメルは余裕の表情を浮かべている。

 思った通りである。魔族の一部の者達は魔法反射の事を知っているみたいだがそれ以外の事は知らないと思った。そのため剣に魔法無効化の魔法を使って来たのだろう。それに気づいたのは、剣流していた魔力が消えた時に、発動し続けていた気配察知や魔力察知は消えなかった。だからもしかしたらと思い、さっきこの城を囲むように闇魔法無効化を付与した結界を張ってみた。

 だからこそ俺はあえて正面からか攻撃を仕掛けている。そうすれば先程と同じ高津をエメルが取ってくると思ったからである。

 だがここまでお待ったとおりに動いてくれるとは思わなかった。

 攻撃が当たる直前に剣に強度アップ・切れ味アップ・魔法反射・効果二倍を付与した。

 何も気づいていない。

 俺はエメルの左手めがけて剣を振り下ろす。当たった瞬間に左腕が吹き飛んだ。

「何をした」

 先程までの余裕の表情は無くなり、歯を食いしばり切られた腕を押さえながらこちらを睨んでいる」

「切っただけですが何か?」

 意味が分らないと顔をしている。よっぽど自分の防御力に自信があったのだろう。

「そんなバカな事があるか。お前は魔法が使えないはずだ」

「何を言っているのですか? 魔法ならほら」

 剣に魔力を流して炎を出してみせる。

 驚いているエメル。

「そんな事が、私は確かにお前の剣にディスペルの魔法を掛けたはずだ。それなのに何故?」

 なるほど、魔法を無力化していた魔法はディスペルと言うのか。

「それじゃそろそろこの戦いも終わりにしましょうか」

「そうだね。私はそろそろおいとまさせてもらおうかな」

 セシルと同じように霧化して逃げようとしている。だが魔族がこの王都何にいる限り霧化することが出来ない。

「何故特性が発動しない」

 かなり焦っている。

「さよなら」

 その言葉と同時に剣を振り下ろした。

「ダークシールド」

 俺の攻撃を防ごうと何か魔法を発動しようと何かを呟いていたが何も起こらない。

 そのまま俺の剣はエメルを真っ二つに切り裂いた。

 何のとか勝てた。でもその瞬間に俺は倒れてしまった。





「やった~!!」

 ケンイチが勝った。途中はどうなるかと思ったけどやっぱりケンイチの方だった。

 私の心の中に嬉しい気持ちとホットした気持ちの両方があった。でもそれは一瞬で不安へと変わってしまった。

 それは、さっきまで目の前で戦っていたケンイチが倒れてしまったからである。

「ケンイチ、ケンイチ返事しなさい!!」

 呼びかけても返事が返ってこない。動かない。

 一体何が起きたのか分らない。でも今はそれよりも、

「エメル様がやられたぞ」

「ああ、だが今がチャンスだ」

「そうだ。あいつを倒すぞ。そして次の幹部になるぞ」

「お前何抜け駆けしようとしてるんだよ。先にあいつを倒すのは俺だよ」

 魔族達がいろいろと話している。

 今は、そんな事どうでもいい。それよりもケンイチを守らないとダメだ。

 気づいたら私はケンイチの側に近寄っていた。目には涙が浮かんでいた。

「ケンイチ、ケンイチ起きて」

 体を揺すってみるが反応が無い。何とか呼吸はしているようだがこのままではまずい。

 私はケンイチの体に触れて魔力を流す。

「元気になってよ。じゃないと私どうしていいか分らないじゃないのよ」

 涙が止まらない。どうしたんだろ。

 手で涙を拭きながら立ち上がった。

「雷装」

 雷の鎧と剣を構えて向かってくる魔族達と戦う。

「今ケンイチを守れるのは私だけ。それなら全力で守るだけよ」

 ここまでの戦い、私はケンイチ君に守ってもらってばかりだった。最初の多くの魔族との戦いの時も私はケンイチに守られていた。セシルとの戦いの時も私をかばってくれた。今回ももそうだった。

 だから今度は私がケンイチ君を助ける番なんだ。

 その思いを胸に刻みながら襲ってくる魔族達と戦っていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

神様に転生させてもらった元社畜はチート能力で異世界に革命をおこす。賢者の石の無限魔力と召喚術の組み合わせって最強では!?

不死じゃない不死鳥(ただのニワトリ)
ファンタジー
●あらすじ ブラック企業に勤め過労死してしまった、斉藤タクマ。36歳。彼は神様によってチート能力をもらい異世界に転生をさせてもらう。 賢者の石による魔力無限と、万能な召喚獣を呼べる召喚術。この二つのチートを使いつつ、危機に瀕した猫人族達の村を発展させていく物語。だんだんと村は発展していき他の町とも交易をはじめゆくゆくは大きな大国に!? フェンリルにスライム、猫耳少女、エルフにグータラ娘などいろいろ登場人物に振り回されながらも異世界を楽しんでいきたいと思います。 タイトル変えました。 旧題、賢者の石による無限魔力+最強召喚術による、異世界のんびりスローライフ。~猫人族の村はいずれ大国へと成り上がる~ ※R15は保険です。異世界転生、内政モノです。 あまりシリアスにするつもりもありません。 またタンタンと進みますのでよろしくお願いします。 感想、お気に入りをいただけると執筆の励みになります。 よろしくお願いします。 想像以上に多くの方に読んでいただけており、戸惑っております。本当にありがとうございます。 ※カクヨムさんでも連載はじめました。

ごめんみんな先に異世界行ってるよ1年後また会おう

味噌汁食べれる
ファンタジー
主人公佐藤 翔太はクラスみんなより1年も早く異世界に、行ってしまう。みんなよりも1年早く異世界に行ってしまうそして転移場所は、世界樹で最強スキルを実でゲット?スキルを奪いながら最強へ、そして勇者召喚、それは、クラスのみんなだった。クラスのみんなが頑張っているときに、主人公は、自由気ままに生きていく

銀色の精霊族と鬼の騎士団長

BL
 スイは義兄に狂った愛情を注がれ、屋敷に監禁される日々を送っていた。そんなスイを救い出したのが王国最強の騎士団長エリトだった。スイはエリトに溺愛されて一緒に暮らしていたが、とある理由でエリトの前から姿を消した。  それから四年。スイは遠く離れた町で結界をはる仕事をして生計を立てていたが、どうやらエリトはまだ自分を探しているらしい。なのに仕事の都合で騎士団のいる王都に異動になってしまった!見つかったら今度こそ逃げられない。全力で逃げなくては。  捕まえたい執着美形攻めと、逃げたい訳ありきれいめ受けの攻防戦。 ※流血表現あり。エリトは鬼族(吸血鬼)なので主人公の血を好みます。 ※予告なく性描写が入ります。 ※一部メイン攻め以外との性描写あり。総受け気味。 ※シリアスもありますが基本的に明るめのお話です。 ※ムーンライトノベルスにも掲載しています。

茶番には付き合っていられません

わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。 婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。 これではまるで私の方が邪魔者だ。 苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。 どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。 彼が何をしたいのかさっぱり分からない。 もうこんな茶番に付き合っていられない。 そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。

まさか転生? 

花菱
ファンタジー
気付いたら異世界?  しかも身体が? 一体どうなってるの… あれ?でも…… 滑舌かなり悪く、ご都合主義のお話。 初めてなので作者にも今後どうなっていくのか分からない……

スキルポイントが無限で全振りしても余るため、他に使ってみます

銀狐
ファンタジー
病気で17歳という若さで亡くなってしまった橘 勇輝。 死んだ際に3つの能力を手に入れ、別の世界に行けることになった。 そこで手に入れた能力でスキルポイントを無限にできる。 そのため、いろいろなスキルをカンストさせてみようと思いました。 ※10万文字が超えそうなので、長編にしました。

スキル運で、運がいい俺を追放したギルドは倒産したけど、俺の庭にダンジョン出来て億稼いでます。~ラッキー~

暁 とと
ファンタジー
スキル運のおかげでドロップ率や宝箱のアイテムに対する運が良く、確率の低いアイテムをドロップしたり、激レアな武器を宝箱から出したりすることが出来る佐藤はギルドを辞めさられた。  しかし、佐藤の庭にダンジョンが出来たので億を稼ぐことが出来ます。 もう、戻ってきてと言われても無駄です。こっちは、億稼いでいるので。

【完結】キノコ転生〜森のキノコは成り上がれない〜

鏑木 うりこ
BL
シメジ以下と言われ死んでしまった俺は気がつくと、秋の森でほんわりしていた。  弱い毒キノコ(菌糸類)になってしまった俺は冬を越せるのか?  毒キノコ受けと言う戸惑う設定で進んで行きます。少しサイコな回もあります。 完結致しました。 物凄くゆるいです。 設定もゆるいです。 シリアスは基本的家出して帰って来ません。 キノコだけどR18です。公園でキノコを見かけたので書きました。作者は疲れていませんよ?\(^-^)/  短篇詐欺になっていたのでタグ変えました_(:3 」∠)_キノコでこんなに引っ張るとは誰が予想したでしょうか?  このお話は小説家になろう様にも投稿しております。 アンダルシュ様Twitter企画 お月見《うちの子》推し会に小話があります。 お題・お月見⇒https://www.alphapolis.co.jp/novel/804656690/606544354

処理中です...