家に美少女連れてきた!!

青い箱

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5泊目 かわいい〜//

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「ズボンはこれとこれ!」

 小野さんの手にはジーパンと暖かそうな茶色のズボンがあった。
「いいと思うよ。上の服はどんなのにした?」

「これとこれだね!」
 白いものと黒い物。
「ふむふむ。上着は?」
「ふっふっふっー。上着が一番オシャレだよ。じゃじゃーん!」
 水色のコートと、灰色のパーカー。
「たしかにオシャレだな。」
「でしょー。」

 会計が終わり、フードコートの椅子で母さんを待つことになった。あと少しで終わるそうだ。なら今のうちに渡しとくべきか。

「小野さん。これ、あげる」
「っ!いいの…?」
「うん」
「開けてみるね。わっ!かわいい~//」

 その中身はマフラー。どんなマフラーにしたらいいか分からなかったから、薄い水色と白いマフラーにした。

「ありがとう!とってもかわいいよこれ!それに私の選んだ上着にどっちも合うしね!」
「喜んでもらえたみたいでよかったよ。」

 良かった。喜んでもらえて。

 マフラーを渡してしばらくしてから母さんが来た。あと少しって嘘だったのかよ。
「ちゃんと買えたー?」
「はい!お陰様で!」

 テンション高くないか?僕の気のせいかな。まあいいや、帰ろう。
 もう外は暗かった。まだ6時くらいなのに。早いなー。


 家に帰ると父さんが横になっていた。
「一人って寂しいな」
 父さん…そういや置いてきたんだっけ。たしかにあの置いて行き方は自然すぎて酷かったかもしれない。
 申し訳なさを感じつつ
「まあまあ、一人は一人なりの良さがあるって」
 と、良い感じのことを言っておいた。

 そうして僕は部屋に戻るととある事を思い出した。


 中間テスト。え、いつだっけ。富田に聞くか。

 富田健吾
「中間テストいつだっけ?」
「お前それくらい把握しとけよな」
「2日後だよ。月曜日」
「ありがとう」

 まじかまじか。これはやばくないか?
 なぜ僕がここまで焦っているかというと、小野さんが問題を抱えているからだ。
 僕は最終的に小野さんには帰ってもらいたい。親の事は協力してなんとかするつもりだが、親に立ち向かうだけの自信などを用意するのはできない。
 そこで必要になってくるのが成功体験だ。だから小野さんにテストで成功してもらおうと思っていたんだが、あと少ししか日数がないならきつい。

 それに勉強ができない。勉強ができない人がちょっと頑張ったくらいで点数が上がるわけがない。

「まあ、足掻かないよりも足掻いた方がいいよな。」

そう言って僕は小野さんの部屋に向かうのだった。
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