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番外編.My sunshine *澪 21歳
あなたがいないと、世界が曇る。④
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「黎の好きな子が、誤解しちゃうよ?」
子どものパパ役も買って出てくれたので、
あまりにも申し訳なくてそれを止めたら、黎は少しだけ寂しそうに笑った。
「ちょうどいいんだよ。俺、ちゃんと付き合えないし、キスできないしな」
黎はそりゃあモテていて、山のように女の子たちが寄ってきていたけれど、
誰とも真剣に付き合っていないようだった。
その理由は聞かなかったけど、高校生の時に初めてしたデザインに関係があるような気がする。
どんなに請われても商品化しない、幻のデザインと言われているあの図案を、黎は今も大切に持っている。
本当の父親の名前を一字もらって「斗哉」と名付けた子どもは、
黎に愛されてすくすく育った。
黎のミニチュアみたいで、生意気で可愛くて、黎みたいな大人になってほしい、と思う。
あれから、先生には一度も会っていない。
「…会いたい?」
連絡を絶って、それまでの人間関係を全て切ったのに、先生は黎の元に行き着いたらしい。
「会いたいなら、…」
黎に聞かれたけど、首を横に振った。
『…鳥濱優斗議員、初入閣。地元や幅広い世代から圧倒的な支持を受ける優斗議員は、第2次内閣改造の目玉として国民の期待が高まっています』
もう、二度と会わなくていい。
健康で、仕事と家庭を大切にして、あの少年みたいな瞳をずっと持ち続けていてほしい。
先生には感謝しかない。
あの時、私の孤独を埋めてくれたのは確かに先生だった。
黎のデザイン事務所を手伝いながら、日々穏やかに、斗哉と静かに暮らしていた私の前に、
「澪っ‼ 待たせてごめん。結婚しよっ‼」
5年ぶりに、唐突に瑛多が現れた。
再会の第一声がそれ。
相変わらず快活でバカで笑顔で。
私を泣かせる、私の太陽。
「一人にしてごめんな。外国チームとの契約が終わって、日本のチームと契約したから。もう俺、ちゃんと澪を支えられるから」
何にも変わっていない。
私は罪を犯して汚れ切って、違う男の子どもがいるのに。
「澪はずっと俺の世界一だよ。何があっても変わらない。澪が好きだよ。澪だけが好きだよ」
瑛多は私の過去を探ろうとはしなかった。
私に幻滅した風でもなく、斗哉の存在もあっさり受け入れた。
「斗哉、俺、お前のお父さんになっていい?」
「パパのがカッコイイ。パパのがセンスもイイ」
斗哉は、気に入った人にはなぜか物言いが辛らつになる。
「ダサおじ?」
「お前――っ、ちっちゃい黎みたいな顔して可愛すぎるだろう‼」
笑顔で抱きしめる瑛多に斗哉はすんなり懐いた。
太陽みたいに温かい瑛多を拒める人なんていない。
いないけど、…
「俺、引っ越すから。瑛多と仲良くな」
私が自分を許せなくて瑛多に素直になれないのに、黎がさっさとマンションを出て行ってしまった。
私、ずるすぎる。
黎にも瑛多にも迷惑しかかけてない。
「俺、澪なら何でもいいから。一緒にいよ? もう、絶対置いて行ったりしないから」
私がぐずぐずしているうちに、瑛多はどんどん私の中に入ってきて、
悩みや迷いを明るく照らす。
「えーた、パパよりかっこよくないからダメなんじゃない?」
「黎かぁ~。お前、そんな奴、この世にいないべ?」
「ボクはえーたでもいいけど」
「斗哉は素直でいい子だなっ」
楽しそうな瑛多と斗哉を見ていると、その優しさに甘えたくなる。
もしも許されるなら、瑛多の手を取りたくなる。
「…もう。自分を許してあげたら」
黎が本当に取り持ってくれて、今では両親も斗哉を可愛がってくれている。
私だけがこんなに幸せで、やっぱりずるい気がするんだけど、…
子どものパパ役も買って出てくれたので、
あまりにも申し訳なくてそれを止めたら、黎は少しだけ寂しそうに笑った。
「ちょうどいいんだよ。俺、ちゃんと付き合えないし、キスできないしな」
黎はそりゃあモテていて、山のように女の子たちが寄ってきていたけれど、
誰とも真剣に付き合っていないようだった。
その理由は聞かなかったけど、高校生の時に初めてしたデザインに関係があるような気がする。
どんなに請われても商品化しない、幻のデザインと言われているあの図案を、黎は今も大切に持っている。
本当の父親の名前を一字もらって「斗哉」と名付けた子どもは、
黎に愛されてすくすく育った。
黎のミニチュアみたいで、生意気で可愛くて、黎みたいな大人になってほしい、と思う。
あれから、先生には一度も会っていない。
「…会いたい?」
連絡を絶って、それまでの人間関係を全て切ったのに、先生は黎の元に行き着いたらしい。
「会いたいなら、…」
黎に聞かれたけど、首を横に振った。
『…鳥濱優斗議員、初入閣。地元や幅広い世代から圧倒的な支持を受ける優斗議員は、第2次内閣改造の目玉として国民の期待が高まっています』
もう、二度と会わなくていい。
健康で、仕事と家庭を大切にして、あの少年みたいな瞳をずっと持ち続けていてほしい。
先生には感謝しかない。
あの時、私の孤独を埋めてくれたのは確かに先生だった。
黎のデザイン事務所を手伝いながら、日々穏やかに、斗哉と静かに暮らしていた私の前に、
「澪っ‼ 待たせてごめん。結婚しよっ‼」
5年ぶりに、唐突に瑛多が現れた。
再会の第一声がそれ。
相変わらず快活でバカで笑顔で。
私を泣かせる、私の太陽。
「一人にしてごめんな。外国チームとの契約が終わって、日本のチームと契約したから。もう俺、ちゃんと澪を支えられるから」
何にも変わっていない。
私は罪を犯して汚れ切って、違う男の子どもがいるのに。
「澪はずっと俺の世界一だよ。何があっても変わらない。澪が好きだよ。澪だけが好きだよ」
瑛多は私の過去を探ろうとはしなかった。
私に幻滅した風でもなく、斗哉の存在もあっさり受け入れた。
「斗哉、俺、お前のお父さんになっていい?」
「パパのがカッコイイ。パパのがセンスもイイ」
斗哉は、気に入った人にはなぜか物言いが辛らつになる。
「ダサおじ?」
「お前――っ、ちっちゃい黎みたいな顔して可愛すぎるだろう‼」
笑顔で抱きしめる瑛多に斗哉はすんなり懐いた。
太陽みたいに温かい瑛多を拒める人なんていない。
いないけど、…
「俺、引っ越すから。瑛多と仲良くな」
私が自分を許せなくて瑛多に素直になれないのに、黎がさっさとマンションを出て行ってしまった。
私、ずるすぎる。
黎にも瑛多にも迷惑しかかけてない。
「俺、澪なら何でもいいから。一緒にいよ? もう、絶対置いて行ったりしないから」
私がぐずぐずしているうちに、瑛多はどんどん私の中に入ってきて、
悩みや迷いを明るく照らす。
「えーた、パパよりかっこよくないからダメなんじゃない?」
「黎かぁ~。お前、そんな奴、この世にいないべ?」
「ボクはえーたでもいいけど」
「斗哉は素直でいい子だなっ」
楽しそうな瑛多と斗哉を見ていると、その優しさに甘えたくなる。
もしも許されるなら、瑛多の手を取りたくなる。
「…もう。自分を許してあげたら」
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