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hage.23

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『復縁!校門チューにサルもメロメロ!』

登校すると、また号外が配られてたから、新聞部を捕まえて締め上げておいた。

オレはサルじゃねーっ

「でも、良かったね、アイ。仲直りできて」

チナツが上機嫌で、オレに昆布を差し出してくる。
オレが美容と健康のために食べていると勘違いしているチナツは、
「アイって意外とオトメだよね」とリツキみたいなことを言ってたけど、「おやつ昆布」の威力に最近すっかりはまってしまったらしい。

「それにしても、リツキくん、独占欲強いよね。そんな威嚇しなくてもね~? タクくん、ショックが大き過ぎて立ち直りも早かったらしいよ?」

チナツが楽しそうに笑う。

なんだ、それ?

しかし、思い返すとめちゃくそ恥ずいな。
あんな目立つトコでしなくてもいいよな。

『浮気したら、公開キス』

リツキって頭沸いてね?

つか、浮気って、さー…。

「OK. Everybody, please repeat after me」

流暢な英語を話すカワシマを見ると、胸の奥がチクチクする。
なんつーか、負けた気分になる。

カワシマは授業後、リツキに声をかけなくなった。
ただ、切なそうに目を向ける。
そしてチラっとオレを見る。
特に何にも言われないけど、…だけど。

「カワシマさ~、大人げないよね」

机に突っ伏してると、チナツがオレの頭をなでてくれた。

嬉しいけど、ちょっとヒヤヒヤする。
この体勢はハゲが発覚する危険がデカいかもしれない。

恐る恐る顔を上げると、

「でもぉ、リツキくん、金のリボンなんて結んじゃってさ~。
全然心配することないよ」

チナツが優しく笑っていた。

「…でも、オレ、ヤッてねぇ」

自分でも情けなくなるような声が出た。

「だからイイんじゃんっ!どこで、とか、どんな、とか。いちいちドキドキして楽しいんじゃんっ」

こぶしを握りしめて力説するチナツ。

そうかぁ?

「彼氏の過去は、まぁ、気になるけどさ。大事なのは今だし。それに、…」

チナツがオレに近づいて耳打ちする。

「あのカワシマがメロメロなんだもん。リツキくん、絶対上手だよ」

急速に顔が熱くなる。
上手、って。上手って。

チラっとリツキを見ると、ヤツがこっちを見ていて、ばっちり目があった。

うおおっ! 頭を冷やせ、オレっ

「アイ?大丈夫?」

机に額をぶつけ始めたオレにチナツが慌てて、手を出す。

そういや、リツキはキスも上手いような気がする。

あの勢いで迫られたら、オレ…

うおおお~っ

「アイっ?」

…オレが頭沸いてるのかも。
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