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第三部 俺のハーレム・パーティはやっぱりおかしい/ラッキースケベは終了しました!
邪神・アリーナ
しおりを挟む「ハハハハ! お前はいつまでたってもバカだな! 学習すると言うことを知らないのか!」
上空で浮いている女は続けた。
「あんた、誰よ!!」
「茜に似ている」
「妹さんの数年後のような感じ?」
茜の怒声の後に加奈と七海が続けてつぶやいた。
その女は髪の色は赤くウェーブが掛かり透き通った青い大剣を背負い赤の縁取りがされた白いローブを着ていた。
「茜ちゃんのパチモノ!!」
と叫ぶと茜ちゃん、加奈ちゃん、七海が偽勇者・茜を見たことのない3人が俺の方を見た。
「坊やまでパチモノ呼ばわりをするのかい? まさか坊やが茜の兄だったとはね。
あのとき捕まえるか殺しておけば面白かったわね」
ワイハルトで会ったときのことを思い出した。
「パチモノ! お兄ちゃんを殺すって言ったわね! それは私に殺されても良いということよ! 知ってる?」
というと茜は地面を蹴り空へ舞い上がり虚空庫からタナの剣を取り出し、自分の偽者を斬りつけた。
ガッキン!
透き通った紺色の剣と透き通った青剣がぶつかった瞬間、火花が飛ぶ。
「フッ! 力が落ちているではないか! どうした! ハハハハハ!」
「にゃにおーーー!!」
茜は力を入れ上から押し付ける。
「ほうほう。力をこめても、その程度か! どうやら呪いが効いてきたようだな!
まさかこんなにも時間が掛かるとは! お前は色々とトカゲ並に鈍いようだな!」
「なぜ呪いを知っているのよ! パチモノ!!」
「ハハハハ! まだ分からないのか! 本当にどうしょうもないな! 知能もトカゲ以下だな!」
というと茜の偽者はタナの剣を弾き返し距離を取った。
ピカッ!
一瞬、閃光が走り、偽者の周りが光に包まれた。
「勇者・茜! 私だよ!! お前の足を使い物にならなくした!
お前の顔を醜くした私だよ!
ハルフェルナの正しき神・アリーナだよ」
「「アリーナ!」」
茜と加奈が同時に声を上げた。
「なにが正しき神よ! タナやロゼにダメ出しくらった嫉妬女のクセに!」
茜はタナの剣をアリーナへ向け叫んだ。
「嫉妬だと! あんな役ただずの女神なんかより私のほうがハルフェルナを正しき道へ導けるのだ!」
「ハン! 何が正しき道ですって! あんたがどれくらいこの世界に憎しみや騒乱を巻き起こしたと思っているの!!
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ネンロとかヒスターとか! あとカミラーズ人とカドランディス人とかまともな奴なんて一人もいないじゃない!!」
「何を言っている! 無能な名無しの女神が作ったこの世界を作り直すためには一度すべてを無にする方が早いだろ!」
「あんたの作った世界なんてハルフェルナの人もゴメンだわ!
アリーナ! 私はお前を絶対に許さない!! この手で友人を殺させたお前のことは絶対に許さない!!
私の命に代えてもお前は倒す!!」
「ハハハハ! あの聖女のことか! お前がもう少し来るのが遅かったらこの世界の住人を根絶やしに出来たのに惜しい事をした!」
茜は空に停止しながら下を向いた。
その体はプルプルと小刻みに揺れているのが分かった。
そして体の回りにうっすらと魔素が集まり赤い炎を纏い
友人!! 俺は一瞬にして血の気が引いた!
茜ちゃんの友人!?・・・・・・加奈ちゃんがここにいるということは・・・・
詩織ちゃんだ! 茜ちゃんが友人と言うのは加奈ちゃんと詩織ちゃんを指して使う言葉。
自分の手で詩織ちゃんを!
確か茜ちゃんがこの地にやってきたのは2000年前。 その後、何度も何度も転移していたようだ。
その幾度めかの転移のときに・・・・・詩織ちゃんは・・・・・
!! マルベラス・死の大行進!
今まで大して気にもしていなかった過去、ハルフェルナで起こった事件を思い出した。
聖女がリッチになって死者の軍団を動かしハルフェルナが滅亡しかかった大事件だ。
詩織ちゃんの性格なら聖女になっていてもおかしくない。
俺には彼女が剣や魔法を使って敵をなぎ倒す姿を想像するのは難しかった。
茜ちゃんは『この手で友人を殺した』といい『聖女』といい、そして加奈ちゃんの歯切れの悪さ・・・・
いや、加奈ちゃんは桜城にいると言っていたではないか?
いったい、どういうことなのだろうか?
茜ちゃんは自分の手で友人を殺した! 友人を殺した! 友人を殺した! 友人を殺した!
頭の中でその言葉が巡る。
どんなに辛い思いをしてきたのだろうか?
ハルフェルナに来てから俺もこの手で友人を殺してしまった・・・・・
が、俺にとって赤城や西原は友達の一人にしか過ぎない。
智弘や将太と重さが違う・・・・・人の命に順位をつける俺はなんて酷いヤツなんだ!
が、俺の心の中にある純然たる事実。
茜ちゃんにとって詩織ちゃんは、俺にとっての智弘、将太、則之なのだ。
どれだけ苦しかったことだろうか。
「パチモノ! くたばれ!! 貴様のせいで茜ちゃんは詩織ちゃんを!! お前も絶対許さない!!
お前だけは許さない! 絶対にだ!!」
ズダダダダダダダダダダーン! ズダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!
その時、俺は無意識にマジックランドセルからマシンガンを取り出しパチモノへ向け怒りのすべてを込め引き金を引いた。
狂ったようにトリガーを引いた。今までにこれほど連射したことはなかった。
あのパチモノだけは許せない! 絶対に! 絶対に許すことは出来ない!
「パチモノ! お前は! お前は!!・・・・許さない! 茜ちゃん身も心も傷・・・・
詩織ちゃんも! 死ね! 死ね! 死ね!!」
あまりの怒りに何を言っているのか良く分からなかった。
ただ、怒りが自分の心を支配していることだけは分かった。
アリーナの周りに銃弾による煙が漂う。
ゆっくりと煙が晴れていくとアリーナは何事もなかったように空中止まっていた。
「坊や! 神相手にそんなオモチャが通用す・・・・・」
ズダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!
ズダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!
「小僧! 私の言葉を最後まで聞きな!」
カシュン!ポーン!! カシュン!ポーン!! カシュン!ポーン!!
グレネードに切り替えアリーナに向け連射する。
アリーナの周りにグレネードの硝煙が充満し、そして晴れる。
「小僧! 神の言葉を遮り、あまつさえ銃を乱射するなど言語道断! 天罰を・・・!」
俺はマジックランドセルからフライパンを取り出しアリーナ目掛け渾身の力を込め投げつけた!
ヒュンヒュンヒュン!
ガン!
大きな音とともにフライパンは弾かれた!
「碧! 無駄だ! 魔法障壁が張られている!」
智弘がはっきりと聞こえてはいるのだが俺の中の衝動が止まらない。
再度、戻ってきたフライパンを投げつける。
ヒュンヒュンヒュン!
ガン!
「坊やも妹と同じで学習能力が無いのね! ハハハハハハ!」
とアリーナが嘲笑った瞬間、茜が斬りつけた。
ガキン!
透き通った紺色の大剣と透き通った青い大剣がぶつかり合い火花が散る。
「ふーーーーーん!!」
茜がタナの剣に力を入れアリーナを押し付ける。
チャンス!!
俺はアリーナ目掛けサックブラッド・ナイフを投げつけた。
グサッ!
左太もも側面に見事命中!
「うぐ!」
アリーナはサックブラッド・ナイフの危険度が分かったらしく茜を鍔迫り合いで弾き飛ばすと距離を取りナイフを引き抜いた。
さすがに神といったところだろうか。血を一瞬にして抜きとるサックブラッドナイフが命中してもアリーナが地上に落ちてくることは無かった。
「お前たち二人は卑怯な兄妹だね! 一対一で戦うとか騎士道精神とかは無いの!」
「「あるわけ無い!!」」
俺と茜ちゃんは綺麗にハモった!
「白田家にあるのは『勝てばいい!!』だ!!」
「見下げた家訓だな! 茜より弱そうなお前には先に死んでもらおうか!
ブリッツ・ライトニング!!」
アリーナが俺に指先を向けると無数の稲妻の矢が降り注いだ。
「「「魔法障壁!!」」」
七海、将太、加奈ちゃんの3人が同時に側により呪文を唱え稲妻の矢を防いでくれた。
「フフフ! 坊や! 弱いくせにモテルじゃないか! ならこれはどう?
ヘルフレイム!!」
今度は巨大な炎の三重に掛けられた魔法障壁に当たる!
バキン!
「あ! 僕の魔法障壁が割られた!」
バキン!
「私のも!」
一枚一枚障壁が割られていく!
「碧さん! もたないかもしれません!」
最後に加奈ちゃんが叫ぶ!
巨大な焼肉プレートを取り出し魔法障壁ので3人を抱きかかえるようにして前に出す。
バキン!
という音とともに魔法障壁が破られ焼肉プレートにヘルフレイムの巨大な炎が当たる。
「うっ! 熱い!」
焼肉プレートに守られている前面は問題ないが体の側面は熱を感じる。
「アオ君、大丈夫!」
「碧くん!無理しないで!」
そんなこと言われたら頑張らないわけにはいかない!
が、熱い! 背中が焼け始めるのがわかる。
「cold as ice!!」
加奈ちゃんが杖を少し外へ出し氷結魔法を唱え氷柱を回りに作り出した。
一気に気温が下がり何とか耐え切ることができた。
「加奈ちゃん!ありがとう! 助かったよ! さすが宰相閣下だ!!」
「止めてくださいよ! その呼び名! 恥ずかしいんですから」
と加奈ちゃんは照れていた。
「坊やたち、何とか凌いだようね!
用も済んだので、これ以上遊んでいても意味がないので私は帰るとするわ!
勇者・茜! 決着はまた次の機会にお預けね」
というとアリーナは一瞬にして消えた。
そしてヘルフレイムの炎が弱くなり周りを見たとき黒色に変わっていたズガーンダムも消えていた。
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