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第三部 俺のハーレム・パーティはやっぱりおかしい/ラッキースケベは終了しました!

則之、ピンチ!

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ガキン! ガキン!

黒騎士が黒い馬に乗りながらドリスタンさんとヘルムートさんを一方的に斬りつけている。
ヘルムートさんが黒騎士の剣圧で吹き飛ばされるとドリスタンさんが庇うように黒騎士の行く手を遮る。
同じようにドリスタンさんが吹き飛ばされるとヘルムートさんが身を挺して立ち上がるまでの時間を稼ぐ。
が、どうみても黒騎士が圧倒している。
致命的な一撃を受けないだけ二人は凄いのかもしれない。

「お二人とも引退された方が良いのでは?」
黒騎士が嘲笑う。

「そうだな。シドのような小僧に手こずるようじゃ俺たちも先は短そうだな」

「ふふ、口だけは、まだ衰えていないようですね」
ドリスタンさんの挑発を黒騎士が返す。


ガキンガキン!

その近くでは則之がガルメニアの騎士たちを鎧の上から斬りつけ数人が真っ二つになった。

「則之、相変わらず、つえーな~」
女神さまの祝福の力も大きいと思うが、素が県でも有数の腕を持っているだけの事はある。
則之は一方的に押されているドリスタンさん、ヘルムートさんの元へ向かった。

「助太刀いたす!!」

と則之が黒騎士へ向かおうとすると

「イシス! いつまでガキどもと遊んでいる!」

黒騎士は黒馬のたずなを翻しこちらに向かって来た。
龍之介目掛け走ると剣を横に振り足を切り裂いた。

ズバッ!

「ウウ、痛い!!」

龍之介の斬られた足から血が吹き上がり黒パン魔道師を踏みつけていた足を外してしまった。
その瞬間に魔法障壁を解き飛空魔法を使って空へ逃げた。

「龍ちゃ~~ん!」
将太は龍之介の下に駆け寄り慌ててヒールを掛ける。
黒騎士が黒馬を方向転換させ将太、龍之介の下へ向け馬を走らせる。


ダダダン!ダダダン!
馬のヒズメの音とは思えない重い音が将太に迫る。
黒騎士は大剣を振り上げ将太へ振り下ろす。

ガキン!

という音とともに閃光が走った。


「間に合ったでゴザルな」

黒騎士の一撃を則之が受け止める。
(カッケーー! 則之、カッケー! 本当の顔はゴリラのクセに!
 黒騎士の剣、凄いぞ! くじら君は何でも斬れる筈なのに。さっきだってガルメニアの騎士を鎧ごと・・・・)


「ほほーー! 金髪の小娘! 黒耀に乗った俺の剣を受け止めるとは大した腕だな! では、これならどうだ!!」

と言うと黒馬は距離を取り助走をつけ則之に迫る。
そのとき、黒騎士の大剣がそれまでの銀色から血のように赤く変化した。

「魔剣か!!」

その魔剣が薙ぎ払われ、くじら君が一撃を受け止める。

ガッッッキーーーン!

一団と大きな音が響いたとき則之は10mほど転がり吹き飛ばされた。

「則之!!」

俺は則之の下に駆け寄る。
黒馬はスピードを上げ吹き飛ばした則之に向けスピードを上げる。
再度、黒騎士が赤く染まった魔剣を則之向け薙ぎ払う。

ガッキン!

則之は体勢を立て直しくじら君で魔剣の一撃を受ける。

ビカッ!

と閃光が走る。

ゴロゴロ

則之がまた吹っ飛ばされる。

「則之!!」

また、則之の下へ駆け寄る。
ヤバイ! 則之が押されてる!
異世界へ来て初めて則之が押されているところを始めて見た。
だいたい、どんな敵に対しても一刀両断!
黒騎士もさることながら、あのでかい馬の脚力と質量に押されている様子だ。

「なろ~1対2じゃねーか!」

黒馬は再度、こちら目掛け走る。
あの馬がやっかいだ!
黒騎士の剣を振る力に馬のスピードが加わって人間が止めるのは難しそうだ。

ダダダッ! ダダダッ!

と銃弾のような音を轟かせ黒馬が迫る。

ダダ!ダダ!

マシンガンを取り出し巨大な黒馬へ向け銃弾を打ち込む。
黒馬が少しだけよろけるが何事も無かったようにこちらへ向け突進した。

「チッ! じゃ、バルカンモードだ!!」

ダンッ! ダンッ! ダンッ! ダンッ!

黒馬に命中すると肉片が弾け飛び、血しぶきが吹き上がる。

ドデン!

黒馬が前のめり倒れ、以後動く事は無かった。

ゴロゴロ!

黒騎士がもんどり打って倒れたかと思うとスピードを殺さず起き上がり大剣を両手で持ち右肩の前で構えながら走り寄る。

愛馬が死んでも振り返ることはしなかった。
が、フルフェイスの黒い鎧の隙間から見える瞳は殺意に満ち溢れていた。
その瞳は則之ではなく俺に向けられていた。

あっ! これ、やばいパティーンだ!
黒騎士の標的は完全に俺に移ってしまった。

マズイ! 早く、焼肉プレートを出さなくては!!

が、間に合わない!!
黒騎士は猛スピードで突進してきた。
赤く染まった大剣が振り下ろされる!

ガッキン!!

俺の目前でくじら君と魔剣がぶち当たる。
た、助かった。則之が間一髪、防いでくれた。

「拙者の大切な人をヤラセはしないでゴザル!」

「あ、ありがとう。則之、助かった。金髪美人にそう言われるのは悪くないぞ!」

「止めるでゴザル。照れるでゴザルよ! 七海殿と将太殿に申し訳ないでゴザル!」

「将太は関係無いだろ!」

「フン!女騎士! 俺の一撃を凌いだか! この男はお前の思い人か!」

「そ、そ、そうではないでゴザルが・・・・た、た、大切でゴザルよ」

おい、則之!何故そこで口ごもる!!

「ハン!」

と黒騎士が鼻で笑うと大剣を振り下ろす。

ガッキン!

火花を散らせながら魔剣とくじら君がぶつかり合う。

ガキン! ガキン!

何度も何度も大剣同士がぶつかり合う音が響く。
鍔迫り合いが始まり則之と黒騎士の目と目で殺し合いが始まった。

ギギ! ギシギシ! ギギ!

嫌な金属音が聞こえる。

二人が同時にお互いを突き飛ばす。
二人とも重心が後にかかり一瞬、体を反らしたかと思うと反らした反動をつけ、再度大剣同士がぶつかり合う。

ガキン!

激しい金属音とともに火花が飛ぶ。
黒騎士が離れ際に水平に薙ぎ払う。

ガキン!

則之が受け止めるとくじら君を上段に構え距離を詰め

「面! 面! 面! 面!」

則之の得意技 トールハンマーだ!

幾度と無く県の剣道大会で強敵を葬って、異世界でもモンスターをあの世へ送った技だ!

ガキン! ガキン! ガキン! ガキン!

と4連続でくじら君を振り下ろすが、その四振りとも黒騎士は魔剣で受け止めた。

「女! 凄い力とスピードだな! お前より強い女剣士は出会ったことが無いぞ! フフフ!」

黒騎士の笑い声が聞こえる。

あ~~でも、そいつ、元は女じゃないんで・・・・ゴリラみたいな大男ですから。

則之が再度仕掛けた。

面! 胴! 小手! 小手!

と狙いを変えるがすべて魔剣で受けたり流す。

「ほー面白い、剣技だな。 初めて見るぞ! が、形が綺麗過ぎるな。自分より弱い相手には有効だが強い相手にはそんなものは効かんぞ!
 とくに実戦ではな!」

と言うと黒騎士は少し距離を空けた。

「お前に実戦の剣! すなわち殺し合いの剣を教えてやろう!!」

黒騎士はそれまでの正面で剣を構える形から右側でバットを構えるよな構えに変えた。

「いくぞ!」

一気に距離を縮め右上から左下へと剣を振り下ろした。
則之はくじら君で受けず体を少し捻りかわす。
黒騎士は剣をそのまま真上に戻し突いてきた。
それを則之はかわすが、突き! 突き! 突き! 突き! と黒騎士が連続攻撃で仕掛ける。
そして五発目の突きが出たとき則之はくじら君で払った。
その瞬間、黒騎士は宙で『の』字を書き、則之のわき腹に魔剣がヒットした。

「ウグッ!」

則之が片膝を地面につけくじら君で体を支えた。

「うブッ!」

則之は口から血を吐きの鎧の脇腹が凹んでいた。
黒騎士は追撃とばかりに何度も何度も魔剣を振り下ろすが、間一髪立ち上がりくじら君を構える。

ガッキン! ガッキン! ガキン! ガキン!

火花が散る。
さっきの一発が効いているのか則之腕をすぼめるように防戦一方になってしまった。

マズイ!!

ダダダダダダン!

全弾、黒騎士のに命中し鎧の表面で炸裂するとバックステップで距離を取った。
良かった。則之に当たらないで良かった。
射撃の腕が上がったことを実感した。
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