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第三部 俺のハーレム・パーティはやっぱりおかしい/ラッキースケベは終了しました!

スケさん

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装甲車に乗り込み逃げようとしたとき!

ドスーン!!

高速で何者かが空落ちてきた。
辺りは一瞬、砂煙が舞った。

「貴様らーーーー!! カクタスはどうした!!」

やはり、来た。
今度は痩せている悪魔が降って来やがった!
痩せた悪魔は俺を睨み叫んだ。

「逃げて行ったよ!」

拉致したと言うと必死になって取り返そうとするだろう。
俺たちは連戦で消耗が激しい。
これ以上、こいつと戦っても不利になるだけだ。
逃げることを第一に考え、誤魔化すことにした。

「嘘だな! カクタスがお前たちを放置して逃げるわけがない!
 何より、ここでアイツの気配が消えたんだよ!
 お前らが倒したと言うことだろ!」

ガリ悪魔が冷たい目で睨む。
こいつの方が、痩せている分、眼つきも口の尖り方も鋭く見える。

「アイツとは付き合いが長いんでね。
 仇の一つでも取らないとお譲に合わせる顔が無いんでね!
 悪いがお前たちには死んでもらう」

ガリ悪魔は右手を上に挙げ、手の平に大きな火の玉を作った。

「消し飛べ!! ファイヤーボール・極大!!」

と言うと一気に魔力を高め見たことも無いような大きさのファイヤーボールをこちらに投げつけてきた。
咄嗟にマジックランドセルを出す。
ファイヤーボールは何事も無かったようにランドセルの中に吸い込まれていった。

「なんだと! なぜだ!! 
 貴様、魔法を無効化! いや!対消滅させることが出来るのか!!」

どうやらファイヤーボールが大きすぎてランドセルが見えなかったようだ。
それにマジックランドセルが魔法を吸い込むなんて思ってもいないだろう。

「貴様!! 一瞬で俺と同じ魔法を逆相で唱えると言うことができるのか!」

エ?なに魔法の逆相って?
ひょっとすると魔法って音と同じく位相が逆になると無音になるのと同じ理屈なの?

やたらとビビッてくれているじゃないか!!
ここは一発、ハッタリをかましてみよう!

「フフフフ!だとしたら!!
 俺とお前! どちらが魔法使いとして優れているか試してみるか?
 俺がお前の魔法を打ち消してやるよ!!
 掛かって来いよ、ガリガリ!」

俺は余裕たっぷりなフリをしながら痩せた悪魔に人差し指を刺し挑発した。
勿論、内心は小便がちびりそうなくらいブルっている。

「アオ君・・・・・」

俺の虚勢を知っている将太は後ろで心配そうな声が聞こえる。

「将太は魔法障壁を作って、みんなを入れておけ」

と指示をしたあと、胸を張り強そうに見せ、痩せた悪魔に向け一歩、二歩、歩み寄った。

「ハーレム小僧! 貴様、戦士系だと思っていたが魔法使い系か!
 フッ!面白い! 俺はカクタスと違って殴る蹴るより知的な魔法戦の方が得意なんでな。
 その挑発! 受けてやるぜ!」

「掛かって来いよ、ガリガリ!
 お前の魔法全て無効化してやるよ!」
 
俺は将太たちから離れるように左へ左へ少し歩きながら焼き肉プレートを取り出し左手に構え、ガリガリ悪魔からマジックランドセルを隠すように右手に持った。
魔法を撃ってくる限り何とかなると思う。何とかなると思う。何とか・・・・・
下手に肉弾戦をするよりは何とかなるかもしれない。

「ほーーら、どうした!
 お前が撃ってこないと勝負にならないぞ!
 ガリガリ! お前如きが俺様の相手になるわけ無いだろ!
 ハンディだ!好きなだけ撃って来い!
 すべて俺様が打ち消してやるよ!」

「生意気の小僧だな! ファイヤーボール! ファイヤーボール!! ファイヤーボール・・・・・・・」

次から次へと火球が飛んでくる。
それを必死にでマジックランドセルで受け止める。
が、顔だけはクールに装う。

「ガリガリ! たいしたこと無いな! 
 お前よりデブの方が強かったな~ハハハハハ!」

「アオ君・・・・」

将太の呟きが聞こえてくる。

「ハーレム小僧! 俺がカクタスより劣ると言うのか!」

おお、目を血走らさせ、面白いように挑発に乗ってくれる。
多分、こいつとデブの悪魔はライバルでありながら一番の友だったのだろう。
そのライバルでもある友に『劣る』と言われたのが余計に腹立たしいのだろう。

「あぁ、そうだよ! ほら、撃って来いよ!!」

「なら、これならどうだ!!
 サンダーブレード! サンダーブレード!! エアーカッター! フレイムバースト!!」

「うぉーーー凄いな!ガリガリ!
 複合して撃ってくるのか!  やるな!!」

「チッ!! 一発も当たらないのかよ!」

マジックランドセルに吸い込ませているのだが、魔法が消えていく様は打ち消しているのと同じようにみえるらしい。

「サンダーブレード!! エアーカッター! ファイヤーボール!!」

また、痩せた悪魔が叫びながら魔法を撃ってきた。
が、最後の1発は火の玉ではなく水の玉だった。
そのフェイントも難なくマジックランドセルが吸い込む。

「チッ!」

痩せた悪魔が舌打ちをする。

「お前、悪魔のクセにセコイな! この程度か? 
 ファイヤーボールと叫びながらウォーターボールか!
 デブ悪魔も草葉の陰で鳴いているぞ! ハハハハ!」

「き、貴様! やっぱりカクタスを!! 殺す!!
 ヘルフレーーーーーーーーイム!!」

目を真っ赤にさせ狂ったように叫びながら極大呪文を唱えた。
来たぜ! 極大魔法!!

ゴチになりまーーーす!! でも、凄く怖い!ものすごく怖いです!!
マジックランドセルが吸い込んでくれる事は分かっているのだけれど・・・・
怒り狂った真っ赤な炎が目の前に迫る。
左手に持った巨大な焼肉プレートを前に出し、右手にマジックランドセルを構える。
真っ赤な炎は俺に当たる直前に吸い込まれて消失した。

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