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第三部 俺のハーレム・パーティはやっぱりおかしい/ラッキースケベは終了しました!

報告書

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スケさん、カクさんはシルビア、セリカに連れられて個室へ向かった。

「グロリア、報告をお願いするわ」

応接室のようなソファーにおメアとご隠居が並び、向かい側にグロリアが座り二人に報告書を手渡した。

おメアは報告書を手にし軽く中を見てみた。

「さすがグロリアね~手際がいいわ」

「ナミラーの街の人々を使って35人を召還したのは間違いないようです」

「・・・・・・・3500人。
 自国民、3500人を生贄にして・・・・フェルナンドも情け容赦が無いわね」

「ご存知かと思いますがフェルナンドが魔王になりました」
とグロリアは資料を手元に置きご隠居さんとおメアの顔を見ながら言った。

ご隠居は禿げ上がった頭を三度軽く叩きながら話した。

「ちと、厄介じゃの~
 王たるものが魔王になるとスキル『王の威光』の力で配下や国民たちも魔物化するじゃろ。
 特にフェルナンドに近い者こそ強力になるからの~
 あやつの国の副騎士団長じゃったかの~? 剣聖がいたじゃろ! これは厄介じゃぞ。
 スケさん、カクさんクラスで無いと蹂躙されるぞ」

「はい、ご隠居様。剣聖シド・バルボアはイズモニアの残党狩りに出向いているそうです」

「ガルメニアには大魔法使いイシス・メイザースもいたでしょ。
 こちらも厄介ね。
 フェルナンドのような人間のところに、こんなにも優秀な人間が二人もいるのには驚きよね」

「はい、それは二人ともガルメニア出身で幼いときから王家が援助していたことが大きいかと」

「元々能力が高い二人がフェルナンドの『王の威光』の力を受けているから厄介じゃぞ!」

「下手すると魔王クラスの力を持っているかもしれませんね。ご隠居様」

とご隠居が頷くと隣の部屋から



「そこそこ、シルビア! さすがはシルビアだ!」

「もう~カチカチじゃない!」

「おメアがいると・・・色々とな~ 分かるだろ!
 あ~~~もう、たまらん!」

とスケさんの声が右の部屋から聞こえてくる。

ご隠居様たちは右の部屋に顔を向ける。



「もうパンパンにじゃない! こんなになっていたら大変でしょ! 自分でしたら?」

「一人じゃ出来ないだろう! 相手がいないとよう~」

「一人でも出来るわよ~~ こんなにカチカチになっていると色々と支障をきたすでしょ」

「あ~~~そこそこ、もっと!もっと!! もっとーーーー!」

と左の部屋からはカクさんの声が聞こえてくる。
今度は左の部屋に顔を向けた。



ううん! とグロリアは咳払いをし続けた。

「今回の召還はかなりの確立で当たりだと思われます。
 召喚された人物の名前はを全員特定できていませんが、
 女生徒の制服は紅姫様たちと同系統の物を着ていたと報告をもらっていますので確率はかなり高いと思われます」

「今回は当たりじゃろうな」
ご隠居がグロリアの私見に同意する。

「これで姫ちゃんも安心して眠れる事になるかな?」

「が、問題が多々あります。
 もう数人が亡くなっています。
 初日に女生徒が一人、数日後、脱走しようとして男子生徒が3人亡くなっています。
 女生徒は七海 紫音。
 男子生徒はアホ1、アホ2、アホ3という名前です」

「おい、グロリア、なんじゃその名前は!」
「グロリア!何この報告は?あなたらしくないわね」

とご隠居とおメアが不信感を表した。

「いえ、本当にこの名前だそうです。
 私もあまりにも突飛なので数度確認いたしましたが・・・・・
 どうも事実なようです」

「姫ちゃんの世界では『アホ』が流行っているの?」

「いや、おメア!いくらなんでもそれは無いだろう・・・・・・」

とご隠居がツッコミを入れたときご隠居の頭の中で閃いたことがあった。

「これは『名無しの女神』の仕業かもしれんな。
 この3人が何か『名無しの女神』を怒らせる事をしたんじゃないか?
 アイツなら、こういうイタズラをやりかねんな」

ご隠居は久しぶりに懐かしい名前を出した。
自分の館で会ったのを最後に『名無しの女神』とは会ってはいない。


「まさかその中にお兄さん、いないわよね~」
とおメアはグロリアの顔を見ると

「・・・・いないとは言えません」
と言うとグロリアは下を向いてしまった。

おメアは
「兄の周りに一人どうしょうもないヘンタイがいて、二人して年がら年中調子にのってよく教師に怒られていた」
という話を思い出した。

嫌な汗が流れる。


「他にも西原 和也という生徒が呪いの仮面を付けられイフリート化し冒険者に討ち取られています。
 勇者は赤城 雄哉だそうです彼を中心にイズモニア侵略の隙をついて多くの者が脱走を試みたのですが、その時に男子生徒数名が死亡。
 生き残っている勇者・赤城を含む男子生徒7名は重症を負っているようです。
 その時に逃げ出した女生徒たちは行方が知れません」

「確か姫ちゃんは男子が20人くらい、女子が15人くらいと言っていたはずだけど?
 女生徒は良いとして、数名男子生徒が足りないと思うのだけど?」

「はい。召喚初日に4名の男子生徒が追放されたようです。
 そして、例の3人です」

「例のか・・・・」

とご隠居様は禿げた頭を自分で撫でまわした。
例のというのは鈴木、星野、山中のことだ。

「銀色の巨人は鈴木 雄大が変身するそうです。
 白いゴーレムは星野 豊が乗り込んでいるそうです」

「なんじゃ、あのゴーレムは人間が乗り込んで操縦するのか?」

「はい。そうです。魔法などで操るのではなく内部に人が乗り込んでいるそうです」

「そして、コリレシア軍を召喚したのは山中 良雄だそうです」

「これが一番厄介よね。何人くらいいるの?」

グロリアは資料をめくると

「1万人前後、いるようです」

「こやつの呼び出した馬車はえらく硬くて、たいそう強力な火を噴くのじゃろ!」

「あら~ご隠居様、お詳しいですね」

「まぁ、ワシにも配下がいるので多少の情報は上がってくるのじゃが・・・・・
 名前や人数など、こんなに詳しい情報は集められんわ。
 おメアのところの部下は優秀じゃ!
 さすがはグロリアじゃの~」

「「ありがとうございます」」
とおメア、グロリアはご隠居様に頭を下げた。

「初日に追放された者たちの足取りは分かる?」

「申し訳ございません。
 ガルメニアからみて北のほうへ向かったという話以外は何一つ足取りがつかめていません」

「北と言うとやはりオリタリアかしら?」

「その可能性が高いと思われます」

「名前は分かる?」

「申し訳ございません。それも情報不足で・・・・」

「その中の一人がお兄さんだったら良いのだけど・・・・・
 男子が20人として6人の男子生徒が殺されているわね」

おメアの顔は暗くなった。
その中に入っていない事を祈るしかなかった。
(宰相閣下の指示無しにでも重症の男子生徒を救出するべきか・・・・・)


「1人召喚するのに100人の生贄を必要とするのにフェルナンドのヤツ、あまりにも気前良く虎の子の召喚者たちを切り捨てるの~」

「例の3人があまりにも強力な力を持っているからでは無いでしょうか?」

「そうね。魔王に匹敵する力、いえ、魔王をも超える力かもしれませんわね。
 私なんかでは対抗できるようには思えませんわ」

「銀色の巨人と白いゴーレムでサンジョウの町を、火を噴く馬車でダイワの町が一瞬で瓦礫になったそうですからね」

「そう遠くは無い将来、我々もガルメニア軍と一戦交える事になるかもしれんな~」

「ですが我が国とガルメニアの間にはリピン国、ワイハルト帝国、オリタリア共和国があってガルメニアですよ。
 バッファーゾーンがこれだけあれば我が国と直接に合間見える事は、そうそう無いと思われますよ。
 それとも宰相ちゃんの許可無しに我々だけでガルメニアと事を構えるのですか?」

とおメアがご隠居さまに言うと即座にブルブルブルと頭を左右に振った。
ご隠居さまの脳裏に宰相の激怒顔が浮かぶのであった。

「あ~ グロリア!それからナミラーの町の『BLカレー屋』はどうなったの?」

「カレー屋はナミラーの町を後にした模様です」

「今、どこにいるか分かっている?」

「いえ、注意など払っていませんでしたので・・・・・
 ごく普通の流行の物かと思っていましたので・・・・申し訳ございません
 行方を追いますか?」

「そうして頂戴。このカレー屋はちょっと危険かもしれないから。
 人間かもしれないけど、我々に反旗を翻した悪魔なのかもしれないから。
 どちらにしろ危険人物である事は間違い無いから。
 くれぐれもあなたたちで手を出さないように。
 情報を集めるときも慎重にね。
 居場所が分かったら大至急、連絡してね。
 お兄さんの件と並ぶ重要な用件だから心してかかってね」

「はい、メアリー様」

グロリアは椅子に座りながら美しいお辞儀をした。

そこへスケさんとカクさんが部屋に入ってくるなり言った。

「お~う、スッキリしたぜ!」
「気持ち良かったぜ! 久しぶり疲れが取れたぜ!」


「あ~~ら、二人とも早かったわね~」

「あぁ、そりゃもうカチカチだったからな~ハハハハハ」
「さすが売れっ子のセリカだぜ! アッというまにスッキリさせてもらったぜ!」

「なによ~ 二人していやらしい顔をして!!」

「そりゃもう・・・・なぁ~」
「まぁ~そうだよな・・・・なぁ~」

とスケさん、カクさんはおメアに言われると顔を見合わせ、いやらしい顔をしながら頷きあった。

「報告も終わったことですし。
 ご隠居様もしますか?」

とおメアが言うとご隠居様は目を輝かせながら

「うん!」

と力一杯頷くのであった。

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