130 / 304
第二部 お兄ちゃん、待っててね!/ラッキースケベは必・・・あぁ! そんなものねぇーよ!!
二人の魔王・再び
しおりを挟む翌日、次の町に到着すると早速、茜が町の上空に舞い上がり全体にヒールを掛ける。
これで軽い病や怪我の住民は症状を緩和することが出来た。
「茜様、ありがとうございます。おかげさまで町の人たちも救われます。
私も重病の方に専念できます」
アリアは丁寧に頭を下げる。
「茜ちゃん、ありがとう。私も楽できるわ」
そう言うと詩織はアリアの手伝いを始めるのであった。
その後、アリアたち一行とは別れ、怠惰の悪魔王・フェネクシーの住むラスビア渓谷を目指し西へ向かうことにした。
「王子様もお姫様のほうへ行ってもいいんですよ」
と茜は茶目っ気たっぷりな笑顔で言ってみた。
「いえいえ、私は茜様と魔王の討伐にあたらなくては」
「あ、王子様の代わりに俺がアリア様のお付きを」
と織田が言った瞬間
「あぁ! 織田君! こんな美少女たちと一緒に旅を出来て嬉しいだろ。嬉しいだろ!! 嬉しいよな!!」
と鋭い目で茜に睨まれる織田であった。
「あ、はい」
「これからもよろしく。織田君! ハハハハ」
と高笑いをしながら力を込めて肩を叩く茜であった。
「私はアリア様の慰問についていきたかったかな」
と詩織が言う。
「聖女とはこうあるべきなのだと、アリア様の献身的な姿を見て感銘を受けました。
茜ちゃんは怪我しないし・・・・ここにいてもあまり役に立っていない気がして・・・・」
「茜は怪我なんてしないわよ。元から頑丈だったでしょ。ハルフェルナに来て人外になっちゃったから」
「詩織! 私や加奈は普通の人間だから何かあったとき詩織がいてもらわないと取り返しの付かないことになるかもしれないでしょ」
「俺なんか早川にヒールを掛けてもらいたく仕方が無いんだから。何だったら、今すぐにでも掛けてくれよ」
「織田君・・・・・・・」
「そこの二人、何、いい雰囲気作ってるの! 詩織!!織田に騙されたらダメよ。
こいつは詩織の聖水を嗅いで喜んでいるヘンタイよ!!」
「きゃ~~~~止めて、織田君、返して、私の聖水!」
「白田~、今、それを言うところじゃないだろう」
その後、茜たち一行は西へ西へと向かい、怠惰の悪魔王・フェネクシー住むラスビア渓谷を目指した。
その途中にカマキリの魔王とカラスの魔王に出くわし両方とも討伐に成功した。
両魔王は緑と黒の魔王石になった。
なおも一行は西へと進む。
次の町にはヒルの魔王が近くの湿地帯に生息しており町は何度か襲われたと言う話を聞いた。
町にいる冒険者では手足も出ず何人もの町民が犠牲になったそうだ。
湿地帯を挟んで反対側にも町があったのだが魔王に襲われ壊滅したらしい。
町に到着すると茜は空に舞い上がりヒールを掛けそれでも直らない患者に詩織が個別にヒールを掛ける。
心なしか詩織の表情は明るくなった。
アリアの真似事かもしれないがハルフェルナで人の役に立ったことが嬉しいようであった。
「うん、早川は笑顔がいいね~~『俺たちの聖女さま』って感じだ」
「織田も詩織命なのか?」
「あたぼうよ!早川が嫌いな男がいるわけ無いだろう、白田と違ってお淑やかで誰にでも優しいしな」
「一言余計だ!」
「ヤッパリ、聖女といえば詩織だよね~ 様になっているよね」
と千代も関心してた。
?!?!?!!?
「何か近くで戦っている! 魔王だ。しかも二人いる」
と茜が急に立ち上がると
「おい、大変だ! ヒルの魔王が湖の近くで暴れているぞ! ギルドに連絡しろ!」
と冒険者らしき人間が待ちに飛び込みながら叫んだ。
「茜様、行ってみましょう」
とアルファがが聞くと全員頷いた。
「私は先に行く」
とsky highの呪文を唱え飛んでいった。
詩織も治療を中断しアルファと加奈は馬で残りは馬車で移動した。
0
お気に入りに追加
779
あなたにおすすめの小説
天然くんはエリート彼氏にメロメロに溺愛されています
氷魚(ひお)
BL
<現代BL小説/全年齢BL>
恋愛・結婚に性別は関係ない世界で
エリート彼氏×天然くんが紡いでいく
💖ピュアラブ💖ハッピーストーリー!
Kindle配信中の『エリート彼氏と天然くん』の大学生時のエピソードになります!
こちらの作品のみでもお楽しみ頂けます(^^)
♡・・*・・♡・・*・・♡・・*・・♡・・*・・♡・・*・・♡
進学で田舎から上京してきた五十鈴は、羊のキャラクター「プティクロシェット」が大のお気に入り。
バイト先で知り合った将が、同じキャンパスの先輩で、プティクロシェットが好きと分かり、すぐ仲良くなる。
夏前に将に告白され、付き合うことになった。
今日は将と、初めてアイスを食べに行くことになり…!?
♡・・*・・♡・・*・・♡・・*・・♡・・*・・♡・・*・・♡
ラブラブで甘々な二人のお話です💕
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
【完結】そんなに怖いなら近付かないで下さいませ! と口にした後、隣国の王子様に執着されまして
Rohdea
恋愛
────この自慢の髪が凶器のようで怖いですって!? それなら、近付かないで下さいませ!!
幼い頃から自分は王太子妃になるとばかり信じて生きてきた
凶器のような縦ロールが特徴の侯爵令嬢のミュゼット。
(別名ドリル令嬢)
しかし、婚約者に選ばれたのは昔からライバル視していた別の令嬢!
悔しさにその令嬢に絡んでみるも空振りばかり……
何故か自分と同じ様に王太子妃の座を狙うピンク頭の男爵令嬢といがみ合う毎日を経て分かった事は、
王太子殿下は婚約者を溺愛していて、自分の入る余地はどこにも無いという事だけだった。
そして、ピンク頭が何やら処分を受けて目の前から去った後、
自分に残ったのは、凶器と称されるこの縦ロール頭だけ。
そんな傷心のドリル令嬢、ミュゼットの前に現れたのはなんと……
留学生の隣国の王子様!?
でも、何故か構ってくるこの王子、どうも自国に“ゆるふわ頭”の婚約者がいる様子……?
今度はドリル令嬢 VS ゆるふわ令嬢の戦いが勃発──!?
※そんなに~シリーズ(勝手に命名)の3作目になります。
リクエストがありました、
『そんなに好きならもっと早く言って下さい! 今更、遅いです! と口にした後、婚約者から逃げてみまして』
に出てきて縦ロールを振り回していたドリル令嬢、ミュゼットの話です。
2022.3.3 タグ追加
私が悪役令嬢? 喜んで!!
星野日菜
恋愛
つり目縦ロールのお嬢様、伊集院彩香に転生させられた私。
神様曰く、『悪女を高校三年間続ければ『私』が死んだことを無かったことにできる』らしい。
だったら悪女を演じてやろうではありませんか!
世界一の悪女はこの私よ! ……私ですわ!
条件付きチート『吸収』でのんびり冒険者ライフ!
ヒビキ タクト
ファンタジー
旧題:異世界転生 ~条件付きスキル・スキル吸収を駆使し、冒険者から成り上がれ~
平凡な人生にガンと宣告された男が異世界に転生する。異世界神により特典(条件付きスキルと便利なスキル)をもらい異世界アダムスに転生し、子爵家の三男が冒険者となり成り上がるお話。 スキルや魔法を駆使し、奴隷や従魔と一緒に楽しく過ごしていく。そこには困難も…。 従魔ハクのモフモフは見所。週に4~5話は更新していきたいと思いますので、是非楽しく読んでいただければ幸いです♪ 異世界小説を沢山読んできた中で自分だったらこうしたいと言う作品にしております。
婚約破棄されて異世界トリップしたけど猫に囲まれてスローライフ満喫しています
葉柚
ファンタジー
婚約者の二股により婚約破棄をされた33才の真由は、突如異世界に飛ばされた。
そこはど田舎だった。
住む家と土地と可愛い3匹の猫をもらった真由は、猫たちに囲まれてストレスフリーなスローライフ生活を送る日常を送ることになった。
レコンティーニ王国は猫に優しい国です。
小説家になろう様にも掲載してます。
聖女である御姉様は男性に抱かれたら普通の女になりますよね? だから、その婚約者をわたしに下さいな。
星ふくろう
恋愛
公爵家令嬢クローディアは聖女である。
神様が誰かはどうだっていい。
聖女は処女が原則だ。
なら、婚約者要りませんよね?
正妻の娘である妹がそう言いだした時、婚約者であるこの国の王子マクシミリアンもそれに賛同する。
狂った家族に婚約者なんか要らないわ‥‥‥
クローディアは、自分の神である氷の精霊王にある願いをするのだった。
他の投稿サイトにも掲載しています。
縦ロール悪女は黒髪ボブ令嬢になって愛される
瀬名 翠
恋愛
そこにいるだけで『悪女』と怖がられる公爵令嬢・エルフリーデ。
とある夜会で、婚約者たちが自分の容姿をバカにしているのを聞く。悲しみのあまり逃げたバルコニーで、「君は肩上くらいの髪の長さが似合うと思っていたんだ」と言ってくる不思議な青年と出会った。しかし、風が吹いた拍子にバルコニーから落ちてしまう。
死を覚悟したが、次に目が覚めるとその夜会の朝に戻っていた。彼女は思いきって髪を切ると、とんでもない美女になってしまう。
そんなエルフリーデが、いろんな人から愛されるようになるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる