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第二部 お兄ちゃん、待っててね!/ラッキースケベは必・・・あぁ! そんなものねぇーよ!!

色欲の魔王・メアリークィーン

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そこへ茜を初め加奈たちも集まってきた。
茜は剣を向けながら

「あなたは何者? 魔王だと思うけど」

「いや~~、それタナ様の剣じゃない! それにロゼ様のローブでしょ。
 しかも飛空魔法まで使えるって・・・・
 あなた人間じゃないわね」
と女の魔王はタナの剣とロゼのローブを見て後ずさりをしながら答えた。

「失礼ね、人間よ!!」

「だってその二つ神具でしょ。普通の人間には扱えないわよ。
  剣とローブに選ばれた者しか使えないはずよ。
 使えると言う事は選ばれたと言うことでしょ。
 普通の人間じゃないわよ。
 名無しの女神が管理しているはずだけど・・・・・・」

「あの女神様、名前無いの?・・・・・確かに女神としか言ってなかったわね。
 私たちは異世界から女神様に召喚されたのよ。
 女神様に貰ったのよ。
 で、あなたは何者なの?」

強奪した物を貰ったと言い張る茜であった。

「私は色欲の魔王・メアリー・クィーン。サキュバスよ」

メアリーの言葉を聞いてアルファや加奈たちも構える。

「ちょっと、ちょっと、待って。私はあなたたちと事を構えるつもりは無いわ」
と手を上げ降参のポーズを取った。

「魔王は許さない!!」
アルファはメアリーに向けて剣を突きつける。

「あなたじゃ私の相手にはならないわよ。止めておきなさい」

「では、茜だったら?」
と加奈がメアリーに聞く。

「茜っていうの、その娘。
 無理無理、私が敵う相手では無いわ。
 と言うより、魔神でも敵わないんじゃないかしら?」

「あなたは敵なの?さっき薔薇の魔王を倒したけど」

「私? 私は人類の敵では無いわよ。
 私はサキュバスだから精が無いと生きていけないわ。
 特に人間の男性の精が私の大好物。
 だから人間に手をかけるようなバカなマネはしないわ。
 人間とは共存共栄ね。
 何だったら、そこの男性たち全員気持ちよくしてあげてもいいのよ」
と胸の突起物が見えそうなところまでビキニを拡げた。

「おおおおおお」
織田はメアリーの胸に釘付けになった。

ボコン!
と、加奈に頭を叩かれる織田であった。

「では、私たちと敵対する気は無いのね」

「そうね、茜ちゃん。あなたと戦って私に何かメリットある?
 何もないわ。
 もし戦うと言うのなら私は全力で逃げるわ」
と言うとまた両手を上げた。

「もう一度聞くけど、人間と対立する気は無いのね?」

「ないわ。人間が私を排除しようとしない限りわね」
それを聞くと茜はタナの剣を背中に戻した。

「茜様! 信用してもいいのですか?」
アルファが茜に問う。

「だって、あぁいう風に言ってるのよ。降参しいるし」

「相手は魔王ですよ。信用できません!!」

「魔王かもしれないけど、いい魔王かもしれないわよ。
 お兄ちゃんが言っていたわ。
 『自分のメジャーで相手を計ってはいけない』って」

「しかし!!」

「私は手を上げている人を斬りつける趣味は無いわ。 
 王子様、いい機会だから気持ち良くしてもらったら?」

「あ、あ、茜様!!」

「魔王・メアリー、一つ聞きたいのだけど、なぜタナ様、ロゼ様って『様』を付けたの?
 本来ならあなたは魔神側に属するんじゃない?」
加奈が疑問を呈した。

「そうね。本来なら」
メアリークィーンは一呼吸おいて続けた。

「私の祖先もあなた方の言う『魔神大戦』に参加していたわ。勿論、魔神側としてね。
 数年に渡る戦いの末、タナ様、ロゼ様に魔神が倒されたわ。
 その後、勝者の神側は残りの魔族の殲滅しようとしたのよ。
 だけど、タナ様、ロゼ様は『魔神を倒したのだから戦いはこれで終わりにしましょう。 
 これ以上の争いを神が争い望むのなら私は神々と合間見える事になります』と宣言したの。
 その宣言が無ければ私はここにはいなかった。
 魔神と言う後ろ盾を無くした魔族は神々に殲滅・蹂躙されていたでしょうね。
 だから、魔王や魔族の中にもタナ様やロゼ様を信仰している者もいるわよ」


ええーー
えっ!
うそ~~~~

一同全員が驚いた。


「特に知的水準の高い魔王や長寿の魔王に信仰者は多いわよ」

「知的水準?」
茜が聞くと

「さっきの薔薇の魔王なんかは知的水準が低いわね。所詮、植物が魔王化しただけだから。
 最低限、言葉を話せたりコミュニケーションが取れないと下等魔王ね」

と言いながら薔薇の魔王が残した赤石を拾った。

「お近づきの印ね」
と言うと茜に赤石を手渡しながら

「下等生物が魔王になって死ぬと、こういう石を落とすわ。
 魔王石と言ってその辺の魔石の数千倍の魔力を持っているわ。
 知的水準が高い魔王が死ぬと、あのようなゲートになるのよ」
と言ってゴキングが変化したゲートを指した。

「え?ゴキブリが知的水準高いの?」

「あ~そうか、あれはゴキングの成れの果てか。
 あぁ、見えてもあいつは馬鹿ではなかったから。
 手下を使えるほどの知能は持っていたから。
 不衛生で病原菌を撒き散らすから殺しておいて正解ね」


メアリークィーンはゴキングを知っていたようだった。

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