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第一部 俺のハーレム・パーティがちょっとおかしい/ラッキースケベは必要ですか?

将太の決意

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鯨包丁が則之の下へ嫁入りした。

「ちょっと気になるんだけど・・・・・・・・・・」

俺は脈らも無く切り出した。

「何かおかしいというか出来すぎなような気がするんだけど・・・・・」

「何がでゴザルか?」

「キッチンセットのオマケが俺たちの都合良すぎるような気がするんだけど。
 マジックバッグが欲しいと思えば、マジックランドセルくれるし。
 旅で解体ができると良いと思えば解体スキルと解体包丁が手に入るし・・・・・
 なんか出来すぎなんじゃないか?


まるで」

「まるで?まるで何でゴザルか?」

「女神様に監視されているのではないかということだろう?碧!」

「そう。智弘も気が付いていたか。出来すぎなんだよ」

「あらかじめ旅で必要な物をプレゼントしてくれることになっていたのでは?」
七海が答えた。

「必要なときに必要なタイミングでプレゼントされるのがな・・・・・・偶然としては出来すぎなんだよな~」

「女神様も下界の様子を見ているということでゴザろ」


俺はしばらく考えて

「ああああ、次は日本の美味しい牛肉が食べたいな~ 高級和牛。松坂牛なんかがいいな~~ 食べたいな~~
 女神様よろしくお願いします。 
 素敵な女神様、お美しい女神様。優しい女神様。
 心よりおしたい申し上げます。女神様」

「わ~~ 白田君、露骨すぎ~」
と七海が笑った。

「いやいや、碧。いくらなんでも素敵で美しく優しい女神様でも失笑しているぞ」

「いやいや、美しく優しく素敵な女神様なら我らの願いを聞き入れてくるかもしれないでゴザルよ」

と、俺、智弘、則之の3人で天に向かって祈った。





将太が側にやって来て意を決したような顔をして
「アオ君、僕にもうどんを頂戴」

「えっ?」
意外な言葉に驚いてしまった。
あれほど女体化するのを嫌がっていたのに・・・・・・

「将太、無理に食べる必要は無いぞ」

将太は首を振り、

「驕りかもしれないけど女体化していればマリーちゃんを救えたかもしれない」

「食べ続けている智弘が女体化していないんだから、今回は間に合わなかったんだよ」

「でも、もう二度と今回のような思いはしたくないんだ」

「将太、無理するな。女体化するのは俺と則之だけで充分だよ」

「僕、ずっと考えていたんだ。女になるより誰かを助けることが出来ないことのほうが辛いって。
 マリーちゃんを救えなかったことの方が、ずっと辛い苦しかった。
 これからも、こんな思いをするのなら生きていくことが出来ないと思う。
 僕がこの世界に来たのも聖女になったのも、もし意味があるとするのなら困っている人を助けるために来たんだと思う。
 アオ君も子供のころからよく言っていたじゃない。

『困っている人がいたら助けるのが当たり前!!』って。

 僕が『女々しいヤツ』って苛められていた時も、そう言って助けてくれたじゃない。
 いつだって、いつだって、困ってる人がいたら助けていたじゃない。
 完全な聖女になればもっと多くの回復魔法や補助魔法を覚えてみんなの役にも立てると思う」

「でもな~ 男に戻れないかもしれないんだぞ」

将太は姉3人に囲まれていて優しく穏やかに育てられていた。
服も姉のお下がりを着ていたこともあり子供のころから女の子に間違われていた。
本人はそれをコンプレックスに思っていた。

「それでもかまわない。 
 何も出来ずに目の前で誰かが死んでいくことのほうが耐えられないよ。
 パーティーの誰かが、アオ君を助けられないで死んでしまったら僕は自責の念に駆られて生きていることが出来ないと思う。
 これからは僕もアオ君の作ったご飯を食べる」




「将太がそこまで言うのなら何も言わない」

「うん、アオ君の作ったご飯は美味しいし、もし、日本に戻っても男に戻れなかったら、
アオ君に責任とって貰うから」

「責任?」

「お嫁さんにしてもらうからw」

「えええええーーーー」

「ダメなの?」

あぁぁぁぁ、その上目遣いやめてくれ。

「あ、あーーー はい」

思わず返事をしてしまった。

「じゃ、俺もお嫁さんにして~~~~」
と、智弘が飛びついてきた。
俺は智弘の頭にアイアンクローを咬ませながら

「お前だけは無い!!」

としっかり拒絶しておいた。

「モテモテ、ですな~ 碧殿、我輩も戻れなかったら嫁にして欲しいでゴザル。ガハハハハ」

「則之、ガハハハハじゃねぇ~ぞ。俺はそんなゴツイ女を嫁にする気は無い!!」

「白田君、モテ期がきたんじゃないですか? うらやましい~~」

いやいや、七海さん、そこは「私も~~~~」と言って欲しかった。
が現実は華麗にスルーされてしまった。


さぁ、もう少しでオリタリア共和国のナミラーの町だ。

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