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Take the devil 9
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ライザは「止めろ!」と一度、言ったきり抵抗する事は無く男の肩に乗せられたまま大人しく空を飛んだ。
「この辺りから風が強くなってきたな」
と言うと男は静かに地上へ下りた。
それは、先ほど休憩を取った林の辺りだった。
「あぁ~~、ライザ! お前が余計な事をするからただ働きになっちまったじゃないか! プラマイ・ゼロだぜ!」
「私が投げた『欠片』を探せばいいじゃないか!」
「こんな鬱蒼としているところをどうやって探せと言うんだ! それに追っ手がな・・・・・」
「ガーベラはパパを裏切っていたの?」
「あの状況で裏切ってないと思うのか?」
ライザは何も言えなくなった。
配下の者を後方に隠し、その配下の者たちは襲ってきた。
そしてガーベラは嘘をついたという事実。
否定することが出来なかった。
「裏切ったのがエロイお姉さんだけとは限らないからな。四天王の他の二人も裏切っているかもしれない。
勇者たちも追いかけてくる可能性があるからな! 一刻も早くお前を魔属領へ連れて行かないとな!」
「他の二人ということはペンザは入っていないの?」
「他の二人はどうか知らないが、ペンザが裏切るイメージが浮かばないんだよ。 どうも親父のペンゴが被ってな。
常に正々堂々と戦うことを良しとする親父に育てられ息子が主君を裏切るようなことをするとは到底思えないんだよ!
まだ、親父のペンゴは生きているんだろ?」
とライザに尋ねると黙って頷いた。
「お前は何故ペンゴをそんなに信じらるの? 人間から見ると巨大なペンギンかもしれないがアイツも魔族でしょ!」
「まぁ~俺には魔族とか人間とかあまり関係無いんだよ。
いい奴と悪い奴、信用できる奴と信用できない奴、尊敬できる奴と出来ない奴の区別しか無いのさ。
ペンゴはヘルザイムに対する忠誠心の高さは半端なかったからな」
男は200年前の戦いを思い出していた。
ヘルザイムと対峙したとき身を挺して二人の闘いの間に割り込み、斬られても斬られても立ち上がり主君を護ったのだ。
その時の依頼主である人間の姫騎士からヘルザイムの討伐は頼まれていなかったこともあるが、そんな姿を見て男は戦う気が失せ剣を納めたのだった。
ペンゴがいなければライザはこの世にはいなかっただろう。
「そんな奴が隠居して自分の後を任せたということを考えると、どうもあの馬鹿息子が主君を裏切る姿はイメージできないんだよ」
「でも、もし裏切っていたらどうするんだ?」
「まぁ~あの程度の腕なら100回戦っても負ける気がしない。何とでもなるさ」
「ペンザは我が軍最強の騎士なのよ!」
「親父のペンゴも最強とか言っていたわりには大したことなかったぞ」
「人間! お前はそんなに強いのか?」
「そんなに強いわけじゃないけどな。
他の世界には俺より強い奴はゴロゴロいるぞ。
それに俺は卑怯な手でも平気な顔して使う男だからな」
「そ、そうなのか・・・・・」
「他の二人の四天王はどういう奴なんだ? 剣士か? 魔道師か?」
「サイサリーはガーベラと同じ魔道師だ。 デュランダルは剣士だ」
「デュランダルって奴はペンザより強いのか?」
「いや、ペンザのほうが強いと言われているけど、デュランダルは失敗した事が無いという話よ。
必ず作戦を成功させると言われているわ。 一騎打ちは必ず最後には勝つと聞いているわ」
「その最後には必ず勝つっていうのは気になるな。 何かカラクリがあるのかもしれない。
ライザ、何か知っているか?」
「いいえ、そういう風に聞いただけなので詳しくは知らない」
と首を左右に振りながら答えた。
「そうか・・・・まぁ~いいか。何とかなるだろう。 おお、そうだ。ライザ、これをお前に渡しておく」
と言うと男は左袖の下に手を突っ込み何やら取り出した。
「これを着ていろ」
と言うと両肩に近世の軍人や貴族が着るようなヒラヒラとした飾りが付いたフルサイズのコートを手渡した。
コートの後には2本の中型サイズの直剣が張り付くように付いていた。
「何これ! ダサイ! センス無さ過ぎ!」
「堅いこと言うな。このコートはなかなかの防御力があるんだぜ。
自動的に魔法障壁を張ってくれるんだぜ。で、この剣はイメージするだけで相手に飛んで行くんだぞ!
お前の魔力が増えれば8本の剣を生み出してくれるという超優れアイテムなんだぞ!」
と手渡し文句を言いながらもライザは装備してみた、その目は好奇心に溢れていた。
「イメージってどうするの? こうか?」
と言うと2本の剣が男に襲い掛かる。
男は咄嗟に両手で2本の剣を素手で掴んだ。
そして、手から血が滴り落ちる。
「バカ野郎!! 危ないじゃないか! この剣は切れ味もいいんだぞ!!」
「ちっ! 失敗したか!」
「お前な~・・・・・・ヘルザイムも娘の育て方は失敗したようだな」
「何故、お前はパパとの約束にそんなに拘る?
私を人間やガーベラたちに渡したほうが簡単だと思うけど」
「男と男の約束だ。そして絶対なんだよ。
俺は碌な人間じゃない。が、尊敬できる奴との約束は命を懸けて守る」
「尊敬?」
「そう。尊敬だ。200年前、俺とヘルザイムは敵対関係にあった。
人間の感覚からすると魔族は、どんな卑怯なことでも邪悪なことでも躊躇無くやる。
が、ヘルザイムには人間にも勝る矜持を持っていた。
長く生き、色々な世界を渡ってきたが魔族と捕虜交換をしたのはヘルザイムだけだ!
だから敵ながら俺はヘルザイムに尊敬の念を持っていた。
過去形で言わなくてはならいのが不愉快だがな」
男は一呼吸置いて続けた。
「ライザ、お前は親父を誇るがいい!
あいつの娘であることを誇れ!
あの偉大な父を誇って生きろ!!」
ライザは黙って頷いた。
「この辺りから風が強くなってきたな」
と言うと男は静かに地上へ下りた。
それは、先ほど休憩を取った林の辺りだった。
「あぁ~~、ライザ! お前が余計な事をするからただ働きになっちまったじゃないか! プラマイ・ゼロだぜ!」
「私が投げた『欠片』を探せばいいじゃないか!」
「こんな鬱蒼としているところをどうやって探せと言うんだ! それに追っ手がな・・・・・」
「ガーベラはパパを裏切っていたの?」
「あの状況で裏切ってないと思うのか?」
ライザは何も言えなくなった。
配下の者を後方に隠し、その配下の者たちは襲ってきた。
そしてガーベラは嘘をついたという事実。
否定することが出来なかった。
「裏切ったのがエロイお姉さんだけとは限らないからな。四天王の他の二人も裏切っているかもしれない。
勇者たちも追いかけてくる可能性があるからな! 一刻も早くお前を魔属領へ連れて行かないとな!」
「他の二人ということはペンザは入っていないの?」
「他の二人はどうか知らないが、ペンザが裏切るイメージが浮かばないんだよ。 どうも親父のペンゴが被ってな。
常に正々堂々と戦うことを良しとする親父に育てられ息子が主君を裏切るようなことをするとは到底思えないんだよ!
まだ、親父のペンゴは生きているんだろ?」
とライザに尋ねると黙って頷いた。
「お前は何故ペンゴをそんなに信じらるの? 人間から見ると巨大なペンギンかもしれないがアイツも魔族でしょ!」
「まぁ~俺には魔族とか人間とかあまり関係無いんだよ。
いい奴と悪い奴、信用できる奴と信用できない奴、尊敬できる奴と出来ない奴の区別しか無いのさ。
ペンゴはヘルザイムに対する忠誠心の高さは半端なかったからな」
男は200年前の戦いを思い出していた。
ヘルザイムと対峙したとき身を挺して二人の闘いの間に割り込み、斬られても斬られても立ち上がり主君を護ったのだ。
その時の依頼主である人間の姫騎士からヘルザイムの討伐は頼まれていなかったこともあるが、そんな姿を見て男は戦う気が失せ剣を納めたのだった。
ペンゴがいなければライザはこの世にはいなかっただろう。
「そんな奴が隠居して自分の後を任せたということを考えると、どうもあの馬鹿息子が主君を裏切る姿はイメージできないんだよ」
「でも、もし裏切っていたらどうするんだ?」
「まぁ~あの程度の腕なら100回戦っても負ける気がしない。何とでもなるさ」
「ペンザは我が軍最強の騎士なのよ!」
「親父のペンゴも最強とか言っていたわりには大したことなかったぞ」
「人間! お前はそんなに強いのか?」
「そんなに強いわけじゃないけどな。
他の世界には俺より強い奴はゴロゴロいるぞ。
それに俺は卑怯な手でも平気な顔して使う男だからな」
「そ、そうなのか・・・・・」
「他の二人の四天王はどういう奴なんだ? 剣士か? 魔道師か?」
「サイサリーはガーベラと同じ魔道師だ。 デュランダルは剣士だ」
「デュランダルって奴はペンザより強いのか?」
「いや、ペンザのほうが強いと言われているけど、デュランダルは失敗した事が無いという話よ。
必ず作戦を成功させると言われているわ。 一騎打ちは必ず最後には勝つと聞いているわ」
「その最後には必ず勝つっていうのは気になるな。 何かカラクリがあるのかもしれない。
ライザ、何か知っているか?」
「いいえ、そういう風に聞いただけなので詳しくは知らない」
と首を左右に振りながら答えた。
「そうか・・・・まぁ~いいか。何とかなるだろう。 おお、そうだ。ライザ、これをお前に渡しておく」
と言うと男は左袖の下に手を突っ込み何やら取り出した。
「これを着ていろ」
と言うと両肩に近世の軍人や貴族が着るようなヒラヒラとした飾りが付いたフルサイズのコートを手渡した。
コートの後には2本の中型サイズの直剣が張り付くように付いていた。
「何これ! ダサイ! センス無さ過ぎ!」
「堅いこと言うな。このコートはなかなかの防御力があるんだぜ。
自動的に魔法障壁を張ってくれるんだぜ。で、この剣はイメージするだけで相手に飛んで行くんだぞ!
お前の魔力が増えれば8本の剣を生み出してくれるという超優れアイテムなんだぞ!」
と手渡し文句を言いながらもライザは装備してみた、その目は好奇心に溢れていた。
「イメージってどうするの? こうか?」
と言うと2本の剣が男に襲い掛かる。
男は咄嗟に両手で2本の剣を素手で掴んだ。
そして、手から血が滴り落ちる。
「バカ野郎!! 危ないじゃないか! この剣は切れ味もいいんだぞ!!」
「ちっ! 失敗したか!」
「お前な~・・・・・・ヘルザイムも娘の育て方は失敗したようだな」
「何故、お前はパパとの約束にそんなに拘る?
私を人間やガーベラたちに渡したほうが簡単だと思うけど」
「男と男の約束だ。そして絶対なんだよ。
俺は碌な人間じゃない。が、尊敬できる奴との約束は命を懸けて守る」
「尊敬?」
「そう。尊敬だ。200年前、俺とヘルザイムは敵対関係にあった。
人間の感覚からすると魔族は、どんな卑怯なことでも邪悪なことでも躊躇無くやる。
が、ヘルザイムには人間にも勝る矜持を持っていた。
長く生き、色々な世界を渡ってきたが魔族と捕虜交換をしたのはヘルザイムだけだ!
だから敵ながら俺はヘルザイムに尊敬の念を持っていた。
過去形で言わなくてはならいのが不愉快だがな」
男は一呼吸置いて続けた。
「ライザ、お前は親父を誇るがいい!
あいつの娘であることを誇れ!
あの偉大な父を誇って生きろ!!」
ライザは黙って頷いた。
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