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彼女の今世
episode63
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ジョシュア様がアルバート殿下を連れて部屋を出ていった後、私は頭を抱えてしゃがみこんでいた。
(どうしよう。こんなことするつもりなかったのに)
ぐるぐると己の行動を思い出しては頭が痛くなりそうだ。
カップを渡す際、触れてしまった指先が熱いように感じ、アルバート殿下が発熱しているかもしれない──考え始めてしまったら、頭の中がそれに占められてしまった。
別に額を重ねて熱を測るのではなくて、ジョシュア様にその可能性を伝え、侍医を呼んできてもらうことも選択肢としてあったのに。
極力近づかない。そう決めた私が、自らこんなことをしていては意味が無いじゃないか。
「ああ……もう、本当に馬鹿」
呻きながら私はようやく立ち上がった。床に置いていたバスケットの持ち手を握る。
「今日のお茶会は中止だし、帰っていいかな……?」
ジョシュア様が戻ってくる気配もなく、案内人も来そうにない。皇宮の構造は全て把握しているので、馬車のあるエントランスまで一人で戻ろうと廊下に出た。
最初の角を曲がると、正面から見覚えのある令嬢が現れた。
「リーティア様!」
にこにことその人は私に駆け寄ってくる。
「……キャサリン様?」
息を切らした彼女は荒い呼吸をしながらハンカチで汗を拭った。
「リーティア様も遅刻ですか?」
「いいえ」
「えっじゃあ何故ここに?」
どうやら連絡がまだ行き届いてなかったようだ。今、ここにいるということは、ジョシュア様の連絡鳩と入れ違いになってしまったのだろう。
困惑してきょとんとしているキャサリン様に私は茶会が中止になった旨を説明する。彼女は相槌を打ちながら最後まで聞き、何故か尊敬の眼差しを向けてきた。
「リーティア様お手柄ですね」
「?」
「だって、いつもアルバート殿下のお傍で仕えているジョシュア様でさえ気が付かなかったのに、リーティア様はお気づきになられたのですよね」
「……まぐれですよ」
何と反応すればいいのか分からず、苦し紛れにひねり出す。
(…………お手柄)
運が良かっただけだ。きっと、ジョシュア様もアルバート殿下の手に触れていたら直ぐに気づいただろう。
とはいえ、まぐれで片付けられないことでもあった。
(アルバート殿下は……体調が悪いと瞬きが増えて、上手くお隠しになられるけど顔色も悪かった)
ほんの些細な変化と癖だ。知ったのは前世で婚約者だった時。まさか今になって役に立つとは思わなかった。
「謙遜しないでくださいよ~。なら、先程までリーティア様はアルバート殿下と二人っきりだったんですか?」
「そういうことになりますね」
厳密に言うとジョシュア様もいたのだが、それは彼女の基準では数えないだろうから。
肯定するとキャサリン様は盛大なため息をついた。
「……私も渋滞に巻き込まれず、早く来ていれば他の婚約者候補様達が居ない中、ゆっくりアルバート殿下と会話できたんですね……」
キャサリン様はしょんぼりしてしまう。
「絶好の機会を逃してしまいました……もっと私のことを知って頂きたいのに」
(こういう人が距離を縮めればいいんだわ)
伯爵家からもアルバート殿下の婚約者になることを期待されているだろうが、キャサリン様自身もその地位に就くことを望んでいる。
お茶会でも毎回積極的に殿下に声をかけて、自分を可愛く見せるために着飾って。殿下に恋する彼女はとても努力しているのだ。
それを知ってるからこそ、キャサリン様の恋が実ればいいと願う反面、レリーナが現れたらどうなってしまうのだろうか。
ぽっと出の者に、恋焦がれても得られない座を奪われるとしたら。婚約者候補の家門は猛反対し、彼女達も行き場のない思いを抱えることになる。
(誰も、幸せになれない)
だからこのままレリーナが現れず、平穏な日々が続けばいいと願う。
周りの人が傷付くのは見たくないから、あんな思いをするのは私だけで十分だ。
ただ、まだレリーナが現れない未来も残っている。
どうすれば距離を詰められるか悩んでいるキャサリン様に、私は手を貸すことにした。
「日を改めて、お見舞いに行けばいいと思いますよ。ジョシュア様辺りにそれとなく尋ねて」
彼は果物を好んでいたので、栄養のある見舞い品としてピッタリだ。さりげなく付け加えると、ぱっと彼女の顔が明るくなった。
「ありがとうございます! ジョシュア様に聞いてみますね。話は変わりますが……」
彼女は手に乗るサイズの包装された箱を取り出した。
「前言っていた物です!」
「……?」
覚えがない。とりあえず受け取ろうと箱に手を伸ばすとピリッと手先に痛みが走り、引っ込めた。
「大丈夫ですかっ」
「平気です。静電気が発生したみたい」
冬によくあることだ。痛みは既に引いていて、改めて箱を受け取る。
「リーティア様に似合いそうなのを見繕いました! 時間が結構経ってしまいましたが、気に入っていただけると嬉しいです……!」
そこでようやく思い出す。夏の茶会、捨ててしまったリボンの代わりにキャサリン様が私に新しいのを贈りたいと言っていたのだ。
申し訳ないが合間に色々ありすぎてすっかり忘れていた。
「ありがとうございます。大切にしますね」
私は傷付けないようそっとバスケットにしまった。
雑談をしながらエントランスまで戻り、馬車で帰宅する。
主の早い帰宅に驚いたアナベルに事情を説明すれば、彼女は残念そうに肩を落とした。
アナベルにドレスを脱ぐのを手伝ってもらい、くつろげる服に着替えた。一息ついた私が窓を開けると、外にいたらしいアリアが飛んでくる。
「リーリー帰ってきたの? おかえり!」
「ただいま」
アリアのキスを頬に受け、頭を撫でてあげる。彼女は頬をすりすりしながら、その小さな体でめいいっぱい抱きついてきた。
「リーリーが居なくて寂し……」
アリアの声が途切れた。真顔になり、視線が一点に注がれる。
「この中に入ってるの何?」
ちょんちょんつつくのはバスケットだ。アリアの反応を奇妙に思いながらも、机上に中身を取り出す。
大したものは入ってない。中にあるのは貰った箱とハンカチくらいだ。
アリアは箱の方に興味があるようだ。持ち上げようとして断念していた。
「破いていー?」
「どうぞ」
箱の包装をビリビリに破く。
「…………リボンだ! しかも青色!」
水の精霊だからか自身の色と同じではしゃいでいる。羽がパタパタ高速で動いていた。箱から取り出して手触りを確かめたり、握ってブンブン振っている。
「ねえ~お願いがあるんだけど」
「何かしら」
ちょこんと私の膝の上に乗り、必殺上目遣いでアリアはねだる。
「このリボン、アリアにちょーだい」
「……それは叶えられないお願いだわ」
ショックを受けたかのように固まる彼女を、手の上に乗せて目の高さまで持ち上げる。
そうしてアリアが握っていたリボンの端を摘み、するりと取り返した。
「私の為にって選んで頂いたものだから。青いリボンが欲しいなら買ってあげる。今回は我慢してね」
諭すとアリアは涙目になる。
「どうしてもだめ?」
「可愛く言ってもだ~め」
彼女がお菓子以外の物にこれほど執着するのは滅多になく、私も叶えてあげたい。が、これは譲れなかった。
「そのリボンが欲しいのに……」
未練がましくじっと眺めている。
「同じものが欲しいなら、キャサリン様に何処で買ったのか聞いてみるわ。それでどう?」
アリアは唸り、手の上でジタバタした後言った。
「んー、買わなくていいよ。代わりに十秒目を瞑って」
「隠しちゃダメよ?」
「隠さないよ~~ん。いい?」
それくらいならと目を瞑る。
「開けるのはメッだよ」
「はいはい」
「じゅー、きゅー、はーち、な……────」
舌っ足らずな口調でアリアが数える。
「ぜーろっ! 開けていいよ~」
瞼を上げるとアリアが私を覗き込んでいた。
ふふっと笑った彼女はひらひら辺りを飛ぶ。その両手にはリボンが握られていた。
「じゃーんアリアは優秀な妖精なのでこんなこともできちゃうのです!」
二本になったリボンを見せる。
「リーリーに返すね」
くるんくるんしながらアリアはキャサリン様から頂いたリボンを私の手首に結んだ。
「こんな魔法使えるのね」
水を使わない魔法は初めてだった。感心していると彼女は誇らしげに胸を張る。
「アリア凄い?」
「とっても凄いわ」
大きく頷き、常備してある菓子缶の蓋を開け、アリアの好物──アーモンドクッキーを半分に割る。
「食べていいの!?」
目を輝かせ、ヨダレが口から垂れそうになっている。
「いい子にお留守番していたしね。ご褒美よ」
これは建前だ。本心はアリアの幸福そうな表情に癒されたかったから。美味しそうに食べる様子はそれだけで心が和らぐ。
私はしばらくハンカチを敷いた膝の上で、口いっぱいに頬張りながらクッキーを堪能するアリアを見守っていたのだった。
(どうしよう。こんなことするつもりなかったのに)
ぐるぐると己の行動を思い出しては頭が痛くなりそうだ。
カップを渡す際、触れてしまった指先が熱いように感じ、アルバート殿下が発熱しているかもしれない──考え始めてしまったら、頭の中がそれに占められてしまった。
別に額を重ねて熱を測るのではなくて、ジョシュア様にその可能性を伝え、侍医を呼んできてもらうことも選択肢としてあったのに。
極力近づかない。そう決めた私が、自らこんなことをしていては意味が無いじゃないか。
「ああ……もう、本当に馬鹿」
呻きながら私はようやく立ち上がった。床に置いていたバスケットの持ち手を握る。
「今日のお茶会は中止だし、帰っていいかな……?」
ジョシュア様が戻ってくる気配もなく、案内人も来そうにない。皇宮の構造は全て把握しているので、馬車のあるエントランスまで一人で戻ろうと廊下に出た。
最初の角を曲がると、正面から見覚えのある令嬢が現れた。
「リーティア様!」
にこにことその人は私に駆け寄ってくる。
「……キャサリン様?」
息を切らした彼女は荒い呼吸をしながらハンカチで汗を拭った。
「リーティア様も遅刻ですか?」
「いいえ」
「えっじゃあ何故ここに?」
どうやら連絡がまだ行き届いてなかったようだ。今、ここにいるということは、ジョシュア様の連絡鳩と入れ違いになってしまったのだろう。
困惑してきょとんとしているキャサリン様に私は茶会が中止になった旨を説明する。彼女は相槌を打ちながら最後まで聞き、何故か尊敬の眼差しを向けてきた。
「リーティア様お手柄ですね」
「?」
「だって、いつもアルバート殿下のお傍で仕えているジョシュア様でさえ気が付かなかったのに、リーティア様はお気づきになられたのですよね」
「……まぐれですよ」
何と反応すればいいのか分からず、苦し紛れにひねり出す。
(…………お手柄)
運が良かっただけだ。きっと、ジョシュア様もアルバート殿下の手に触れていたら直ぐに気づいただろう。
とはいえ、まぐれで片付けられないことでもあった。
(アルバート殿下は……体調が悪いと瞬きが増えて、上手くお隠しになられるけど顔色も悪かった)
ほんの些細な変化と癖だ。知ったのは前世で婚約者だった時。まさか今になって役に立つとは思わなかった。
「謙遜しないでくださいよ~。なら、先程までリーティア様はアルバート殿下と二人っきりだったんですか?」
「そういうことになりますね」
厳密に言うとジョシュア様もいたのだが、それは彼女の基準では数えないだろうから。
肯定するとキャサリン様は盛大なため息をついた。
「……私も渋滞に巻き込まれず、早く来ていれば他の婚約者候補様達が居ない中、ゆっくりアルバート殿下と会話できたんですね……」
キャサリン様はしょんぼりしてしまう。
「絶好の機会を逃してしまいました……もっと私のことを知って頂きたいのに」
(こういう人が距離を縮めればいいんだわ)
伯爵家からもアルバート殿下の婚約者になることを期待されているだろうが、キャサリン様自身もその地位に就くことを望んでいる。
お茶会でも毎回積極的に殿下に声をかけて、自分を可愛く見せるために着飾って。殿下に恋する彼女はとても努力しているのだ。
それを知ってるからこそ、キャサリン様の恋が実ればいいと願う反面、レリーナが現れたらどうなってしまうのだろうか。
ぽっと出の者に、恋焦がれても得られない座を奪われるとしたら。婚約者候補の家門は猛反対し、彼女達も行き場のない思いを抱えることになる。
(誰も、幸せになれない)
だからこのままレリーナが現れず、平穏な日々が続けばいいと願う。
周りの人が傷付くのは見たくないから、あんな思いをするのは私だけで十分だ。
ただ、まだレリーナが現れない未来も残っている。
どうすれば距離を詰められるか悩んでいるキャサリン様に、私は手を貸すことにした。
「日を改めて、お見舞いに行けばいいと思いますよ。ジョシュア様辺りにそれとなく尋ねて」
彼は果物を好んでいたので、栄養のある見舞い品としてピッタリだ。さりげなく付け加えると、ぱっと彼女の顔が明るくなった。
「ありがとうございます! ジョシュア様に聞いてみますね。話は変わりますが……」
彼女は手に乗るサイズの包装された箱を取り出した。
「前言っていた物です!」
「……?」
覚えがない。とりあえず受け取ろうと箱に手を伸ばすとピリッと手先に痛みが走り、引っ込めた。
「大丈夫ですかっ」
「平気です。静電気が発生したみたい」
冬によくあることだ。痛みは既に引いていて、改めて箱を受け取る。
「リーティア様に似合いそうなのを見繕いました! 時間が結構経ってしまいましたが、気に入っていただけると嬉しいです……!」
そこでようやく思い出す。夏の茶会、捨ててしまったリボンの代わりにキャサリン様が私に新しいのを贈りたいと言っていたのだ。
申し訳ないが合間に色々ありすぎてすっかり忘れていた。
「ありがとうございます。大切にしますね」
私は傷付けないようそっとバスケットにしまった。
雑談をしながらエントランスまで戻り、馬車で帰宅する。
主の早い帰宅に驚いたアナベルに事情を説明すれば、彼女は残念そうに肩を落とした。
アナベルにドレスを脱ぐのを手伝ってもらい、くつろげる服に着替えた。一息ついた私が窓を開けると、外にいたらしいアリアが飛んでくる。
「リーリー帰ってきたの? おかえり!」
「ただいま」
アリアのキスを頬に受け、頭を撫でてあげる。彼女は頬をすりすりしながら、その小さな体でめいいっぱい抱きついてきた。
「リーリーが居なくて寂し……」
アリアの声が途切れた。真顔になり、視線が一点に注がれる。
「この中に入ってるの何?」
ちょんちょんつつくのはバスケットだ。アリアの反応を奇妙に思いながらも、机上に中身を取り出す。
大したものは入ってない。中にあるのは貰った箱とハンカチくらいだ。
アリアは箱の方に興味があるようだ。持ち上げようとして断念していた。
「破いていー?」
「どうぞ」
箱の包装をビリビリに破く。
「…………リボンだ! しかも青色!」
水の精霊だからか自身の色と同じではしゃいでいる。羽がパタパタ高速で動いていた。箱から取り出して手触りを確かめたり、握ってブンブン振っている。
「ねえ~お願いがあるんだけど」
「何かしら」
ちょこんと私の膝の上に乗り、必殺上目遣いでアリアはねだる。
「このリボン、アリアにちょーだい」
「……それは叶えられないお願いだわ」
ショックを受けたかのように固まる彼女を、手の上に乗せて目の高さまで持ち上げる。
そうしてアリアが握っていたリボンの端を摘み、するりと取り返した。
「私の為にって選んで頂いたものだから。青いリボンが欲しいなら買ってあげる。今回は我慢してね」
諭すとアリアは涙目になる。
「どうしてもだめ?」
「可愛く言ってもだ~め」
彼女がお菓子以外の物にこれほど執着するのは滅多になく、私も叶えてあげたい。が、これは譲れなかった。
「そのリボンが欲しいのに……」
未練がましくじっと眺めている。
「同じものが欲しいなら、キャサリン様に何処で買ったのか聞いてみるわ。それでどう?」
アリアは唸り、手の上でジタバタした後言った。
「んー、買わなくていいよ。代わりに十秒目を瞑って」
「隠しちゃダメよ?」
「隠さないよ~~ん。いい?」
それくらいならと目を瞑る。
「開けるのはメッだよ」
「はいはい」
「じゅー、きゅー、はーち、な……────」
舌っ足らずな口調でアリアが数える。
「ぜーろっ! 開けていいよ~」
瞼を上げるとアリアが私を覗き込んでいた。
ふふっと笑った彼女はひらひら辺りを飛ぶ。その両手にはリボンが握られていた。
「じゃーんアリアは優秀な妖精なのでこんなこともできちゃうのです!」
二本になったリボンを見せる。
「リーリーに返すね」
くるんくるんしながらアリアはキャサリン様から頂いたリボンを私の手首に結んだ。
「こんな魔法使えるのね」
水を使わない魔法は初めてだった。感心していると彼女は誇らしげに胸を張る。
「アリア凄い?」
「とっても凄いわ」
大きく頷き、常備してある菓子缶の蓋を開け、アリアの好物──アーモンドクッキーを半分に割る。
「食べていいの!?」
目を輝かせ、ヨダレが口から垂れそうになっている。
「いい子にお留守番していたしね。ご褒美よ」
これは建前だ。本心はアリアの幸福そうな表情に癒されたかったから。美味しそうに食べる様子はそれだけで心が和らぐ。
私はしばらくハンカチを敷いた膝の上で、口いっぱいに頬張りながらクッキーを堪能するアリアを見守っていたのだった。
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