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プロローグ
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ハッと気がついて目が覚める。朝から変な夢を見たものだと回りを見渡す。どうやら夢は現実だったようで。
「彩葉!!」
視界に飛び込んできたのは綺麗な青色の目をした少女だ。
彼女は夢の中で死んだはずの雨宮悠莉である。
あまりにも現実的すぎる夢を見てしまったせいなのか雨宮が今も生きているという実感が持てない。
夢の中では血まみれだった俺、瑞野彩羽はなぜか病院のベッドで目を覚ました。
よく考えたら病室にいるのに雨宮"も"無傷だ。
じゃあなぜこんなところにいるのだろうか?
俺以外にも4人が今もベッドで寝ている。だが誰も彼も全員無傷だ。
ふと雨宮の頭を見てしまった。そう、見てしまったのだ。
00:10:00
00:09:59
00:09:58…
「なぁ雨宮それ…時計…?」
「…え?なにこれ!?」
雨宮の頭の上、それだけじゃない。今もベッドで寝ているやつの上にもなにかをカウントダウンしている数字が出ていた。
しかも全員が同じ時間をカウントしている。
この時計はいったいなんなのか、そもそもどういう仕組みなのか。
そんなことを考えている間に5分がすぎた。その時隣のベッドがモゾモゾと動いた。
「んぅ…?ここどこ……?」
眠たそうに目を擦る肩くらいまでの茶色の髪をハーフアップにした小さな少女は隣にいた未だに寝ている少年をぺちぺちと叩く。
案の定少年は爆睡している。
「つばめ起きてください」
「ん…?梓かぁ…何…?」
「つばめの頭の上にいかにも今から死にます!みたいなカウントダウンしてる時計あるんです…」
「えっ、まじ!?」
俺と雨宮のように知り合いなんだろう、梓と呼ばれた彼女はジェスチャーをしながら話している。
こちらには気付いてないようだ。
「というかカウントダウンこれ…00:00:50?49?」
「48?」
「なにこれ…ほんとに死ぬの?」
「ありえないわ!?」
話している2人に割り込んだのは見た目が完全にお嬢様のそれである女子だ。
いつの間に起きていたんだろうか。
どうやらとてもイライラしてるのかグチグチ言い始めた。
「帆歌はこんなやつらといるほど暇じゃないんですけど!?」
「こんなやつらは初対面の人たちに向かって失礼じゃない?」
「はぁ?あってるじゃない!」
「俺たちだって来たくて来たわけじゃねえよ」
少年はイライラしながらお嬢様の女と言いあいをする。
やめてください…と止めようとしている少女の声は聞こえて無さそうだ。
頭上にある謎の時計が00:00:00を迎えるまで残り30秒になった。
危機感がないのか、あとの1人はベッドでずっと寝ている。
すると突然目の前にパネルのようなものが現れた。
▼応募開始より23:59:30が経過しました。
▼Aブロック 雨宮悠莉 木澄つばめ 夏羽梓 瑞野彩羽 伊津帆歌
エントリー完了
蒔田颯
エントリー失敗
▼これより不参加者処理および参加者寿命追加を行います
残り3秒
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「彩葉!!」
視界に飛び込んできたのは綺麗な青色の目をした少女だ。
彼女は夢の中で死んだはずの雨宮悠莉である。
あまりにも現実的すぎる夢を見てしまったせいなのか雨宮が今も生きているという実感が持てない。
夢の中では血まみれだった俺、瑞野彩羽はなぜか病院のベッドで目を覚ました。
よく考えたら病室にいるのに雨宮"も"無傷だ。
じゃあなぜこんなところにいるのだろうか?
俺以外にも4人が今もベッドで寝ている。だが誰も彼も全員無傷だ。
ふと雨宮の頭を見てしまった。そう、見てしまったのだ。
00:10:00
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00:09:58…
「なぁ雨宮それ…時計…?」
「…え?なにこれ!?」
雨宮の頭の上、それだけじゃない。今もベッドで寝ているやつの上にもなにかをカウントダウンしている数字が出ていた。
しかも全員が同じ時間をカウントしている。
この時計はいったいなんなのか、そもそもどういう仕組みなのか。
そんなことを考えている間に5分がすぎた。その時隣のベッドがモゾモゾと動いた。
「んぅ…?ここどこ……?」
眠たそうに目を擦る肩くらいまでの茶色の髪をハーフアップにした小さな少女は隣にいた未だに寝ている少年をぺちぺちと叩く。
案の定少年は爆睡している。
「つばめ起きてください」
「ん…?梓かぁ…何…?」
「つばめの頭の上にいかにも今から死にます!みたいなカウントダウンしてる時計あるんです…」
「えっ、まじ!?」
俺と雨宮のように知り合いなんだろう、梓と呼ばれた彼女はジェスチャーをしながら話している。
こちらには気付いてないようだ。
「というかカウントダウンこれ…00:00:50?49?」
「48?」
「なにこれ…ほんとに死ぬの?」
「ありえないわ!?」
話している2人に割り込んだのは見た目が完全にお嬢様のそれである女子だ。
いつの間に起きていたんだろうか。
どうやらとてもイライラしてるのかグチグチ言い始めた。
「帆歌はこんなやつらといるほど暇じゃないんですけど!?」
「こんなやつらは初対面の人たちに向かって失礼じゃない?」
「はぁ?あってるじゃない!」
「俺たちだって来たくて来たわけじゃねえよ」
少年はイライラしながらお嬢様の女と言いあいをする。
やめてください…と止めようとしている少女の声は聞こえて無さそうだ。
頭上にある謎の時計が00:00:00を迎えるまで残り30秒になった。
危機感がないのか、あとの1人はベッドでずっと寝ている。
すると突然目の前にパネルのようなものが現れた。
▼応募開始より23:59:30が経過しました。
▼Aブロック 雨宮悠莉 木澄つばめ 夏羽梓 瑞野彩羽 伊津帆歌
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