上 下
49 / 60

47 前準備

しおりを挟む
翌日、朝からカズキ達にデュオラント様が遊戯施設が作れないかって話を俺に振ってきた事を伝えたんだが

「「「賭博場!それイイネ!」」」ってやる気に満ちた返事を頂きました。

俺は軽い言い回しで遊戯施設って言ったんだが、勇者達はデュオラント様の意志を的確に掴んでいたようで『賭博場』って言い切っている

「長屋の土地もあるから倉庫を抜かして地下広げようぜ」
「むしろ地下3階位で立体的に作るべきでは?」
「地下1階を倉庫とかハルの拡張用に残して2階から下に作るべきでは?」

両方の意見を取って長屋と母屋の土地を合わせた全区画を地下4階で立体的にクリエイトする方向で話がまとまったようだ。

「壁はシェルターとしても使えるようにしないと!」
「闘技場からドラゴンが逃走するとも限らん!」
「音響効果も考えてだな・・・」

ォィ、イッセー、闘技場はいらんぞ・・・

「広さは申し分ないから中で何するか考えよう」
「ダーツのコーナーは必要だろ、10レーン位あれば大会も余裕」
それは必要だと俺も思う。

「ダンスホールいるって!ジュリアナばりの奴」
本気でクラブ営業するのか?むしろディスコか?DJ誰がやるんだ?

「地下賭博って言ったらチンチロじゃないのか?」
って俺が行ってみたが反応薄いなぁ・・・

「沼だ!絶対に沼を置くぞ!」
出たな!パチンコ
「俺が出さないと言ったら絶対に出ないのだよ」
って俺も悪ノリしてみる
「ハルが悪い顔してるぞ!」
余計なお世話だ

「ルーレットとメダルゲームは置きたくないか?」
ルーレットは有りだと思うメダルゲームの筐体手に入るかな・・・パチスロならともかく
プッシャー系の機械は入れたいなぁ・・・あれ完全にドル箱だし設定も辛めにして横詰まりを完全に防止できれば回収機だ

「カードは避けよう、魔法でイカサマし放題だ」
それは賛成、カードは俺の店の方でボチボチやってもらいたい

「エアホッケーとかが平和か?」
「平和じゃねーだろ、吹っ飛ぶパックが眉間にぶち当たって大惨事になってるのが目に浮かぶぞ」
「「「あるある」」」
パワーホッケーになって飛び交うパックが他のお客様に当たりそうだ
地力が違うからなぁ・・・

このままでは埒が明かないと思い俺が提案する
「みんな作りたいものを紙に書いてそこから検討した方が早くない?」
「「「そうだね!」」」
こうしてそれぞれが欲しい設備を書き込んでいくのだった。

最深部に女の子集めてキャバにするってマジで言ってるのか?カズキよ・・・

競馬のメダルゲーム・・・スター〇ースとかか?あれってインカム率どうなんだ?

パチンコパチスロは有力なんだよな・・・確実に利益出せるし・・・

賭博場、上からパチゾーン、アミューズメントゾーン、特殊ゾーンにして

パチゾーンはまぁ、そのまんまだが、アミューズメントにプッシャー系のメダルゲームも入れる

いわゆるゲーセンだな

特殊ゾーンはガチの賭博場と特殊飲み屋、ディスコ(死語?)を含めたダンスホール

ダンスクラブとキャバ

ダーツ会場とかもここに入れる

自分なりの構想を紙に書いていく。

人材の方も何とかしないといけない

また奴隷っ子をレベリングするか?ある程度の接客能力だけでいいからレベリング自体は手分けして半日もあれば十分

本当は身体を売りたくないけど仕方なくやってる若い娼婦さんに声を掛けてキャバで働いてもらうとか

色々な事を考える・・・

勿論ここには盗賊ギルドも1枚噛ませる

後々面倒が無くなる事と、荒事の後ろ盾になる。借金の子とかもギルド経由ならどうどうと保護できそうだ

保護という名目でキャバ嬢として働いてもらうわけだが・・・って俺は鬼か?




つまり、キャバの女性キャストを除いて各階に5人は欲しい

旧長屋跡地にもう一度長屋を立てるか・・・むしろワンルームマンションで

従業員だけじゃなくてキャストの子も使うとなると部屋数が足りん!

風呂はいらないからシャワーだけで

ユニットバスでいい、キッチンもつけてやる

俺の店で賄いを作るには人数過多だ各自で何とかしてくれ

その代わり材料の仕入れは定価の半額で卸してあげよう

従業員の食事事情はこれでなんとかなるはず。

もちろんキャバのキャストの子には借金の一時肩代わりもしてやるつもりだ

キッチリ稼いで返せよって話で



そんな話をしてる中で、はい、勇者達満場一致で麻雀を導入する事が決まりました。

特殊ゾーンの一角に自動卓を4台設置することで合意


ってか、その話を聞いた勇者達の動きの迅速さって言ったら凄まじい物があった。

俺が、とりあえず会場を作らないとどうにもならん

ついでに社員寮としてワンルームマンションを建ててくれって頼んでみたら即OKだった

明日には外側ができるってさ・・・凄まじいチート能力だな、羨ましいぞ

内装はいつものドワーフのおっちゃんにお願いする事に

もちろん地下もだ

調度品は後で考えるとして、壁と照明、換気口は作らないと死ねる

色々案を出し合っていったん解散、そして、現在・・・奴隷商の所に居る俺。

俺の所は奴隷になった者の間でも評判がいいらしく、奴隷商の推薦枠が争奪戦になるレベルらしい

なんか顔なじみになってきた・・・好色の金持ちと思われてる節もある・・・


まだ奴隷っ子は誰一人手を出してませんが?

フィリアン同衾の件は・・・事故だろ?あれ

まだ揉んでも舐めても吸っても入れてもいないんだ(なんのこっちゃ

そんな目で見る奴隷商と商談である

1週間後に15人 年齢若め、若い方が仕事を覚えるのが早いという判断で、決して俺の趣味ではない

種族は不問!ただし人型、部屋の中を普通に歩ける者、接客業なので見た目もかなり重視

「まとめ買いなんだから、わかってるとは思うが」
「それはもうわかっております、見た目麗しい奴隷っ子を15人年齢若め、確かに承りました」
「期日は大丈夫そうか?」
「明日にでも隣国の奴隷オークションの方に出向いてまいります、手の空いてる者も買い付けに走らせますので」
「わかった、頼む、こっちの方もよろしくな」
と言ってマネーサインを見せる

「わかっておりますとも、十二分にご満足いただける即決価格をお出ししますよ」

「信用してる、今までもハズレが無いからな」

そう言って店を出た。



その後俺は商業ギルドに向かう

「毎度、ギルマスいる?」

そう受付の子に声を掛けてからしばらくすると応接室に呼ばれる。

「アポなしで申し訳ない、うちを作ってくれたドワーフの親方にアポを取りたいんだが」

「また大きい事をやる気か?」

それは事実なんだが

「領主絡みだ、中身の発注は商業ギルドに回すよ」

「ふむ、便宜を図れって事だな、いいだろう何が必要かは俺が見に行った方がいいだろうな」

「それと、銅貨銀貨当りが大量に必要になりそうなんで手配を頼む」

「両替って意味でいいんだよな?」

「あぁ、軍資金は領主持ちになるだろうから」

「わかった、親方には言っておくよ夕方には店に行くように言っとく、どうせ商談だろ?」

そう言って連絡を引き受けてくれた。領主絡みの仕事という時点で優先度が跳ね上がったらしい。


約束を取り付けた俺は店に帰る、帰り道の屋台でお菓子や飲み物、ケバブもどきは買っておく

掃除や準備を任せっきりにしてるハンティやフィリアンにお土産だ。

どうせ帰っても飯の支度する時間の余裕は無い!買うだけ買って店に早歩きで向かっていく。


「ただいま~ハンティ、フィリアン休憩にしよう」

最悪の場合、開店ギリギリになるからと先に準備だけお願いしてたのだが、二人は随分早くからやってくれてたらしい。

「もうほとんど終わってるね、さすがフィリアンとハンティ、二人とも優秀だね」

そう言いながら包みを出す

「作ってる余裕も無いだろうから買ってきたよ、みんなで食べよう」

ハンティが大喜びのケバブもどき、大きな口で勢いよく食べていく

「ん~うめぇ~~~」

「うめ~じゃなくて美味しい!言葉遣いが悪くなってるよ」

「カズキさまのまねしてみた」

アレは、いい子は見ちゃいけませんレベルだ・・・

「ハンティ、駄目です、言葉の乱れは心の乱れです」

フィリアンもなかなかいい事を言うってかそもそもカズキの真似するな

「は~い、これってやっぱりあの店の物でしょ?」

「そうだよ、ハンティがベソ掻いてたあのお店の奴」

俺が思い出したようにニコッと笑うと

「はるさまいぢわるです」

俺はニッコリ笑うとハンティの頭を撫でた。


そして営業時間までまったり過ごす3人でした。


そして開店時間になりプレートを営業中に変える。

開店と同時に入ってくるドワーフの親方

「話ってなんぞね、面倒な事か?」
「明後日辺りから急ぎで裏の建物の内装を頼みたいんだけど」
「裏の建物?また長屋でも建てたのか?」
「いやいや、今回はもっとでかいのを・・・」
「明後日とは急じゃな、手は多い方がいい感じか?」
「大人数の方が助かるよ、これが終わったら領主関係でもうひとつ大きな仕事を頼むことになるから」
「早めに終わらせろって事だなわかった、知り合い片っ端から呼ぶが金は大丈夫なのか?」
「大丈夫、領主から前金貰ってる」
「了解、明日から動くよ、今日はいい奴飲ませてくれるんだろ?」
「勿論さ!」

そう言って笑った

俺のとっておきを出す

「サントリーシングルモルトウイスキー山崎1984です」

市場価格50万コースだ

俺が自信を持って勧める国産ウィスキーの最高峰

これ飲んで駄目だったらウィスキーは諦めろって言いたい!そんな銘酒

親方に一杯目を注ぎボトルを隣に置く

ツマミにナッツとイカのフライを出す

「うむ」

そう一言呟いて飲み始めた

「ふほっ」っと満足げに息を吐くと

「お前さんの仕事を受けてから、美味い酒は飲めるし仕事もたっぷり押し付けて来るしで助かっとる」

「なんか色々我儘ですいません」

「金出すんだから我儘で結構!それに応えてこその職人よぉ」

そう言って自分で杯を満たし飲み始めた。



親方に伝える事を伝えて仕事に戻る。

ん?あれは・・・確か、アッシュ君のパーティの・・・

そうスカウトのステイ君だちょっと落ち込んだ表情のステイの前に行く

「いらっしゃいませ」

「あぁ、ハルさん、俺、やっちまったわ・・・」

「おや?確かアッシュ君のパーティでしたよね」

「前にメイリンにアッシュと付き合ってるか聞いたら別にそんな事ないって言ってたんで告ってみたんだよ、そしたらまぁ~玉砕、余計な事を言ったばっかりにぎくしゃくしちゃってPT抜けてきた」

「それはそれは・・・」

「アッシュと何でもないなら俺とメイリンは結構仲が良かったし、気もあってたんだ。だから大丈夫だって思ってて・・・」

「確かにそれは・・・残念でしたね、ステイ君ならまだ若いし次のPTで可愛い子が見つかりますって」

そう言うと「まぁ、そうするしかないんだけどよ」と笑ってグラスを空けた


「そういえば、最近ギルドの方でフリーのスカウトが優遇されてますよね」

「あぁ、裏方だからな、なり手も少ないんじゃね?」

「チャンスじゃないですか!こんな時に颯爽と助けに入るスカウト、罠から少女を守る姿」

「マジ?かっこよくね?」

前のめりで聞いてきた

「こんな罠でもお嬢さんの綺麗な顔に傷がついたら俺が嫌なんだとか言っちゃって」

「イイネイイネ!」

「その日の宿屋が楽しみですなぁ」

「楽しみですなぁ」

なんて馬鹿話をして盛り上がる二人

「ほら!これで前の女なんか霞んでく、今のスカウト不足がチャンスですよぉ」

「確かに・・・」

「そしてダーツ大会はスカウト有利の競技じゃないですかここでも見せ場がたっぷりと」

「だな!ササっと上位に食い込んだらかっこいいな」

「でしょでしょ

「その日の宿屋が楽しみですなぁ」

「何人お持ち帰りできるでしょう」


駄目だこいつら、脳内が都合よすぎる・・・

そんな感じのステイにしこたま妄想でおだてて酒を飲ませるハル


心の中では「毎度ありぃ」って感じだ

別段変わった事も無く平和なバーの営業だった。

それが今、大変嬉しい、心が安らぐ・・・

嵐の前の静けさとでもいうべきか、これから忙しくなるのを予感させる平凡さだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

異世界楽々通販サバイバル

shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。 近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。 そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。 そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。 しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。 「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」

土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~

にゃーにゃ
ファンタジー
「土属性だから追放だ!」理不尽な理由で追放されるも「はいはい。おっけー」主人公は特にパーティーに恨みも、未練もなく、世界が危機的な状況、というわけでもなかったので、ササッと王都を去り、辺境の地にたどり着く。 「助けなきゃ!」そんな感じで、世界樹の少女を襲っていた四天王の一人を瞬殺。 少女にほれられて、即座に結婚する。「ここを開拓してスローライフでもしてみようか」 主人公は土属性パワーで一瞬で辺境を開拓。ついでに魔王を超える存在を土属性で作ったゴーレムの物量で圧殺。 主人公は、世界樹の少女が生成したタネを、育てたり、のんびりしながら辺境で平和にすごす。そんな主人公のもとに、ドワーフ、魚人、雪女、魔王四天王、魔王、といった亜人のなかでも一際キワモノの種族が次から次へと集まり、彼らがもたらす特産品によってドンドン村は発展し豊かに、にぎやかになっていく。

神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。

猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。 そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。 あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは? そこで彼は思った――もっと欲しい! 欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。 神様とゲームをすることになった悠斗はその結果―― ※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

異世界でタロと一緒に冒険者生活を始めました

ももがぶ
ファンタジー
俺「佐々木光太」二十六歳はある日気付けばタロに導かれ異世界へ来てしまった。 会社から帰宅してタロと一緒に散歩していたハズが気が付けば異世界で魔法をぶっ放していた。 タロは喋るし、俺は十二歳になりましたと言われるし、これからどうなるんだろう。

魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます

ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう どんどん更新していきます。 ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。

処理中です...