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小学生編
45.せんせいはむいてません
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タタタタタターン タタタタターン♪
相変わらず間の抜けたチャイムが響く。
やあみんな久しぶり!ルーシャスくんだよ☆
作者が色々あって8年ぶりに登場だ!と言っても都合よくこの世界の時間は止まってるんだけどな。
もう忘れてると思うけど補習の講師役を終えて一段落付いた俺は、いつもと変わらない授業を受けている。今は算数の時間だ。
2桁の引き算に手こずっているコーディを眺めながらとっくに終わったプリントを持て余している最中の俺は、指先に風を纏わせてピザ生地のようにプリントを回していた。
「ルーシャス様、器用で素敵ですの、、!」
隣の席のアリスは相変わらずこんな様子だ。
ていうかアリスもとっくにプリント終わってんのな。終わったら俺を眺めるしかやることないのかよ。いやプリントやってる時も俺を見ながらやってたけどさ。なんなら机の引き出しに隠したお菓子の袋の中でノートの切れ端に俺への愛の言葉を左手で綴りながらプリント解いてたよこのお嬢さん。
「ルーシャスくんー、アリスさんー、プリント終わったなら他の子を見てあげるのはどうー?」
見かねたファーノン先生が俺たちに声をかける。まあぶっちゃけ授業退屈だし暇だし隣のお嬢さんは怖いし見てあげるとするか。
「アニキ、この問題なんでやんすけど、、」
早速コーディから声がかかる。ていうか君まだその話し方なのね。多分久々すぎてキャラ付けのために戻されたな。このサボり作者め。
「どれどれ、、」
覗き込んでみるとコーディが詰まっていたのは13-7。
「これが何度考えても6になるんでやんすけど、全然しっくりこないんでやんすよ、、」
「うん、答えは合ってるから慣れるしかないな。頑張れ☆」
「ええ!?アニキそれは酷いでやんすよ!!」
嘆くコーディを尻目に爽やかにサムズアップして去っていく俺。
正直ここまで初歩的な問題に関しては教えるも何もないぞ。ていうか途中式に牛肉やら長ネギやら豆腐が書いてあったんだがここまですき焼きを作っておいてどうやって6にたどり着いたんだこいつは?
とはいえ俺も勉強は得意じゃなかったからこれが6になるのが納得いかないのはわかるなあ。いや勉強というか何にも得意じゃなかったんだけどさ。まじ俺の成績表見てみ?きれーいに3が並んでるから。メガネ外したの○太くんが縦に並んでるみたいになってるから。いやもう転生しちゃったから見せようもないんだけどさ。
ということで俺は前世で高校生だったからできるだけで、人に教えるのは全然上手くない。魔力の使い方とか剣の振り方とかはこの世界に来てから小さいうちに身につけたからなんとなく説明できるんだけどなあ、、。如何せん算数はなあ、、。
横目で見るとアリスは澱みなくスラスラと教えている。やはり元々出来る子は教えるのも上手いんだな。俺には到底無理だ。
「いいですの?ここに矢が25本ありますの。このうち15本を折りますわ。ふんっ!さあ、残り何本ですの?」
訂正。めちゃくちゃ力技でした。ええ、、矢15本まとめて折ってたよ、、ええ、、。
アリスが悪目立ちしてくれたおかげで、俺は自分は解けるけど人に教えられない天才型としてさらっと流してもらえた。
うう、、すまんなあみんな、、俺の前世が平々凡々だったばっかりに、、。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
タタタタタターン タタタタターン♪
ずっこけそうになるのとファ○チキを注文しそうになるのを堪えて起立する。
『ありがとうございました!』
一斉にみんなで礼をして授業は終わりだ。
こういうところは日本とそっくりなんだよな。やっぱり騎士の国なだけあって礼儀には厳しいんだなあ、、。
「ルーシャス様!帰りますの♪」
「ああ、アリス。今日も2人?」
「もちろんですの!邪魔者には来ないよう伝えてありますわ!」
「おう、あいしー、、」
そんなルビ振ってやるなよ可哀想に。
アリスと手を繋ぎながらの帰り道。花畑の中をゆっくりと歩きながらのんびりと談笑する。今日はアリスの腕力にびっくりしたが、元々おしとやかで可愛らしいアリスは話していて落ち着く相手だ。いや、矢を15本まとめて折ったのは実際結構引いたけどさ、びっくりしたというかビビり散らかしたけどさ、、。
ドッゴオーーーン!!!!!
突然とんでもない音が聞こえて俺とアリスは飛び跳ねた。
「な、なんだ、、!?」
「ルーシャス様、あっちで何か起こってますの!!」
アリスが指さした方向を見ると、とんでもない大きさの水柱のようなものが見える。
「段々近づいてくる!!危ない!!!!」
俺はアリスを抱き寄せ、咄嗟に下に向けて強風を吹かせて上空へ逃げた。
すると水柱は突然なくなり、その中心からオレンジ色のネコ耳が飛び出した。
「ルーシャス様~、お迎えにあがりました~♪」
「ミ、ミーナちゃん、、?どうして、、?」
困惑する俺にいつもと同じほんわかした笑顔のミーナちゃんは答える。
「学校の近くで魔獣らしきものが目撃されたようで~、フィエナ様からお迎えに行くようにと~」
いや、理由は全うなんだけどさ、迎えに来る方法よ。え、ミーナちゃんがエクストリームスポーツみたいなことできるのは知ってたけどもうあれ災害だったよ?花畑がぐっちゃぐちゃになってるよ?植物だから水は必要だけどもう水圧の暴力で散り切ってるよ?
「ルーシャス様、アリス様をお送りしてから私達も帰りましょ~」
何も気にしてないミーナちゃんは、愕然とする俺たちを見て首を傾げるのだった。
相変わらず間の抜けたチャイムが響く。
やあみんな久しぶり!ルーシャスくんだよ☆
作者が色々あって8年ぶりに登場だ!と言っても都合よくこの世界の時間は止まってるんだけどな。
もう忘れてると思うけど補習の講師役を終えて一段落付いた俺は、いつもと変わらない授業を受けている。今は算数の時間だ。
2桁の引き算に手こずっているコーディを眺めながらとっくに終わったプリントを持て余している最中の俺は、指先に風を纏わせてピザ生地のようにプリントを回していた。
「ルーシャス様、器用で素敵ですの、、!」
隣の席のアリスは相変わらずこんな様子だ。
ていうかアリスもとっくにプリント終わってんのな。終わったら俺を眺めるしかやることないのかよ。いやプリントやってる時も俺を見ながらやってたけどさ。なんなら机の引き出しに隠したお菓子の袋の中でノートの切れ端に俺への愛の言葉を左手で綴りながらプリント解いてたよこのお嬢さん。
「ルーシャスくんー、アリスさんー、プリント終わったなら他の子を見てあげるのはどうー?」
見かねたファーノン先生が俺たちに声をかける。まあぶっちゃけ授業退屈だし暇だし隣のお嬢さんは怖いし見てあげるとするか。
「アニキ、この問題なんでやんすけど、、」
早速コーディから声がかかる。ていうか君まだその話し方なのね。多分久々すぎてキャラ付けのために戻されたな。このサボり作者め。
「どれどれ、、」
覗き込んでみるとコーディが詰まっていたのは13-7。
「これが何度考えても6になるんでやんすけど、全然しっくりこないんでやんすよ、、」
「うん、答えは合ってるから慣れるしかないな。頑張れ☆」
「ええ!?アニキそれは酷いでやんすよ!!」
嘆くコーディを尻目に爽やかにサムズアップして去っていく俺。
正直ここまで初歩的な問題に関しては教えるも何もないぞ。ていうか途中式に牛肉やら長ネギやら豆腐が書いてあったんだがここまですき焼きを作っておいてどうやって6にたどり着いたんだこいつは?
とはいえ俺も勉強は得意じゃなかったからこれが6になるのが納得いかないのはわかるなあ。いや勉強というか何にも得意じゃなかったんだけどさ。まじ俺の成績表見てみ?きれーいに3が並んでるから。メガネ外したの○太くんが縦に並んでるみたいになってるから。いやもう転生しちゃったから見せようもないんだけどさ。
ということで俺は前世で高校生だったからできるだけで、人に教えるのは全然上手くない。魔力の使い方とか剣の振り方とかはこの世界に来てから小さいうちに身につけたからなんとなく説明できるんだけどなあ、、。如何せん算数はなあ、、。
横目で見るとアリスは澱みなくスラスラと教えている。やはり元々出来る子は教えるのも上手いんだな。俺には到底無理だ。
「いいですの?ここに矢が25本ありますの。このうち15本を折りますわ。ふんっ!さあ、残り何本ですの?」
訂正。めちゃくちゃ力技でした。ええ、、矢15本まとめて折ってたよ、、ええ、、。
アリスが悪目立ちしてくれたおかげで、俺は自分は解けるけど人に教えられない天才型としてさらっと流してもらえた。
うう、、すまんなあみんな、、俺の前世が平々凡々だったばっかりに、、。
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タタタタタターン タタタタターン♪
ずっこけそうになるのとファ○チキを注文しそうになるのを堪えて起立する。
『ありがとうございました!』
一斉にみんなで礼をして授業は終わりだ。
こういうところは日本とそっくりなんだよな。やっぱり騎士の国なだけあって礼儀には厳しいんだなあ、、。
「ルーシャス様!帰りますの♪」
「ああ、アリス。今日も2人?」
「もちろんですの!邪魔者には来ないよう伝えてありますわ!」
「おう、あいしー、、」
そんなルビ振ってやるなよ可哀想に。
アリスと手を繋ぎながらの帰り道。花畑の中をゆっくりと歩きながらのんびりと談笑する。今日はアリスの腕力にびっくりしたが、元々おしとやかで可愛らしいアリスは話していて落ち着く相手だ。いや、矢を15本まとめて折ったのは実際結構引いたけどさ、びっくりしたというかビビり散らかしたけどさ、、。
ドッゴオーーーン!!!!!
突然とんでもない音が聞こえて俺とアリスは飛び跳ねた。
「な、なんだ、、!?」
「ルーシャス様、あっちで何か起こってますの!!」
アリスが指さした方向を見ると、とんでもない大きさの水柱のようなものが見える。
「段々近づいてくる!!危ない!!!!」
俺はアリスを抱き寄せ、咄嗟に下に向けて強風を吹かせて上空へ逃げた。
すると水柱は突然なくなり、その中心からオレンジ色のネコ耳が飛び出した。
「ルーシャス様~、お迎えにあがりました~♪」
「ミ、ミーナちゃん、、?どうして、、?」
困惑する俺にいつもと同じほんわかした笑顔のミーナちゃんは答える。
「学校の近くで魔獣らしきものが目撃されたようで~、フィエナ様からお迎えに行くようにと~」
いや、理由は全うなんだけどさ、迎えに来る方法よ。え、ミーナちゃんがエクストリームスポーツみたいなことできるのは知ってたけどもうあれ災害だったよ?花畑がぐっちゃぐちゃになってるよ?植物だから水は必要だけどもう水圧の暴力で散り切ってるよ?
「ルーシャス様、アリス様をお送りしてから私達も帰りましょ~」
何も気にしてないミーナちゃんは、愕然とする俺たちを見て首を傾げるのだった。
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