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幼年編
25.きぞくのあいさつ
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金で縁取られた巨大で真っ白な扉を見上げ、俺とジェームズはバカみたいに口を開けていた。
「………でっかいな」
「………ああ」
東京ドーム3個分はあろうかというデカい屋敷に呆気にとられた俺たちにはもう他の言葉が出てこない。
「ジェームズ様、ルーシャス様、どうされたのですか?行きますよ」
「「…はっ!」」
セシリアさんの声が俺たちを現実に引き戻した。
そうだ。今から俺たちはここに入らなきゃいけないんだ。
あ、言ってなかったけど馬車を操縦してくれたのはセシリアさんだ。
万能ちゃんことセシリアさんは、この他にも謎のスキルを隠し持っているらしい。
それはさておき、ようやく覚悟を決めた俺たちは、金のノッカーで門を叩く。
位置的に届かないので、俺の風を使ってノックした。流石にノックくらいは自分でやりたいしな。
少ししてからゆっくり巨大な扉が開いて、中からいかにも執事みたいな人が出てきた。
執事を思い浮かべてくれ。大体あってる。
セバスチャンとかいう名前だったりして。
「ようこそおいでくださいました。ルーシャス・グレイステネス様、ジェームズ・オルグレン様、それにメイドのセシリア・オルグレン様ですね。私は執事のセバスチャンと申します」
マジにセバスチャンじゃねえか。
もうちょっと名前考えてやれよ。
「初めまして、セバスチャン様。今日はジェームズ様とルーシャス様がお世話になります」
セシリアさんが俺たちを代表して挨拶してくれる。
っていうかこの段階では俺たちは挨拶しちゃいけないことになってる。
なんでも、ご令嬢様に最初に挨拶するのが礼儀らしい。
「さあ、こちらです」
セバスチャンさんの案内で屋敷に入る。
うわ、やっぱり違うなぁ。
ところどころに高そうな美術品が飾ってあり、それでいて内装はシンプルだ。
そのことが余計に美術品を際立たせ、より一層美しさを強調する。
全体的に白で統一されているのは、この家系が代々続く弓術の家系だから。
当然、娘さんも濃い白が出ているそうだ。
俺たちと同い年らしいが、どんなレベルなのか楽しみと不安が半々だ。
「こちらが、アリス様のお部屋です」
セバスチャンさんが立ち止まったのは、少し小さめの部屋。
いよいよご対面か……。
ヤバい、また緊張してきた。
「アリス様、お客様を連れて参りました」
セバスチャンさんがドアをノックする。
「どうぞ」
鈴のように高くて綺麗な声が返事をする。
それを聞いたセバスチャンさんは、ゆっくりとドアを開けた。
そこにいたのは、桃色の髪に金色の目をしたお嬢様。ぱっちりと開いた瞳は、俺を捉えて離さない。
「初めまして、ルーシャス・グレイステネスと申します。アリス様、お会いできて光栄です」
「どうも、ジェームズ・オルグレンです。近所の人からは冥府の闇を切り裂きし光の矢と呼ばれています」
「いつ誰がそう呼んだ⁉︎」
こいつは…。
平常運転にもほどがあるだろう⁉︎
小さく溜息をつきながらアリス様に向き直ると、ジェームズの挨拶は気にも止めておらず、ずっと俺を見たままだった。
……あれ、俺なんか変なことしたっけ?
「………でっかいな」
「………ああ」
東京ドーム3個分はあろうかというデカい屋敷に呆気にとられた俺たちにはもう他の言葉が出てこない。
「ジェームズ様、ルーシャス様、どうされたのですか?行きますよ」
「「…はっ!」」
セシリアさんの声が俺たちを現実に引き戻した。
そうだ。今から俺たちはここに入らなきゃいけないんだ。
あ、言ってなかったけど馬車を操縦してくれたのはセシリアさんだ。
万能ちゃんことセシリアさんは、この他にも謎のスキルを隠し持っているらしい。
それはさておき、ようやく覚悟を決めた俺たちは、金のノッカーで門を叩く。
位置的に届かないので、俺の風を使ってノックした。流石にノックくらいは自分でやりたいしな。
少ししてからゆっくり巨大な扉が開いて、中からいかにも執事みたいな人が出てきた。
執事を思い浮かべてくれ。大体あってる。
セバスチャンとかいう名前だったりして。
「ようこそおいでくださいました。ルーシャス・グレイステネス様、ジェームズ・オルグレン様、それにメイドのセシリア・オルグレン様ですね。私は執事のセバスチャンと申します」
マジにセバスチャンじゃねえか。
もうちょっと名前考えてやれよ。
「初めまして、セバスチャン様。今日はジェームズ様とルーシャス様がお世話になります」
セシリアさんが俺たちを代表して挨拶してくれる。
っていうかこの段階では俺たちは挨拶しちゃいけないことになってる。
なんでも、ご令嬢様に最初に挨拶するのが礼儀らしい。
「さあ、こちらです」
セバスチャンさんの案内で屋敷に入る。
うわ、やっぱり違うなぁ。
ところどころに高そうな美術品が飾ってあり、それでいて内装はシンプルだ。
そのことが余計に美術品を際立たせ、より一層美しさを強調する。
全体的に白で統一されているのは、この家系が代々続く弓術の家系だから。
当然、娘さんも濃い白が出ているそうだ。
俺たちと同い年らしいが、どんなレベルなのか楽しみと不安が半々だ。
「こちらが、アリス様のお部屋です」
セバスチャンさんが立ち止まったのは、少し小さめの部屋。
いよいよご対面か……。
ヤバい、また緊張してきた。
「アリス様、お客様を連れて参りました」
セバスチャンさんがドアをノックする。
「どうぞ」
鈴のように高くて綺麗な声が返事をする。
それを聞いたセバスチャンさんは、ゆっくりとドアを開けた。
そこにいたのは、桃色の髪に金色の目をしたお嬢様。ぱっちりと開いた瞳は、俺を捉えて離さない。
「初めまして、ルーシャス・グレイステネスと申します。アリス様、お会いできて光栄です」
「どうも、ジェームズ・オルグレンです。近所の人からは冥府の闇を切り裂きし光の矢と呼ばれています」
「いつ誰がそう呼んだ⁉︎」
こいつは…。
平常運転にもほどがあるだろう⁉︎
小さく溜息をつきながらアリス様に向き直ると、ジェームズの挨拶は気にも止めておらず、ずっと俺を見たままだった。
……あれ、俺なんか変なことしたっけ?
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