22 / 101
幼年編
22.しっぷーどとー
しおりを挟む
なんとかシュートさんに魔術師協会に登録してもらい、俺達は練習場に来た。
ミーナちゃんが選んだ練習場は屋根付きのグラウンドで、協会が管理する50の練習場のうちの最も小さいところだ。
この選択から考えると、ミーナちゃんは俺の魔力量が把握できてないようだな。
息子と相撲をとって容赦なく投げる父親みたいに「思いっきりやっちゃってください~♪」とか言っちゃってるし。
実は俺の魔力量は5歳児の小さな体に対してやたらと大きく成長している。
今まで庭で練習していた時は、なるべく力を抑えて微風を吹かせる、といったことをやっていたが、増え続ける魔力量に俺の精神は限界を突破する寸前だった。
もうちょっと大人になればそこんところもうまくできるようになると思うんだけどな。
「ルーシャス様~、まずは私を浮かせてみてください~」
…舐めてやがるな?このネコ耳ちゃんは俺を舐めてやがるな?
よーし、望み通り浮かせてやろうじゃあないか!
俺は指先に全魔力量の1/5くらいを集める。
お星様になられると困るので少なめだが、これでも結構な威力はある。
「いっっけえええ!!」
俺はミーナちゃんに向かって魔術を放出した。
「え?きゃああああ~!」
俺が起こしたのはつむじ風。昔見たアメリカのつむじ風をイメージしたんだけど…うん、確かにつむじ風だね。何か思ってたよりも随分デカいけど気にしない。
思いっきり吹っ飛んでいったミーナちゃんは、屋根にぶつかる前に逆風を吹かせてキャッチ。風マジ便利。
「ふにゃああ~…」
ペタンと座りこんでしまうミーナちゃん。
吹っ飛んでも風でキャッチすりゃいいか、と気が大きくなった俺は追撃を仕掛ける。
お疲れのところ悪いんだが、俺の魔力量を舐めてた分の報いは受けてもらうぜ?
俺はかなりの魔力を手のひらに集中させる。
ミーナちゃんが俺の動きに気づいたがもう遅い。
「オッラああああ!!!」
俺が起こしたのは巨大な竜巻。
今度は意図的に大きくした。
「きゃああああああ~!!!!」
竜巻は砂を濛々と巻き上げながら、物凄いスピードでミーナちゃんに向かう。
そしてミーナちゃんを巻き込んだ竜巻は、あらぬ方向に去っていった。
……どうしましょう?
「もう、本当に死ぬかと思いましたよ~⁉︎」
「ご、ごめん…」
あれからミーナちゃんは無傷で帰ってきた。
咄嗟に真下に水魔法を撃って水圧で上空に逃れたらしく、エクストリームスポーツみたいに帰ってきた。
俺はミーナちゃんの生還を泣いて喜んで誤魔化そうとしたけど、生まれた時から一緒にいるこのメイドさんには通じないわけで…。
「これからはちゃんと魔力調整しないと、本気で犯罪者になりますよ~⁉︎」
「はい…」
家に着くまでお説教は続きました。
ミーナちゃんが選んだ練習場は屋根付きのグラウンドで、協会が管理する50の練習場のうちの最も小さいところだ。
この選択から考えると、ミーナちゃんは俺の魔力量が把握できてないようだな。
息子と相撲をとって容赦なく投げる父親みたいに「思いっきりやっちゃってください~♪」とか言っちゃってるし。
実は俺の魔力量は5歳児の小さな体に対してやたらと大きく成長している。
今まで庭で練習していた時は、なるべく力を抑えて微風を吹かせる、といったことをやっていたが、増え続ける魔力量に俺の精神は限界を突破する寸前だった。
もうちょっと大人になればそこんところもうまくできるようになると思うんだけどな。
「ルーシャス様~、まずは私を浮かせてみてください~」
…舐めてやがるな?このネコ耳ちゃんは俺を舐めてやがるな?
よーし、望み通り浮かせてやろうじゃあないか!
俺は指先に全魔力量の1/5くらいを集める。
お星様になられると困るので少なめだが、これでも結構な威力はある。
「いっっけえええ!!」
俺はミーナちゃんに向かって魔術を放出した。
「え?きゃああああ~!」
俺が起こしたのはつむじ風。昔見たアメリカのつむじ風をイメージしたんだけど…うん、確かにつむじ風だね。何か思ってたよりも随分デカいけど気にしない。
思いっきり吹っ飛んでいったミーナちゃんは、屋根にぶつかる前に逆風を吹かせてキャッチ。風マジ便利。
「ふにゃああ~…」
ペタンと座りこんでしまうミーナちゃん。
吹っ飛んでも風でキャッチすりゃいいか、と気が大きくなった俺は追撃を仕掛ける。
お疲れのところ悪いんだが、俺の魔力量を舐めてた分の報いは受けてもらうぜ?
俺はかなりの魔力を手のひらに集中させる。
ミーナちゃんが俺の動きに気づいたがもう遅い。
「オッラああああ!!!」
俺が起こしたのは巨大な竜巻。
今度は意図的に大きくした。
「きゃああああああ~!!!!」
竜巻は砂を濛々と巻き上げながら、物凄いスピードでミーナちゃんに向かう。
そしてミーナちゃんを巻き込んだ竜巻は、あらぬ方向に去っていった。
……どうしましょう?
「もう、本当に死ぬかと思いましたよ~⁉︎」
「ご、ごめん…」
あれからミーナちゃんは無傷で帰ってきた。
咄嗟に真下に水魔法を撃って水圧で上空に逃れたらしく、エクストリームスポーツみたいに帰ってきた。
俺はミーナちゃんの生還を泣いて喜んで誤魔化そうとしたけど、生まれた時から一緒にいるこのメイドさんには通じないわけで…。
「これからはちゃんと魔力調整しないと、本気で犯罪者になりますよ~⁉︎」
「はい…」
家に着くまでお説教は続きました。
10
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
異世界に転生したら?(改)
まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。
そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。
物語はまさに、その時に起きる!
横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。
そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。
◇
5年前の作品の改稿板になります。
少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。
生暖かい目で見て下されば幸いです。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
やり直し令嬢の備忘録
西藤島 みや
ファンタジー
レイノルズの悪魔、アイリス・マリアンナ・レイノルズは、皇太子クロードの婚約者レミを拐かし、暴漢に襲わせた罪で塔に幽閉され、呪詛を吐いて死んだ……しかし、その呪詛が余りに強かったのか、10年前へと再び蘇ってしまう。
これを好機に、今度こそレミを追い落とそうと誓うアイリスだが、前とはずいぶん違ってしまい……
王道悪役令嬢もの、どこかで見たようなテンプレ展開です。ちょこちょこ過去アイリスの残酷描写があります。
また、外伝は、ざまあされたレミ嬢視点となりますので、お好みにならないかたは、ご注意のほど、お願いします。
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
めんどくさがり屋の異世界転生〜自由に生きる〜
ゆずゆ
ファンタジー
※ 話の前半を間違えて消してしまいました
誠に申し訳ございません。
—————————————————
前世100歳にして幸せに生涯を遂げた女性がいた。
名前は山梨 花。
他人に話したことはなかったが、もし亡くなったら剣と魔法の世界に転生したいなと夢見ていた。もちろん前世の記憶持ちのままで。
動くがめんどくさい時は、魔法で移動したいなとか、
転移魔法とか使えたらもっと寝れるのに、
休みの前の日に時間止めたいなと考えていた。
それは物心ついた時から生涯を終えるまで。
このお話はめんどくさがり屋で夢見がちな女性が夢の異世界転生をして生きていくお話。
—————————————————
最後まで読んでくださりありがとうございました!!
14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク
普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。
だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。
洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
------
この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる