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第3章 美容相談所オープン
開戦
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あれから、私達は本道へと戻りフェアリーたちに導かれながら先へと急いだ。途中に居合わせた小隊を3隊打ち破った後にたどり着いたのはこの洞窟の最奥部の入口。本隊がいる場所だ。
ごくりと喉がなる、喉が少し乾いた。口で呼吸をし過ぎている。
わかっている。緊張していることくらい。隣のハクは平然としているのに情けないな私。
さらりとハクを撫でてから、うんと1つ頷く。誰に対してではない、私に向かって頷いた。
大丈夫、覚悟は出来た。オークの群れは20体ほど。オークジェネラル、ガーディアン、メイジ、プリースト、ファイター。進化個体で固められた鉄壁の布陣。
でも、相手が悪かったわね。
「行くわよ」
「うん!」
静かにそう告げる私にハクは力強く応える。
そう、私はひとりじゃない。頼れる相棒が共に在る。それだけで無敵にもなれる気がした。
突入!
入口から躍り出た私たちは、すぐさまオークメイジとプリーストに向けて攻撃を開始する。
「氷霜陣!」
円状に氷の霜がおり、相手の足を凍り付けにする。ひとかたまりになっていたメイジとプリーストを数体巻き込めた。
「烈水弾」
そこに、ハクが水魔法で追い打ちをかけさらに凍えさせる。
身じろぎして、逃げ出そうとするメイジたち。だが、その足は決して動くことなくその身を捉え続ける。
「焔の柱」
そこに、トドメを刺す!これでメイジとプリーストは半数を失ったはず。
そこで、反応したのはオークファイター。ジェネラルの咆哮に応じて錆びついた剣を振りかざし私たちに斬りかかってきた。
ファイターの数は約8体程。左右から迫る脅威に対抗するべくハクが私の右側を守るように近寄ってきた。
「烈風斬」
「水霊の矢」
私たちの連携を見るがいいわ!
バックステップで距離を取りつつ、先手を取る私たち。1陣の風が左手から迫るオークファイターの首を斬り落とす。右手から迫るファイターの頭に水の矢が突き刺さりその身が崩れ落ちた。
道中の戦いで解ったんだけど、ハクはレベルが低い代わりに技量が高く、FPSでいうヘッドショットを繰り出してクリティカルダメージを叩き出すことが得意みたい。少ない魔力でも効果的に運用が出来るのだ。
それを掻い潜って接近してきたファイターが4体。上段からの振り下ろしが迫るが慌てない。
「金剛石の盾」
「泥水の池」
私は盾で剣撃を防ぎ、ハクは相手の足元に罠を展開して転倒させる。
「焔の棘」
「水霊の矢」
隙を見せたオークファイターに、焔で作った鞭が迫りその身を焼く。右手では相変わらずの精度でヘッドショットを食らわせるハクの矢。
さて、ファイターは全員撃破。そこでジェネラルが動き出す。その傍らに控えていたプリーストとメイジも同時に動き出した。
「ヴォォォォォォォ!!」
耳をつんざくような咆哮の後、巨大な斧が飛んできた。速い!!
「金剛石の盾」
とっさにハクを抱き寄せて魔法で防御する。ガコン!と激しい音と共に斧が地面に落ちた。
良かった。なんとか防げたみたいね。
相手を見やると、プリーストからのバフを受け取ったジェネラルがその巨体を踊らせながら迫ってきていた。
その後ろ手からメイジが炎の矢を飛ばしてくる。
魔物のくせに連携取ってくるじゃない!
「ハク!」
「任せて!」
「水膜の護り」
私たちの前に水膜が出現し、炎の矢を絡めとる。
「幻影の戯れ」
そして、光魔法で幻影を作り出して相手のミスを誘う。
案の定ジェネラルは私たちの幻影を攻撃する。でも、その幻影。攻撃されると
「ウゴォォォォォ!!」
そう、激しい光を放つのよ。フラッシュ効果で目が焼かれてるうちに、背後のプリーストたちを狙う!
「烈風斬」
「水霊の矢」
メイジとプリーストは身体能力は普通のオークより下。避けれる訳もなく呆気なく倒れる。
視力を取り戻したジェネラルが再びこちらに攻撃をするべく突進してきた。
「炎精の舞」
大きなトカゲ状の炎を生み出し相手に放つ。
ジェネラルはとっさに斧で払うが、魔法で作られた身は炎。かき消されることもなくジェネラルの身を焦がす。
「ブゥォォォォォ!」
恨めしげな悲鳴をあげるジェネラル。
「水霊の矢」
隙を逃さずに放たれたハクの矢。
これで勝利かと思ったときに。
巨大な盾が出現し、ジェネラルを守る。
オークガーディアン。タンク役のオークだ。今更感が強いがその存在を忘れていたわ。
ガーディアンが大きな盾を構えてこちらを牽制する。その背後から、ジェネラルが斧を振りかぶり投げつけてきた。
洞窟が崩壊する恐れがあるから、強力な範囲魔法が使えない今、思ったより長期戦になりそうね。
ごくりと喉がなる、喉が少し乾いた。口で呼吸をし過ぎている。
わかっている。緊張していることくらい。隣のハクは平然としているのに情けないな私。
さらりとハクを撫でてから、うんと1つ頷く。誰に対してではない、私に向かって頷いた。
大丈夫、覚悟は出来た。オークの群れは20体ほど。オークジェネラル、ガーディアン、メイジ、プリースト、ファイター。進化個体で固められた鉄壁の布陣。
でも、相手が悪かったわね。
「行くわよ」
「うん!」
静かにそう告げる私にハクは力強く応える。
そう、私はひとりじゃない。頼れる相棒が共に在る。それだけで無敵にもなれる気がした。
突入!
入口から躍り出た私たちは、すぐさまオークメイジとプリーストに向けて攻撃を開始する。
「氷霜陣!」
円状に氷の霜がおり、相手の足を凍り付けにする。ひとかたまりになっていたメイジとプリーストを数体巻き込めた。
「烈水弾」
そこに、ハクが水魔法で追い打ちをかけさらに凍えさせる。
身じろぎして、逃げ出そうとするメイジたち。だが、その足は決して動くことなくその身を捉え続ける。
「焔の柱」
そこに、トドメを刺す!これでメイジとプリーストは半数を失ったはず。
そこで、反応したのはオークファイター。ジェネラルの咆哮に応じて錆びついた剣を振りかざし私たちに斬りかかってきた。
ファイターの数は約8体程。左右から迫る脅威に対抗するべくハクが私の右側を守るように近寄ってきた。
「烈風斬」
「水霊の矢」
私たちの連携を見るがいいわ!
バックステップで距離を取りつつ、先手を取る私たち。1陣の風が左手から迫るオークファイターの首を斬り落とす。右手から迫るファイターの頭に水の矢が突き刺さりその身が崩れ落ちた。
道中の戦いで解ったんだけど、ハクはレベルが低い代わりに技量が高く、FPSでいうヘッドショットを繰り出してクリティカルダメージを叩き出すことが得意みたい。少ない魔力でも効果的に運用が出来るのだ。
それを掻い潜って接近してきたファイターが4体。上段からの振り下ろしが迫るが慌てない。
「金剛石の盾」
「泥水の池」
私は盾で剣撃を防ぎ、ハクは相手の足元に罠を展開して転倒させる。
「焔の棘」
「水霊の矢」
隙を見せたオークファイターに、焔で作った鞭が迫りその身を焼く。右手では相変わらずの精度でヘッドショットを食らわせるハクの矢。
さて、ファイターは全員撃破。そこでジェネラルが動き出す。その傍らに控えていたプリーストとメイジも同時に動き出した。
「ヴォォォォォォォ!!」
耳をつんざくような咆哮の後、巨大な斧が飛んできた。速い!!
「金剛石の盾」
とっさにハクを抱き寄せて魔法で防御する。ガコン!と激しい音と共に斧が地面に落ちた。
良かった。なんとか防げたみたいね。
相手を見やると、プリーストからのバフを受け取ったジェネラルがその巨体を踊らせながら迫ってきていた。
その後ろ手からメイジが炎の矢を飛ばしてくる。
魔物のくせに連携取ってくるじゃない!
「ハク!」
「任せて!」
「水膜の護り」
私たちの前に水膜が出現し、炎の矢を絡めとる。
「幻影の戯れ」
そして、光魔法で幻影を作り出して相手のミスを誘う。
案の定ジェネラルは私たちの幻影を攻撃する。でも、その幻影。攻撃されると
「ウゴォォォォォ!!」
そう、激しい光を放つのよ。フラッシュ効果で目が焼かれてるうちに、背後のプリーストたちを狙う!
「烈風斬」
「水霊の矢」
メイジとプリーストは身体能力は普通のオークより下。避けれる訳もなく呆気なく倒れる。
視力を取り戻したジェネラルが再びこちらに攻撃をするべく突進してきた。
「炎精の舞」
大きなトカゲ状の炎を生み出し相手に放つ。
ジェネラルはとっさに斧で払うが、魔法で作られた身は炎。かき消されることもなくジェネラルの身を焦がす。
「ブゥォォォォォ!」
恨めしげな悲鳴をあげるジェネラル。
「水霊の矢」
隙を逃さずに放たれたハクの矢。
これで勝利かと思ったときに。
巨大な盾が出現し、ジェネラルを守る。
オークガーディアン。タンク役のオークだ。今更感が強いがその存在を忘れていたわ。
ガーディアンが大きな盾を構えてこちらを牽制する。その背後から、ジェネラルが斧を振りかぶり投げつけてきた。
洞窟が崩壊する恐れがあるから、強力な範囲魔法が使えない今、思ったより長期戦になりそうね。
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