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翌日、異世界に来た俺たちは、ギュンターさんの店へと来ていた。


「お久しぶりでございます」


ギュンターさんはいつも通りの爽やかな笑顔で出迎えてくれた。


「今日はどういったご用件でしょうか?」


「新しい奴隷を買おうと思ってね」


「かしこまりました。どのような奴隷をお探しでしょうか?」


「家の掃除とかの家事を任せられる子がいいかな」


「なるほど……」


ギュンターさんは顎に手を当てて考え込む。しばらくして彼は顔を上げた。


「では、家事のスキルを持った奴隷をお探ししましょう」


「よろしく頼むよ」


「かしこまりました」


ギュンターさんは頷くと、店の奥へと向かう。しばらく待っていると、一人の女性を連れて戻ってきた。その女性はメイド服を着用しており、丁寧にお辞儀をする。


「初めましてご主人様。私はエルフリーデと申します」


彼女は栗色の髪と瞳を持つ美少女だった。年齢は十代半ばくらいだろうか? 整った顔立ちをしており、とても可愛らしい印象を受ける。少し緊張しているのか、表情は硬かった。


「エルフリーデは家事全般を得意としております。掃除や料理はもちろんのこと、裁縫なども得意でございます」


「へぇ……凄いね」


俺は素直に感心した。掃除や洗濯などは特に重労働だ。それを一人でこなすのはかなり大変なことだろう。


「ありがとうございます」


エルフリーデは頰を染めながら礼を言った。そんな彼女を見て、俺はますます感心するのだった……。


「ギュンターさん、この子を買おうと思うんだけどいいかな?」


「もちろんです。それでは契約書を作成して参りますので、しばらくお待ちください」


ギュンターさんはそう言うと、奥の部屋へと入っていった。その間、俺はエルフリーデと話をすることにした。


「えっと……エルフリーデは普段どんなことをしているんだい?」


「はい! 私はこの家の掃除をしております!」


彼女は目を輝かせながら答える。かなりやる気があるようだ。俺は質問を続けることにした。


「それじゃあ洗濯とかもするのかな?」


「はい! お洗濯も大好きです!」


彼女は笑顔で答える。その笑顔はとても愛らしかった……。


(可愛い子だな……)


俺は素直にそう思った。そこで一つ提案をしてみることにする。


「エルフリーデ、良ければ一緒に暮らすかい?」


「えっ!?」


彼女は驚いたような表情を浮かべると、恥ずかしそうに俯いた。そして上目遣いでこちらを見ると、小さな声で言う……。


「ご迷惑ではありませんか……?」


不安そうな表情を浮かべている彼女を安心させるように、俺は微笑みながら答えた。


「迷惑だなんてとんでもないよ。エルフリーデさえ良ければ一緒に暮らそう」


「ありがとうございます!」


エルフリーデは満面の笑みを浮かべながら、再び頭を下げるのだった……。

その後、奴隷契約を済ませた俺は、エルフリーデを連れて店を後にした。彼女は嬉しそうに俺の腕に抱きついてくる。柔らかな感触が伝わってきた。


「ご主人様のお屋敷で働けるなんて夢のようです!」


「あはは……大袈裟だな」


俺は苦笑するが、彼女は本気らしい。目を輝かせながら話を続けた。


「メイドとして誠心誠意仕えさせていただきますね!」


「うん、よろしく頼むよ」


俺は優しく彼女の頭を撫でる。エルフリーデは気持ちよさそうに目を細めた。まるで子猫のように可愛らしい反応だ。


(本当に可愛い子だな……)


俺は心の中でそう思った。そんな俺たちのやり取りを、紗彩とアルシャは微笑ましそうに見ているのだった……。

屋敷に戻った後、俺とエルフリーデは早速家事を始めた。まずは屋敷の掃除からだ。二人で分担しながら進めていくことにする。


「よしっ! 頑張ろう!」


気合を入れて掃除を始める俺だった……。それから数時間ほどかけて屋敷の掃除を行ったのだが、想像していた以上に大変だった。特に大変だったのはキッチン周りだ。


「ご主人様! お料理の材料が足りません!」


「分かった! 買い出しに行こう!」


俺はエルフリーデと一緒に市場へ買い物に行くことにした。市場は相変わらずの活気に溢れており、多くの人々で賑わっている。俺たちは人混みをかき分けながら進んだ。そして無事に必要なものを買い揃えることができたのだ。


「ふぅ……これで全部だね」


「そうですね! お荷物お持ちいたします!」


「ありがとう」


俺は礼を言って、彼女が持つ荷物を受け取る。その時、彼女は俺の腕に抱きついた。柔らかな感触が伝わってくる。


「えへへ……ご主人様と腕を組んで歩けるなんて幸せです!」


エルフリーデは嬉しそうに笑う。彼女の笑顔を見ると、俺も幸せな気分になった。

その後、俺たちは食材を持って屋敷へと戻った。キッチンへ向かおうとすると、アルシャが玄関に立っていたことに気付く。


「お帰りなさいませ」


アルシャは丁寧にお辞儀をする。そんな彼女にエルフリーデが駆け寄った。


「ただいま戻りました!」


アルシャも笑顔を浮かべると、エルフリーデの頭を撫でる。


「ふふっ♪ よく働いてくれたみたいですね」


「はい! 頑張ってお掃除しました!」


「偉いですわね」


アルシャはクスリと笑うと、俺の方に向き直る。そして深々と頭を下げた。


「ありがとうございますご主人様。この子の教育までしていただいでしまって……」


「気にしないでくれ。俺も楽しかったからさ」


「そう言っていただけると幸いです。今後も何かありましたら遠慮なくお申し付けください」


アルシャは笑顔を浮かべる。彼女の笑顔を見ていると、自然と癒されるような気がした……。

それから俺たちは夕食の準備に取り掛かった。料理に関してはエルフリーデに任せてみたのだが、これがまた見事な手際だった。俺は素直に感心する。


「凄いな……すごく手際が良いじゃないか」


「えへへ♪ お褒めいただき光栄です!」


エルフリーデは頰を赤らめると、嬉しそうに微笑んだ。


「ご主人様の為に頑張りますね!」


そして彼女は手際良く調理を進めていく。俺も手伝おうとしたのだが、やんわりと断られてしまった。なので大人しく座って待つことにする……。

しばらくすると料理が完成したようだ。テーブルの上には美味しそうな料理が並ぶ。どれも食欲を刺激する匂いが漂っていた。俺とエルフリーデは向かい合って座ると、早速食べ始めることにする。


(うーん……美味い!)


俺は思わず唸った。肉や野菜の旨味が口の中に広がっていく。味付けも絶妙で、本当に美味しかった。


「どうですか? お口に合いましたか?」


不安そうに尋ねるエルフリーデに、俺は笑顔で答える。


「すごく美味しいよ!」


「良かったです……」


エルフリーデはホッとした表情を浮かべると、自分も食事を始めた。そんな彼女を見て、紗彩がニコニコと笑う。


「ふふっ♪ エルちゃんは頑張ってたもんね」


「はい! たくさん練習しましたから!」


誇らしげに胸を張るエルフリーデ。その仕草はとても可愛らしかった。


(本当に良い子だな……)


俺は心からそう思った。そんな彼女を見ていると、幸せな気分になることができたのだった……。
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