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翌朝、窓から差し込む太陽の光で目を覚ました私は、身支度を整えると一階へ降りた。
「おはようございます」
私が挨拶をすると、受付嬢のエリカさんが笑顔で挨拶を返してくれる。
「あら、おはよう! 昨日はよく眠れたかしら?」
「はい! おかげさまでぐっすり眠れました!」
「それは良かったわ」
少しするとカイトさんがやってきた。
「やあ、おはよう」
「おはようございます!」
挨拶を交わすと、引き受ける依頼をカイトさんに選んでもらう。
「今日も採取の依頼でいい?」
「どんな内容ですか?」
一通り目を通したルクトさんが指差す依頼板を覗きながらも、口頭で答え待つ。
「アーガス南東にある『溶岩の森』に生えている『マグマの木』の皮を削り取るだけの簡単な依頼だ」
「わかりました。でも、溶岩の森って……危険はないんですか?」
「クロエなら大丈夫だって、俺の判断で選んだから、問題はないさ」
私を高く評価してくれているのは嬉しいのだけれど、少し不安になる。
「ちなみに、『溶岩の森』はどんな魔物が出没するのですか?」
「あそこには、火属性の魔物が生息している。だから、水属性の魔法が使えないとキツいかな」
「それなら大丈夫です! 私、得意ですから!」
私は自信を持って答えた。実際問題として、私の魔力は常人を遥かに凌駕するレベルなのだ。森に生息する魔物程度なら歯牙にも掛けないだろう。
「それじゃあ、受注するね」
『溶岩の森』は馬車を乗り継ぎながら3時間ほど離れた場所にあるようだ。徒歩で向かうとかなり時間が掛かるため、今回は馬車を利用することにした。
馬車に揺られること数十分後、私たちは目的地に到着した。『溶岩の森』はその名の通り、燃え盛るマグマがあちこちを流れている場所だった。木々は溶けかけた状態で立ち並び、地面からは蒸気が立ち上っている。そして何よりも目を引くのは、あちこちに転がっている岩石群だ。それらはまるで火口から流れ出た溶岩のように真っ黒に焼け焦げている。
「ここが『溶岩の森』ですか……。初めて来ました」
私が周囲を見回しながら呟くと、カイトさんが説明をしてくれた。
「ここはかなりの高温で有名でね。下手に近づくと火傷じゃ済まないから気を付けてね」
その言葉に私はゴクリと喉を鳴らした。改めて危険な場所に来てしまったのだという実感が湧いてきたからだ。しかし、ここで怖じ気付いてはいられない。私は深呼吸をして気合いを入れ直した。
「よし! 行きましょうか!」
「了解」
こうして、私達は森の中へと足を踏み入れたのだった。
森の中は薄暗く、ジメジメとした空気が漂っている。時折吹く風によって木々の葉が擦れる音以外聞こえないほど静まり返っていた。まるで別世界に迷い込んでしまったかのような錯覚に陥るほどの不気味さだ。しかし、ここで怖気づいているわけにはいかないと自分に言い聞かせながら歩みを進めることにした。
しばらく歩いていると、前方に大きな影が見えてきた。どうやら魔物のようだ。私は立ち止まり、その影を凝視した。どうやら狼のような姿をしているらしい。だが、普通の狼と比べるとかなり大きい。体長は3メートル近くもありそうだ。
「あれはファイアウルフだ。油断しないようにね」
カイトさんはそう言うと、腰から剣を抜いた。私もそれに倣うように杖を構える。そして、戦いが始まった!
「アイスアロー!」
先制攻撃とばかりに魔法を放つが、素早い動きで避けられてしまった。しかし、それは想定内だ。私は続けざまに次の魔法を放った。
「ライトニング!」
私の指先から放たれた雷光が激しく迸り、ファイアウルフに直撃した。轟音と共に激しい閃光が森を照らす。煙が晴れると、そこには倒れ伏すファイアウルフの姿があった。どうやら倒せたようだ。
「やった……!」
初めての戦闘に勝利したことに安堵しつつ、カイトさんの元へ駆け寄る。すると彼は感心したように呟いた。
「まさか1発で倒してしまうなんて驚いたよ」
「ふふん! どうでしたか?」
「うん、上出来だよ。後はこいつの素材を回収しよう」
そう言ってカイトさんがファイアウルフから牙を引き抜くのを見て、私もそれに倣うことにした。『ファイアウルフ』の牙を袋に詰め込むと、私たちはさらに奥へと進むことにした。しばらく進むと、一本の巨大な樹木が生えていた。
「あれが『マグマの木』だよ」
『マグマの木』の皮を採取しようとすると、地面から巨大な岩のような魔物が現れた!
「あれは……マグマリザードだ!」
カイトさんはそう言いながら剣を構えた。マグマリザードはその名の通り、マグマのような燃え盛る皮膚を持つ大きなトカゲだ。その大きさは5メートル近くもあるだろう。鋭い爪と牙を持ち、口から鋼鉄をバターのように溶かす炎を吐く。かなり強力な魔物のようだ。私は緊張しながらも杖を構えた。
「こいつは厄介な相手だ! 油断するなよ!」
カイトさんはそう叫ぶと、マグマリザードに向かって駆け出した! 私もそれに続くように走り出す!
「アイスアロー!」
私の放った魔法は命中したものの、あまりダメージを与えている様子はない。どうやら皮膚が分厚くて物理攻撃が通りにくいようだ。しかし、ここで諦めるわけにはいかない!
(何か方法はないかな……?)
そんなことを考えていた時、ふとあることを思い出した。それは以前読んだ本に書いてあったことだ。確か、溶岩やマグマといった高温の環境下では鉄の融点は下がると書いてあったはずだ。それならば……
「アイスレイン!」
私は氷属性の攻撃魔法を放つ。上空に発生した無数の氷の矢は一斉にマグマリザードに向かって降り注いだ! 命中した箇所がパキパキと音を立てて凍りついていく。すると、マグマリザードの動きが鈍くなったように見えた。やはり予想通りだ!
「今です! カイトさん!」
私の声に反応し、カイトさんは素早く距離を詰めた。そして、剣を振り下ろす!
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!」
マグマリザードは断末魔の悲鳴を上げると、その場に崩れ落ちた。どうやら倒せたようだ。ほっと胸を撫で下ろすと、カイトさんが微笑みながら言った。
「よく頑張ったな」
私は照れくさくなって頬を赤らめたのだった……
『溶岩の森』で採取した素材を荷台に載せた後、私たちは帰路に着いた。その道中で先程の戦闘について話し合うことにした。
「それにしても凄かったよ。まさかマグマリザードを一人で倒してしまうなんて」
「いえ、カイトさんがいなかったら危なかったです」
謙遜ではなく、事実としてそう告げたのだが、彼は苦笑いを浮かべていた。何かおかしなことを言っただろうか? と考えていると、彼が口を開いた。
「俺は何もしてないよ。全部クロエの手柄さ」
「そんなことはありません! 私一人だったらきっと勝てませんでした!」
そんなやり取りをしている内に馬車は街へと辿り着いたのだった。ギルドに素材を納品し終える頃には、既に日が暮れかけていた。
「明日もこの調子で頼むよ」
「はい!」
カイトさんと別れると、宿屋で夕飯を食べ、ベットに横たわるのであった。
「おはようございます」
私が挨拶をすると、受付嬢のエリカさんが笑顔で挨拶を返してくれる。
「あら、おはよう! 昨日はよく眠れたかしら?」
「はい! おかげさまでぐっすり眠れました!」
「それは良かったわ」
少しするとカイトさんがやってきた。
「やあ、おはよう」
「おはようございます!」
挨拶を交わすと、引き受ける依頼をカイトさんに選んでもらう。
「今日も採取の依頼でいい?」
「どんな内容ですか?」
一通り目を通したルクトさんが指差す依頼板を覗きながらも、口頭で答え待つ。
「アーガス南東にある『溶岩の森』に生えている『マグマの木』の皮を削り取るだけの簡単な依頼だ」
「わかりました。でも、溶岩の森って……危険はないんですか?」
「クロエなら大丈夫だって、俺の判断で選んだから、問題はないさ」
私を高く評価してくれているのは嬉しいのだけれど、少し不安になる。
「ちなみに、『溶岩の森』はどんな魔物が出没するのですか?」
「あそこには、火属性の魔物が生息している。だから、水属性の魔法が使えないとキツいかな」
「それなら大丈夫です! 私、得意ですから!」
私は自信を持って答えた。実際問題として、私の魔力は常人を遥かに凌駕するレベルなのだ。森に生息する魔物程度なら歯牙にも掛けないだろう。
「それじゃあ、受注するね」
『溶岩の森』は馬車を乗り継ぎながら3時間ほど離れた場所にあるようだ。徒歩で向かうとかなり時間が掛かるため、今回は馬車を利用することにした。
馬車に揺られること数十分後、私たちは目的地に到着した。『溶岩の森』はその名の通り、燃え盛るマグマがあちこちを流れている場所だった。木々は溶けかけた状態で立ち並び、地面からは蒸気が立ち上っている。そして何よりも目を引くのは、あちこちに転がっている岩石群だ。それらはまるで火口から流れ出た溶岩のように真っ黒に焼け焦げている。
「ここが『溶岩の森』ですか……。初めて来ました」
私が周囲を見回しながら呟くと、カイトさんが説明をしてくれた。
「ここはかなりの高温で有名でね。下手に近づくと火傷じゃ済まないから気を付けてね」
その言葉に私はゴクリと喉を鳴らした。改めて危険な場所に来てしまったのだという実感が湧いてきたからだ。しかし、ここで怖じ気付いてはいられない。私は深呼吸をして気合いを入れ直した。
「よし! 行きましょうか!」
「了解」
こうして、私達は森の中へと足を踏み入れたのだった。
森の中は薄暗く、ジメジメとした空気が漂っている。時折吹く風によって木々の葉が擦れる音以外聞こえないほど静まり返っていた。まるで別世界に迷い込んでしまったかのような錯覚に陥るほどの不気味さだ。しかし、ここで怖気づいているわけにはいかないと自分に言い聞かせながら歩みを進めることにした。
しばらく歩いていると、前方に大きな影が見えてきた。どうやら魔物のようだ。私は立ち止まり、その影を凝視した。どうやら狼のような姿をしているらしい。だが、普通の狼と比べるとかなり大きい。体長は3メートル近くもありそうだ。
「あれはファイアウルフだ。油断しないようにね」
カイトさんはそう言うと、腰から剣を抜いた。私もそれに倣うように杖を構える。そして、戦いが始まった!
「アイスアロー!」
先制攻撃とばかりに魔法を放つが、素早い動きで避けられてしまった。しかし、それは想定内だ。私は続けざまに次の魔法を放った。
「ライトニング!」
私の指先から放たれた雷光が激しく迸り、ファイアウルフに直撃した。轟音と共に激しい閃光が森を照らす。煙が晴れると、そこには倒れ伏すファイアウルフの姿があった。どうやら倒せたようだ。
「やった……!」
初めての戦闘に勝利したことに安堵しつつ、カイトさんの元へ駆け寄る。すると彼は感心したように呟いた。
「まさか1発で倒してしまうなんて驚いたよ」
「ふふん! どうでしたか?」
「うん、上出来だよ。後はこいつの素材を回収しよう」
そう言ってカイトさんがファイアウルフから牙を引き抜くのを見て、私もそれに倣うことにした。『ファイアウルフ』の牙を袋に詰め込むと、私たちはさらに奥へと進むことにした。しばらく進むと、一本の巨大な樹木が生えていた。
「あれが『マグマの木』だよ」
『マグマの木』の皮を採取しようとすると、地面から巨大な岩のような魔物が現れた!
「あれは……マグマリザードだ!」
カイトさんはそう言いながら剣を構えた。マグマリザードはその名の通り、マグマのような燃え盛る皮膚を持つ大きなトカゲだ。その大きさは5メートル近くもあるだろう。鋭い爪と牙を持ち、口から鋼鉄をバターのように溶かす炎を吐く。かなり強力な魔物のようだ。私は緊張しながらも杖を構えた。
「こいつは厄介な相手だ! 油断するなよ!」
カイトさんはそう叫ぶと、マグマリザードに向かって駆け出した! 私もそれに続くように走り出す!
「アイスアロー!」
私の放った魔法は命中したものの、あまりダメージを与えている様子はない。どうやら皮膚が分厚くて物理攻撃が通りにくいようだ。しかし、ここで諦めるわけにはいかない!
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そんなことを考えていた時、ふとあることを思い出した。それは以前読んだ本に書いてあったことだ。確か、溶岩やマグマといった高温の環境下では鉄の融点は下がると書いてあったはずだ。それならば……
「アイスレイン!」
私は氷属性の攻撃魔法を放つ。上空に発生した無数の氷の矢は一斉にマグマリザードに向かって降り注いだ! 命中した箇所がパキパキと音を立てて凍りついていく。すると、マグマリザードの動きが鈍くなったように見えた。やはり予想通りだ!
「今です! カイトさん!」
私の声に反応し、カイトさんは素早く距離を詰めた。そして、剣を振り下ろす!
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マグマリザードは断末魔の悲鳴を上げると、その場に崩れ落ちた。どうやら倒せたようだ。ほっと胸を撫で下ろすと、カイトさんが微笑みながら言った。
「よく頑張ったな」
私は照れくさくなって頬を赤らめたのだった……
『溶岩の森』で採取した素材を荷台に載せた後、私たちは帰路に着いた。その道中で先程の戦闘について話し合うことにした。
「それにしても凄かったよ。まさかマグマリザードを一人で倒してしまうなんて」
「いえ、カイトさんがいなかったら危なかったです」
謙遜ではなく、事実としてそう告げたのだが、彼は苦笑いを浮かべていた。何かおかしなことを言っただろうか? と考えていると、彼が口を開いた。
「俺は何もしてないよ。全部クロエの手柄さ」
「そんなことはありません! 私一人だったらきっと勝てませんでした!」
そんなやり取りをしている内に馬車は街へと辿り着いたのだった。ギルドに素材を納品し終える頃には、既に日が暮れかけていた。
「明日もこの調子で頼むよ」
「はい!」
カイトさんと別れると、宿屋で夕飯を食べ、ベットに横たわるのであった。
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