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「今日をもってお前を我が【黄金の獅子王】から追放する」
パーティーのリーダーであるラインハルトがそう言い放つ。
「そ、そんな……どうして……?」
「決まってるだろう。お前が使えないクズだからだ」
「でも、今までみんなでやってきたじゃないか」
「ダメだな。足手まといを庇っている余裕はもうない」
ラインハルトは冷たく言い放つ。
「待ってくれ! 俺は必ず役に立つ!」
「くどい!」
俺の足元に魔法陣が展開される。
「お前のような奴がパーティーにいたとなると後で笑いものになる。せめて魔物どもの滋養となるがいい」
魔法陣が光り輝き、光が収まると、そこはダンジョンの中だった。
「おいおい、マジかよ……」
俺は絶望のあまり膝をつく。パーティーから追放されてしまった。しかも、高難易度ダンジョン【絶望の迷宮】の中だ。
「グォオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!」
いつの間にか凶暴な魔物に取り囲まれていた。
「ここで終わりか……」
死を覚悟した次の瞬間、目の前の魔物たちが一瞬にして氷漬けになっていた。
「助かったのか……?」
あたりを見回すと、白銀の体毛を持つ狼がいた。
「お前が助けてくれたのか……?」
『そうだ』
頭の中に声が響く。
「神獣フェンリル……なのか……?」
『ああ』
「ありがとう……助かったよ……」
『主を守るのが我の役目だ』
「主?」
『そなたは我が長年探し求めていた【神獣使い】だ』
「【神獣使い】……?」
『そうだ。そなたは我ら神獣を使途できる唯一の存在なのだ』
「俺が……?」
『我と契約することでそなたは最強の存在となるだろう』
フェンリルは顔を近づけてくる。
「お前は俺を認めてくれるのか?」
『当然だ。そなたにはそれだけの価値がある』
「わかった」
俺はフェンリルと契約することを決める。
『では、我に触れてくれ』
俺は言われるままにフェンリルに触れる。すると、右手の甲に紋章が浮かび上がり、契約が完了する。
「これで俺とお前は一心同体だ」
『うむ。これからよろしく頼むぞ主よ』
俺はフェンリルに乗って迷宮の出口を目指す。
「この先にも魔物はいるはずだが、フェンリルなら問題なさそうだな」
『当然だ。我は神獣ぞ』
「頼もしいな」
俺はフェンリルの背に乗ってダンジョンを疾走する。襲いかかってくる魔物たちは、フェンリルによって一瞬で始末されてしまう。
『ところで主よ』
「なんだ?」
『我に名前を付けてくれ』
「名前か……わかった。お前の名前は『シロ』だ」
『シロか……悪くないな』
シロという名前を気に入ったようだ。こうして俺は最強の仲間を手に入れた。最弱だったこの俺が、やがて最強の冒険者として世界に君臨するとは誰も思わなかった。
パーティーのリーダーであるラインハルトがそう言い放つ。
「そ、そんな……どうして……?」
「決まってるだろう。お前が使えないクズだからだ」
「でも、今までみんなでやってきたじゃないか」
「ダメだな。足手まといを庇っている余裕はもうない」
ラインハルトは冷たく言い放つ。
「待ってくれ! 俺は必ず役に立つ!」
「くどい!」
俺の足元に魔法陣が展開される。
「お前のような奴がパーティーにいたとなると後で笑いものになる。せめて魔物どもの滋養となるがいい」
魔法陣が光り輝き、光が収まると、そこはダンジョンの中だった。
「おいおい、マジかよ……」
俺は絶望のあまり膝をつく。パーティーから追放されてしまった。しかも、高難易度ダンジョン【絶望の迷宮】の中だ。
「グォオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!」
いつの間にか凶暴な魔物に取り囲まれていた。
「ここで終わりか……」
死を覚悟した次の瞬間、目の前の魔物たちが一瞬にして氷漬けになっていた。
「助かったのか……?」
あたりを見回すと、白銀の体毛を持つ狼がいた。
「お前が助けてくれたのか……?」
『そうだ』
頭の中に声が響く。
「神獣フェンリル……なのか……?」
『ああ』
「ありがとう……助かったよ……」
『主を守るのが我の役目だ』
「主?」
『そなたは我が長年探し求めていた【神獣使い】だ』
「【神獣使い】……?」
『そうだ。そなたは我ら神獣を使途できる唯一の存在なのだ』
「俺が……?」
『我と契約することでそなたは最強の存在となるだろう』
フェンリルは顔を近づけてくる。
「お前は俺を認めてくれるのか?」
『当然だ。そなたにはそれだけの価値がある』
「わかった」
俺はフェンリルと契約することを決める。
『では、我に触れてくれ』
俺は言われるままにフェンリルに触れる。すると、右手の甲に紋章が浮かび上がり、契約が完了する。
「これで俺とお前は一心同体だ」
『うむ。これからよろしく頼むぞ主よ』
俺はフェンリルに乗って迷宮の出口を目指す。
「この先にも魔物はいるはずだが、フェンリルなら問題なさそうだな」
『当然だ。我は神獣ぞ』
「頼もしいな」
俺はフェンリルの背に乗ってダンジョンを疾走する。襲いかかってくる魔物たちは、フェンリルによって一瞬で始末されてしまう。
『ところで主よ』
「なんだ?」
『我に名前を付けてくれ』
「名前か……わかった。お前の名前は『シロ』だ」
『シロか……悪くないな』
シロという名前を気に入ったようだ。こうして俺は最強の仲間を手に入れた。最弱だったこの俺が、やがて最強の冒険者として世界に君臨するとは誰も思わなかった。
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