3 / 20
3
しおりを挟む
それからダンジョンを進んでいき、ようやく地上に辿り着いた。
「久しぶりの太陽だ……」
「カイト、これからどうするのじゃ?」
「そうだな……とりあえずは冒険者ギルドに行ってみようと思う」
【収納】スキルがあれば、魔物の素材や魔石を売ってお金にすることができる。
「じゃあ行こうか」
「うむ」
こうして俺とリザは街を目指して街道を歩いていくのであった。
「どうやらこの先で、何者かが馬車を襲っているようじゃぞ」
街に向かって街道を歩いていると、リザがそんな報告をする。
「助けに行くぞ!」
「うむ」
俺たちは急いで現場に向かう。すると馬車と、武装している男達が揉めていた。
「おい! 早くその馬車にある金目の物を出しやがれ!」
「む、無理です! これは大事な商品なんです!」
どうやら商人の馬車を盗賊が襲撃しているようだ。男の一人は剣を振りかざして、商人を脅しつけている。
「ならこの荷物を貰っていくぜ?」
「それだけはおやめください!」
その時、俺のドロップキックが盗賊の後頭部を捉える。盗賊は凄い勢いですっ飛んでいく。
「な、なんだてめぇらは!」
「通りすがりの冒険者だ」
「ただの通りすがりの冒険者がドロップキックなんてするか!」
男は俺に剣を向ける。
「てめぇら! こいつらを殺せ!」
すると馬車を囲んでいた盗賊たちが、一斉に襲いかかってくる。
「縮地」
俺は盗賊たちの攻撃を躱し、盗賊たちの背後に回る。そして、盗賊たちの首筋に手刀を叩き込み気絶させた。
「なっ!?」
あっという間に盗賊たちは全滅し、商人は驚く。
「大丈夫ですか?」
「え、ええ……ありがとうございます」
俺は商人に声をかける。どうやらこの盗賊たちは、最近街で話題になっている人攫いのようだ。
「私はバーンズと申します。このたびは危ないところを助けていただきありがとうございました」
「俺はカイト、こっちは仲間のリザだ」
俺たちは自己紹介をする。
「よろしければアーガスにある私の屋敷まで来てください。そのお礼もしたいので」
「では、お言葉に甘えて」
こうして俺たちはバーンズさんの馬車に乗って、アーガスの街に向かうのであった。
◇
アーガスの街に到着した俺たちはバーンズさんと一緒に屋敷に向かった。
「お帰りなさいませ旦那様!」
屋敷に入ると、メイドが出迎える。
「この方たちは盗賊から私を救ってくれたのだ。丁重にもてなすように」
「畏まりました」
執事に案内されて客間に通される。
「ではごゆっくりどうぞ」
そう言って執事は部屋を出て行った。
「改めて、カイト様。この度は私の命を助けて頂き、誠にありがとうございました」
バーンズさんは頭を下げてお礼を言った。
「いえ、気にしないでください」
「困った人を助けるのは当然のことじゃ」
俺たちは頭を下げるバーンズさんに頭を上げるよう促す。
「それでお二人は今日はどうされるのですか?」
「実は俺たち冒険者でして……この街の冒険者ギルドに登録しようと思ってます」
「そうですか、ではこの街で困ったことがあればいつでもおっしゃってください」
「ありがとうございます。なにかあれば頼りにさせてもらいますよ」
それからバーンズさんと夕飯を食べることになった。
「遠慮無く食べてください。この街で一番のシェフに作らせた料理です」
「では、遠慮なく」
俺たちは料理を口にする。
「美味い!」
俺は思わず声をあげてしまった。今まで食べたことがないくらい美味しい!
「おにぎりの方がよほど美味いぞ」
「何ですかな。そのおにぎりというのは?」
「俺が作った料理です。よろしければ食べますか?」
俺はおにぎりを地球から取り寄せ、バーンズさんに差し出す。
「これはどうやって食べるのですかな?」
俺はおにぎりの食べ方を説明した。
「なるほど……では頂きます」
バーンズさんは一口食べると、驚いたように目を見開いた。
「こ、これは美味い!」
「お口にあったようで良かったです」
「よろしければこの食べ物を我が商会で取り扱わせていただきたい! 儲けは折半で如何でしょうか?」
「ええ、構いませんよ」
思わぬところで臨時収入が入ってしまった。
「では、今日はこのへんでお開きにしましょう。部屋は用意させていますので、そちらでお休みください」
「何から何まですみません」
「いえいえ、お二人には命を救って頂いた恩がございますので」
俺たちは客間に案内される。そして俺はベッドに横になった。するとリザが俺のベッドに潜り込んできた。
「どうした? もう寝るのか?」
「うむ……今日は疲れたのじゃ……」
「そうか……おやすみ」
こうして俺たちは眠りにつくのであった。
「久しぶりの太陽だ……」
「カイト、これからどうするのじゃ?」
「そうだな……とりあえずは冒険者ギルドに行ってみようと思う」
【収納】スキルがあれば、魔物の素材や魔石を売ってお金にすることができる。
「じゃあ行こうか」
「うむ」
こうして俺とリザは街を目指して街道を歩いていくのであった。
「どうやらこの先で、何者かが馬車を襲っているようじゃぞ」
街に向かって街道を歩いていると、リザがそんな報告をする。
「助けに行くぞ!」
「うむ」
俺たちは急いで現場に向かう。すると馬車と、武装している男達が揉めていた。
「おい! 早くその馬車にある金目の物を出しやがれ!」
「む、無理です! これは大事な商品なんです!」
どうやら商人の馬車を盗賊が襲撃しているようだ。男の一人は剣を振りかざして、商人を脅しつけている。
「ならこの荷物を貰っていくぜ?」
「それだけはおやめください!」
その時、俺のドロップキックが盗賊の後頭部を捉える。盗賊は凄い勢いですっ飛んでいく。
「な、なんだてめぇらは!」
「通りすがりの冒険者だ」
「ただの通りすがりの冒険者がドロップキックなんてするか!」
男は俺に剣を向ける。
「てめぇら! こいつらを殺せ!」
すると馬車を囲んでいた盗賊たちが、一斉に襲いかかってくる。
「縮地」
俺は盗賊たちの攻撃を躱し、盗賊たちの背後に回る。そして、盗賊たちの首筋に手刀を叩き込み気絶させた。
「なっ!?」
あっという間に盗賊たちは全滅し、商人は驚く。
「大丈夫ですか?」
「え、ええ……ありがとうございます」
俺は商人に声をかける。どうやらこの盗賊たちは、最近街で話題になっている人攫いのようだ。
「私はバーンズと申します。このたびは危ないところを助けていただきありがとうございました」
「俺はカイト、こっちは仲間のリザだ」
俺たちは自己紹介をする。
「よろしければアーガスにある私の屋敷まで来てください。そのお礼もしたいので」
「では、お言葉に甘えて」
こうして俺たちはバーンズさんの馬車に乗って、アーガスの街に向かうのであった。
◇
アーガスの街に到着した俺たちはバーンズさんと一緒に屋敷に向かった。
「お帰りなさいませ旦那様!」
屋敷に入ると、メイドが出迎える。
「この方たちは盗賊から私を救ってくれたのだ。丁重にもてなすように」
「畏まりました」
執事に案内されて客間に通される。
「ではごゆっくりどうぞ」
そう言って執事は部屋を出て行った。
「改めて、カイト様。この度は私の命を助けて頂き、誠にありがとうございました」
バーンズさんは頭を下げてお礼を言った。
「いえ、気にしないでください」
「困った人を助けるのは当然のことじゃ」
俺たちは頭を下げるバーンズさんに頭を上げるよう促す。
「それでお二人は今日はどうされるのですか?」
「実は俺たち冒険者でして……この街の冒険者ギルドに登録しようと思ってます」
「そうですか、ではこの街で困ったことがあればいつでもおっしゃってください」
「ありがとうございます。なにかあれば頼りにさせてもらいますよ」
それからバーンズさんと夕飯を食べることになった。
「遠慮無く食べてください。この街で一番のシェフに作らせた料理です」
「では、遠慮なく」
俺たちは料理を口にする。
「美味い!」
俺は思わず声をあげてしまった。今まで食べたことがないくらい美味しい!
「おにぎりの方がよほど美味いぞ」
「何ですかな。そのおにぎりというのは?」
「俺が作った料理です。よろしければ食べますか?」
俺はおにぎりを地球から取り寄せ、バーンズさんに差し出す。
「これはどうやって食べるのですかな?」
俺はおにぎりの食べ方を説明した。
「なるほど……では頂きます」
バーンズさんは一口食べると、驚いたように目を見開いた。
「こ、これは美味い!」
「お口にあったようで良かったです」
「よろしければこの食べ物を我が商会で取り扱わせていただきたい! 儲けは折半で如何でしょうか?」
「ええ、構いませんよ」
思わぬところで臨時収入が入ってしまった。
「では、今日はこのへんでお開きにしましょう。部屋は用意させていますので、そちらでお休みください」
「何から何まですみません」
「いえいえ、お二人には命を救って頂いた恩がございますので」
俺たちは客間に案内される。そして俺はベッドに横になった。するとリザが俺のベッドに潜り込んできた。
「どうした? もう寝るのか?」
「うむ……今日は疲れたのじゃ……」
「そうか……おやすみ」
こうして俺たちは眠りにつくのであった。
593
お気に入りに追加
709
あなたにおすすめの小説
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」
なんだって? 俺を追放したSS級パーティーが落ちぶれたと思ったら、拾ってくれたパーティーが超有名になったって?
名無し
ファンタジー
「ラウル、追放だ。今すぐ出ていけ!」
「えっ? ちょっと待ってくれ。理由を教えてくれないか?」
「それは貴様が無能だからだ!」
「そ、そんな。俺が無能だなんて。こんなに頑張ってるのに」
「黙れ、とっととここから消えるがいい!」
それは突然の出来事だった。
SSパーティーから総スカンに遭い、追放されてしまった治癒使いのラウル。
そんな彼だったが、とあるパーティーに拾われ、そこで認められることになる。
「治癒魔法でモンスターの群れを殲滅だと!?」
「え、嘘!? こんなものまで回復できるの!?」
「この男を追放したパーティー、いくらなんでも見る目がなさすぎだろう!」
ラウルの神がかった治癒力に驚愕するパーティーの面々。
その凄さに気が付かないのは本人のみなのであった。
「えっ? 俺の治癒魔法が凄いって? おいおい、冗談だろ。こんなの普段から当たり前にやってることなのに……」
ハズレスキルがぶっ壊れなんだが? ~俺の才能に気付いて今さら戻って来いと言われてもな~
島風
ファンタジー
とある貴族の次男として生まれたアルベルトは魔法の才能がないと蔑まれ、冷遇されていた。 そして、16歳のときに女神より贈られる天恵、才能魔法 が『出来損ない』だと判明し、家を追放されてしまう。
「この出来損ない! 貴様は追放だ!!」と実家を追放されるのだが……『お前らの方が困ると思うのだが』構わない、実家に戻るくらいなら辺境の地でたくましく生き抜ぬこう。 冷静に生きるアルだった……が、彼のハズレスキルはぶっ壊れだった。。
そして唯一の救いだった幼馴染を救い、大活躍するアルを尻目に没落していく実家……やがて毎日もやしを食べて生活することになる。
底辺回復術士Lv999 勇者に追放されたのでざまぁした
島風
ファンタジー
勇者パーティーでお荷物扱いされていたアルは、とうとう勇者にクビを宣告されてしまう。
だが、実は彼はユニークスキル『パーティステータス2倍』の持ち主。パーティ全体の能力を2倍にしてパーティーに大きく貢献していた。
にもかかわらず、アルは最愛の幼馴染の恋人を寝取られ、都合が悪いからとダンジョンの奈落の底に突き落とされて殺害されてしまう。
しかし、死んだかと思われたアルは運よく奈落の底で生き残った。そして奈落の底で魔剣と膨大な経験値をもらい前人未踏のレベル999と勇者をも超える力を手に入れた。
アルは復讐の為、魔王を自ら滅ぼし、卑怯な勇者エルヴィンを法の元裁こうと決意する。
だが復讐に燃えていた彼は王女様と出会い、何故かパーティーに入ってほしいと勧誘される。おまけに、王女様をはじめ後輩や妹や彼を慕う女の子からも何故か次々と求婚されてしまう。
一方、アルを追放した勇者は当然落ちぶれて行き、次第にどん底へと追い詰められていく。
落ちぶれた糞勇者エルヴィンはアルに土下座して泣きつくが、もう時すでに遅い。そして遂にエルヴィンは外道が災いして底辺奴隷に落とされるのであった。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草
ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)
10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。
親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。
同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……──
※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました!
※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる