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ある日。私がルシアちゃんの家でお茶してると一人の少年がやって来た。


「ルシア! クロエちゃん! 遊ぼうぜ!」


「カイン君」


この子は聖魔と乙女のレガリアの登場人物の一人だ。主人公であるフィーナを狙うライバルの一人で、のちに世界最強の剣士となる男だ。


「今日は何をして遊ぼうか?」


ルシアちゃんがそう言うとカイン君は嬉しそうに答えた。


「えっとね! 鬼ごっこがしたい!」


カイン君は子供らしい無邪気な笑顔を浮かべる。とても可愛い笑顔に思わず胸がキュンとした。


(はぁ……かわいい……!)


私はそんなことを考えていたが、ルシアちゃんは優しく微笑みながら言う。


「そうね、じゃあそれで決まりね」


こうして私たちは鬼ごっこを始めることになった! 最初の鬼は私だ。


「よーい……スタート!」


私が合図を出すと、二人は一斉に走り出す。そして私は二人を追いかけ始めるのだが、すぐに見失うことになる……この二人速いな!


(うーん……仕方ないか)


私は諦めてゆっくりと歩き出した。そして数分後、二人が笑いながら走ってきた!


「あははっ! もう捕まっちゃったの?」


ルシアちゃんが笑いながら話しかけてくる。その笑顔を見ると私もつられて笑ってしまった……!


(可愛いなぁ)


お母さまの笑顔を思い出すけど、それとは違う魅力があるような気がする……! そんなことを考えていると、カイン君が私の服を引っ張った。


「今度はクロエちゃんが鬼だよ!」


彼はニコニコしながら言う……かわいい! 私は思わず笑顔になってしまう。そして目を閉じて数を数え始めた!


(1・2・3……)


数え終えると目を開ける。すると二人は同時に走り出した!


(二人とも速いなぁ)


私は感心しつつ二人を追いかける……しかしなかなか捕まえられない!


(これは結構大変だな……!)


そんなことを考えているうちにすぐに捕まってしまった!


「わーい! クロエちゃん捕まっちゃった!」


カイン君は嬉しそうに飛び跳ねている。本当に可愛い男の子だ……!


(はぁ……癒されるなぁ)


私はそんなことを考えながら彼の頭を撫でてあげた。すると彼は嬉しそうな表情を浮かべた!


「あははっ! くすぐったいよぉ!」


私はそんなカイン君の反応に癒されながら、次は何をして遊ぼうか考えることにした。


「次は何しようか?」


ルシアちゃんが提案してきた。私も彼女も考え込んでいると、カイン君が手を挙げた。


「はい! 次はかくれんぼがしたいです!」


彼は元気よく答える。すると私とルシアちゃんは顔を見合わせて微笑んだ。そして三人でかくれんぼを始めることになった……!


(ああ……楽しいな)


私は幸せな気分になりながらも、必死に鬼から逃げた……! その後も私たちは様々な遊びをして楽しんだ……!


「うちでおやつを食べようよ!」


ルシアちゃんが微笑みながら言う。私は彼女の言葉に同意した!


(やったぁ……!)


私たちは家の中に入ると、テーブルを囲んだ。テーブルの上には美味しそうなケーキが並んでいる……!


「うわぁ!美味しそうだね……!」


私が目を輝かせながら言うと、ルシアちゃんは嬉しそうに微笑んだ。


「さぁ、召し上がれ」


ルシアちゃんの言葉を合図に私達は食事を始めた。まずはチョコレートケーキを口に運ぶ……口の中に広がる甘さがたまらない……!


(幸せな気分になれそう……!)


お母さまが作ってくれたお菓子も美味しいけど、ルシアちゃんの家で食べるお菓子はまた格別だ……!


(ルシアちゃんとカイン君と一緒に食べるともっと美味しく感じるんだよなぁ……)


そんなことを考えながら、私は次のお菓子を口に運んだ!


「このクッキーもすごく美味しいね!」


私が言うと、ルシアちゃんも嬉しそうに微笑んでくれた。そして彼は私の頭を撫でながら褒めてくれる。それがとても嬉しかった……!


(えへへ……)


私は思わず照れ笑いしてしまう。するとカイン君が突然立ち上がった!


「じゃあ、次は僕と勝負しようよ!」


カイン君は目を輝かせながら言う。私は彼の提案に少し悩んだが、すぐに了承した!


(よし……頑張ろう!)


こうして私とカイン君による勝負が始まった……! まずは私が鬼になり、カイン君が隠れる番だ。


(どこに隠れようかな……?)


私は家の中を見回すと、クローゼットの中が一番安全そうだと思った。なのでクローゼットの中に入ることにした!


(ここなら見つからないはず……!)


そう思いながら隠れていると……数分後にカイン君が探しに来た!


「クロエちゃん、見ーつけた!」


私はあっという間に見つかってしまった……でもなんだか楽しかった!


(次は負けないぞ……!)


その後も私たちは様々な遊びをして楽しんだ。日が暮れるまでずっと一緒に遊んでいたのだ……!


(本当に楽しい一日だったな……)


私は幸せを噛み締めながら家に帰ったのだった。そしてお母さまに今日の出来事を話すことにした。お母さまは微笑みながら私の話を聞いてくれる……それだけで心が満たされていくのを感じた。


(明日も楽しみだな……!)


こうして私の一日は終わっていくのだった!
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