転生した悪役令嬢は破滅エンドを避けるため、魔法を極めたらなぜか攻略対象から溺愛されました

15

ある日のこと。工房にてエルナが何やら騒いでいた。一体どうしたのだろう？


「師匠！ これを見てください！」


「あら？ これは……」


エルナの手には赤い宝石のようなものがあった。とても綺麗な輝きを放っているけど、それがどうしたのかしら？


「これは魔石なんです！ さっきダンジョンで手に入れたんですよ！」


（なるほど……そういうことなのね）


どうやらエルナはダンジョンで拾った魔石を私に自慢したかったようだ。それにしてもこの魔石はかなり純度が高いように思えるわね……一体どんな魔物から取れたものかしら？


「それで師匠！ この魔石を使って武器を作って欲しいんです！」


エルナは目を輝かせながらそう懇願してきた。どうやら私に頼んできているみたい……でも困ったわね……。


「ごめんなさいね。この魔石はまだ使い方が分からないから、まずは調べないといけないのよ」


私はやんわりと断ると、改めて魔石を詳しく鑑定してみることにした……すると驚くべき事実が発覚した！ なんとこの魔石は装備した人物の魔法を増幅する魔力が付与されていることがわかったのだ！


（すごい！ これはかなり強力な装備だわ！）


私は興奮していた。これがあれば今までよりもさらに強力な魔法を使えるようになるかもしれない。


「エルナ、この魔石を使って武器を作ってみてもいいかしら？」


「え？ 本当に作ってもらえるんですか！？」


エルナは嬉しそうに目を輝かせる。ふふ、そんなに嬉しかったのかしら？


（それなら頑張らなくちゃね）


私は早速作業に取りかかることにした……まずはどんな武器を作るかを考えることにする。まずは使用者の魔力を使う武器が良いかもしれない……。そうなると杖かしら……？ 私は魔石を使って杖を作ることに決めた！


（あとはどういうデザインにするかだけど……）


私は頭の中でイメージを膨らませる。そしてしばらくして一つの案が浮かんだのだった！


（うん、これならいい感じになるはず……！）


私は早速作業に取りかかることにした……杖を作るのは初めてだけど、きっと上手くいくはずだわ……！ 数日後、ついに完成の時を迎えた！


「できた……！」


私が作ったのは赤色の宝石が先端についた美しい杖だった。魔石を加工して作ったこの杖は使用者の魔力を増幅する効果がある。


「早速使ってみましょうか……」


私はエルナに杖を手渡しすると、エルナは早速魔法を発動した！すると杖から放たれた魔力が渦を巻きながら収束していく！ そして最後には巨大な炎の槍となって一直線に発射された！


「すごい……！」


私は驚きのあまり言葉を失ってしまう……これほどの威力があるなんて想像以上だわ……！


（これならきっとドラゴンも倒せるはず……）


私は満足げな笑みを浮かべると、完成した杖をエルナに渡すことにした。


「ありがとう！ 師匠！ 大切にします！」


エルナは嬉しそうに礼を言うと杖を抱きしめていた……どうやら気に入ってくれたみたい。良かったわ……！ それから私たちは早速ドラゴン退治に向かうことにするのだった……。


「師匠！ このダンジョンですね！」


エルナが興奮した様子で指を差した。その視線の先には巨大な門がある。どうやらこの奥にドラゴンがいるようだ。


「ええ、間違いないわ」


私はこくりとうなずくと、杖を構えて戦闘態勢に入った。するとそれに答えるように扉が開いた！


「グォオオオッ！！」


咆哮を上げながら現れたのは巨大なドラゴンだった！


（あれが噂に聞く炎竜なのね……）


私はゴクリと唾を飲み込むと魔法を唱えた！ 「【火球（ファイアーボール）】！！」


杖から炎の弾丸が放たれ、炎竜に命中した！


「グギャアアッ！？」


炎竜は悲鳴を上げて苦しみ始める……。どうやら効いているようだ。


（このまま一気にトドメを刺さなきゃ……！）


私はさらに追撃を仕掛けることにした。杖を構えて魔法を唱える！


「【冥府の獄炎（ヘル・フレア・バーニング）】！！」


杖から放たれた漆黒の炎が炎竜を包み込み、巨大な火柱となって燃え上がった！


「グォオオッ！？」


炎竜は断末魔の叫び声を上げるとそのまま倒れ込んでしまった……。どうやら倒すことに成功したようだ。


「やったわ……！」


私は喜びのあまりガッツポーズをする……すると突然目の前に宝箱が現れた！


「これは……！」


おそらくこれがドラゴンの素材に違いない。私は恐る恐る手を伸ばすと、ゆっくりと蓋を開いた……すると中にはたくさんの財宝が入っていた！


「すごいわ……まさかこんなに貰えるなんて……」


私は驚きのあまり呆然としてしまった。こんなに大量の財宝があるなんて夢のようだ……。


「そうだわ……！」


私はあることを思いついた。この財宝を使って装備を作ろう！ そうすればもっと強くなれるはずだわ！ そうと決まれば早速作業に取りかかることにした！ こうして私たちはさらに強くなるための第一歩を踏み出したのだった……。