転生したらやられ役の悪役貴族だったので、死なないように頑張っていたらなぜかモテました

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ある日のこと、いつものように雑談していると担任のクレア先生がやってくる。


「もうすぐ【武闘大会】が始まります」


クレア先生はそう告げると詳しい説明をし始めた。どうやらこの学園では年に一回武闘大会の大会が行われるらしい。そこで優秀な成績を収めたものには賞金が出るそうだ。しかも、その優勝者は国王直々にお褒めの言葉をいただけるという特典付きである。これは絶対に優勝せねばならないだろう。


「まず各クラスごとに代表選手を1名まで決めます。その後、1年生から3年生までの合計12名で決勝トーナメントを行います。決勝トーナメントでは学年に関係なく選ばれた代表が一対一で戦います」


クレア先生の説明を聞いているうちにだんだんとやる気が出てきた。絶対に優勝してやるぞ！ そんなことを考えているといつの間にか説明が終わっていたようだ。


「なおゲルドフ君はすでに代表に選ばれているので、最初から決勝トーナメント進出です」


「何だと！？」


「どうしてですか！？ 納得できません！！」


クラスメイトたちが抗議の声を上げた。しかし、クレア先生は涼しい顔をしている。


「それは彼がこのクラスで一番強いからです」


「だからって1つしかない枠を何もせず手にするのは公平性に欠けると思います！！ みんなもそう思うだろう！？」


「そうだ！ 不公平だ！」


「納得いかないわ！」


クラスメイトたちが騒ぎ立てる。このままでは収まりがつかないだろうと思い、俺は口を開いた。


「納得いかないのなら、俺と戦ってくれ。それで勝った方が決勝トーナメント進出ということでどうだ？」


「望むところだ！！」


こうして俺は武闘大会のシード枠を賭けて、クラスメイトたちと戦うことになった。


「ゲルドフ様、頑張ってくださいましー！」


「負けたら承知しないわよー！」


「ゲルドフ様なら、絶対勝てますわー！」


エリザベータ、セレナ、アシュリーは参加せず見学するようだ。まあ、彼女たちは武闘大会に出る必要が無いからな……


「では……試合、開始！」


先生が合図すると、クラスメイトたちが一斉に、俺めがけて走ってくる。


「くらえっ！ ファイヤーボール！」


「ウィンドカッター！」


クラスメイトたちはそれぞれ得意な魔法を発動してくるが、俺はそれを全て避けていく。


「ふうっ」


息を吹きかけると、それは突風となってクラスメイトたちを襲う！


「うわぁっ！？」


「きゃああっ！！」


悲鳴を上げながら、彼らは吹き飛んでいった。


「アクアジャベリン！」


「ストーンランス！」


今度は全員で一斉に魔法を放ってくる。だが、俺はそれを避けることなく全て受け止めた！


「う、嘘だろ……」


「化け物かよ……」


俺は無傷のまま立っていた。クラスメイトたちは絶望的な表情を浮かべている。しかし、これで終わりではないようだ。今度は従魔を召喚してきた！


「行けっ！」


30体を超える従魔が、俺に向かって押し寄せてきた。


「ふんっ」


俺は少し足を持ち上げて、勢いよく地面に叩きつける。


ズドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン！！！！


闘技場が揺れるほどの凄まじい衝撃波が巻き起こり、従魔たちは全て吹っ飛んだ。


「バ、バカな……」


「ありえないわ……」


クラスメイトたちは呆然と立ち尽くしている。俺はゆっくりと歩いて彼らに近づいていった。


「まだやるか？」


俺が問いかけると、彼らは首を横に振るだけだった……


「これでゲルドフ君が代表選手に選ばれることに対して異論はありませんね？」


先生が問いかけると、クラスメイトたちは無言でうなずいた。どうやら納得してくれたようだ。


「では、これで決まりですね。それでは武道大会当日まで頑張ってください」


「はい！ 必ず優勝してみせます！」


こうして俺は武闘大会のシード枠を勝ち取ったのだった……