冷酷非情の雷帝に嫁ぎます～妹の身代わりとして婚約者を押し付けられましたが、実は優しい男でした～

22

翌日、私は目を覚ますと支度を始めた。出かける準備を済ませた後、ライトニングの部屋へと向かう。扉をノックすると中から声が聞こえてきたので中に入ることにした。中に入るとライトニングが迎えてくれる。


「おはよう、フィーナ」


「おはようございます！」


私が挨拶を返した後、彼は私に尋ねてきた。


「今日はどこへ行きたい？」


私は少し悩んだ後こう答える。


「森へ行きたいです！」


「よし！ 早速出発しよう！」


私たちは外に出ると、手を繋いで歩き出した。そしてしばらく歩くと森に到着する。森の中に入ると、辺りは静寂に包まれていた。私たちは手を繋いで歩き続ける。しばらくすると大きな木の下に到着したので休憩することにした。ライトニングが私を座らせると自分も隣に座ってくる。彼は私の手を握りながら話しかけてきた。


「今日は暑いな……」


「そうですね……」


するとライトニングは私の頬に手を当てた。彼は微笑みながら言う。


「顔が赤くなっているぞ」


私は慌てて手で頬に触れると確かに熱を帯びているようだった。


「恥ずかしいです……」


私が俯いていると、ライトニングは私を抱きしめる。彼の体温を感じながら、私は目を閉じていた。しばらくすると彼が耳元で囁いてくる。


「好きだ……」


「私も好きです……」


私は顔を上げ、彼の目を見つめながら返事をした。次の瞬間、私とライトニングは唇を重ねていた。最初は軽く触れ合わせるだけだったが、次第にお互いを求めあうように激しくなっていく。やがて息が苦しくなって唇を離すと銀色の糸を引いた。ライトニングは自分の唇についた唾液を舐め取ると妖艶に微笑んで言った。


「続きはまた今度な」


彼はそう言うと立ち上がって私に手を差し伸べてきたので、私はその手をとって立ち上がる。


「今日はこの森で訓練を行う」


「わかりました！」


私は元気よく返事をすると、彼と一緒に魔法の訓練を始めるのだった。


「じゃあ始めるぞ」


「はい！」


私は元気よく返事して杖を構える。するとライトニングは木剣を手にして近づいてきた。そして素早く振り下ろしてくる。私は杖を振って防御魔法を発動させた。しかし彼はそれを読んでいたようで、すぐに身を躱すと私に反撃してきたのだ。私は間一髪で避けることができたものの、バランスを崩して尻餅をついてしまった。するとライトニングが手を差し伸べてくる。


「大丈夫か？」


「はい……」


（やっぱり強い……）


私が立ち上がろうとした時、不意にバランスを崩して倒れ込んでしまう。するとライトニングが私を優しく抱き寄せてくれた。私は彼の胸の中で安堵のため息をつく。


「ありがとうございます……」


「気にするな」


（やっぱり優しいな……）


私はそう思いながら彼の胸に顔を埋めるのだった。ライトニングは優しく頭を撫でながら私に言い聞かせるように言う。


「焦らずゆっくりやるんだ」


「はい！」


私は元気よく返事をして立ち上がると再び杖を構えた。今度はしっかり集中して魔法を放つことができたのだ。ライトニングはそれを受け止めてから再び攻撃してくる。私は必死になって防ごうとしたのだが、結局最後には杖を弾き飛ばされてしまった。


「参りました……」


私が肩を落とすとライトニングは笑い声を上げる。


「なかなか良かったぞ」


（褒められた！）


私は嬉しくなって笑顔を浮かべたのだった。その後、私たちは森での訓練を続けることにした。ライトニングは私にさまざまな魔法を教えてくれ、私はその技術を身につけていった。日が暮れ、森の中には幻想的な灯りが灯り始めた。


訓練の合間に、私たちは森の奥深くへと進んでいった。すると、美しい湖が広がっている場所に辿り着いた。湖の中には月の光がきらめき、その美しさに私たちは息を飲んだ。


「ここはなかなか美しい場所だな。気に入ったか？」とライトニングが尋ねた。


「はい、本当に素敵です」と私は微笑みながら答えた。


湖畔に座り、私たちはしばらく静かに過ごした。そして、ライトニングが再び私に寄り添って言った。


「君と一緒にいると、心が安らぐ。本当に幸せだよ」


私も同じく彼の腕の中で幸せな気持ちに包まれていた。二人の距離が近づくにつれ、私たちの心もより一層結びついていくようだった。


その夜、湖畔での思い出を胸に刻みつつ、私たちは森を出発し、城に戻ることにした。途中で手を繋ぎ、月明かりの下で歩く姿はまるで夢の中のようだった。


城に戻り、私たちはお互いの部屋に帰ることになった。ドアを開けると、ライトニングは微笑んで言った。


「明日も一緒に過ごそう。君といる時間が一番幸せだから」


私も微笑みながら頷き、部屋に入ると胸が高鳴っていた。そして、眠る前に窓から見える星空を見ながら、今日の出来事を思い出していた。