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翌日、教室に入ると友人達に囲まれた。
「フィーナ! 昨日は楽しかったわ!」
「また行きましょう!」
みんな昨日のことで盛り上がっているようだ。私は苦笑いを浮かべながら答えた。すると、エルナが声をかけてきた。
「ねぇ、フィーナは次どこか行きたい場所ある?」
エルナの質問に私は頭を悩ませる。すると頭の中にアイデアが浮かんだ。
(そういえば図書館には行ったことないな……)
私がそう考えると、友人達が尋ねてきた。
「どこ行くの?」
「図書館に興味あるんだけど……」
私が言うとみんな興味深そうな表情を浮かべた。
「確かに楽しそうね」
「早速行きましょう!」
こうして私たちは図書館に行くことになったのだった。
私たちが学園内の図書館に着くと、司書の方が出迎えてくれた。
(これはなかなか圧巻だな……)
私は感嘆のため息をつく。図書館はかなり広く、本棚には様々なジャンルの本が敷き詰められていた。天井も高くて開放感がある。私たちはさっそく本を探し始めたが、なかなか見つからなかった。すると友人の一人が言った。
「ねえ! あそこに座れる場所があるからあそこで読まない?」
「そうね! 行きましょう!」
私達は席を確保して、それぞれ本を探し始めた。しばらくして私のところにエルナがやってくる。そして隣に腰掛けると小さな声で話しかけてきた。
(ん?)
「フィーナ、昨日買った服着てるのね」
「せっかく買ったし、せっかくだからと思って……変かな?」
私が照れながら尋ねると、彼女は首を横に振った。そして優しい笑顔を向けて言う。
「似合ってるわ」
(良かった……)
私は心の中で安堵しながら微笑んだ。そして私たちはしばらく本を読んだり、他愛もない話をしたりして時間を過ごした。
「そろそろ閉館の時間ね」
「そうね」
私が立ち上がるとエルナが尋ねてきた。
「次はどこ行く?」
私が少し悩んでから答える。
「今日はこれからレストランに行かない? みんなも誘って」
すると彼女は嬉しそうに微笑んで言った。
「賛成!」
こうして私たちは図書館を後にし、そのまま街に繰り出したのだった。
「うわぁ、たくさんお店があるね!」
「どこに入る?」
友人たちと会話しながら歩いていると、エルナが口を開く。
「フィーナは何が食べたい?」
「うーん……」
(私は何でもいいけど……)
私が悩んでいると友人達が言う。
「それならあそこの店はどうかしら?」
「いいわね!」
こうして私達はレストランに入ったのだった。店内は落ち着いた雰囲気で居心地が良い。私たちは案内された席に座るとメニューに目を通した。そしてそれぞれ注文を終える。
「そういえば最近、ラインハルト王子がフィーナにアプローチしてるみたいね」
「えっ!?」
(なんで知ってるの!?)
私は驚いたが友人達は気にした様子もなく話を続ける。
「そうなの! もうお似合いよね!」
「私もそう思うわ」
(やめてよ……恥ずかしいじゃない……)
私は動揺したが、平静を装って答えた。すると友人達がさらに続ける。
「でも本当にお似合いだと思うわ!だってフィーナって可愛いし……」
(もうやめてってば……)
私が困っていると、友人達はさらに続ける。
「フィーナも満更ではないでしょ?」
「いや、そんなことは……」
私は否定したが、友人たちは納得していないようだった。そしてさらに続ける。
「じゃあ例えばラインハルト王子から告白されたら付き合う?」
(そんな質問されても困るんだけど……)
私が困惑しているとエルナが助け船を出してくれた。
「フィーナは意外とシャイなところあるから、ゆっくり進めたほうがいいんじゃないかしら?」
エルナの言葉に友人達は納得してくれたようだ。私は安堵する。
「確かにそれはあるかも!」
「そうね!ゆっくりいきましょう!」
友人たちが言ってくれたことで、その場は和やかな雰囲気になったのだった。
「ごちそうさま!」
食事を終えた私たちは店を出ると、そのまま寮に戻った。
「また明日ね!」
「おやすみ~」
私は友人達と別れると自室に戻り、ベッドに倒れ込んだ。そして今日の出来事を思い返す。
(それにしても……恥ずかしかったな)
私はしばらくの間、顔が熱くなっていた。しかし友人たちが私のことを想っての行動だと思うと怒ることもできない。
(明日はどんな日になるのかしら……)
私は期待半分不安半分の気持ちで眠りについたのだった。
「フィーナ! 昨日は楽しかったわ!」
「また行きましょう!」
みんな昨日のことで盛り上がっているようだ。私は苦笑いを浮かべながら答えた。すると、エルナが声をかけてきた。
「ねぇ、フィーナは次どこか行きたい場所ある?」
エルナの質問に私は頭を悩ませる。すると頭の中にアイデアが浮かんだ。
(そういえば図書館には行ったことないな……)
私がそう考えると、友人達が尋ねてきた。
「どこ行くの?」
「図書館に興味あるんだけど……」
私が言うとみんな興味深そうな表情を浮かべた。
「確かに楽しそうね」
「早速行きましょう!」
こうして私たちは図書館に行くことになったのだった。
私たちが学園内の図書館に着くと、司書の方が出迎えてくれた。
(これはなかなか圧巻だな……)
私は感嘆のため息をつく。図書館はかなり広く、本棚には様々なジャンルの本が敷き詰められていた。天井も高くて開放感がある。私たちはさっそく本を探し始めたが、なかなか見つからなかった。すると友人の一人が言った。
「ねえ! あそこに座れる場所があるからあそこで読まない?」
「そうね! 行きましょう!」
私達は席を確保して、それぞれ本を探し始めた。しばらくして私のところにエルナがやってくる。そして隣に腰掛けると小さな声で話しかけてきた。
(ん?)
「フィーナ、昨日買った服着てるのね」
「せっかく買ったし、せっかくだからと思って……変かな?」
私が照れながら尋ねると、彼女は首を横に振った。そして優しい笑顔を向けて言う。
「似合ってるわ」
(良かった……)
私は心の中で安堵しながら微笑んだ。そして私たちはしばらく本を読んだり、他愛もない話をしたりして時間を過ごした。
「そろそろ閉館の時間ね」
「そうね」
私が立ち上がるとエルナが尋ねてきた。
「次はどこ行く?」
私が少し悩んでから答える。
「今日はこれからレストランに行かない? みんなも誘って」
すると彼女は嬉しそうに微笑んで言った。
「賛成!」
こうして私たちは図書館を後にし、そのまま街に繰り出したのだった。
「うわぁ、たくさんお店があるね!」
「どこに入る?」
友人たちと会話しながら歩いていると、エルナが口を開く。
「フィーナは何が食べたい?」
「うーん……」
(私は何でもいいけど……)
私が悩んでいると友人達が言う。
「それならあそこの店はどうかしら?」
「いいわね!」
こうして私達はレストランに入ったのだった。店内は落ち着いた雰囲気で居心地が良い。私たちは案内された席に座るとメニューに目を通した。そしてそれぞれ注文を終える。
「そういえば最近、ラインハルト王子がフィーナにアプローチしてるみたいね」
「えっ!?」
(なんで知ってるの!?)
私は驚いたが友人達は気にした様子もなく話を続ける。
「そうなの! もうお似合いよね!」
「私もそう思うわ」
(やめてよ……恥ずかしいじゃない……)
私は動揺したが、平静を装って答えた。すると友人達がさらに続ける。
「でも本当にお似合いだと思うわ!だってフィーナって可愛いし……」
(もうやめてってば……)
私が困っていると、友人達はさらに続ける。
「フィーナも満更ではないでしょ?」
「いや、そんなことは……」
私は否定したが、友人たちは納得していないようだった。そしてさらに続ける。
「じゃあ例えばラインハルト王子から告白されたら付き合う?」
(そんな質問されても困るんだけど……)
私が困惑しているとエルナが助け船を出してくれた。
「フィーナは意外とシャイなところあるから、ゆっくり進めたほうがいいんじゃないかしら?」
エルナの言葉に友人達は納得してくれたようだ。私は安堵する。
「確かにそれはあるかも!」
「そうね!ゆっくりいきましょう!」
友人たちが言ってくれたことで、その場は和やかな雰囲気になったのだった。
「ごちそうさま!」
食事を終えた私たちは店を出ると、そのまま寮に戻った。
「また明日ね!」
「おやすみ~」
私は友人達と別れると自室に戻り、ベッドに倒れ込んだ。そして今日の出来事を思い返す。
(それにしても……恥ずかしかったな)
私はしばらくの間、顔が熱くなっていた。しかし友人たちが私のことを想っての行動だと思うと怒ることもできない。
(明日はどんな日になるのかしら……)
私は期待半分不安半分の気持ちで眠りについたのだった。
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