森の魔女の後継者

 広大な魔境とも言える大森林……『魔女の森』に一人の少女が住んでいた。
 彼女の名はメリア。
 まだ赤子だった頃に森に捨てられたメリアは、その森に住む魔女に拾われて彼女の孫として育つ。
 メリアの育ての親である魔女は、近隣諸国にも伝説として語り継がれるほどの薬師にして魔導士であった。

 だが……やがて魔女はその長い生涯に幕を下ろす。
 そして、その知識や技の全てをメリアは受け継ぎ、それを駆使しながらも、ひとり細々と森の中で慎ましやかな生活を送っていた。


 しかし、ある日、ある出会いによってメリアの運命は一変することになる。
 それは彼女にとって、ある意味では予想していた事態であり、彼女が抱える人には話すことのできない秘密に関わるものでもあった。

 そして、行き着く先は……望むと望まざると訪れるであろう破滅の未来。
 運命に立ち向かうのか。
 それとも、どうにかして逃れようとするのか。

 メリア選び取る未来。
 その行く先に待ち受けるものは何か。

 いま、その運命の物語が幕を開けるのだった。
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