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134.~クロノスEND~1

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*124.私の好きな人 の続きからのお話です。
ーーーーーーーーーーーーーー・・・

はぁ…泣いてばかりいてもダメだ。
それに悲しむべきなのは私じゃなくて、皆の方なんだから…。感情が私に向くように何らかの力が働いているとしたら…本当に申し訳ない。

そういえば、先日クロノス様が私の子宮に魔法がかけられていると言っていた。もしかしたらこれも何か関係があるのかもしれない…。
明日クロノス様に聞いてみよう。
ペチペチと頬に渇を入れる。


ーーーーーーーーー・・・

翌朝、早速クロノス様へ「お時間がある時に会いたい」とお手紙を送った所、その日の午後に会えることになり、私はシラー侯爵家を訪れていた。

「クロノス様、急なお伺いに対してご了承いただきありがとうございます。」

「ミュラの為ならいつでもいいよ。ちょっとこっち来て。」
ポンポンとクロノス様の座るソファーの横を指示される。

「?はい。」
私は言われるがままクロノス様の隣に腰をおろした。

「昨日泣いた?目が腫れてる。」
クロノス様の手が私の頬に触れ、顔が近づく。
ぎゅっと目を閉じると、瞼にキスをされたと同時にヒーリング魔法で腫れを引いてくれたのだと気付く。

「あ…ありがとうございます。」

「キスされるかと思った?」
間近でニヤリと微笑まれ、カァッと頬が熱くなる。

「違っ…ちょっとびっくりしただけです。」

「俺はキスしたい。ダメ?」
唇をぷにっと親指で押され、クロノス様の顔が近付き鼻がつきそうなくらい…。

「ぁ……あのっ!今日は話があって来たんです。」
慌ててクロノス様の唇を両手で塞ぎキスを防ぐ。
クロノス様はムッとした表情を一瞬したが、笑って「まぁ、いいよ。聞いてやる」と優雅に紅茶を口にする。


「私が…みんなに魅了魔法のようなものをかけていたりしますか?」

私の言葉が余りにも予想外だったのか、ポカンとした表情からクロノス様は一気に吹き出して笑う。

「ぷはっ、あはははは!何それ?真剣な顔して何を言うかと思えば…。何?あまりにも色んな人から好意を寄せられるから不安になった?」

「むっ…。私は真剣に相談してるんです。で、どうなんですか?知らず知らずに魔法を発動してるとかありますか?」

「答えはノーだ。ミュラがみんなに好かれてるのは産まれた時からずっとだぞ?16年間絶え間なく魅了魔法を複数人にかけ続けるのは無理だ。第一、お前魔法苦手だろ。この大魔術師のクロノス様でも出来ない事をお前が出来る訳ないだろう。冗談を言う暇があるなら毎日此処に来て魔法の練習しろ。」

うぅ…。反論できないのが辛い。
私は潜在的な魔力量は膨大らしいのだけれど、未だに全く使いこなせていない。(お兄様達が危ないからってあまり魔法を使わせないようにしているのもあるけど。)
そういう訳で、ママみたいに聖女認定される事もなく…、魔法の能力としては中の下がいいところだった。

「じゃあ魔法じゃなくて…産まれ持った魅力とか…。あっ!違うの!自分が可愛いとかそういう話じゃなくて!!うぅ~…なんて言えばいいのか…。」

クロノス様は呆れた様子でため息を一つ。
「あのなぁ、何があったか最初から全部話してみろ。お前が不安に思ってる事全部だ。いいか、お前より俺の方が何倍も頭がいい。俺が解決してやるから隠さず吐け。」

両頬をブニッとつままれてしまい、上手くしゃべれない。
「ふぁ…ふぁい(は…はい)」

「ぷはっ、ブサイク。」

「ひゃめてぇ~(やめて~)」

やっと頬を解放してもらい、私はほっぺをスリスリと撫でる。うぅ…。

「時間は沢山ある。さぁ、1からゆっくり聞いてやる。」

どうぞ、と目で促され、私は仕方無くこれまで自分に起きた出来事を1つずつ話していった。

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