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128.~ロイEND~1
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*124.私の好きな人 の続きからのお話です。
ーーーーーーーーーーーーーー・・・
「ミュラ…!!」
翌朝、ロイお兄様に廊下で呼び止められた。
「ロイお兄様…おはようございます。」
「…っ…。目、腫れてる…。」
ロイお兄様は悲しげな顔で私の頬に手を当てる。
「……昨日読んだ小説が…悲しいお話だったんです。ふふ、恥ずかしいな。」
咄嗟に誤魔化してみたけど、上手く笑う事がでない。
「本当に?…昨日、グレゴリー伯爵家に行った事が関係あるんじゃなくて?」
ロイお兄様の真っ直ぐな瞳に、私は昨日気付いたこの気持ちに心が苦しくなる。こうして私を心配してくれるロイお兄様も…本当は違うのかな?ジワリと目頭が熱くなり涙が滲む。
今、ここで泣いちゃダメっ!
私はプイッと顔を反らし「うんん、関係無いよ」とわざと明るく答えるのがやっとだ。
「ミュラ、こっち向いて。お願い。」
「イヤ。目が腫れてて恥ずかしいから…。」
「お願い。ミュラ。」
ロイお兄様に手を引かれた弾みで涙が頬をつたう。マズイ、と思った瞬間にロイお兄様の大きく見開いた瞳と視線が交わった。
「あ……。違うの、これはその…。あれ?何でかな…涙が…。あはは、おかしいな…止まらな…」
「っ!!」
ロイお兄様にガバッと勢いよく抱上げられる。
「え!?ロイお兄様?ど…どこに行くの?降ろしてっ…!」
私の問いかけに答えること無く、ロイお兄様は私を抱上げたままズンズンや進んでいく。連れていかれた場所はロイお兄様のお部屋だった。
「ロイお兄様のお部屋…久しぶりに入った気がする…。」
抱き上げられた状態でポツリと呟いた。
いつからだったかな…。そうだ、確か私が8歳の頃…ロイお兄様が『もう部屋に入っちゃダメ』って…。当時ロイお兄様は14歳で、年頃の男の子の部屋に妹が入るのは嫌なのかなと思っていたけど、もしかしたら私の事が嫌いだったのかも…。
「ミュラが俺の部屋に居ると、ミュラに酷い事をしてしまいそうだったからね…。」
「酷い事…?」
「そう。」
ロイお兄様は私をゆっくり降ろしてくれる。
「ロイお兄様は酷い事なんてしないわ。いつも優しいもの。」
「そんな事ないよ。ミュラが俺の頭の中を覗いたら軽蔑しちゃうと思う。ねぇミュラ、俺が言った言葉覚えてる?」
「…お部屋に入っちゃダメって事?」
「それもあるけど、部屋に入っちゃダメな理由の方だよ。『危機感を持って』って何度も言ったよね?」
そういえば、一時期口酸っぱく言われていた事があったな。たしか…
「オオカミだから…?」
「そう。逃げるなら今だよ?」
ロイお兄様の指が私の唇をなぞる。
「逃げる…?なぜ?」
私の質問にロイお兄様は薄く笑うだけで、答えてはくれなかった。
「…ミュラは、セムヤ様が好きなの?」
「え?…好きとかそういうのじゃ…」
「だったら昨日はなぜグレゴリー伯爵家に行ったの?二人きりで何を話していたの?」
「それは…」
私が言葉に詰まると、お兄様はジリジリと私を壁際に押しやって逃げ場を奪っていく。
「ねぇ、男と二人きりになるっていうのはこういう事だよ?」
ロイお兄様に両手を絡め取られ壁に貼り付けられてしまう。私の股の間にはお兄様の膝が入り、お兄様の美しい顔が間近に迫る。
簡素な膝丈のワンピースの為、お兄様の膝が太股や股にグイッと押し付けられて鼓動が早くなる。
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「ミュラ…!!」
翌朝、ロイお兄様に廊下で呼び止められた。
「ロイお兄様…おはようございます。」
「…っ…。目、腫れてる…。」
ロイお兄様は悲しげな顔で私の頬に手を当てる。
「……昨日読んだ小説が…悲しいお話だったんです。ふふ、恥ずかしいな。」
咄嗟に誤魔化してみたけど、上手く笑う事がでない。
「本当に?…昨日、グレゴリー伯爵家に行った事が関係あるんじゃなくて?」
ロイお兄様の真っ直ぐな瞳に、私は昨日気付いたこの気持ちに心が苦しくなる。こうして私を心配してくれるロイお兄様も…本当は違うのかな?ジワリと目頭が熱くなり涙が滲む。
今、ここで泣いちゃダメっ!
私はプイッと顔を反らし「うんん、関係無いよ」とわざと明るく答えるのがやっとだ。
「ミュラ、こっち向いて。お願い。」
「イヤ。目が腫れてて恥ずかしいから…。」
「お願い。ミュラ。」
ロイお兄様に手を引かれた弾みで涙が頬をつたう。マズイ、と思った瞬間にロイお兄様の大きく見開いた瞳と視線が交わった。
「あ……。違うの、これはその…。あれ?何でかな…涙が…。あはは、おかしいな…止まらな…」
「っ!!」
ロイお兄様にガバッと勢いよく抱上げられる。
「え!?ロイお兄様?ど…どこに行くの?降ろしてっ…!」
私の問いかけに答えること無く、ロイお兄様は私を抱上げたままズンズンや進んでいく。連れていかれた場所はロイお兄様のお部屋だった。
「ロイお兄様のお部屋…久しぶりに入った気がする…。」
抱き上げられた状態でポツリと呟いた。
いつからだったかな…。そうだ、確か私が8歳の頃…ロイお兄様が『もう部屋に入っちゃダメ』って…。当時ロイお兄様は14歳で、年頃の男の子の部屋に妹が入るのは嫌なのかなと思っていたけど、もしかしたら私の事が嫌いだったのかも…。
「ミュラが俺の部屋に居ると、ミュラに酷い事をしてしまいそうだったからね…。」
「酷い事…?」
「そう。」
ロイお兄様は私をゆっくり降ろしてくれる。
「ロイお兄様は酷い事なんてしないわ。いつも優しいもの。」
「そんな事ないよ。ミュラが俺の頭の中を覗いたら軽蔑しちゃうと思う。ねぇミュラ、俺が言った言葉覚えてる?」
「…お部屋に入っちゃダメって事?」
「それもあるけど、部屋に入っちゃダメな理由の方だよ。『危機感を持って』って何度も言ったよね?」
そういえば、一時期口酸っぱく言われていた事があったな。たしか…
「オオカミだから…?」
「そう。逃げるなら今だよ?」
ロイお兄様の指が私の唇をなぞる。
「逃げる…?なぜ?」
私の質問にロイお兄様は薄く笑うだけで、答えてはくれなかった。
「…ミュラは、セムヤ様が好きなの?」
「え?…好きとかそういうのじゃ…」
「だったら昨日はなぜグレゴリー伯爵家に行ったの?二人きりで何を話していたの?」
「それは…」
私が言葉に詰まると、お兄様はジリジリと私を壁際に押しやって逃げ場を奪っていく。
「ねぇ、男と二人きりになるっていうのはこういう事だよ?」
ロイお兄様に両手を絡め取られ壁に貼り付けられてしまう。私の股の間にはお兄様の膝が入り、お兄様の美しい顔が間近に迫る。
簡素な膝丈のワンピースの為、お兄様の膝が太股や股にグイッと押し付けられて鼓動が早くなる。
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