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108.【ミュラ12歳】~サーラside~
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皆様お久しぶりです。
ミュラお嬢様の専属侍女のサーラです。
ミュラお嬢様が王宮のお茶会に招かれるようになって6年が経ちました。最初は小動物のように涙目でぷるぷる震えており、それはそれは可愛らしいミュラお嬢様でしたが、12歳になった今ではマナーや言葉遣い、所作や纏う空気までが見惚れてしまう程美しいご令嬢に成長しております。
私はと言えば、ミュラお嬢様の専属侍女として王宮に付いてきておりますが、お茶会の給仕は王宮の侍女さん達が行うので基本的にはする事がありません。強いて言えばミュラお嬢様の側に控えているのがお仕事なのですが、最近はアレス王子様やキュアネ王女様がミュラお嬢様と二人きりでお話したいからと、席を外すように言われてしまいます。
そういう時は控え室で待たせていただくのですが、お茶やお菓子を出してもらえるし、王宮の侍女さん達とお話したりと、楽しい時間を過ごさせていただいております。
ミュラお嬢様は王宮の使用人の方にも丁寧に接しておりとても人気があるので「ミュラお嬢様はどのお菓子が好きか」という食の好みに始まり、好きな花、好きな色など、侍女さん達から質問責めに合う事も多く鼻が高い思いです。
ある日いつものように控え室でミュラお嬢様をお待ちしていると、ノックと共にキュアネ王女様がお一人で入ってこられました。
「サーラ、いつも待たせてすまないの。」
「とんでもございません。わたくしにまで過剰なおもてなしをいただき、誠にありがとうございます。」
「良い良い。お主はミュラの専属侍女だからの、我も信頼しておるのじゃ。」
「勿体ないお言葉でございます。…恐れ入りますが、ミュラお嬢様は…??」
何故キュアネ王女様お一人でいらしたのか…突然の来訪に私は冷や汗を流していた。
「ミュラは今、兄上と話しておる。我はサーラに話があって、少し抜け出してきたのじゃ。」
「わたくしにお話ですか…??」
キュアネ王女様の妖艶な微笑みに嫌な予感しかしない。
「ミュラも12歳になり、最近はめっきり女性らしくなってきたのう。初潮も迎えたのであろう?」
「しょ…?!あ、え…はい。」
何故知ってるのですか?ミュラお嬢様がキュアネ王女様にお話したのでしょうか?素直なミュラお嬢様なら、聞かれたら答えてしまいそうですし。
「それでのぉ、今日は渡したい物があるのじゃ。」
スッと手に握らされたのはとても美しい瓶で、中には液体が入っていた。
「これは…香水や化粧品でしょうか?」
「脱毛剤じゃ。」
「は?」
「じゃから、脱毛剤だと言っておるだろう。」
「脱毛剤…。」
「腕や足は勿論、秘部にも使用可能じゃ。」
「ひ…」
秘部?!今キュアネ王女様の口から秘部って聞こえたような。あ、もしかして皮膚?聞き間違い?
「ミュラは毛が薄そうじゃがの、最近はエチケットとして脱毛するのが当たり前であろう?この1瓶を使い終わるくらいには、永久脱毛になるからの。」
「…」
やっぱり秘部の事でしたー!!
淡々とお話されるキュアネ王女様に、私はポカンと口を開けたまま聞くしかなかった。
「入浴後にマッサージオイルに数滴混ぜて、よく塗り込むのじゃ。よいか?」
「あ…えっと…。魔法薬のような物でしょうか?その、疑っている訳ではないのですが、大丈夫なんでしょうか?」
「我も使用して効果を確認したものじゃから大丈夫じゃ。何ならミュラに使用する前にお主も試しに使ってみるかの?」
「い、いえ。キュアネ王女様がお使いになられた物でしたら、安心して使用できますので…大丈夫です。」
「ミュラもそうじゃが、母君であるレイラ殿もそういう所には疎そうじゃからの。こういうケアは幼い頃から丁寧に行う事で、ミュラの美しい肌を保てるというものじゃ。」
「は…はぁ。お気遣いいただきありがとうございます。」
「では、そろそろ戻らねばミュラに心配をかけてしまうからの。サーラ、よろしく頼むの。…あぁ、くれぐれもミュラに善からぬ懸想をいだくでないぞ?あくまで美容の為のマッサージだからの!よいな?」
「は、はい!承知いたしました!」
そう言ってキュアネ王女様はさっさと部屋を出ていかれ、私の手には脱毛剤の瓶だけが残された…。
その日の夜、念の為レイラ様にこっそり使用の許可をもらい、ミュラお嬢様に使う事となったのだが…
「きゃ…サーラ、くすぐったぃ…。あ、あん」
と吐息を漏らすミュラお嬢様の攻撃に私のHPは瀕死の状態で…。脱毛剤を使いきる1ヶ月で、悟りを開いたのは言うまでもない。
ミュラお嬢様の専属侍女のサーラです。
ミュラお嬢様が王宮のお茶会に招かれるようになって6年が経ちました。最初は小動物のように涙目でぷるぷる震えており、それはそれは可愛らしいミュラお嬢様でしたが、12歳になった今ではマナーや言葉遣い、所作や纏う空気までが見惚れてしまう程美しいご令嬢に成長しております。
私はと言えば、ミュラお嬢様の専属侍女として王宮に付いてきておりますが、お茶会の給仕は王宮の侍女さん達が行うので基本的にはする事がありません。強いて言えばミュラお嬢様の側に控えているのがお仕事なのですが、最近はアレス王子様やキュアネ王女様がミュラお嬢様と二人きりでお話したいからと、席を外すように言われてしまいます。
そういう時は控え室で待たせていただくのですが、お茶やお菓子を出してもらえるし、王宮の侍女さん達とお話したりと、楽しい時間を過ごさせていただいております。
ミュラお嬢様は王宮の使用人の方にも丁寧に接しておりとても人気があるので「ミュラお嬢様はどのお菓子が好きか」という食の好みに始まり、好きな花、好きな色など、侍女さん達から質問責めに合う事も多く鼻が高い思いです。
ある日いつものように控え室でミュラお嬢様をお待ちしていると、ノックと共にキュアネ王女様がお一人で入ってこられました。
「サーラ、いつも待たせてすまないの。」
「とんでもございません。わたくしにまで過剰なおもてなしをいただき、誠にありがとうございます。」
「良い良い。お主はミュラの専属侍女だからの、我も信頼しておるのじゃ。」
「勿体ないお言葉でございます。…恐れ入りますが、ミュラお嬢様は…??」
何故キュアネ王女様お一人でいらしたのか…突然の来訪に私は冷や汗を流していた。
「ミュラは今、兄上と話しておる。我はサーラに話があって、少し抜け出してきたのじゃ。」
「わたくしにお話ですか…??」
キュアネ王女様の妖艶な微笑みに嫌な予感しかしない。
「ミュラも12歳になり、最近はめっきり女性らしくなってきたのう。初潮も迎えたのであろう?」
「しょ…?!あ、え…はい。」
何故知ってるのですか?ミュラお嬢様がキュアネ王女様にお話したのでしょうか?素直なミュラお嬢様なら、聞かれたら答えてしまいそうですし。
「それでのぉ、今日は渡したい物があるのじゃ。」
スッと手に握らされたのはとても美しい瓶で、中には液体が入っていた。
「これは…香水や化粧品でしょうか?」
「脱毛剤じゃ。」
「は?」
「じゃから、脱毛剤だと言っておるだろう。」
「脱毛剤…。」
「腕や足は勿論、秘部にも使用可能じゃ。」
「ひ…」
秘部?!今キュアネ王女様の口から秘部って聞こえたような。あ、もしかして皮膚?聞き間違い?
「ミュラは毛が薄そうじゃがの、最近はエチケットとして脱毛するのが当たり前であろう?この1瓶を使い終わるくらいには、永久脱毛になるからの。」
「…」
やっぱり秘部の事でしたー!!
淡々とお話されるキュアネ王女様に、私はポカンと口を開けたまま聞くしかなかった。
「入浴後にマッサージオイルに数滴混ぜて、よく塗り込むのじゃ。よいか?」
「あ…えっと…。魔法薬のような物でしょうか?その、疑っている訳ではないのですが、大丈夫なんでしょうか?」
「我も使用して効果を確認したものじゃから大丈夫じゃ。何ならミュラに使用する前にお主も試しに使ってみるかの?」
「い、いえ。キュアネ王女様がお使いになられた物でしたら、安心して使用できますので…大丈夫です。」
「ミュラもそうじゃが、母君であるレイラ殿もそういう所には疎そうじゃからの。こういうケアは幼い頃から丁寧に行う事で、ミュラの美しい肌を保てるというものじゃ。」
「は…はぁ。お気遣いいただきありがとうございます。」
「では、そろそろ戻らねばミュラに心配をかけてしまうからの。サーラ、よろしく頼むの。…あぁ、くれぐれもミュラに善からぬ懸想をいだくでないぞ?あくまで美容の為のマッサージだからの!よいな?」
「は、はい!承知いたしました!」
そう言ってキュアネ王女様はさっさと部屋を出ていかれ、私の手には脱毛剤の瓶だけが残された…。
その日の夜、念の為レイラ様にこっそり使用の許可をもらい、ミュラお嬢様に使う事となったのだが…
「きゃ…サーラ、くすぐったぃ…。あ、あん」
と吐息を漏らすミュラお嬢様の攻撃に私のHPは瀕死の状態で…。脱毛剤を使いきる1ヶ月で、悟りを開いたのは言うまでもない。
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