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「うぅ~ん、こっちも良いわねぇ。」
「レイラ、ミュラにはこのピンクも似合うんじゃないかい?」
あれから数日後、今日は王都で有名なデザイナーさんが屋敷へ来てくれている。パパとママがアレがいいコレがいいと言うので、先程から私は次々と試着させられていた。
「あーん、ミュラちゃんは全部似合うから決められないわ。」
「よし、今日持って来てもらった物は全て買おう!フルオーダーでレイラとお揃いの物も何点か注文したいな。君、できるかい?」
「勿論でございます。公爵様、お任せくださいませ。」
デザイナーのマリアンナさんはホクホク顔だ。
「全然急いでいないから、ゆっくり作業してくれて構わないよ。」
「いえいえ、王宮からもミュラお嬢様のお洋服の注文が入ったら最優先で作業するようにと仰せつかっておりますので!このマリアンナ、体力には自信がございますの。1週間後に全てお届けいたしますわっ!」
「あ…あぁ…頼むよ。」
えぇ、マリアンナさん徹夜じゃないわよね?大丈夫かしら。それにしてもなぜ王宮からそんな通達が?
もしかしたら、先日キュアネ様がクローゼットを見ていらしたから…気を利かせてくださったのかもしれないわね。
私にとっては今持っているドレスやワンピースがどれも素晴らしいものだと思うのだけれど、どうやらこれは普段着(部屋着)で、外出向きのものとはまた違うみたい。
今度王宮へご挨拶にもお伺いするし、きっとこのお洋服じゃダメなのね。キュアネ様ありがとうございます。と心の中でお礼を呟く。
「マリアンナ様、ご請求についてですが…」
とハリーが言いかけた所、食い気味にマリアンナさんが声を張り上げた。
「あぁ!お支払いはアレス王子様から既にいただいておりますので!!」
ロレイル公爵家からはびた一文受け取れません!というような態度のマリアンナさん…。
何故アレス様がお支払いを…??
キュアネ様が兄であるアレス様に相談した…とか?わからない…。何故なのかしら?
「いやいや、王家に支払ってもらうなど滅相もない。請求は我がロレイル公爵家にお願いしたい。」
「いいえ、アレス王子様からのご命令ですので、公爵様にお支払いいただく訳にはまいりませんの。」
流石に申し訳ないとパパは食い下がるが、マリアンナさんも必死だ。
ただ、王家からの命令と言われてしまうとパパも強く出られない様で、最終的にはアレス様のご厚意に甘える形となった。
ーーーーーーーーーーーー
そうして1週間後、マリアンナさんは大量のドレスに加え、アクセサリーや小物類を持ってロレイル公爵家にやってきた。
「マリアンナさん…?注文していないアクセサリーや小物が含まれているようだが…。」
そう、何故か注文していないネックレスやブレスレット、靴やバッグ、髪飾り等が大量に持ち込まれたのだ。それを見たパパはいつもの笑顔が消えていた。
「あぁ、こちらのネックレスはアレス王子様からのプレゼント、こちらの髪飾りはキュアネ王女様から…あと、こちらはシシリア公爵家のゼノン様とシャルカ様、こちらはナヴァル公爵家の…」
「待て待て待て!何故そんな物が含まれているんだ?」
「えぇっと、アレス王子様とキュアネ王女様にミュラお嬢様のお洋服の注文が入ったとご報告しました所、それに合うアクセサリーをプレゼントしたいと申されまして…。」
パパの圧に押され、マリアンナさんは控えめに答える。
「はぁ。ではその他のプレゼントは何故?」
パパ、顔が怖い…。
「この1週間、ミュラお嬢様のお洋服作りを優先しておりましたの。その関係で、ご注文に来られたシシリア公爵家のシャルカ様へ納期が少し遅れる旨をお伝えしましたら…是非ミュラお嬢様にプレゼントをお贈りしたいとご相談いただきまして…。そのお話を聞き付けた他の公爵家の方々やシラー侯爵家、アキレス侯爵家の方々まで連日『ミュラお嬢様にプレゼントしたい』とご相談が…。」
「あんのマセガキ共が…っ!」
え!?パパ今なんて??
小さな声だったからよく聞き取れなかったけれど…パパが怒っているのはわかる。
パパに反してママは大はしゃぎだった。
「あらあら、ミュラちゃんたらモテモテねぇ~。沢山プレゼントを貰えて良かったわね。」
「はい…。でも、こんなに沢山貰ってもいいのかしら…?」
チラリとパパを見上げれば、パパはやっぱりちょっと困った顔をしていたけれど、ママは「プレゼントなんだから、お返ししたら逆に失礼よ。お礼のお手紙を書かなくちゃいけないわねぇ」とノリノリだった。
パパとママの温度差がすごい。
プレゼントを貰うと、お返しとか色々大変なのかもしれない。それでパパ困ってるのかな…?
喜んで良いのかわからずパパの顔色を伺っていると、隣に控えていたハリーがポンっと頭を撫でてくれた。
「ふふ、そんな不安そうなお顔をされなくても大丈夫ですよ。ルイズ様は娘を取られそうでヤキモチを焼いているだけですから。ミュラお嬢様は気にしなくて大丈夫ですよ。」
身体をかがめ、ハリーはコソッと耳打ちしてくれる。
「パパがヤキモチ?どうして?」
「ミュラお嬢様が可愛らしいから色々心配なのですよ。」
「???」
ハリーは「わからなくて大丈夫です」とまた頭を撫でてくれた。
「レイラ、ミュラにはこのピンクも似合うんじゃないかい?」
あれから数日後、今日は王都で有名なデザイナーさんが屋敷へ来てくれている。パパとママがアレがいいコレがいいと言うので、先程から私は次々と試着させられていた。
「あーん、ミュラちゃんは全部似合うから決められないわ。」
「よし、今日持って来てもらった物は全て買おう!フルオーダーでレイラとお揃いの物も何点か注文したいな。君、できるかい?」
「勿論でございます。公爵様、お任せくださいませ。」
デザイナーのマリアンナさんはホクホク顔だ。
「全然急いでいないから、ゆっくり作業してくれて構わないよ。」
「いえいえ、王宮からもミュラお嬢様のお洋服の注文が入ったら最優先で作業するようにと仰せつかっておりますので!このマリアンナ、体力には自信がございますの。1週間後に全てお届けいたしますわっ!」
「あ…あぁ…頼むよ。」
えぇ、マリアンナさん徹夜じゃないわよね?大丈夫かしら。それにしてもなぜ王宮からそんな通達が?
もしかしたら、先日キュアネ様がクローゼットを見ていらしたから…気を利かせてくださったのかもしれないわね。
私にとっては今持っているドレスやワンピースがどれも素晴らしいものだと思うのだけれど、どうやらこれは普段着(部屋着)で、外出向きのものとはまた違うみたい。
今度王宮へご挨拶にもお伺いするし、きっとこのお洋服じゃダメなのね。キュアネ様ありがとうございます。と心の中でお礼を呟く。
「マリアンナ様、ご請求についてですが…」
とハリーが言いかけた所、食い気味にマリアンナさんが声を張り上げた。
「あぁ!お支払いはアレス王子様から既にいただいておりますので!!」
ロレイル公爵家からはびた一文受け取れません!というような態度のマリアンナさん…。
何故アレス様がお支払いを…??
キュアネ様が兄であるアレス様に相談した…とか?わからない…。何故なのかしら?
「いやいや、王家に支払ってもらうなど滅相もない。請求は我がロレイル公爵家にお願いしたい。」
「いいえ、アレス王子様からのご命令ですので、公爵様にお支払いいただく訳にはまいりませんの。」
流石に申し訳ないとパパは食い下がるが、マリアンナさんも必死だ。
ただ、王家からの命令と言われてしまうとパパも強く出られない様で、最終的にはアレス様のご厚意に甘える形となった。
ーーーーーーーーーーーー
そうして1週間後、マリアンナさんは大量のドレスに加え、アクセサリーや小物類を持ってロレイル公爵家にやってきた。
「マリアンナさん…?注文していないアクセサリーや小物が含まれているようだが…。」
そう、何故か注文していないネックレスやブレスレット、靴やバッグ、髪飾り等が大量に持ち込まれたのだ。それを見たパパはいつもの笑顔が消えていた。
「あぁ、こちらのネックレスはアレス王子様からのプレゼント、こちらの髪飾りはキュアネ王女様から…あと、こちらはシシリア公爵家のゼノン様とシャルカ様、こちらはナヴァル公爵家の…」
「待て待て待て!何故そんな物が含まれているんだ?」
「えぇっと、アレス王子様とキュアネ王女様にミュラお嬢様のお洋服の注文が入ったとご報告しました所、それに合うアクセサリーをプレゼントしたいと申されまして…。」
パパの圧に押され、マリアンナさんは控えめに答える。
「はぁ。ではその他のプレゼントは何故?」
パパ、顔が怖い…。
「この1週間、ミュラお嬢様のお洋服作りを優先しておりましたの。その関係で、ご注文に来られたシシリア公爵家のシャルカ様へ納期が少し遅れる旨をお伝えしましたら…是非ミュラお嬢様にプレゼントをお贈りしたいとご相談いただきまして…。そのお話を聞き付けた他の公爵家の方々やシラー侯爵家、アキレス侯爵家の方々まで連日『ミュラお嬢様にプレゼントしたい』とご相談が…。」
「あんのマセガキ共が…っ!」
え!?パパ今なんて??
小さな声だったからよく聞き取れなかったけれど…パパが怒っているのはわかる。
パパに反してママは大はしゃぎだった。
「あらあら、ミュラちゃんたらモテモテねぇ~。沢山プレゼントを貰えて良かったわね。」
「はい…。でも、こんなに沢山貰ってもいいのかしら…?」
チラリとパパを見上げれば、パパはやっぱりちょっと困った顔をしていたけれど、ママは「プレゼントなんだから、お返ししたら逆に失礼よ。お礼のお手紙を書かなくちゃいけないわねぇ」とノリノリだった。
パパとママの温度差がすごい。
プレゼントを貰うと、お返しとか色々大変なのかもしれない。それでパパ困ってるのかな…?
喜んで良いのかわからずパパの顔色を伺っていると、隣に控えていたハリーがポンっと頭を撫でてくれた。
「ふふ、そんな不安そうなお顔をされなくても大丈夫ですよ。ルイズ様は娘を取られそうでヤキモチを焼いているだけですから。ミュラお嬢様は気にしなくて大丈夫ですよ。」
身体をかがめ、ハリーはコソッと耳打ちしてくれる。
「パパがヤキモチ?どうして?」
「ミュラお嬢様が可愛らしいから色々心配なのですよ。」
「???」
ハリーは「わからなくて大丈夫です」とまた頭を撫でてくれた。
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