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49.~ロキside~⭐
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ロキ・ド・トリッシュ(5歳)
トリッシュ公爵家 長男
ロレイル公爵家の末っ子、ミュラのお披露目を兼ねた誕生パーティーに来たのは、ちょっとした好奇心からだ。普段なら面倒な行事は参加しない。
ミュラの事は生まれた時から話題になっていた。同い年の侯爵家や伯爵家の子息子女が集まる茶会でも、度々ミュラの事を聞かれる事がある。ロレイル公爵家の3兄弟が溺愛する妹はどれほど美しいのか、まだ一度も他家の者が会えないのは何故か、病弱では?、もしかして醜い容姿で隠されているのでは?等々…皆想像力豊かだ。
可愛い女の子は好きだけど、陰口や足の引っ張り合いに発展するのはウンザリする。
そういうの、ホント面倒。
僕は善人じゃないし思った事は口にするけど、本人の目の前でしか悪口は言わない主義だ。
そんな噂に溢れたミュラの初めてのお披露目。単純に興味があった。
誕生パーティーには王子王女、3公爵家、魔術団長のシラー侯爵家、騎士団長のアキレス侯爵家も出席していた。
王家主催の行事くらいでしか一同に集まる事がない顔ぶれに、皆の感心度が高い事が伺える。
そんな中、ロレイル公爵家当主に抱き抱えられ登場したミュラは泣く事もなく笑顔で手を振っていた。
ミュラは真っ白で、僕なんかが近づいたら汚れてしまいそうで…なんとなく直ぐには近づけなかった。
ディオスとメリーがミュラに気軽に話しかけるのを見て、こいつらは緊張というものを知らないのか?と不思議に思ったほどだ。
皆が一目見たミュラに異常な執着を見せる。
それほどミュラは特別な女の子だった。
いつもの僕を装いながらミュラに挨拶した時は、緊張で頭がクラクラした。
普段の僕はこんな奴じゃない。
面倒臭い事が嫌いで、適当で、楽しい事しか興味が無いし、女の子と気軽に話せるチャラい奴。
なぜだ?どうした?
心が疼くのが気持ち悪い。
そこへ急にやって来たハイドにミュラが驚いたのを見て、ハイドに酷く苛ついた。
おい、音もなく近づいて、そんな無愛想な挨拶なんてしたらミュラが怖がるだろうが!
「ほ~んと、ハイドはつまんないね。そんなんじゃ女の子にモテないよ?」
冷やかすように苛ついた気持ちを吐き出す。
ハイドはこちらを見向きもせず無視だ。
あー、ハイハイ。お前はそういう奴だよな。
どうせ剣技一筋で女の子には興味が無いんだろ。
あぁ、なんだかイライラする。
心がおかしい。
はぁ…。めんどくさい。
トリッシュ公爵家 長男
ロレイル公爵家の末っ子、ミュラのお披露目を兼ねた誕生パーティーに来たのは、ちょっとした好奇心からだ。普段なら面倒な行事は参加しない。
ミュラの事は生まれた時から話題になっていた。同い年の侯爵家や伯爵家の子息子女が集まる茶会でも、度々ミュラの事を聞かれる事がある。ロレイル公爵家の3兄弟が溺愛する妹はどれほど美しいのか、まだ一度も他家の者が会えないのは何故か、病弱では?、もしかして醜い容姿で隠されているのでは?等々…皆想像力豊かだ。
可愛い女の子は好きだけど、陰口や足の引っ張り合いに発展するのはウンザリする。
そういうの、ホント面倒。
僕は善人じゃないし思った事は口にするけど、本人の目の前でしか悪口は言わない主義だ。
そんな噂に溢れたミュラの初めてのお披露目。単純に興味があった。
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ミュラは真っ白で、僕なんかが近づいたら汚れてしまいそうで…なんとなく直ぐには近づけなかった。
ディオスとメリーがミュラに気軽に話しかけるのを見て、こいつらは緊張というものを知らないのか?と不思議に思ったほどだ。
皆が一目見たミュラに異常な執着を見せる。
それほどミュラは特別な女の子だった。
いつもの僕を装いながらミュラに挨拶した時は、緊張で頭がクラクラした。
普段の僕はこんな奴じゃない。
面倒臭い事が嫌いで、適当で、楽しい事しか興味が無いし、女の子と気軽に話せるチャラい奴。
なぜだ?どうした?
心が疼くのが気持ち悪い。
そこへ急にやって来たハイドにミュラが驚いたのを見て、ハイドに酷く苛ついた。
おい、音もなく近づいて、そんな無愛想な挨拶なんてしたらミュラが怖がるだろうが!
「ほ~んと、ハイドはつまんないね。そんなんじゃ女の子にモテないよ?」
冷やかすように苛ついた気持ちを吐き出す。
ハイドはこちらを見向きもせず無視だ。
あー、ハイハイ。お前はそういう奴だよな。
どうせ剣技一筋で女の子には興味が無いんだろ。
あぁ、なんだかイライラする。
心がおかしい。
はぁ…。めんどくさい。
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