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結婚式③

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 狭い蜜口に硬い何かが挿し込まれ、ぐちゅぐちゅという音を立てながら浅いところをかき回すように動かされて、それがケビンの指だと気付いた時には二本の指が挿入されていた。狭いそこを拡げるようにゆっくりゆっくり擦られて、初めは圧迫感しか感じなかったのに、次第に快感を拾い上げるようになっていた。 

「頑張ってアンジェリカ。初めての君に痛い思いをさせたくないんだ」

 破瓜の瞬間は痛みを伴うことくらい私も知っている。それを少しでも減らそうと私の蜜口を解し拡げてくれているのだ。ふと彼の下半身に目をやると、トラウザーズの前が大きく膨らんでいた。きっと窮屈で痛いに違いない。それなのにケビンは私のことばかり優先してくれている。一生に一度の痛みを覚えておきたい。そう思った私はケビンに声を掛けた。

「ケビン、もう大丈夫だから……、きて? あなたがくれる痛みも、覚えて起きたいの」

 そう言って自分の蜜口を拡げるようにケビンに見せつけた。その時点で既に指は三本に増やされていたから、準備は万端だろう。はしたない私の姿に息を飲んだケビンは下着と一緒にトラウザーズを脱ぎ去った。そこにはお腹の辺りまで反り返った雄々しいものがあった。あんなに大きくて太いものが私の中に入るのかと一瞬怯んでしまったけれど、目をギラつかせたケビンは待ってくれそうにない。

「煽った責任をとって。今のはアンジェリカが悪い」

 そう言うや否や怒張と言っても過言ではないような彼の陽物が一気に突き立てられた。

 どちゅんと音がしそうなくらい容赦なく、あまりの衝撃に一瞬息が詰まった。

「――――んっ――――かひゅっ…………、くぅっ、んんんっ、ああああああんっ」

 そこからはひたすら腰を振られて、体位を変えて何度も何度も貪られた。

「はあっ、アンジェリカっ! あっ、愛してるっ、愛してるんだ」

 愛を叫ばれ何度交わり続けたか分からない、空が白みだしたところまでは覚えているけれどいつの間にか意識を失っていたらしく、気が付けばすっかり太陽が真上にきていた。

 起き上がろうとするけれど、身体の節々が痛くて思うように動けない。腰は重いし、下半身のあらぬところからもまだ何かが入っているような錯覚を覚えるような鈍い痛みを感じる。

「私……、ケビンと結ばれたのねっ」

 嬉しくて小さな声でそう呟いたら、私が起きたことに気が付いたケビンが水を持って部屋に入ってきた。

「昨日は無理をさせてしまってすまない。漸く君と結ばれるのだと思ったら、タガが外れてしまったようで……。初めてだったというのに申し訳ない」

「ううん、大丈夫よ。あの痛みは、私とあなたが結ばれたという証だもの。私だってやっとあなたと結ばれることが出来て本当に嬉しかったの」

「アンジェリカ……。ほんと君には敵わないよ。君の中が気持ちよすぎて、我を忘れてしまったんだ。性行為がこんなにも気持ちが良いものだったなんて知らなかった。無理をさせてしまったから、今日は責任を持って君の世話をさせて欲しい」

 初めて結ばれた時は痛くて涙が零れてしまったけれど、同時に心が満たされるのを感じて改めて幸せを実感した。年齢も六歳上のケビンが手慣れているように感じて少し寂しい気持ちもあったのだが、聞き間違いでなければ彼も昨日が初めてだったのか? 口に出ていたらしく、クスリと笑った彼が自分も初めてだったと言った。

「騎士団の連中に娼館に誘われたこともあるし、女性に迫られることもあったが、全く興味がなかったから全て断っていたんだ。そんなことに時間を掛けるくらいなら魔術の研究に時間を割きたかったのもあるが」

「ケビンも私がはじめてなの?」

「ああ、俺の初めては君のものだ。初めてだけじゃない。これからもずっと君だけのものだ」

「うれしい……」

「アンジェリカ、君の最初で最後の男は俺だってことは忘れないでくれ。疑うつもりはないが、君がもし俺以外の男とそんなことになったら、相手の男を殺して君を閉じ込めてしまうかもしれない」

 特大に重く危ないことを言われたけれど、私はそれが心地良いと感じていた。

「私だってあなたが他の女性とそうなったら何をするか分からないわ」

「ははっそんなことは絶対ないから安心して欲しい。君以外の女性には触れたいとも思わないんだ」

 身も心も結ばれた翌日、ベッドから起き上がることの出来なかった私に、ケビンは平謝りして甲斐甲斐しく身の回りの世話をしてくれた。一途に重い愛をぶつけてくれる彼の独占欲が堪らなく嬉しい。愛し愛される喜びを噛み締める。元の世界では見付けることの出来なかった唯一のもの。

 さすがに抱き潰されるのはもう遠慮したいところだけど、私も行為中離れがたいと思っていたし、この時が永遠に続けば良いとも思ったのだから、ケビンだけが悪い訳ではない……。実際は体力も限界だし、快感が凄すぎて終盤は頭がおかしくなるんじゃないかという状態だったけれど――。

 午後になって塔を訪れたダブル母親は、ベッドから動けない私を見るとケビンを叱っていた。こんな姿を見られて恥ずかしい思いをした私は、布団を頭から被り寝たふりを決め込んだのは内緒だ。
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