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番外編
メア②
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※今回の番外編は男性の生理や妊娠出産がメインです。苦手な方はご注意くださいm(__)m
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ケイ! 目覚めたと聞きましたが体調はいかがですか?」
ノックもなしに部屋に飛び込んできたルシアンは、真っ先に俺のいるベッドまでやってきた。
少し貧血気味ではあるけど、それ以外は特に不調もなさそうなのでそう伝えると、ホッとしたように溜息を吐いた。
男の生理は二日くらいだっていうし、そこまで心配しなくても大丈夫なことを告げてから、祝福の水を飲んで妊娠可能な体になる上で生理が始まることを予め伝えてくれなかったことを抗議した。
ポワソン少年とポプラさんには部屋から出てもらってルシアンと二人になると、魔具の挿入に対するお礼を言った。
初めてだし自分で挿れられる気がしなかったし、医者とはいえ他人に挿れてもらうのには少し恥じらいというか抵抗があったから……。
ルシアンには毎朝晩と見られているし、何なら弄られているから恥ずかしいけど、まだ慣れがある 。
お礼をイウトルシアンは、俺の初潮をすごす喜んでくれて、これで二人の子供を授かることが出来ると浮足立っているようだった。
生理が来たからって、直ぐに子供が出来る訳じゃないけど、子作りという響きが良いとか何とかブツブツ呟いているのが聞こえて、また変態行為に拍車がかかるのではと悪寒が走った。
魔具の挿入の時に余計なことはしていないか厳しく問い詰めると、悪びれた様子もなく初めての経血をひとしきり眺めた後に魔具を抜き差しして、意識のない俺が感じる所を刺激して、射精の瞬間俺のチンコを咥えて飲んだとか言っていて眩暈がした。
やっぱり……。
この変態王子がただ魔具の挿入をするだけで済むはずがなかったんだ……。
医療行為みたいなものだけど、ルシアンが俺の肌を見て何もしない訳がない。
もし経血をどうこうしてたら、また塔に籠るくらいの拒絶の意志があったことを伝えると、さすがにそれは俺が嫌がりそうだったから、意識のないときにはしないと言っていて、逆に意識があったらどうこうしたかったのかと思うと、どうしても生理的に受け付けず、生理の時に性的なことをしないことと、経血に関しては絶対に興味を持って触れないことを約束させた。
正式な伴侶になってから、ルシアンは少し大胆になってきたから、きちんと約束しなければ俺を丸め込むかもしれない。
どうしても嫌だから、セインに頼んで魔法の誓いを立ててもらった。
ルシアンに立てさせると、また心臓が止まるとか重すぎるペナルティーになるからな。
セインの魔法の誓いによって誓いを破った時は強制的に一月俺に触れることが出来なくなるという罰則をつけてもらった。
その日の夕食はいつもより豪華でどうしてか訊ねると、俺の初潮が始まったからというとんでもない答えが返された……。
女子が赤飯炊かれて家族バレして恥ずかしい思いをするっていう経験を、俺は国単位でされてしまった……。
俺の初潮の件は、俺が気を失っている間に国中に知らされて、すっかりお祝いムードらしい……。
どうして国全体にまで知らせる必要があるのか、羞恥と怒りを堪えてルシアンに訊ねると、精霊姫の体が子を成すことが出来るようになったということは国を挙げての慶事で、今後祝日として残していくとか言われて、ますます生理記念日みたいな祝日が増えることに鳥肌が立った。
そんな恥ずかしい祝日は必要ないって言ったけど、精霊姫の初潮は記念すべき日だととりあってもらえなかった。
あからさまな名前の祝日にはならないから安心して良いと言われても、ちっとも安心なんて出来ない。
歴代の精霊姫もこんな恥ずかしい祝日を受け入れたのだろうかと疑問に思い訊ねるけど、そもそも男の精霊姫はずいぶん昔に一人いただけで、その後はずっと女性だったらしいし、召喚される前に初潮はとっくに迎えていたから、こんな恥ずかしい記念日などなかったって――。
そりゃそうだよな……。
保健体育で大体の女子は中学生くらいまでに初潮を迎えるって聞いたし、召喚されるのは精霊姫がこっちの成人年齢である十八歳前後と決まっている。
その辺りは精霊王のさじ加減によるけど、とっくに生理を迎えているはずだし……。
しかも俺以外の男の精霊姫は王族って言っても、お姫様と結婚したから体を作り変える必要もなくて、こんな恥ずかしい思いをしたのは俺だけなんだ。
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「ケイ! 目覚めたと聞きましたが体調はいかがですか?」
ノックもなしに部屋に飛び込んできたルシアンは、真っ先に俺のいるベッドまでやってきた。
少し貧血気味ではあるけど、それ以外は特に不調もなさそうなのでそう伝えると、ホッとしたように溜息を吐いた。
男の生理は二日くらいだっていうし、そこまで心配しなくても大丈夫なことを告げてから、祝福の水を飲んで妊娠可能な体になる上で生理が始まることを予め伝えてくれなかったことを抗議した。
ポワソン少年とポプラさんには部屋から出てもらってルシアンと二人になると、魔具の挿入に対するお礼を言った。
初めてだし自分で挿れられる気がしなかったし、医者とはいえ他人に挿れてもらうのには少し恥じらいというか抵抗があったから……。
ルシアンには毎朝晩と見られているし、何なら弄られているから恥ずかしいけど、まだ慣れがある 。
お礼をイウトルシアンは、俺の初潮をすごす喜んでくれて、これで二人の子供を授かることが出来ると浮足立っているようだった。
生理が来たからって、直ぐに子供が出来る訳じゃないけど、子作りという響きが良いとか何とかブツブツ呟いているのが聞こえて、また変態行為に拍車がかかるのではと悪寒が走った。
魔具の挿入の時に余計なことはしていないか厳しく問い詰めると、悪びれた様子もなく初めての経血をひとしきり眺めた後に魔具を抜き差しして、意識のない俺が感じる所を刺激して、射精の瞬間俺のチンコを咥えて飲んだとか言っていて眩暈がした。
やっぱり……。
この変態王子がただ魔具の挿入をするだけで済むはずがなかったんだ……。
医療行為みたいなものだけど、ルシアンが俺の肌を見て何もしない訳がない。
もし経血をどうこうしてたら、また塔に籠るくらいの拒絶の意志があったことを伝えると、さすがにそれは俺が嫌がりそうだったから、意識のないときにはしないと言っていて、逆に意識があったらどうこうしたかったのかと思うと、どうしても生理的に受け付けず、生理の時に性的なことをしないことと、経血に関しては絶対に興味を持って触れないことを約束させた。
正式な伴侶になってから、ルシアンは少し大胆になってきたから、きちんと約束しなければ俺を丸め込むかもしれない。
どうしても嫌だから、セインに頼んで魔法の誓いを立ててもらった。
ルシアンに立てさせると、また心臓が止まるとか重すぎるペナルティーになるからな。
セインの魔法の誓いによって誓いを破った時は強制的に一月俺に触れることが出来なくなるという罰則をつけてもらった。
その日の夕食はいつもより豪華でどうしてか訊ねると、俺の初潮が始まったからというとんでもない答えが返された……。
女子が赤飯炊かれて家族バレして恥ずかしい思いをするっていう経験を、俺は国単位でされてしまった……。
俺の初潮の件は、俺が気を失っている間に国中に知らされて、すっかりお祝いムードらしい……。
どうして国全体にまで知らせる必要があるのか、羞恥と怒りを堪えてルシアンに訊ねると、精霊姫の体が子を成すことが出来るようになったということは国を挙げての慶事で、今後祝日として残していくとか言われて、ますます生理記念日みたいな祝日が増えることに鳥肌が立った。
そんな恥ずかしい祝日は必要ないって言ったけど、精霊姫の初潮は記念すべき日だととりあってもらえなかった。
あからさまな名前の祝日にはならないから安心して良いと言われても、ちっとも安心なんて出来ない。
歴代の精霊姫もこんな恥ずかしい祝日を受け入れたのだろうかと疑問に思い訊ねるけど、そもそも男の精霊姫はずいぶん昔に一人いただけで、その後はずっと女性だったらしいし、召喚される前に初潮はとっくに迎えていたから、こんな恥ずかしい記念日などなかったって――。
そりゃそうだよな……。
保健体育で大体の女子は中学生くらいまでに初潮を迎えるって聞いたし、召喚されるのは精霊姫がこっちの成人年齢である十八歳前後と決まっている。
その辺りは精霊王のさじ加減によるけど、とっくに生理を迎えているはずだし……。
しかも俺以外の男の精霊姫は王族って言っても、お姫様と結婚したから体を作り変える必要もなくて、こんな恥ずかしい思いをしたのは俺だけなんだ。
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