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2章

3 龍視点

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部屋を出ると侍女が居て、頭を下げてきた。

「侍女長のリリと申します。茉莉様のお部屋まで案内させていただきます」

先導して歩き出したから着いていく。
外は暗くなっていて、長い廊下のあちこちにランプのような物が下げてあるが、よく見れば火ではなかった。

「隼人様は客室にて侍女が対応させて頂いております。龍様はこのまま湯殿に案内致します」
「湯殿…!?」
「茉莉様は侍女達がお風呂のお世話をいたしました」
「…長谷川、意識無いんだよな…?」
「こちらの宮殿の侍女はあらゆる術を身に付けた侍女のみが仕えております。意識の無い茉莉様をお世話するくらい簡単でございます。さて、こちらが男性の湯殿でございます」

侍女が開けたドアには広い部屋があり、奥に扉があった。
「手前の棚にお着替えが入っております。お世話は必要ですか?」
「1人で入らせて下さい」
「……かしこまりました。身体を洗うものも湯の回りにございますので、お好きな物をお選び下さい」

今の間はなんだ??
女だけじゃなくて、男も世話されるのが普通なのか!?

そして湯船はありがちなマーライオンみたいなのからお湯がドバドバ流れてて、花が浮いていた。
壺のような物が何個も置いてあって、中身はボディーソープな感じで、赤だったり黄色だったりピンクだったり…とりあえず白いのを使ったが、花もボディーソープも甘ったるい匂いで充満していてとでもじゃないがゆったり出来なかった。



着替えて廊下に出るとドアの前に頭を下げた状態でリリが待っていた。
「それでは茉莉様のお部屋にご案内しますが、お伝えすることがございます。まず、茉莉様の状態はかなり危険な状態です。この為、お部屋に媚薬を焚かせていただきました」
「……はぁっ!?」
「意識の無い状態では…その、大変かと。色々、身体の準備と申しますか。茉莉様が苦しまないようにとの処置にございます。」


それ、聞かされる俺の身になってくれ。
返事すら出来ないまま、リリの足が止まり、目の前のドアを開けられた。

「奥のドアは個室用の湯殿がございます。茉莉様のベッドの脇に紐がございます。引っ張ると寝ずの番の侍女を呼びつけられます。エスト様からは、龍様がお部屋から出ない限りお声掛けしないよう、申し伝えられております。何かございましたらお呼びくださいませ」


言いたいことを言うだけ言ってリリは離れて行った。
部屋にも入れず、入り口に佇んだまま部屋を覗く。
薄赤いライト?が灯る部屋の奥にはお姫様が使うようなカーテン付き?のベッドがある。
そして強く漂う甘い香り。
引き込まれる用に部屋に入っていた。
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