260 / 832
3 魔法学校の聖人候補
449 最後の狩りに行こう!
しおりを挟む
449
「みんな、おまたせー! 調子はどう?」
《索敵》でクローナ組の場所を見つけてから、少しだけ離れた場所へアタタガ・フライに降ろしてもらい、そこからは《烈風》や《強筋》を使っての早歩きで移動した。山は障害物が多いため平地ほどこういった魔法の効果はないのだが、それでも15分ほど歩いてやっと合流できた。みんなはまだ昼食を食べているところで、私が姿を見せると一斉に立ち上がった。
「マリスさん! ど、どうだった! みんな無事?」
トルルが食べていたサンドイッチを落としそうになりながら、駆け寄ってきた。
「うん、怪我はしているけど、みんな無事だよ。グッケンス博士が学校へみんなを届けてくれたので、私は戻ってきたの」
「お疲れさまでした。マリスさんは大丈夫なんですか」
オーライリは、私のことが心配でたまらなかったようだ。
「私は……博士の助手としてついていっただけだから……だ、大丈夫、大丈夫」
オーライリの目が〝絶対、何かやってきたでしょ?〟というような、じとっとした訴えを投げかけてくるが、そこはあえての全スルーをし、愛想笑いでごまかした。
「皆が無事とお伺いできて安心致しました。ありがとうございます、マリスさん。ご助力に感謝申し上げます」
どうやら食事も喉に通らず心配していたらしいクローナも心からホッとしたようで、そこからは話せる範囲で事の顛末を伝えたり、今日の狩りの様子を聞いたりしながら、みんなでしっかり食事をして午後に備えた。
火の近くに鍋が置いてあったので、聞いてみたところ私がいなくても暖かい汁物が欲しいと、トルルが森から取ってきたキノコを使って汁物を作ってくれたそうだ。ところが味見をしてみると、ほんのりしたキノコの風味以外には塩味しかしない。私のせいで舌が肥えてきているみんなには不評だったようで、ほとんどが残ったままになっていた。時間もないので香味野菜を少々足し、焦がした味噌で風味づけをして味を修正した。
「マリスさんが戻ってくれてよかった~。うん、美味しい!」
トルルはイマイチみんなの手が伸びないままになっていたキノコ汁に責任を感じていたらしく、空っぽになった鍋を見て嬉しそうだった。機会があれば、トルルたちにも料理を美味しくするコツを少し教えてあげたほうがいいかもしれない。
みんなの話によると、午前中は朝の話の通り昨日の手順で小物の狩りを行ったそうで、野狐1匹に野ネズミ3匹野うさぎ2羽という、なかなかの好成績だった。
「でも、これほど司令塔がいないことが狩りを難しくするとは思いませんでした。みんなの位置を把握しながら、的確に指示を出すのは大変なことですわね。道は遠いですけれど、私もこれから《索敵》が獲得できるよう、精進しなければ、と思いましたわ」
クローナは、今日の午前中一生懸命リーダーとして頑張ってくれたが、その経験はなかなか苦いものだったらしい。あまりに思ったようにいかないので、呆然としてしまう瞬間もあったそうだ。
「やはり、司令塔はマリスさんにお願い致しますわ。今の私では到底この役はつとめられないと思い知りました」
スッキリした顔でそう言うクローナは、最もこの合宿の意味を理解した学生かもしれない。できること、できないこと、すべきこと、すべきでないこと……それを実践で理解し、心に留めておく。それが、この合宿の大事な学びなのだ。
「さて、マリスさんも戻りましたし、最後の狩りはいい獲物を仕留めたいですね」
(午前中に10頭ほど100ポイント超えの大物〝銀狼〟を狩ってきたんだけどね。言えないけど……)
そんなことを思いつつ《索敵》をしていると、5キロほど先だが、驚いたことにこんな低地の沢沿いに山の高所にしか生息しないはずのアイスベアの姿を発見した。
「え! なんで、こんなところにアイスベアがいるのよ!」
思わず叫んだ私に、みんながびっくりしている。
「本当に、本当にアイスベアがいるの? こんな場所に?」
トルルが信じられないと言う顔で驚いている。
「もしかしたら、どこかでアイスベアより強い魔物が出たのかもしれないね。動物は危険を察知する能力が高いって言うじゃない。きっと、怖い魔物を避けて逃げてきたんじゃないかな」
確かにそれなら納得がいく。昨晩は私たちの狩りエリアの外では、銀狼たちによる大物狩りが盛大に行われていたはずだ。アイスベアもその標的だったに違いない。そのせいで、普段は来ないこのエリアにまで逃げてきた、ということなら納得がいく。
「じゃ、最後はそれだよな。やろうぜ!」
遊軍のライアンとザイクがやる気いっぱいの笑顔で、アイスベア狩りを勧めてくる。
他のメンバーも、最後に一花咲かせたいようで、じっと私の方を見る。
「どう……かな。無理かな?」
モーラとトルルが、作戦参謀の私の決断を求めてくる。
実際のところ、アイスベアは想定外だが普通の熊までは私の中で標的に入っていた。だから、10倍のしびれ薬入りペイント弾まで用意していたのだ。
(でも、あれもう全部さっき使っちゃったんだよねぇ……うーん)
クローナとオーライリの攻撃力があれば、おそらく仕留められないことないが、遊軍の危険を避けるためにちょっと作戦を立てる必要があるだろう。
「わかった。じゃ、午後いっぱい、この熊狩りのために使うことにしましょう。
一気に行くんじゃなくて、弱らせる方法を使うよ。遊軍は十分に距離をとって行動するように。アイスベアの爪は本当に危険だから。わかった?」
「了解です!」
そこからはみんなキビキビと動き始めた。
致命傷を一気に叩き込むためには、ある程度弱らせて動きを遅くしなくてはならない。本来なら私のペイント弾がその役割を担うところだが、不測の事態によりそれはできなくなってしまった。そのため、時間はかかるがアイスベアに体力を使わせ疲れさせることにした。血を流させるのが弱らせるためには最も有効だが、それをすると他の危険な魔物を呼び込みかねないので、これは最後の手段にしたい。
そこからは魔法で落とし穴を掘ったり、チクチクと痛いツタを熊の行く手に大量に生やしてみたり、熊の好きな蜂蜜を使って森中駆け回らせてみたり……。
みんなで考えた疲れそうなこと、体力を削れそうな作戦を次々に仕掛けていった。
2時間も経つと、さすがのアイスベアも動きが鈍り息が上がり始めた。明らかに歩く速度が鈍り休息をとろうとする動きが見られたので、ここからは攻撃体制に移行。
「獲物は危険なアイスベアです。一撃で仕留めなければなりません。クローナとオーライリは首を狩る気でいてください。私もペイント弾を首に集中的に叩き込みます」
「わかったわ。オーライリの《風の刃》のすぐ後に私が《炎の槍》を打ち込みましょう。その方が、より強力な魔法になるわよね」
「正確に狙えば、それで致命傷になると思います。そうですよね、マリスさん」
攻撃役のふたりは、この狩りを通じてお互いの技量や長所についてもよくわかってきているようだった。
「その通りだね。それで、決まりだよ。じゃ、行こうか」
たった1日半で、すっかり連携のとれた私たちは、恐ろしい巨大な熊にもまったく怯まず、だが侮ることなく最後のとどめを刺しに向かっていった。
「みんな、おまたせー! 調子はどう?」
《索敵》でクローナ組の場所を見つけてから、少しだけ離れた場所へアタタガ・フライに降ろしてもらい、そこからは《烈風》や《強筋》を使っての早歩きで移動した。山は障害物が多いため平地ほどこういった魔法の効果はないのだが、それでも15分ほど歩いてやっと合流できた。みんなはまだ昼食を食べているところで、私が姿を見せると一斉に立ち上がった。
「マリスさん! ど、どうだった! みんな無事?」
トルルが食べていたサンドイッチを落としそうになりながら、駆け寄ってきた。
「うん、怪我はしているけど、みんな無事だよ。グッケンス博士が学校へみんなを届けてくれたので、私は戻ってきたの」
「お疲れさまでした。マリスさんは大丈夫なんですか」
オーライリは、私のことが心配でたまらなかったようだ。
「私は……博士の助手としてついていっただけだから……だ、大丈夫、大丈夫」
オーライリの目が〝絶対、何かやってきたでしょ?〟というような、じとっとした訴えを投げかけてくるが、そこはあえての全スルーをし、愛想笑いでごまかした。
「皆が無事とお伺いできて安心致しました。ありがとうございます、マリスさん。ご助力に感謝申し上げます」
どうやら食事も喉に通らず心配していたらしいクローナも心からホッとしたようで、そこからは話せる範囲で事の顛末を伝えたり、今日の狩りの様子を聞いたりしながら、みんなでしっかり食事をして午後に備えた。
火の近くに鍋が置いてあったので、聞いてみたところ私がいなくても暖かい汁物が欲しいと、トルルが森から取ってきたキノコを使って汁物を作ってくれたそうだ。ところが味見をしてみると、ほんのりしたキノコの風味以外には塩味しかしない。私のせいで舌が肥えてきているみんなには不評だったようで、ほとんどが残ったままになっていた。時間もないので香味野菜を少々足し、焦がした味噌で風味づけをして味を修正した。
「マリスさんが戻ってくれてよかった~。うん、美味しい!」
トルルはイマイチみんなの手が伸びないままになっていたキノコ汁に責任を感じていたらしく、空っぽになった鍋を見て嬉しそうだった。機会があれば、トルルたちにも料理を美味しくするコツを少し教えてあげたほうがいいかもしれない。
みんなの話によると、午前中は朝の話の通り昨日の手順で小物の狩りを行ったそうで、野狐1匹に野ネズミ3匹野うさぎ2羽という、なかなかの好成績だった。
「でも、これほど司令塔がいないことが狩りを難しくするとは思いませんでした。みんなの位置を把握しながら、的確に指示を出すのは大変なことですわね。道は遠いですけれど、私もこれから《索敵》が獲得できるよう、精進しなければ、と思いましたわ」
クローナは、今日の午前中一生懸命リーダーとして頑張ってくれたが、その経験はなかなか苦いものだったらしい。あまりに思ったようにいかないので、呆然としてしまう瞬間もあったそうだ。
「やはり、司令塔はマリスさんにお願い致しますわ。今の私では到底この役はつとめられないと思い知りました」
スッキリした顔でそう言うクローナは、最もこの合宿の意味を理解した学生かもしれない。できること、できないこと、すべきこと、すべきでないこと……それを実践で理解し、心に留めておく。それが、この合宿の大事な学びなのだ。
「さて、マリスさんも戻りましたし、最後の狩りはいい獲物を仕留めたいですね」
(午前中に10頭ほど100ポイント超えの大物〝銀狼〟を狩ってきたんだけどね。言えないけど……)
そんなことを思いつつ《索敵》をしていると、5キロほど先だが、驚いたことにこんな低地の沢沿いに山の高所にしか生息しないはずのアイスベアの姿を発見した。
「え! なんで、こんなところにアイスベアがいるのよ!」
思わず叫んだ私に、みんながびっくりしている。
「本当に、本当にアイスベアがいるの? こんな場所に?」
トルルが信じられないと言う顔で驚いている。
「もしかしたら、どこかでアイスベアより強い魔物が出たのかもしれないね。動物は危険を察知する能力が高いって言うじゃない。きっと、怖い魔物を避けて逃げてきたんじゃないかな」
確かにそれなら納得がいく。昨晩は私たちの狩りエリアの外では、銀狼たちによる大物狩りが盛大に行われていたはずだ。アイスベアもその標的だったに違いない。そのせいで、普段は来ないこのエリアにまで逃げてきた、ということなら納得がいく。
「じゃ、最後はそれだよな。やろうぜ!」
遊軍のライアンとザイクがやる気いっぱいの笑顔で、アイスベア狩りを勧めてくる。
他のメンバーも、最後に一花咲かせたいようで、じっと私の方を見る。
「どう……かな。無理かな?」
モーラとトルルが、作戦参謀の私の決断を求めてくる。
実際のところ、アイスベアは想定外だが普通の熊までは私の中で標的に入っていた。だから、10倍のしびれ薬入りペイント弾まで用意していたのだ。
(でも、あれもう全部さっき使っちゃったんだよねぇ……うーん)
クローナとオーライリの攻撃力があれば、おそらく仕留められないことないが、遊軍の危険を避けるためにちょっと作戦を立てる必要があるだろう。
「わかった。じゃ、午後いっぱい、この熊狩りのために使うことにしましょう。
一気に行くんじゃなくて、弱らせる方法を使うよ。遊軍は十分に距離をとって行動するように。アイスベアの爪は本当に危険だから。わかった?」
「了解です!」
そこからはみんなキビキビと動き始めた。
致命傷を一気に叩き込むためには、ある程度弱らせて動きを遅くしなくてはならない。本来なら私のペイント弾がその役割を担うところだが、不測の事態によりそれはできなくなってしまった。そのため、時間はかかるがアイスベアに体力を使わせ疲れさせることにした。血を流させるのが弱らせるためには最も有効だが、それをすると他の危険な魔物を呼び込みかねないので、これは最後の手段にしたい。
そこからは魔法で落とし穴を掘ったり、チクチクと痛いツタを熊の行く手に大量に生やしてみたり、熊の好きな蜂蜜を使って森中駆け回らせてみたり……。
みんなで考えた疲れそうなこと、体力を削れそうな作戦を次々に仕掛けていった。
2時間も経つと、さすがのアイスベアも動きが鈍り息が上がり始めた。明らかに歩く速度が鈍り休息をとろうとする動きが見られたので、ここからは攻撃体制に移行。
「獲物は危険なアイスベアです。一撃で仕留めなければなりません。クローナとオーライリは首を狩る気でいてください。私もペイント弾を首に集中的に叩き込みます」
「わかったわ。オーライリの《風の刃》のすぐ後に私が《炎の槍》を打ち込みましょう。その方が、より強力な魔法になるわよね」
「正確に狙えば、それで致命傷になると思います。そうですよね、マリスさん」
攻撃役のふたりは、この狩りを通じてお互いの技量や長所についてもよくわかってきているようだった。
「その通りだね。それで、決まりだよ。じゃ、行こうか」
たった1日半で、すっかり連携のとれた私たちは、恐ろしい巨大な熊にもまったく怯まず、だが侮ることなく最後のとどめを刺しに向かっていった。
236
お気に入りに追加
13,095
あなたにおすすめの小説
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
公爵令嬢はアホ係から卒業する
依智川ゆかり
ファンタジー
『エルメリア・バーンフラウト! お前との婚約を破棄すると、ここに宣言する!!」
婚約相手だったアルフォード王子からそんな宣言を受けたエルメリア。
そんな王子は、数日後バーンフラウト家にて、土下座を披露する事になる。
いや、婚約破棄自体はむしろ願ったり叶ったりだったんですが、あなた本当に分かってます?
何故、私があなたと婚約する事になったのか。そして、何故公爵令嬢である私が『アホ係』と呼ばれるようになったのか。
エルメリアはアルフォード王子……いや、アホ王子に話し始めた。
彼女が『アホ係』となった経緯を、嘘偽りなく。
*『小説家になろう』でも公開しています。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、第一王子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜
himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。
えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。
ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ!
★恋愛ランキング入りしました!
読んでくれた皆様ありがとうございます。
連載希望のコメントをいただきましたので、
連載に向け準備中です。
*他サイトでも公開中
日間総合ランキング2位に入りました!
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。
しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹
そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる
もう限界がきた私はあることを決心するのだった
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。