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4.いつの間にか会長のペットです
パンのお届けです
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生徒会室に着いた。着いたのはいいんだけども、何だか取り込み中かしらー。
ノックしても気づいてもらえず、恐る恐るドアを開けたら2人の男子生徒が言い合っていた。
「だから、あの部屋はもう他に使用許可が下りてんだよ」
1人は生徒会長の五十嵐葵。少しイライラしている感じの声色だ。
「元々申請してたのは僕が先だったろ」
もう1人は桂雅人。不満げな声で何かを訴えている。
これは…どうすれば良いのだ。部長さーん、貢物しようにも入り難いんですが!
入口でソワソワしていると、持っていたパンの袋がカサカサパサリと音を立てた。
「あっ……」
やばい!空気読めない感じになってしまった!扉も開いたままだし、聞こえたよね。
ちらりと視線を上げると、痛いほどの視線が突き刺さった。
ひぃ!悪いことした子供がお母さんに怒られる寸前のような、この居心地の悪さ!私はパンを納めに来た善良な一般ピーポーですよ!?
片手にパンを持ったまま、ホールドアップする私を見て、桂は後ろを向いて肩を震わせていた。
「…藤峰。用があるならさっさと入れ、逆に気になる」
五十嵐がそう言うので、遠慮なく生徒会室へ踏み込んだ。ふぅ、あとはパンを渡すだけだ。
「あの、サッカー部の皆さんにはもう渡したんですけど…これ、差し入れです」
「パンか、ちょうど昼食べてなかったから助かる」
私が差し出したパンをお礼と共に五十嵐が受け取る。よし、私はこれでもう学校に用がなくなった。帰って一眠りできるぞ。
私は足早にその場を立ち去ろうとする。が、私の腕は五十嵐に捕まえられた。
「……この腕は何でしょう?」
「そう慌てることはねぇだろ?ほら、座れ」
何故に?私がいる意味って、何?納得できない私の目の前にすっとお菓子が出された。そのお菓子は…朝2時間待ちの人気店のマカロン!私はマカロンを反射的に掴む。
「…はっ…!…これは、その…マカロンの魔力に手が動いて」
「そーか、良かったなそのマカロン人気らしいもんな?」
私の苦し過ぎる言い訳を完全無視して、五十嵐は私の頭をグリグリ撫でる。くっ、人気店のマカロンと撫で撫での2段攻撃…だと。
私はあっさりと屈した。べ、別に、ここで寝ればいいしね。
それにしても、2人とも何かを言い争っていたみたいだけど、良かったのかな。私の乱入で中断させてしまった感じがする…。私はマカロンをもぐもぐして少し世間話をした後、お昼寝タイムに入った。
ノックしても気づいてもらえず、恐る恐るドアを開けたら2人の男子生徒が言い合っていた。
「だから、あの部屋はもう他に使用許可が下りてんだよ」
1人は生徒会長の五十嵐葵。少しイライラしている感じの声色だ。
「元々申請してたのは僕が先だったろ」
もう1人は桂雅人。不満げな声で何かを訴えている。
これは…どうすれば良いのだ。部長さーん、貢物しようにも入り難いんですが!
入口でソワソワしていると、持っていたパンの袋がカサカサパサリと音を立てた。
「あっ……」
やばい!空気読めない感じになってしまった!扉も開いたままだし、聞こえたよね。
ちらりと視線を上げると、痛いほどの視線が突き刺さった。
ひぃ!悪いことした子供がお母さんに怒られる寸前のような、この居心地の悪さ!私はパンを納めに来た善良な一般ピーポーですよ!?
片手にパンを持ったまま、ホールドアップする私を見て、桂は後ろを向いて肩を震わせていた。
「…藤峰。用があるならさっさと入れ、逆に気になる」
五十嵐がそう言うので、遠慮なく生徒会室へ踏み込んだ。ふぅ、あとはパンを渡すだけだ。
「あの、サッカー部の皆さんにはもう渡したんですけど…これ、差し入れです」
「パンか、ちょうど昼食べてなかったから助かる」
私が差し出したパンをお礼と共に五十嵐が受け取る。よし、私はこれでもう学校に用がなくなった。帰って一眠りできるぞ。
私は足早にその場を立ち去ろうとする。が、私の腕は五十嵐に捕まえられた。
「……この腕は何でしょう?」
「そう慌てることはねぇだろ?ほら、座れ」
何故に?私がいる意味って、何?納得できない私の目の前にすっとお菓子が出された。そのお菓子は…朝2時間待ちの人気店のマカロン!私はマカロンを反射的に掴む。
「…はっ…!…これは、その…マカロンの魔力に手が動いて」
「そーか、良かったなそのマカロン人気らしいもんな?」
私の苦し過ぎる言い訳を完全無視して、五十嵐は私の頭をグリグリ撫でる。くっ、人気店のマカロンと撫で撫での2段攻撃…だと。
私はあっさりと屈した。べ、別に、ここで寝ればいいしね。
それにしても、2人とも何かを言い争っていたみたいだけど、良かったのかな。私の乱入で中断させてしまった感じがする…。私はマカロンをもぐもぐして少し世間話をした後、お昼寝タイムに入った。
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