20 / 31
捕縛、しかし…
しおりを挟む
「類稀なる魔力だな…さて、どうするか」
ニコラは剣を握り直した。
ラーラは転移魔法を軽々と操る者だから、そう簡単には捕まらない。
長引けば危険が伴う。
ひと息に捕まえたいところだったが、人身売買に携わった男たちが行く手を阻んだ。
ラーラと攫ってきたものを渡したくない事もあるだろう、捕まったら死刑となるのもわかっている為に向こうも必死だ。
こちらも率いて来た騎士や魔術師はいるが、圧倒的に不利な状況である。
こちらは味方を庇い、守る為に動いているのだが、向こうは味方を味方と思っていない。
傷ついた者を助けることなどなく、特にラーラは敵味方関係なく凍らせ、足止めしたり盾にしている。
予想よりも戦況が悪かった。
サミュエルが周囲に結界を張り、転移魔法を防いだり、凍った味方を癒やしたりしているが、きりがない。
「何て女だ。味方ごと凍らせるなんて……」
後方からの手厚い支援でこちらは重症化するものは少ないが、押すに押せない状況にニコラは舌打ちする。
(皆を見捨てればもう少し早く終わるのに)
言葉と態度には出さないが、ニコラはただただ剣を振るい、ラーラの魔法を避ける。
ラーラの注意は前衛のニコラに向いている為なかなか近づけなかった。
「ニコラ!あたしが抑えるから何とか捕まえなさいよ!」
キュアの手に小さな光球が生まれる。
無数に生み出されたそれが、男達を貫くが、ラーラだけは防御壁や時には人を盾にしてに阻んでいる。
ラーラの魔法である氷の矢がキュア達の方に放たれた。
「気をつけろ!」
ニコラの声が響く。
防御壁が間に合わない、あるいは押し負けてしまった兵士が次々と凍らせられた。
「腹立つわね!」
キュアの光も負けてはいないのだが、相手は仲間であるはずの男共を見捨てているから強い。
一方キュアは兵士を守りながら戦う為、どうしても押しが足りない。
ニコラはキュアに注意が向いたため剣を構え、駆け出した。
多少の怪我を承知で走っているため、
ラーラの魔法を食らい、幾筋かの血が流れたが足は止めない。
「……さっさと大人しくしろ」
繰り出された剣が真っ直ぐにラーラに伸びる。
しかしその一突きはラーラに到達しなかった。
ニコラの剣が別な氷で縫い止められたからだ。
「?!」
咄嗟に剣を放し後方へ飛ぶと、瞬時に剣の周りが氷で埋め尽くされた。
間一髪で氷の彫像にならなかったニコラは周囲を見回す。
ラーラではない。
魔法を放つ様子はなかった。
「惜しかったですね」
男性の声だ。
「ハインツ……!」
ニコラは憎々しげに呻く。
(何故ここにいる?)
何かを察したのか、ここに現れるとは思っていなかった。
逃げられないようにとハインツの屋敷は見張られているはずだが、誰かが手引きしたのだろうか。
そしてこの魔力とニコラに気配を気づかせなかった腕前からして、普通の者ではないとわかる。
武器を失ったニコラにハインツが剣を持ち、迫る。
「どうします?このまま逃げますか?」
「黙れ!そんな事はしない」
退くことなどするわけがなく、懐から出した短剣でハインツに応戦する。
ラーラがハインツを援護し魔法を唱えるため、ニコラは苦戦を強いられた。
「あんたの相手はあたしよ!」
キュアの魔法がラーラに降り注いだ。
ラーラもキュアも防御壁を張り、攻撃を繰り出すが、事態は膠着状態だ。
疲労ばかりが増える。
戦況を変えたのはとあるひと声。
「ニコラ、戦況は?」
ゾクリとする主の声。
ニコラは、身震いした。
「楽しそうだな、俺も混ぜろ」
言葉とは裏腹に、怒気の孕んだ声に空気がビリビリとする。
現れた人物に、敵味方関係なく皆驚いていた。
「エリック王太子……こんなところに来るとは」
ハインツの苦々しい声。
「お前もいたか……赦すつもりはないから覚悟しておけ」
一瞥し、ラーラに目を向けた。
「こいつがラーラか」
白い肌と白い髪、そして青い目。
色素の薄さが伺える。
ラーラは手を前に突き出し、魔法を放つ。
無数の冷気の矢がエリックに降り注いだ。
「エリック様!」
ニコラもキュアも距離が遠く、間に合わない!
「俺には効かない」
エリックは串刺しにも氷の彫像にもならなかった。
全てがただ霧散していく。
「こんな程度か…」
エリックから冷気が溢れ出す。
「早く終わらせよう、レナンが心配しているからな」
エリックが両手を掲げると、場に魔力が充満していく。
氷の像となっていたアドガルムの兵士が解放された。
ラーラが放っていた氷魔法に介入し、無効化していく。
「なんて強い魔力なのかしら…」
「?」
エリックは一瞬、ラーラとハインツから向けられる視線に違和感を感じた。
恍惚とした、渇望するような目を向けられたのだ。
「エリック様が氷の魔法を使われるとは…」
確認するより早く、ハインツが表情を消して剣を構えた。
「自分らの専売特許と思ったか?残念ながらそうではないな」
ナ=バークは寒い国の為か氷魔法の使い手が多い。
しかしエリックとて氷魔法を使えるのだから、生まれだけで全てが決まるわけではない。
エリックはニコラに自分の剣を渡す。
「さっさと捕らえろ、多少傷つけてもいい」
「はい!」
拾いに行かせるよりこの方が早い。
エリックはラーラとハインツの魔法を相殺していく。
二人の出す氷魔法に干渉し、解除をしているのだ。
エリックが二人の動きを感知し、先読みして無力化している為、実質魔法が意味をなさない。
ハインツがニコラと剣を交え、ラーラの盾となる。
「ハインツ、あたしはいいから逃げて!」
「しかし……!」
戦況はエリックの登場によってアドガルムが有利であった。
兵士達は下がらせられ、人質にも盾にも出来なくなった。
キュアが応急処置に当たる。
盾にしていた男達も全員やられているし、役に立つ者がいない。
二人では分が悪い。
「ぐっ!」
「ハインツ!」
ラーラが叫んだ。
ニコラの剣がハインツの腹部を薙いだ。
戦況を悟ったハインツが自害用の短剣を投げつけた。
「なっ?!」
それは遠くにいるサミュエルに刺さる。
(こんな遠くなのに、まさか届くなんて…!)
戦況が有利に運んだため、油断した。
サミュエルの胸から血が流れる。
「サミュエル様!」
キュアが駆け寄り、急いで治癒にあたる。
「あいつ、だろ?この厄介な結界を張っていたのは」
さりげなく守られる位置にいたサミュエルのことを、ただの魔術師ではないと思っていた。
ずっとサミュエルを仕留めようと狙っていたが、ようやくハインツは一矢報いることができた。
「くそっ……」
流れる血の量が多く、サミュエルの集中が途切れて結界が薄くなる。
その隙をつき、ラーラがハインツに触れた。
転移魔法が施かれ、この場からハインツが離脱させられるが、多数の氷魔法と結界を破る無茶な転移魔法の使用で、ラーラは魔力切れを起こして座りこんでしまう。
それを見逃さず、キュアは光魔法にて檻を作り、ラーラを捕らえた。
「あっ…」
ラーラはもはや動くことが出来なくなっていた。
「さぁ一緒に来てもらうか」
そんな彼女をエリックが射殺しそうな目で見下ろしていた。
ニコラは剣を握り直した。
ラーラは転移魔法を軽々と操る者だから、そう簡単には捕まらない。
長引けば危険が伴う。
ひと息に捕まえたいところだったが、人身売買に携わった男たちが行く手を阻んだ。
ラーラと攫ってきたものを渡したくない事もあるだろう、捕まったら死刑となるのもわかっている為に向こうも必死だ。
こちらも率いて来た騎士や魔術師はいるが、圧倒的に不利な状況である。
こちらは味方を庇い、守る為に動いているのだが、向こうは味方を味方と思っていない。
傷ついた者を助けることなどなく、特にラーラは敵味方関係なく凍らせ、足止めしたり盾にしている。
予想よりも戦況が悪かった。
サミュエルが周囲に結界を張り、転移魔法を防いだり、凍った味方を癒やしたりしているが、きりがない。
「何て女だ。味方ごと凍らせるなんて……」
後方からの手厚い支援でこちらは重症化するものは少ないが、押すに押せない状況にニコラは舌打ちする。
(皆を見捨てればもう少し早く終わるのに)
言葉と態度には出さないが、ニコラはただただ剣を振るい、ラーラの魔法を避ける。
ラーラの注意は前衛のニコラに向いている為なかなか近づけなかった。
「ニコラ!あたしが抑えるから何とか捕まえなさいよ!」
キュアの手に小さな光球が生まれる。
無数に生み出されたそれが、男達を貫くが、ラーラだけは防御壁や時には人を盾にしてに阻んでいる。
ラーラの魔法である氷の矢がキュア達の方に放たれた。
「気をつけろ!」
ニコラの声が響く。
防御壁が間に合わない、あるいは押し負けてしまった兵士が次々と凍らせられた。
「腹立つわね!」
キュアの光も負けてはいないのだが、相手は仲間であるはずの男共を見捨てているから強い。
一方キュアは兵士を守りながら戦う為、どうしても押しが足りない。
ニコラはキュアに注意が向いたため剣を構え、駆け出した。
多少の怪我を承知で走っているため、
ラーラの魔法を食らい、幾筋かの血が流れたが足は止めない。
「……さっさと大人しくしろ」
繰り出された剣が真っ直ぐにラーラに伸びる。
しかしその一突きはラーラに到達しなかった。
ニコラの剣が別な氷で縫い止められたからだ。
「?!」
咄嗟に剣を放し後方へ飛ぶと、瞬時に剣の周りが氷で埋め尽くされた。
間一髪で氷の彫像にならなかったニコラは周囲を見回す。
ラーラではない。
魔法を放つ様子はなかった。
「惜しかったですね」
男性の声だ。
「ハインツ……!」
ニコラは憎々しげに呻く。
(何故ここにいる?)
何かを察したのか、ここに現れるとは思っていなかった。
逃げられないようにとハインツの屋敷は見張られているはずだが、誰かが手引きしたのだろうか。
そしてこの魔力とニコラに気配を気づかせなかった腕前からして、普通の者ではないとわかる。
武器を失ったニコラにハインツが剣を持ち、迫る。
「どうします?このまま逃げますか?」
「黙れ!そんな事はしない」
退くことなどするわけがなく、懐から出した短剣でハインツに応戦する。
ラーラがハインツを援護し魔法を唱えるため、ニコラは苦戦を強いられた。
「あんたの相手はあたしよ!」
キュアの魔法がラーラに降り注いだ。
ラーラもキュアも防御壁を張り、攻撃を繰り出すが、事態は膠着状態だ。
疲労ばかりが増える。
戦況を変えたのはとあるひと声。
「ニコラ、戦況は?」
ゾクリとする主の声。
ニコラは、身震いした。
「楽しそうだな、俺も混ぜろ」
言葉とは裏腹に、怒気の孕んだ声に空気がビリビリとする。
現れた人物に、敵味方関係なく皆驚いていた。
「エリック王太子……こんなところに来るとは」
ハインツの苦々しい声。
「お前もいたか……赦すつもりはないから覚悟しておけ」
一瞥し、ラーラに目を向けた。
「こいつがラーラか」
白い肌と白い髪、そして青い目。
色素の薄さが伺える。
ラーラは手を前に突き出し、魔法を放つ。
無数の冷気の矢がエリックに降り注いだ。
「エリック様!」
ニコラもキュアも距離が遠く、間に合わない!
「俺には効かない」
エリックは串刺しにも氷の彫像にもならなかった。
全てがただ霧散していく。
「こんな程度か…」
エリックから冷気が溢れ出す。
「早く終わらせよう、レナンが心配しているからな」
エリックが両手を掲げると、場に魔力が充満していく。
氷の像となっていたアドガルムの兵士が解放された。
ラーラが放っていた氷魔法に介入し、無効化していく。
「なんて強い魔力なのかしら…」
「?」
エリックは一瞬、ラーラとハインツから向けられる視線に違和感を感じた。
恍惚とした、渇望するような目を向けられたのだ。
「エリック様が氷の魔法を使われるとは…」
確認するより早く、ハインツが表情を消して剣を構えた。
「自分らの専売特許と思ったか?残念ながらそうではないな」
ナ=バークは寒い国の為か氷魔法の使い手が多い。
しかしエリックとて氷魔法を使えるのだから、生まれだけで全てが決まるわけではない。
エリックはニコラに自分の剣を渡す。
「さっさと捕らえろ、多少傷つけてもいい」
「はい!」
拾いに行かせるよりこの方が早い。
エリックはラーラとハインツの魔法を相殺していく。
二人の出す氷魔法に干渉し、解除をしているのだ。
エリックが二人の動きを感知し、先読みして無力化している為、実質魔法が意味をなさない。
ハインツがニコラと剣を交え、ラーラの盾となる。
「ハインツ、あたしはいいから逃げて!」
「しかし……!」
戦況はエリックの登場によってアドガルムが有利であった。
兵士達は下がらせられ、人質にも盾にも出来なくなった。
キュアが応急処置に当たる。
盾にしていた男達も全員やられているし、役に立つ者がいない。
二人では分が悪い。
「ぐっ!」
「ハインツ!」
ラーラが叫んだ。
ニコラの剣がハインツの腹部を薙いだ。
戦況を悟ったハインツが自害用の短剣を投げつけた。
「なっ?!」
それは遠くにいるサミュエルに刺さる。
(こんな遠くなのに、まさか届くなんて…!)
戦況が有利に運んだため、油断した。
サミュエルの胸から血が流れる。
「サミュエル様!」
キュアが駆け寄り、急いで治癒にあたる。
「あいつ、だろ?この厄介な結界を張っていたのは」
さりげなく守られる位置にいたサミュエルのことを、ただの魔術師ではないと思っていた。
ずっとサミュエルを仕留めようと狙っていたが、ようやくハインツは一矢報いることができた。
「くそっ……」
流れる血の量が多く、サミュエルの集中が途切れて結界が薄くなる。
その隙をつき、ラーラがハインツに触れた。
転移魔法が施かれ、この場からハインツが離脱させられるが、多数の氷魔法と結界を破る無茶な転移魔法の使用で、ラーラは魔力切れを起こして座りこんでしまう。
それを見逃さず、キュアは光魔法にて檻を作り、ラーラを捕らえた。
「あっ…」
ラーラはもはや動くことが出来なくなっていた。
「さぁ一緒に来てもらうか」
そんな彼女をエリックが射殺しそうな目で見下ろしていた。
2
お気に入りに追加
1,170
あなたにおすすめの小説
根暗令嬢の華麗なる転身
しろねこ。
恋愛
「来なきゃよかったな」
ミューズは茶会が嫌いだった。
茶会デビューを果たしたものの、人から不細工と言われたショックから笑顔になれず、しまいには根暗令嬢と陰で呼ばれるようになった。
公爵家の次女に産まれ、キレイな母と実直な父、優しい姉に囲まれ幸せに暮らしていた。
何不自由なく、暮らしていた。
家族からも愛されて育った。
それを壊したのは悪意ある言葉。
「あんな不細工な令嬢見たことない」
それなのに今回の茶会だけは断れなかった。
父から絶対に参加してほしいという言われた茶会は特別で、第一王子と第二王子が来るものだ。
婚約者選びのものとして。
国王直々の声掛けに娘思いの父も断れず…
応援して頂けると嬉しいです(*´ω`*)
ハピエン大好き、完全自己満、ご都合主義の作者による作品です。
同名主人公にてアナザーワールド的に別な作品も書いています。
立場や環境が違えども、幸せになって欲しいという思いで作品を書いています。
一部リンクしてるところもあり、他作品を見て頂ければよりキャラへの理解が深まって楽しいかと思います。
描写的なものに不安があるため、お気をつけ下さい。
ゆるりとお楽しみください。
こちら小説家になろうさん、カクヨムさんにも投稿させてもらっています。
婚約破棄され聖女も辞めさせられたので、好きにさせていただきます。
松石 愛弓
恋愛
国を守る聖女で王太子殿下の婚約者であるエミル・ファーナは、ある日突然、婚約破棄と国外追放を言い渡される。
全身全霊をかけて国の平和を祈り続けてきましたが、そういうことなら仕方ないですね。休日も無く、責任重すぎて大変でしたし、王太子殿下は思いやりの無い方ですし、王宮には何の未練もございません。これからは自由にさせていただきます♪
酷いことをしたのはあなたの方です
風見ゆうみ
恋愛
※「謝られたって、私は高みの見物しかしませんよ?」の続編です。
あれから約1年後、私、エアリス・ノラベルはエドワード・カイジス公爵の婚約者となり、結婚も控え、幸せな生活を送っていた。
ある日、親友のビアラから、ロンバートが出所したこと、オルザベート達が軟禁していた家から引っ越す事になったという話を聞く。
聞いた時には深く考えていなかった私だったけれど、オルザベートが私を諦めていないことを思い知らされる事になる。
※細かい設定が気になられる方は前作をお読みいただいた方が良いかと思われます。
※恋愛ものですので甘い展開もありますが、サスペンス色も多いのでご注意下さい。ざまぁも必要以上に過激ではありません。
※史実とは関係ない、独特の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。魔法が存在する世界です。
いつの間にかの王太子妃候補
しろねこ。
恋愛
婚約者のいる王太子に恋をしてしまった。
遠くから見つめるだけ――それだけで良かったのに。
王太子の従者から渡されたのは、彼とのやり取りを行うための通信石。
「エリック様があなたとの意見交換をしたいそうです。誤解なさらずに、これは成績上位者だけと渡されるものです。ですがこの事は内密に……」
話す内容は他国の情勢や文化についてなど勉強についてだ。
話せるだけで十分幸せだった。
それなのに、いつの間にか王太子妃候補に上がってる。
あれ?
わたくしが王太子妃候補?
婚約者は?
こちらで書かれているキャラは他作品でも出ています(*´ω`*)
アナザーワールド的に見てもらえれば嬉しいです。
短編です、ハピエンです(強調)
小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿してます。
理不尽な理由で婚約者から断罪されることを知ったので、ささやかな抵抗をしてみた結果……。
水上
恋愛
バーンズ学園に通う伯爵令嬢である私、マリア・マクベインはある日、とあるトラブルに巻き込まれた。
その際、婚約者である伯爵令息スティーヴ・バークが、理不尽な理由で私のことを断罪するつもりだということを知った。
そこで、ささやかな抵抗をすることにしたのだけれど、その結果……。
婚約破棄をしてくれた王太子殿下、ありがとうございました
hikari
恋愛
オイフィア王国の王太子グラニオン4世に婚約破棄された公爵令嬢アーデルヘイトは王国の聖女の任務も解かれる。
家に戻るも、父であり、オルウェン公爵家当主のカリオンに勘当され家から追い出される。行き場の無い中、豪商に助けられ、聖女として平民の生活を送る。
ざまぁ要素あり。
【完結】出逢ったのはいつですか? えっ? それは幼馴染とは言いません。
との
恋愛
「リリアーナさーん、読み終わりましたぁ?」
今日も元気良く教室に駆け込んでくるお花畑ヒロインに溜息を吐く仲良し四人組。
ただの婚約破棄騒動かと思いきや・・。
「リリアーナ、だからごめんってば」
「マカロンとアップルパイで手を打ちますわ」
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結迄予約投稿済みです。
R15は念の為・・
乳だけ立派なバカ女に婚約者の王太子を奪われました。別にそんなバカ男はいらないから復讐するつもりは無かったけど……
三葉 空
恋愛
「ごめん、シアラ。婚約破棄ってことで良いかな?」
ヘラヘラと情けない顔で言われる私は、公爵令嬢のシアラ・マークレイと申します。そして、私に婚約破棄を言い渡すのはこの国の王太子、ホリミック・ストラティス様です。
何でも話を聞く所によると、伯爵令嬢のマミ・ミューズレイに首ったけになってしまったそうな。お気持ちは分かります。あの女の乳のデカさは有名ですから。
えっ? もう既に男女の事を終えて、子供も出来てしまったと? 本当は後で国王と王妃が直々に詫びに来てくれるのだけど、手っ取り早く自分の口から伝えてしまいたかったですって? 本当に、自分勝手、ワガママなお方ですね。
正直、そちらから頼んで来ておいて、そんな一方的に婚約破棄を言い渡されたこと自体は腹が立ちますが、あなたという男に一切の未練はありません。なぜなら、あまりにもバカだから。
どうぞ、バカ同士でせいぜい幸せになって下さい。私は特に復讐するつもりはありませんから……と思っていたら、元王太子で、そのバカ王太子よりも有能なお兄様がご帰還されて、私を気に入って下さって……何だか、復讐できちゃいそうなんですけど?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる