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32 将軍閣下と秘密の庭

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 プロテア女王イヴリンの崩御。
 その知らせをハルは思ったよりも静かに受け止めた。
 そうか……亡くなってしまったのか。
 実感はないけれど自分と血が繋がっていると聞いていた相手が、また一人。
 人が死ぬのは……苦手だ。
 五年前の疫病騒ぎの時のことを思い出しそうになる。
「ハル……」
 パーシヴァルが心配そうに声をかけてきてくれた。
「喧嘩しそびれてしまいましたね……」
 ハルはそう言って笑みを返した。今までの理不尽を突き返したいくらいは思っていたけれど、所詮は遠い所にいる人だから叶わないだろうとは
「明日は早朝から王宮に行かなくてはならない。陛下がハルも連れて来るようにとのことだが、気乗りしなければ……」
「大丈夫です。薬をお出しした方々の容体も確認したいですし」
 パーシヴァルが不意にハルをふわりと抱え上げた。
「え?」
「そんな顔をしているくせに、無理をするな」
 顔? そんなおかしな顔をしていただろうか。
「真っ青だぞ」
 そう言いながらパーシヴァルは軽々とハルを抱えたまま歩き出した。
「部屋まで送ろう」
「……パーシヴァル様」
 今日一日、色々ありすぎたし疲れているのは事実だ。だけど、部屋に押し込められるほどだろうか。
 ……むしろ今は一人になりたくない。疲れているだけじゃない。
 それでやっとハルは自分がずっと緊張していたことに気づいた。
 ただでさえ慣れない王宮で、自分が五年前の錆化病の治療薬に関わっていたことが知られた上にプロテア特使の治療に関わった。そのことで過去の出来事とごちゃ混ぜになって追い詰められていたのかもしれない。
 たった今、女王の死を告げられた瞬間それがぷつりと切れたのだ。
 わがままを口にしてもいいだろうか。側にいて欲しいって。
 自分が寄る辺のない壊れた人形のように崩れ落ちそうで、不安だと。
 ハルはパーシヴァルの胸に凭れて顔をすり寄せた。
「パーシヴァル様と一緒なら、そうします」
「わかった。それならずっと一緒にいよう」
 今日一日王宮に出入りしていたから、自分の仕事ができなかったはずなのにパーシヴァルはあっさりと頷いた。
「……いいんですか? まだお仕事が……」
「仕事は後回しにできるが、ハルのことは後回しにはできない。どうせ明日も王宮だから仕事にはならないだろう」
 そんな。仕事を後回しにしたら後が大変なのに。
 ハルが焦っていると、パーシヴァルはハルの頬に軽いキスをくれる。
「本音を言うと、今日はあまりハルに触れられなかったから、私が一緒にいたいだけだ」
 パーシヴァルはそう言うとハルの部屋に足を向けた。
 確かに昨日アルテアから戻ったばかりなのに今日は朝から王宮に行くための身支度で慌ただしかった。
 触れる……だけなのかな。
 今、気持ちが弱っているせいか、何を求められても応じてしまいそうだ。
「どうした? 今度は顔が赤いぞ?」
 ハルが意識してしまったことに気づいてか、パーシヴァルが顔を覗き込んでくる。
「……パーシヴァル様、意地悪です」
 わかっているくせに、訊かないでほしい。

「そうだ。ハルは今、欲しいものが何かあるのか? 国王陛下が今回の薬の件で褒美を出すとのことだ」
 不意に思い出したようにパーシヴァルが問いかけてきた。
「欲しいものはあるのですが……なかなか難しいです」
「少々無茶振りしても構わないぞ」
「実は新薬の材料が一部手に入りにくくて、栽培するべきか考え中で……」
 新薬が量産できない理由がそれだ。他に量産しやすい材料に替えられないか研究は続けていても上手くいかなかった。
「栽培……ということは、植物なのか?」
 パーシヴァルは淡青の瞳を瞠る。
「はい。黒晶花……西部の森に生えている黒いリンドウに似た花なのですが、自生していた森が長く戦場になっていたために失われてしまっていて、とても数が少ないんです。花は黒いのに花粉に発光物質を含んでいるらしく、夜になると灯りのように見える不思議な花で……僕も数株だけは育てていたのですけど」
 ハルの説明に、パーシヴァルが不思議そうな顔をした。
「それなら、庭にあるぞ?」
「え?」
「見に行くか? 連れて行ってやろう」
 パーシヴァルはハルを抱えたまま、くるりと向きを変える。さすがに外までとなったら抱えて運んでもらうのは申し訳ない。
「……歩きます。歩かせてください」
 そう言って何とか下ろしてもらった。
 けど、庭に? ハルは庭師の手伝いをしていたのでこの屋敷の庭はほとんど知っている。
 知らない場所があっただろうか。

 屋敷の一角にある警備兵たちの訓練場のさらに奥、あまり手つかずのまま森のようになっている場所には立派な柵がしてあった。
 こんなところがあったなんて、気がつかなかった。
「ここは私が道楽で使っているから、使用人も入れないようにしてある」
「道楽?」
 灯りを手にパーシヴァルが案内してくれたのは、その柵の向こうだった。
 手入れされていない木々に覆われて見えないが、石を敷き詰めた小径がさらに奥につづいていた。
「ここは元は薔薇園だったらしい。けれど、父上が飽きたのか忘れたのかずっと放置されて荒れ果てていた。誰もここまでは来ないから逃げ込むのにちょうど良かったんだ」
 パーシヴァルは横暴な異母兄や姉に虐められていたらしい。いくらパーシヴァルでも年の離れた兄たちには力では勝てなかったのだろう。
「では……パーシヴァル様の秘密の場所ですね」
「そうだな。夜になるまでここに座り込んで、どうやったら家を出て独立できるかと悪巧みをしていた」
 パーシヴァルは懐かしむような笑みを浮かべる。
「さっきの話だが、西部の戦場には私も幾度か参加した。草花が踏み荒らされ、森が焼かれることも多々あった。それが可哀想に思えて、時間があるときに何種類かの草花を株で持ち帰った」
「え? 戦場で……ですか?」
「戦闘が始まればこちらも命がかかっているのだから、草花を守る余裕はない。だから、単なる自己満足だ」
 パーシヴァルはそう言って苦笑いを浮かべる。そうやって彼は戦で踏みしだかれる道端の花を憐れんでいたのだろうか。
「ジョセフには散々からかわれたな。司令官室をいつも草まみれにしていたから」
 パーシヴァルの歩みの先に白い石で囲まれた花壇がいくつもあって、その中央に彫像が建っている。薔薇園だった名残なのか、薔薇を誘引するためのアーチも残っている。
 その花壇全体にふわふわとした淡い光が広がっているのを見て、ハルは息を呑んだ。
 探し求めていた花が目の前にある。今日一日の疲れが吹き飛ぶほど、興奮した。
「……これは……」
 見回すと王都周辺では見かけない草花が幾種類も植えられていた。滅多に見かけない薬草も無造作に植えてある。
 これほど珍しい草花ばかりが集まった庭は見たことがない。いくらか無秩序なのはパーシヴァルが自分で植えたからだろう。
「王都に戻ってきた時、ちょうどいいかと広い場所に植えてやったら増えすぎてな……。だが、庭師が入ったらただの雑草だと思われかねないから柵を作らせて入れないようにした。鍵を渡すから自由に使えばいい。その花も好きなだけ持っていっていい」
「いいんですか? ものすごく貴重な庭ですよ?」
 ハルは驚いてパーシヴァルの顔を見上げた。パーシヴァルは小さく吹き出した。
「今日一番のいい顔だな。ハルが喜ぶのなら、私の道楽も馬鹿にしたものではないな」
「道楽だなんて、とんでもない。薬師にとっては宝の山です」
 戦場で草花を気にかけて持ち帰って、こっそりここに植えていたなんて。生死をかける毎日でもそうしてか弱い命に目を向けて過ごしていたなんて。
 やっぱりこの人は綺麗で優しくて……英雄と呼ばれるにふさわしい。
 パーシヴァルはハルの表情を見て満足した様子で問いかけてきた。
「気に入ってくれたか? ハル?」
 ハルは思わずパーシヴァルに抱きついた。
「ありがとうございます。嬉しいです」
 どうしよう。もうこれ以上無理なくらい、この人が大好きなのに。
 愛おしくて、苦しくなりそうだ。
「……でも一番欲しいものをパーシヴァル様にいただいてしまったので、国王陛下になんとお答えしたらいいでしょう?」
 パーシヴァルはハルの頬に唇を寄せた。
「ゆっくり考えればいい。どうせ明日も朝から王宮に出向くのだからな」
 そう言って今度は口づけをくれた。
 ほのかな黒晶花の灯りが夜風に揺れて、ハルはまるで幸福な夢の中にいるように思えた。

 二人が部屋に戻ると、何故かちゃっかりとバーニーが待ち構えていた。
「お師匠、また窓からおいでですか」
 パーシヴァルが問いかけると目の前に出されたお茶を示す。
「ちゃんと正面から入ったよ。久しぶりにショーンの淹れるお茶が飲みたかったからね。こんな時間に二人揃ってお出かけ?」
「ええ。少し夜風に当たってきました」
「……女王崩御は聞いてるよね」
 バーニーはそう言うと、ハルに目を向けた。
「亡くなる前に会えたけど、薬は受け取ってもらえなかった。ハルに感謝すると言っていたよ」
 ハルは頷いた。やはり師匠は女王に薬を持って行ったらしい。師匠が無理強いせずに諦めたのはおそらくよほどの末期症状だったのだろう。
「こっちに宰相はいるんだよね?」
 それでハルは今日一日の出来事を話した。新薬を出したことも。
「うん。それでいいんだ。宰相はグレゴリー王太子の父親だからね。新国王に恩を売るにはちょうどいい」
「え?」
 ハルは隣にいたパーシヴァルを見ると、まったく驚いていないのに気づいた。
 もしかして常識なの? 知らないのは僕だけなの?
「公然の秘密だよ。女王の子は一人を除いて王配にまったく似ていないから」
「……けど、あの宰相の息子が女王の愛人だって……」
「そうだよ。女王の愛人兼護衛のようなものだけどね。王配を閨に寄せ付けないために」
 夫を閨に来させないための愛人とか……どういう夫婦だったのか。
 まあ、夫があの王配なら、来て欲しくないのはわかる。すごくわかる。
 あの王配はハルたちがアルテアにいた間にプロテアに送り返されたはずだが、思い出すだけで嫌な気分になる。
 バーニーはお茶を飲み干すとパーシヴァルに問いかけた。
「それで、女王の国葬には誰が出るの?」
「まだ決まっていません。崩御の知らせとともに招待状は届いているはずですから、明日の会議で話し合うはずです」
 パーシヴァルは即答した。バーニーはすっと目を細めた。
「ここで、質問。ミランダ侯爵、タフト公爵、ウェイスト伯爵。はい、将軍閣下。この三人の共通点がわかる?」
 まるで授業のようなノリでバーニーはパーシヴァルを指さした。
「プロテアに近い領地を持っていることですか。とくにタフト公爵はプロテアとの繋がりが深いようです」
「いい返事だ。それじゃハル、彼らの狙いは?」
 急に話を振られてハルは戸惑った。
 ミランダ侯爵は王立医学研究所の権威を笠にハルの両親に暴力を振るった。
 タフト公爵とウェイスト伯爵はレイン商会で宣伝活動をしていた「ハリエット」を狙ってつきまとったり圧力をかけてきた。
「……ハティだ」
 彼らは「ハロルド」に対しては行動を起こしていない。
 ミランダ侯爵に会ったときもハルは女の子の服を着せられていた。
 彼らが一貫して狙っているのはハルの妹だ。
「そういうこと。彼らはハティを捕まえたいんだ。その元締めがあの王配殿下だ」
 王配? 母に強引に迫ってきたあげく、ハティを事故死に追い込んだ元凶。
 あの時次代の巫女は死んだと思ったはずだ。なのに、隣接するストケシア王国の貴族たちから彼らが娘を連れていたと報告を受けたとしたら……。
 王都に住み着いた医師夫婦、ハティと呼ばれている子供が一人。近所からも一人娘だと勘違いされていた。ハルの存在をちゃんと認識していたのは、師匠と幼なじみのレイン兄弟たちくらいだろう。
「プロテアでは巫女が男性だった例がないんだ。だからハルが巫女だとは気づかない。彼らはハティ、ハリエットしか見ていない。だから……」
 バーニーはハルとパーシヴァルに目を向けた。
「おそらくプロテア側は君たちを国葬に招待するはずだ。名指しでね」
「そんなこと、応じられるはずがないでしょう。彼らが舞踏会で何をしたのか……」
 パーシヴァルが首を横に振る。
「けど、国の代表だよ? 断れば両国の関係改善は望めないかもしれない。それと、できることなら二人に行って欲しい」
「……何故ですか?」
 ハルは驚いた。常日頃ハルに対して過保護なくらい干渉してくる師匠が、罠とわかっている招待に応じろというのは理解できない。
 そりゃあ、今プロテアに行けるのなら、錆化病の治療薬をこっそり運び込む好機だけど……。多分師匠が狙っているのはそれじゃない。
「次の国王は王太子に決まっている。女王はそのための体制を作ってきた。だけど、王配や一部の貴族たちは第二王子を即位させようと狙っているらしい。実のところ王配の実家というのが最大派閥の貴族だから、王太子の立場は盤石ではないんだ」
 王太子がどんな人だか知らないけれど、結局多数派を後ろ盾にした王子が即位したほうが国が落ち着くのではないのだろうか、とハルは思った。
 けれど、パーシヴァルが険しい顔になっていたので、疑問に思った。
「それはまずいな」
「でしょう?」
 二人が頷き合うのを見て、ハルは首を傾げた。
「どうしてですか?」
 パーシヴァルが口元を覆う。
「第二王子は確実に王配の子だ。顔も性格も頭の中身もそっくりだそうだ」
「……それは、確かにまずいですね」
 ハルはそう呟くしかなかった。
 せっかくプロテアも浄化できそうなのに、そんな人が国王に立ったら、精霊がますます逃げていくだろう。……滅茶苦茶まずい。

  
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