17 / 27
17 僕の夢
しおりを挟む
最近、よく見る夢がある。
その夢の中でも、ヴィオラは隣にいない。
夢の中の僕は、王妃となった『彼女』の隣で幸せそうに笑っている。
当然だ。だって僕は、『彼女』を愛しているのだから。
あいしている『彼女』が隣にいて、僕は毎日がしあわせで。
……最近、よく見る夢がある。
その夢は、そのシアワセは、毎回突然告げられた一言で、崩れ去るんだ。
『ヴィオラが、死んだ……?』
顔を真っ青にした父上からの言葉に、足元が崩れるかのような衝撃が走る。
ヴィオラ。
僕の婚約者だった少女。
とても素敵な女性だと思っていた。心から愛していた。
きっとこの先もずっと、彼女と手を取り合い過ごして行くのだと、そう思っていた。
けれど、ヴィオラは変わってしまった。
『アレン様、……きっと、私が悪いのです。ヴィオラ様は、何も悪くないのです』
腫れた頬を抑え、涙を流す『彼女』。
そんな『彼女』を見て、湧き上がったのは、愛おしさと、「僕が守らなければ」という使命感。
そして、『彼女』にこんな仕打ちをするヴィオラに対する、激しい侮蔑の感情だった。
──何故、僕は『彼女』の言うことを鵜呑みにしたのだろう?
──ヴィオラが、そんなことをするはずがないのに。
今まで1度も考えた事も……思いつくこともなかった疑問が、次々と湧き上がり、足元がふらつく。
何故?何故?何故?
──何故、僕の隣にいるのがヴィオラじゃないんだ!!
机に手をつき、頭を抑える僕に『彼女』が寄り添う。
「アレン様!大丈夫ですか?」と気遣う声は、普段ならとても愛らしいのに、酷く甘ったるく聞こえる。
「………けれど、」と続ける『彼女』へと、視線を投げかけた。
その顔は──
『これで、私ももう、虐められる心配がなくなりますわ!』
醜い、満面の歓喜の嘲いに溢れていた。
***
「……ま、────アレン様!」
「っ!!」
声をかけられ、一気に意識が覚醒する。
はね起きるように体を起こす僕のそばで、小さな悲鳴が聞こえた。
「きゃっ、びっくりしたぁ。……アレン様、大丈夫ですか?」
「────リリィ」
ここは、学園の図書館。
どうやら僕は、居眠りをしてしまったらしい。
揺り起こした僕が突然はね起きたから、驚いたんだろう。
口元に手をやり、目をまんまるくしているリリィに、小さく謝罪をして、汗で濡れた髪をかきあげる。
リリィ・マーガレット。
僕の『次の』婚約者になると、言われている少女。
──ひと月前、僕は、『前の』婚約者との婚約を、……正式に破棄した。
その時はもう、リリィに心を奪われていたから、とても嬉しいはず、だったのに。
何故か、婚約破棄の書類へとサインをする手が、とても震えたのを、よく覚えている。
もう、リリィを正式な婚約者にしてはどうかと父上にも言われていた。
父上も、母上も、紹介したリリィの事をとても気に入っていたから。
けれど、何故か──僕は、それを断り、今も先延ばしにしている。
そして、その頃から──いいや、『あの子』が自死を謀ってから、か。
……あの夢を、よく見るようになっていた。
リリィは、とても可愛い女性だ。
ピンクのサラリとしたストレートの髪は、指通りがよく美しい。
病弱でほとんどを屋敷で過ごしてきたという肌は、まるで雪のように白い。
そんな天使のように愛らしい彼女が、あんな顔で嗤うはずがないのに。
……ただの、夢に決まっている……のに。
「アレン様、今日はご一緒に帰れますか?」
「……ごめんね。王子としての政務があるんだ。今日は先に帰るよ」
……僕は、リリィと、『以前』のように接することが出来なくなっていた。
僕の言葉に、「………そうですか。分かりました。お仕事、頑張ってくださいね」と素直に引き下がるリリィに、ほんの少し後ろ髪を引かれながら、僕は学園を後にした。
リリィからの視線を、ずっと背中に感じながらも、僕は1度も振り返ることをしなかった。
王城の図書館で、貴族の資料を探す。
「マーディ……マーク……、……あった。マーガレット家」
探していたのは、マーガレット家の資料だ。
何となく、僕はリリィの事が気になり、調べていた。
……この胸のざわめきの原因が、何か分かるかもしれないと、そう思って。
ただの夢。
色んなことが起こり、精神が乱れていただけ。
いくらでも言い訳は出来るし、見なかったフリも出来る。
……けれど、僕は、『あの夢』が気になって仕方がなかった。
奥まったテーブルへと着き、少しでも気分が晴れればと、窓を開けた。
ふう、と息を吐いて、開く資料。
彼女に好意を抱き始めた時に、既に一度調べてあるそれは、改めて見たところで、何か変わった事がある訳でもない。
それでも、何となく目を通し続け──僕は、あるひとつのことに気がついた。
「……孤児院を出た子供の行先が、実在しない店になっている……?」
リリィの実家である、マーガレット家はこの国でも有数の慈善事業家として知られている。
孤児院の経営や、貧民の受け入れ保護。
多数の実績があり、そろそろ男爵から子爵へと爵位を上げても良いのでは、という話も上がっている程だ。
孤児院は、13歳までの子供を引き取るのがこの国の通例だ。
それ以上の歳になると、孤児院の職員が地元での働き口を見つけ、生きていけるように手配をする。
もちろん、その年齢に達する前に、どこかの家系に引き取られる事もある。
孤児院の経営をしているものは、必ず『どこの家に引き取られたか』『どこの店に働き口を紹介したか』を国に報告する義務がある。
この資料も、一見おかしな所はない。
──実際に、マーガレット家の領地を訪れたことがなければ、きっと気づかないだろう。
「これは……先月の資料だ。やはり、この地区にこんな店はありはしない」
リリィの家を訪れた時に、領地の案内もして頂いたのだ。
その時、主要な店舗も多数紹介された。
孤児院から子供を働き口として引き取るには、それなりの規模の店でないと経理が回らなくなる。
あの地区に、こんな名前の大きな店は、なかったはずだ。間違いない。
どくりと、心臓が音を立てて跳ねる。
嫌な汗が、背中を伝った。
──もしかして、僕は、とんでもない誤ちを犯しているのではないか……?
その思いが、僕から冷静な思考を奪っていた。
だから、僕は気づかなかった。
「──アレン様、なにを、してらっしゃるの?」
リリィが、僕のすぐ側まで来ていたことに。
その夢の中でも、ヴィオラは隣にいない。
夢の中の僕は、王妃となった『彼女』の隣で幸せそうに笑っている。
当然だ。だって僕は、『彼女』を愛しているのだから。
あいしている『彼女』が隣にいて、僕は毎日がしあわせで。
……最近、よく見る夢がある。
その夢は、そのシアワセは、毎回突然告げられた一言で、崩れ去るんだ。
『ヴィオラが、死んだ……?』
顔を真っ青にした父上からの言葉に、足元が崩れるかのような衝撃が走る。
ヴィオラ。
僕の婚約者だった少女。
とても素敵な女性だと思っていた。心から愛していた。
きっとこの先もずっと、彼女と手を取り合い過ごして行くのだと、そう思っていた。
けれど、ヴィオラは変わってしまった。
『アレン様、……きっと、私が悪いのです。ヴィオラ様は、何も悪くないのです』
腫れた頬を抑え、涙を流す『彼女』。
そんな『彼女』を見て、湧き上がったのは、愛おしさと、「僕が守らなければ」という使命感。
そして、『彼女』にこんな仕打ちをするヴィオラに対する、激しい侮蔑の感情だった。
──何故、僕は『彼女』の言うことを鵜呑みにしたのだろう?
──ヴィオラが、そんなことをするはずがないのに。
今まで1度も考えた事も……思いつくこともなかった疑問が、次々と湧き上がり、足元がふらつく。
何故?何故?何故?
──何故、僕の隣にいるのがヴィオラじゃないんだ!!
机に手をつき、頭を抑える僕に『彼女』が寄り添う。
「アレン様!大丈夫ですか?」と気遣う声は、普段ならとても愛らしいのに、酷く甘ったるく聞こえる。
「………けれど、」と続ける『彼女』へと、視線を投げかけた。
その顔は──
『これで、私ももう、虐められる心配がなくなりますわ!』
醜い、満面の歓喜の嘲いに溢れていた。
***
「……ま、────アレン様!」
「っ!!」
声をかけられ、一気に意識が覚醒する。
はね起きるように体を起こす僕のそばで、小さな悲鳴が聞こえた。
「きゃっ、びっくりしたぁ。……アレン様、大丈夫ですか?」
「────リリィ」
ここは、学園の図書館。
どうやら僕は、居眠りをしてしまったらしい。
揺り起こした僕が突然はね起きたから、驚いたんだろう。
口元に手をやり、目をまんまるくしているリリィに、小さく謝罪をして、汗で濡れた髪をかきあげる。
リリィ・マーガレット。
僕の『次の』婚約者になると、言われている少女。
──ひと月前、僕は、『前の』婚約者との婚約を、……正式に破棄した。
その時はもう、リリィに心を奪われていたから、とても嬉しいはず、だったのに。
何故か、婚約破棄の書類へとサインをする手が、とても震えたのを、よく覚えている。
もう、リリィを正式な婚約者にしてはどうかと父上にも言われていた。
父上も、母上も、紹介したリリィの事をとても気に入っていたから。
けれど、何故か──僕は、それを断り、今も先延ばしにしている。
そして、その頃から──いいや、『あの子』が自死を謀ってから、か。
……あの夢を、よく見るようになっていた。
リリィは、とても可愛い女性だ。
ピンクのサラリとしたストレートの髪は、指通りがよく美しい。
病弱でほとんどを屋敷で過ごしてきたという肌は、まるで雪のように白い。
そんな天使のように愛らしい彼女が、あんな顔で嗤うはずがないのに。
……ただの、夢に決まっている……のに。
「アレン様、今日はご一緒に帰れますか?」
「……ごめんね。王子としての政務があるんだ。今日は先に帰るよ」
……僕は、リリィと、『以前』のように接することが出来なくなっていた。
僕の言葉に、「………そうですか。分かりました。お仕事、頑張ってくださいね」と素直に引き下がるリリィに、ほんの少し後ろ髪を引かれながら、僕は学園を後にした。
リリィからの視線を、ずっと背中に感じながらも、僕は1度も振り返ることをしなかった。
王城の図書館で、貴族の資料を探す。
「マーディ……マーク……、……あった。マーガレット家」
探していたのは、マーガレット家の資料だ。
何となく、僕はリリィの事が気になり、調べていた。
……この胸のざわめきの原因が、何か分かるかもしれないと、そう思って。
ただの夢。
色んなことが起こり、精神が乱れていただけ。
いくらでも言い訳は出来るし、見なかったフリも出来る。
……けれど、僕は、『あの夢』が気になって仕方がなかった。
奥まったテーブルへと着き、少しでも気分が晴れればと、窓を開けた。
ふう、と息を吐いて、開く資料。
彼女に好意を抱き始めた時に、既に一度調べてあるそれは、改めて見たところで、何か変わった事がある訳でもない。
それでも、何となく目を通し続け──僕は、あるひとつのことに気がついた。
「……孤児院を出た子供の行先が、実在しない店になっている……?」
リリィの実家である、マーガレット家はこの国でも有数の慈善事業家として知られている。
孤児院の経営や、貧民の受け入れ保護。
多数の実績があり、そろそろ男爵から子爵へと爵位を上げても良いのでは、という話も上がっている程だ。
孤児院は、13歳までの子供を引き取るのがこの国の通例だ。
それ以上の歳になると、孤児院の職員が地元での働き口を見つけ、生きていけるように手配をする。
もちろん、その年齢に達する前に、どこかの家系に引き取られる事もある。
孤児院の経営をしているものは、必ず『どこの家に引き取られたか』『どこの店に働き口を紹介したか』を国に報告する義務がある。
この資料も、一見おかしな所はない。
──実際に、マーガレット家の領地を訪れたことがなければ、きっと気づかないだろう。
「これは……先月の資料だ。やはり、この地区にこんな店はありはしない」
リリィの家を訪れた時に、領地の案内もして頂いたのだ。
その時、主要な店舗も多数紹介された。
孤児院から子供を働き口として引き取るには、それなりの規模の店でないと経理が回らなくなる。
あの地区に、こんな名前の大きな店は、なかったはずだ。間違いない。
どくりと、心臓が音を立てて跳ねる。
嫌な汗が、背中を伝った。
──もしかして、僕は、とんでもない誤ちを犯しているのではないか……?
その思いが、僕から冷静な思考を奪っていた。
だから、僕は気づかなかった。
「──アレン様、なにを、してらっしゃるの?」
リリィが、僕のすぐ側まで来ていたことに。
35
お気に入りに追加
2,996
あなたにおすすめの小説
(完結)お姉様を選んだことを今更後悔しても遅いです!
青空一夏
恋愛
私はブロッサム・ビアス。ビアス候爵家の次女で、私の婚約者はフロイド・ターナー伯爵令息だった。結婚式を一ヶ月後に控え、私は仕上がってきたドレスをお父様達に見せていた。
すると、お母様達は思いがけない言葉を口にする。
「まぁ、素敵! そのドレスはお腹周りをカバーできて良いわね。コーデリアにぴったりよ」
「まだ、コーデリアのお腹は目立たないが、それなら大丈夫だろう」
なぜ、お姉様の名前がでてくるの?
なんと、お姉様は私の婚約者の子供を妊娠していると言い出して、フロイドは私に婚約破棄をつきつけたのだった。
※タグの追加や変更あるかもしれません。
※因果応報的ざまぁのはず。
※作者独自の世界のゆるふわ設定。
※過去作のリメイク版です。過去作品は非公開にしました。
※表紙は作者作成AIイラスト。ブロッサムのイメージイラストです。
今日も旦那は愛人に尽くしている~なら私もいいわよね?~
コトミ
恋愛
結婚した夫には愛人がいた。辺境伯の令嬢であったビオラには男兄弟がおらず、子爵家のカールを婿として屋敷に向かい入れた。半年の間は良かったが、それから事態は急速に悪化していく。伯爵であり、領地も統治している夫に平民の愛人がいて、屋敷の隣にその愛人のための別棟まで作って愛人に尽くす。こんなことを我慢できる夫人は私以外に何人いるのかしら。そんな考えを巡らせながら、ビオラは毎日夫の代わりに領地の仕事をこなしていた。毎晩夫のカールは愛人の元へ通っている。その間ビオラは休む暇なく仕事をこなした。ビオラがカールに反論してもカールは「君も愛人を作ればいいじゃないか」の一点張り。我慢の限界になったビオラはずっと大切にしてきた屋敷を飛び出した。
そしてその飛び出した先で出会った人とは?
(できる限り毎日投稿を頑張ります。誤字脱字、世界観、ストーリー構成、などなどはゆるゆるです)
hotランキング1位入りしました。ありがとうございます
見捨てられた逆行令嬢は幸せを掴みたい
水空 葵
恋愛
一生大切にすると、次期伯爵のオズワルド様に誓われたはずだった。
それなのに、私が懐妊してからの彼は愛人のリリア様だけを守っている。
リリア様にプレゼントをする余裕はあっても、私は食事さえ満足に食べられない。
そんな状況で弱っていた私は、出産に耐えられなくて死んだ……みたい。
でも、次に目を覚ました時。
どういうわけか結婚する前に巻き戻っていた。
二度目の人生。
今度は苦しんで死にたくないから、オズワルド様との婚約は解消することに決めた。それと、彼には私の苦しみをプレゼントすることにしました。
一度婚約破棄したら良縁なんて望めないから、一人で生きていくことに決めているから、醜聞なんて気にしない。
そう決めて行動したせいで良くない噂が流れたのに、どうして次期侯爵様からの縁談が届いたのでしょうか?
※カクヨム様と小説家になろう様でも連載中・連載予定です。
7/23 女性向けHOTランキング1位になりました。ありがとうございますm(__)m
決めたのはあなたでしょう?
みおな
恋愛
ずっと好きだった人がいた。
だけど、その人は私の気持ちに応えてくれなかった。
どれだけ求めても手に入らないなら、とやっと全てを捨てる決心がつきました。
なのに、今さら好きなのは私だと?
捨てたのはあなたでしょう。
裏切りの先にあるもの
マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。
結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
どうぞご勝手になさってくださいまし
志波 連
恋愛
政略結婚とはいえ12歳の時から婚約関係にあるローレンティア王国皇太子アマデウスと、ルルーシア・メリディアン侯爵令嬢の仲はいたって上手くいっていた。
辛い教育にもよく耐え、あまり学園にも通学できないルルーシアだったが、幼馴染で親友の侯爵令嬢アリア・ロックスの励まされながら、なんとか最終学年を迎えた。
やっと皇太子妃教育にも目途が立ち、学園に通えるようになったある日、婚約者であるアマデウス皇太子とフロレンシア伯爵家の次女であるサマンサが恋仲であるという噂を耳にする。
アリアに付き添ってもらい、学園の裏庭に向かったルルーシアは二人が仲よくベンチに腰掛け、肩を寄せ合って一冊の本を仲よく見ている姿を目撃する。
風が運んできた「じゃあ今夜、いつものところで」という二人の会話にショックを受けたルルーシアは、早退して父親に訴えた。
しかし元々が政略結婚であるため、婚約の取り消しはできないという言葉に絶望する。
ルルーシアの邸を訪れた皇太子はサマンサを側妃として迎えると告げた。
ショックを受けたルルーシアだったが、家のために耐えることを決意し、皇太子妃となることを受け入れる。
ルルーシアだけを愛しているが、友人であるサマンサを助けたいアマデウスと、アマデウスに愛されていないと思い込んでいるルルーシアは盛大にすれ違っていく。
果たして不器用な二人に幸せな未来は訪れるのだろうか……
他サイトでも公開しています。
R15は保険です。
表紙は写真ACより転載しています。
【完結済】完全無欠の公爵令嬢、全てを捨てて自由に生きます!~……のはずだったのに、なぜだか第二王子が追いかけてくるんですけどっ!!〜
鳴宮野々花@初書籍発売中【二度婚約破棄】
恋愛
「愛しているよ、エルシー…。たとえ正式な夫婦になれなくても、僕の心は君だけのものだ」「ああ、アンドリュー様…」
王宮で行われていた晩餐会の真っ最中、公爵令嬢のメレディアは衝撃的な光景を目にする。婚約者であるアンドリュー王太子と男爵令嬢エルシーがひしと抱き合い、愛を語り合っていたのだ。心がポキリと折れる音がした。長年の過酷な淑女教育に王太子妃教育…。全てが馬鹿げているように思えた。
嘆く心に蓋をして、それでもアンドリューに嫁ぐ覚悟を決めていたメレディア。だがあらぬ嫌疑をかけられ、ある日公衆の面前でアンドリューから婚約解消を言い渡される。
深く傷付き落ち込むメレディア。でもついに、
「もういいわ!せっかくだからこれからは自由に生きてやる!」
と吹っ切り、これまでずっと我慢してきた様々なことを楽しもうとするメレディア。ところがそんなメレディアに、アンドリューの弟である第二王子のトラヴィスが急接近してきて……?!
※作者独自の架空の世界の物語です。相変わらずいろいろな設定が緩いですので、どうぞ広い心でお読みくださいませ。
※この作品はカクヨムさんにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる