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第二幕
39 スカイ・ブリーチング◇
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イムラーナとは違う、魔力の輝きを放つ魔導列車は、暗闇の中、真っ直ぐに私達を目的地まで運び続ける。
窓の外は何も見えなかった。
「……オード…これで……やっと…帝国……出れる?」
「ああ、後は風車塔につけば、中からイムラーナですぐに上に登れるさ。そうすれば帝国からひとっ飛びだ。まあ、検問は無理やり通るしか無いが……オルキヌスの速さなら何も出来ないだろう」
「外出たら…空でも…運転…私が…しても…いい?」
「いいとも、元々マナ様が行きたい場所へ行く旅だ。帝国から先は自由に行こう。俺達を縛る枷は外には無いんだ」
「やった!じゃあ…前の曲芸?私も…やる!」
「曲芸ってあれか……アバランシュのことか……」
「アバランシュ?」
「俺がやった曲芸の名前だ。外から見るとまあ、面白い形になるんだが……まあ、今度教える」
「ふふ、よろしくね」
そして、魔導列車は道筋は滞りなく運び、私達は漸く風車塔に辿り着いた。
地下で内部だから、遥か先の点みたいな光しか見えないし、壁で囲まれてるから全然実感無いけれど、これが帝国からの脱出経路の終着点。
何処からか吹いているのか分からないけれど、風車塔の中は風が吹いていた。
そして、イムラーナの飛沫の輝きが壁を伝って空へ登っている。
「お願い、オルキヌス」
「◾︎◾︎◾︎◾︎!」
唸りを上げ、オルキヌスはシャチの形へと変わり、イムラーナの光を弾きながらほんの少し浮かぶ。
錆び付いた魔導具がそのままだったけれど、そのまま変形出来るらしい。
……中身はどうなってるんだろう?
「よし、大丈夫みたいだ。来てくれ!マナ様!」
オルキヌスを整備していたオードが顔を出す。
「うん!」
オードが私の手を引き、オルキヌスの中へ。
「行くぞ、全速前進だ!」
「出発──!」
オルキヌスは真上に向かって、跳ねるように泳ぎ始めた。
凄まじい速度で遥か先の光を目指し、飛ぶオルキヌス。
あの日、真っ白な雲の中を抜けた日を思い出す。
何もない天空を見たあの景色を。
私は、もう一度それを期待した。
何一つ遮るモノのない蒼空を。
「もうすぐ外に出るぞ!」
「うん!」
そして、私達は暗闇から光の中へ飛び出す。
海の生き物が"ブリーチング"するように……水から飛び出す時のように、オルキヌスは翔んだ。
そして──。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「な……なんで……?」
私達を待っていたのは、いつか見た6体の機海獣。マッコウクジラ、シロイルカ、イッカク、オタリア、シロナガスクジラ、巨大な海蛇に四方を囲まれた空。
足元の風車塔は歪な珊瑚に覆われ、下に見える街はまるで珊瑚礁のような姿だった。
そして。
「……白いオルキヌス……?」
真っ白な装甲のシャチのような機海獣。
オルキヌスの白い部分が赤黒くなったような色合いの機体。
「──随分と待たされましたの、お久しぶりですの、アホのお姉様」
その機体から聞こえたのは、アンナの声だった。
「あ、アンナ……?どういう事?」
「どういう事も何もありませんの、私は、帝国を崩壊させた魔術を放った者を捕縛に来たんですの」
「……崩壊?」
「あら?見ませんでしたの?あの亡者どもを」
「それは、お兄様達が!」
「あれが発動したのは宮殿ですの、あの場にいなかった他のお兄様達には出来ませんの……つまり、犯人は──」
「アンナ…違う!」
「──そこのオードですの」
「えっ──?オード?」
思わずオードを見る。
「言いがかりだな」
「オード…は…魔術…使えない!」
「へぇ?じゃあいいんですの?正義の味方さん?大事なお姫様が犯人になりますの」
「何を言っている!魔術を放ったのはお前らだろう!」
「誰が自分の国家が危うくなるようなことをするんですの?馬鹿馬鹿しい」
「"直情的な馬鹿なら"やりかねないんじゃないのか?」
「ああ、三番兄様も今回の事故で亡くなってしまいましたの、その点ばかりは残念でなりませんの、ま、本人は一度でも玉座に座れて幸せですの」
「ハインリヒ……殺した?」
「殺したんじゃなくて、死んだんですの。厳密に言えば生きてもないし、死んでもないですの」
「何…言ってるの?」
「何って、そりゃあ、三番兄様もアホのお姉様の同類になったんですの」
「同類……?」
「同類、つまり、お姉様のように人ならざる者。そうですの──"フカミル"とかって言いましたの?あれですの」
「……な、なんて……言った?」
「聞き取れませんでしたの?お兄様もお姉様同じ化け物になったんですの。厄災を齎す化け物の眷属に……お姉様、貴方の眷属に、ですの」
私は、アンナが何を言っているのか、言葉は理解できているのに、分からなかった。
……わかりたく無かった。
何が起きているのかは、薄々勘付いてはいたから。
「いいですの?お姉様が全ての元凶ですの。10年前の疫病も、お父様が病に倒れたのも、そしてお兄様がああなり、帝国の殆どが今や亡者や化け物で溢れかえっているのも」
「なんで……私……何も…してない!」
「何もしてなくても、"存在しているだけ"で"現実"を歪める存在がお姉様ですの、いわば生まれた事そのものが罪ですの」
「え……?」
「何故、お父様がお姉様を薬漬けにしていたのか、ご存知無かったんですの?」
「そんなの……知らない!」
「それは、お姉様が起きていると、世界が変異していく……いわば、勝手に魔術が発動するからですの。だから正気を奪っておく必要があったんですの、目覚めさせない為に」
「……うそ……」
「嘘ではありませんの、現に帝国はめちゃくちゃになりましたの、それもこれも。どっかの正義の味方気取りが、勝手な事をしたから。そして、安易にそれに従って逃げ出したからですの」
「第二王女……何を言うんだ、俺達が何をしたって言うんだ!」
「元七元徳、《頌詩曲》お前に何か言えるとお思いですの?陛下が殺されるのを知っていて、見殺しにした癖に……」
「へ………?オード……?」
「………」
「ねぇ!オード!答えて!答えてよ!本当なの!?オード!」
「……言い訳は出来ない」
「──っ」
私の中で、何かが砕けてしまったような気がした。
「あーあー可哀想ですの!肉親は皆消え!唯一信じた男は最初から嘘をついていた!いやぁ、こんな絶望的な事って他にありませんの!」
「嘘、そんなの……嘘だ」
「さあ、帝国を破滅に導いた裏切り者の騎士オード!こちらに来ますの!さもなくばそのオンボロごと、総力で撃墜しますの!」
白いオルキヌスの背中から出てきた真っ赤な髪のアンナが手を差し出す。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「……マナ様、運転は出来るな」
オードは静かに話し始めた。
「オード……?何を言ってるの?」
「海は、ここから南に真っ直ぐ飛べばいい。検問は突っ切れ。イムラーナは帝国の外なら自由に流れている。飛べなくなることは、そうそうない」
彼は私の話を聞いているようで、聞いていなかった。
「ちょっと。ね、ねぇ!何言ってるのオード!私を連れて行くんでしょう!お願いだから!」
「マナ様。マナ様は一人でも立って歩ける……そうだろう?」
思わず、オードの裾に縋り付く。
「私を……私を置いて行かないで!」
「いいや、マナ様。マナ様が俺をここに置いて行くんだ」
「私をここから連れ出すのは、貴方にしか出来ないの!わかるでしょう!?」
「出来るさ、そのための翼を君は持っている。──必ず、また後で、だ」
「それも嘘?ねぇ、嘘でしょう!?ねぇ!オード!分からないと思うの!?そんなの私でもわかるよ!そんな約束──!」
「言っただろ、俺は」
オードは私の手の甲にキスをした。
「え…」
一瞬、気が緩んでオードを掴んでいられなくなる。
「……"出来ない約束はしない"」
オルキヌスのハッチが開き、風が吹き込む。
「じゃあな……マナ様……楽しかったよ」
その一瞬でオードは外に出て、ハッチは閉ざされ。
「──オルキヌス!後は頼んだぞ!」
「◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎!!」
オードの声に応えたオルキヌスは全速力で発進した。
「オードぉぉぉぉぉ!」
一瞬だった。アンナの元へ飛び移るオードの姿が見えたのは。
六体の機海獣も、あっという間に見えなくなり、オルキヌスは高高度を飛ばして行った。
……私はただ、呆然と座席に捕まっている事しか出来なかった。
できない約束、その言葉だけが、私の頭に残った。
窓の外は何も見えなかった。
「……オード…これで……やっと…帝国……出れる?」
「ああ、後は風車塔につけば、中からイムラーナですぐに上に登れるさ。そうすれば帝国からひとっ飛びだ。まあ、検問は無理やり通るしか無いが……オルキヌスの速さなら何も出来ないだろう」
「外出たら…空でも…運転…私が…しても…いい?」
「いいとも、元々マナ様が行きたい場所へ行く旅だ。帝国から先は自由に行こう。俺達を縛る枷は外には無いんだ」
「やった!じゃあ…前の曲芸?私も…やる!」
「曲芸ってあれか……アバランシュのことか……」
「アバランシュ?」
「俺がやった曲芸の名前だ。外から見るとまあ、面白い形になるんだが……まあ、今度教える」
「ふふ、よろしくね」
そして、魔導列車は道筋は滞りなく運び、私達は漸く風車塔に辿り着いた。
地下で内部だから、遥か先の点みたいな光しか見えないし、壁で囲まれてるから全然実感無いけれど、これが帝国からの脱出経路の終着点。
何処からか吹いているのか分からないけれど、風車塔の中は風が吹いていた。
そして、イムラーナの飛沫の輝きが壁を伝って空へ登っている。
「お願い、オルキヌス」
「◾︎◾︎◾︎◾︎!」
唸りを上げ、オルキヌスはシャチの形へと変わり、イムラーナの光を弾きながらほんの少し浮かぶ。
錆び付いた魔導具がそのままだったけれど、そのまま変形出来るらしい。
……中身はどうなってるんだろう?
「よし、大丈夫みたいだ。来てくれ!マナ様!」
オルキヌスを整備していたオードが顔を出す。
「うん!」
オードが私の手を引き、オルキヌスの中へ。
「行くぞ、全速前進だ!」
「出発──!」
オルキヌスは真上に向かって、跳ねるように泳ぎ始めた。
凄まじい速度で遥か先の光を目指し、飛ぶオルキヌス。
あの日、真っ白な雲の中を抜けた日を思い出す。
何もない天空を見たあの景色を。
私は、もう一度それを期待した。
何一つ遮るモノのない蒼空を。
「もうすぐ外に出るぞ!」
「うん!」
そして、私達は暗闇から光の中へ飛び出す。
海の生き物が"ブリーチング"するように……水から飛び出す時のように、オルキヌスは翔んだ。
そして──。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「な……なんで……?」
私達を待っていたのは、いつか見た6体の機海獣。マッコウクジラ、シロイルカ、イッカク、オタリア、シロナガスクジラ、巨大な海蛇に四方を囲まれた空。
足元の風車塔は歪な珊瑚に覆われ、下に見える街はまるで珊瑚礁のような姿だった。
そして。
「……白いオルキヌス……?」
真っ白な装甲のシャチのような機海獣。
オルキヌスの白い部分が赤黒くなったような色合いの機体。
「──随分と待たされましたの、お久しぶりですの、アホのお姉様」
その機体から聞こえたのは、アンナの声だった。
「あ、アンナ……?どういう事?」
「どういう事も何もありませんの、私は、帝国を崩壊させた魔術を放った者を捕縛に来たんですの」
「……崩壊?」
「あら?見ませんでしたの?あの亡者どもを」
「それは、お兄様達が!」
「あれが発動したのは宮殿ですの、あの場にいなかった他のお兄様達には出来ませんの……つまり、犯人は──」
「アンナ…違う!」
「──そこのオードですの」
「えっ──?オード?」
思わずオードを見る。
「言いがかりだな」
「オード…は…魔術…使えない!」
「へぇ?じゃあいいんですの?正義の味方さん?大事なお姫様が犯人になりますの」
「何を言っている!魔術を放ったのはお前らだろう!」
「誰が自分の国家が危うくなるようなことをするんですの?馬鹿馬鹿しい」
「"直情的な馬鹿なら"やりかねないんじゃないのか?」
「ああ、三番兄様も今回の事故で亡くなってしまいましたの、その点ばかりは残念でなりませんの、ま、本人は一度でも玉座に座れて幸せですの」
「ハインリヒ……殺した?」
「殺したんじゃなくて、死んだんですの。厳密に言えば生きてもないし、死んでもないですの」
「何…言ってるの?」
「何って、そりゃあ、三番兄様もアホのお姉様の同類になったんですの」
「同類……?」
「同類、つまり、お姉様のように人ならざる者。そうですの──"フカミル"とかって言いましたの?あれですの」
「……な、なんて……言った?」
「聞き取れませんでしたの?お兄様もお姉様同じ化け物になったんですの。厄災を齎す化け物の眷属に……お姉様、貴方の眷属に、ですの」
私は、アンナが何を言っているのか、言葉は理解できているのに、分からなかった。
……わかりたく無かった。
何が起きているのかは、薄々勘付いてはいたから。
「いいですの?お姉様が全ての元凶ですの。10年前の疫病も、お父様が病に倒れたのも、そしてお兄様がああなり、帝国の殆どが今や亡者や化け物で溢れかえっているのも」
「なんで……私……何も…してない!」
「何もしてなくても、"存在しているだけ"で"現実"を歪める存在がお姉様ですの、いわば生まれた事そのものが罪ですの」
「え……?」
「何故、お父様がお姉様を薬漬けにしていたのか、ご存知無かったんですの?」
「そんなの……知らない!」
「それは、お姉様が起きていると、世界が変異していく……いわば、勝手に魔術が発動するからですの。だから正気を奪っておく必要があったんですの、目覚めさせない為に」
「……うそ……」
「嘘ではありませんの、現に帝国はめちゃくちゃになりましたの、それもこれも。どっかの正義の味方気取りが、勝手な事をしたから。そして、安易にそれに従って逃げ出したからですの」
「第二王女……何を言うんだ、俺達が何をしたって言うんだ!」
「元七元徳、《頌詩曲》お前に何か言えるとお思いですの?陛下が殺されるのを知っていて、見殺しにした癖に……」
「へ………?オード……?」
「………」
「ねぇ!オード!答えて!答えてよ!本当なの!?オード!」
「……言い訳は出来ない」
「──っ」
私の中で、何かが砕けてしまったような気がした。
「あーあー可哀想ですの!肉親は皆消え!唯一信じた男は最初から嘘をついていた!いやぁ、こんな絶望的な事って他にありませんの!」
「嘘、そんなの……嘘だ」
「さあ、帝国を破滅に導いた裏切り者の騎士オード!こちらに来ますの!さもなくばそのオンボロごと、総力で撃墜しますの!」
白いオルキヌスの背中から出てきた真っ赤な髪のアンナが手を差し出す。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「……マナ様、運転は出来るな」
オードは静かに話し始めた。
「オード……?何を言ってるの?」
「海は、ここから南に真っ直ぐ飛べばいい。検問は突っ切れ。イムラーナは帝国の外なら自由に流れている。飛べなくなることは、そうそうない」
彼は私の話を聞いているようで、聞いていなかった。
「ちょっと。ね、ねぇ!何言ってるのオード!私を連れて行くんでしょう!お願いだから!」
「マナ様。マナ様は一人でも立って歩ける……そうだろう?」
思わず、オードの裾に縋り付く。
「私を……私を置いて行かないで!」
「いいや、マナ様。マナ様が俺をここに置いて行くんだ」
「私をここから連れ出すのは、貴方にしか出来ないの!わかるでしょう!?」
「出来るさ、そのための翼を君は持っている。──必ず、また後で、だ」
「それも嘘?ねぇ、嘘でしょう!?ねぇ!オード!分からないと思うの!?そんなの私でもわかるよ!そんな約束──!」
「言っただろ、俺は」
オードは私の手の甲にキスをした。
「え…」
一瞬、気が緩んでオードを掴んでいられなくなる。
「……"出来ない約束はしない"」
オルキヌスのハッチが開き、風が吹き込む。
「じゃあな……マナ様……楽しかったよ」
その一瞬でオードは外に出て、ハッチは閉ざされ。
「──オルキヌス!後は頼んだぞ!」
「◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎!!」
オードの声に応えたオルキヌスは全速力で発進した。
「オードぉぉぉぉぉ!」
一瞬だった。アンナの元へ飛び移るオードの姿が見えたのは。
六体の機海獣も、あっという間に見えなくなり、オルキヌスは高高度を飛ばして行った。
……私はただ、呆然と座席に捕まっている事しか出来なかった。
できない約束、その言葉だけが、私の頭に残った。
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