ちゅうぶらりんのさくらんぼ

彼の本性

「奏太くんってさー、今何してるの？」
「ん、仕事？」
「うん。」
「普通にパソコンかちゃかちゃしてるだけだよ、クソたるい毎日（笑）」
「そうなんだ（笑）」

「ナオは？」
「私は大学三年だよ。」
「じゃあ、遊びたい放題じゃん（笑）さてはいろいろやってんな？」
「それ、どうゆう意味？（笑）私は真面目ちゃんだよ！」
「いや、本当に真面目な奴は自分で真面目なんて言わないから。」
「そんなことない。」
「はいはい。」


そう言って私の髪をくしゃくしゃとなで回す奏太くん。
男の人にそんなことをされるのは慣れていなくてとっさに払いのけてしまった。


「っちょ、何？！」
「あれ、こうゆうの慣れてない？」
「ち、違う…。」
「反応可愛すぎじゃね？」
「うるさい。」

「じゃあ、これは？」
「…やっめ…！」


いきなり奏太くんに抱きしめられた。
普通に近所だし、誰か知ってる人が通ったらどうしようかとか
知らない人でも見られたら恥ずかしいとか
そんなことを言いながら必死に抵抗する私。


「ちょっと、やめてよ！恥ずかしいじゃん！」
「…恥ずかしいって、嫌ではないんだ（笑）」
「え…。」

「じゃあ、こっち行こ。」


そう言って腕を引っ張って連れていかれたのは近くの公民館。
地元の子どもなら一回は遊んだことがある小さな公園も併設されており、
そこにあるベンチにちょこんと座らされた。